最終更新日:2024-09-26
社内からの質問や問い合わせが多く、対応に課題を持っているバックオフィス部門や情報システム部門の方へ。社内問い合わせ業務の効率化の手法や業務負荷軽減に役立つツールについてご紹介します。
社内問い合わせ業務とは、人事・総務・経理・システムなど様々な部署に社員から寄せられる問い合わせへの対応業務を指します。
勤怠や業務についての質問や申請、社内で使用しているツールの使い方やトラブル解決の要望など、問い合わせ内容の対象は幅広いです。
たとえば、人事部門では、住居の引越しに伴う住所変更や給与振り込み口座の変更、各種休暇の届け出についてなどの問い合わせが挙げられます。社内情報システム部門であれば、社内システムへのログイン方法や操作方法、貸出端末の利用方法などの問い合わせが考えられます。最近はDXの浸透により、ITツールに関してシステム部門への問い合わせが増える傾向にあるようです。
主に次の2つの課題が存在します。
社内問い合わせ業務を効率化するには、企業規模と担当人員のバランスが重要です。問い合わせ数が限られる場合は少人数でも十分対応できますが、企業規模が大きくなるほど問い合わせ数も比例して増大するため担当人員の確保が必要になってきます。また、従業員の経験・スキルにも差が出てくることから「特定の担当者でないと解決できない」といった業務の属人化も課題になってきます。
それらを改善するためには、まずマニュアル作成やFAQツールの設置などを通して自己解決を促し、問い合わせ数を削減していくのが重要です。もちろん、どうしても有人対応が求められるケースや高度な専門知識を必要とするケースもあります。その場合も、マニュアル作成やFAQツールを上手く使ってナレッジを蓄積・共有することで、経験が浅い従業員でも答えられるようにするなど、業務に偏りが出ないような工夫を心がけましょう。
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社内問い合わせに対応する方法として、社内ポータルや社内Wikiなどでマニュアルを閲覧しやすくする手もあります。ただし、うまく該当箇所にたどり着けない、各所に情報が散在していて探しにくいということも起こります。
このような場合、以下の5つの方法を採り入れるとより業務効率の向上につながりやすいです。
(1)問い合わせ方法の周知 | 問い合わせのチャネルを一本化し、担当部署や担当者へ直接問い合わせできるようにする。 |
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(2)社内FAQ/社内チャットボットによる自己解決の促進 | よくある質問と回答をFAQシステムやチャットボットに登録し、自動応答できるようにすることで、有人対応の必要性を減らす。 |
(3)マニュアル作成・共有の促進 | ツールの使い方や申請方法などをマニュアル化し、共有することで、問い合わせ対応の効率化を図る。 |
(4)問い合わせ管理による分担や抜け漏れの防止 | 問い合わせの内容に応じた担当者への振り分けや、問い合わせステータスの管理を行うことで、対応の偏りや抜けもれを防ぐ。 |
(5)返信テンプレートの活用 | よくある質問への回答をテンプレート化しておくことで、対応の負担を軽減する。 |
それぞれ詳しく解説します。
社内問い合わせ業務を効率化するには、問い合わせに関するルールの周知や窓口の設定が重要です。電話やメール、ビジネスチャット、口頭など問い合わせのチャネルが混在して、一本化されていないと、担当部署や担当者への振り分け・仲介作業が発生してしまいます。負担をかけないためにも、担当部署や担当者へ直接問い合わせできる導線を作ることが重要です。
また、社内向けFAQやチャットボットなど、人を介さない手段で解決方法を探せる体制を作るのも効率化に役立ちます。「自己解決できない場合のみ、窓口へ問い合わせる」というフローにしてみると、有人対応が必要な業務のみに集中できるでしょう。
ルールやフローを定めたら、全社員が同じように動くことができるよう、周知を徹底することも必要です。
問い合わせの中で頻度の高い内容は、よくある質問と回答を用意してFAQシステムやチャットボットで自動的に回答できるようにするとよいでしょう。
FAQシステムやチャットボットの中には、社内問い合わせ向けに特化したサービスがあります。質問や回答のテンプレートが用意されていたり、検索精度の向上のために用語が登録されていたりするので便利です。問い合わせの多くを自動で対応できるようになれば、有人対応が必要な問い合わせの数自体を削減することができます。
ツールの使い方や、申請方法・処理方法といった手順を詳しく記載する場合、マニュアルを用意しておくと効果的です。ただし、マニュアルをWordなどでいちから作成しようとすると手間も時間もかかってしまいます。効率化を優先させる場合には、マニュアル作成ツールを準備しておくことが有効です。
マニュアル作成ツールは、業務手順や操作手順を簡単に作成できます。問い合わせがあった場合、解決方法が記載されている場所を共有することで対応できるため、対応時間の短縮にもつながります。社内ナレッジの共有や蓄積に強みのあるツールも多く、社員はどこを見れば良いか明確になります。
問い合わせの内容によって特定の人に対応が集中しないように、問い合わせの管理や分担の割り当てをしておくとよいでしょう。対応の抜け・漏れがないようにするためには、受けている問い合わせのステータスを管理し、担当部署で共有できる状態を構築しておく必要があります。
そのためには、問い合わせのステータス管理が可能な、問い合わせ管理システムの利用が有効といえます。問い合わせ管理システムでは、複数経路の問い合わせについても一元管理できるようになり、誰にどんな案件を振り分けるか自動化・効率化できることが大きなメリットです。
寄せられる問い合わせで似たような内容が多い場合や、回答方法が似たものになる場合は、返信用のテンプレートを用意しておくことで負担軽減となります。問い合わせ対応用のFAQやマニュアルが用意されていれば、問い合わせの対応する側でFAQを検索、それを見ながら回答するという形が取れます。
社内マニュアルなどが整備されている場合であれば、返信テンプレートの中に該当する項目のURLなどを記載できるようにしておけば、対応のスピードをあげることができるでしょう。
社内問い合わせ対応を効率化する5つの方法がある中で、どれも一気に導入していくことは現実的には難しいといえます。まずは何から始めればいいのでしょうか。
おすすめは、「(1)問い合わせ方法の周知」と「(2)社内FAQ/社内チャットボットによる自己解決の促進」から着手していくことです。問い合わせ方法の周知と自己解決の促進については、「問い合わせ自体を効率的に減らせる」「問い合わせの内容や割合を把握できる」といった効果があります。
よくある質問に対して回答を用意し、個別に問い合わせをする前に質問者に検索してもらうことができれば、問い合わせの対応数をある程度減らすことができます。更に、その際、問い合わせ内容が解決できなくても、FAQシステムやチャットボットで検索ワードや参照履歴などのログをとれば、どんな質問があり、どれくらいの数を解決できたのか定量的に把握することが可能です。
そこから質問が多いが解決が難しいものを抽出して、それに対する回答を用意したりマニュアルを作成したりするといった対応ができるようになります。マニュアルやFAQを先行させて形だけ整えようとすると、用意された内容についてのニーズがなく、見る必要性のないものになってしまう可能性があります。
作っても読まれないものを作成することは仕事の無駄になってしまうので、必要性の高いものから作り、徐々に書き足していく方が効率的です。
FAQやマニュアルを用意し、運用をスタートしてから、問い合わせの効率化が実現できるまでには時間がかかります。運用を開始してからは前述のFAQやマニュアルを徐々に追加していくことになりますが、それ以外に効率化実現のためにできることは以下のものがあります。
FAQやマニュアルを整えても、「探しても見つからない」という理由で簡単に問い合わせをしてしまう人もいます。どこまでは探せていたのかを確認して、次回からは自分自身で回答を見つけてもらえるように促す必要があります。問い合わせる側が自分で探すことをあきらめてしまわないように、ルールを周知していくことが重要です。
FAQやチャットボットで検索しても、「欲しい回答にたどり着けない」というケースは、どうしても一定数生じてしまいます。まずは、FAQなどの内容が、問い合わせ側の欲しい情報と合致しているのかどうかを精査し、必要に応じて修正するようにしましょう。
また、検索精度が上がるように、FAQのタイトルや本文を調整し、質問者が検索する際に使用するキーワードから欲しい回答にたどり着きやすくするといった工夫も重要です。検索の頻度や問題解決の度合いを集計・分析し、「FAQやチャットボットを使えば問題が解決する」と思ってもらえるよう、日々チューイングを行うと良いでしょう。
FAQ・チャットボット・マニュアル・社内ポータルなど、回答内容が様々な場所に分散されてしまうと、いざ困ったときにどこを参照すればいいのかわからなくなってしまいます。
これを防止するためには、FAQ上で関連するマニュアルのURLを必ず付記するといった工夫やルール作りが必要です。また、メールやチャットで回答する際には、オリジナルの文章をできるだけ減らし、回答が記載されているFAQのURLを送るようにするなど、既に作成したコンテンツを活用することを意識しましょう。回答する側の手間の削減にもつながります。
回答内容を作りっぱなしにせず、常に参照して利用できる状況を構築・維持していくことで、FAQなどのコンテンツの風化を防ぐことができます。
FAQ、チャットボット、問い合わせ管理など、問い合わせ対応業務に必要なものがすべて搭載されているタイプです。こちらのタイプを導入すれば必要な機能はほぼ網羅できるといえるでしょう。
(出所:Zendesk公式Webサイト)
国内でも大企業からスタートアップまで多数の導入実績を誇るアメリカ企業の問い合わせ管理システム。電話やメール、チャットなどの問い合わせを一元管理し、対応を「チケット」という概念で管理。問い合わせメールに対し、テンプレートを適用するマクロ機能、問い合わせメールへの自動返信や担当者の割当などを自由に設定できるトリガ機能を備えている。
(出所:Freshdesk公式Webサイト)
同一画面で、メール、電話、チャット、SNSなどすべてのチャンネルの問い合わせを一元管理可能。チケットすべてに自動で優先順位を適用し、チーム内にチケットが適切に分散されるよう業務量を自動管理可能。 自己解決を促すナレッジベース(FAQ)、ユーザー同士が質問をしあえるフォラーム・コミュニティといった、問い合わせ対応の効率化に役立つ仕組みも一緒に構築できる。
(出所:Service Cloud公式Webサイト)
問い合わせやインシデントにスムーズに対応する、セールスフォース・ジャパンの問い合わせ管理システム。電話やメール、メッセージアプリやビデオチャット、SNSなど、様々な方法で問い合わせ情報を一元管理。問い合わせ内容やインシデントの内容、顧客データなどを、担当するチームやサービスオペレーションチームで共有できる機能も搭載。更に、過去の問い合わせやインシデントの解決方法をFAQとして活用することで、自己解決に導くことも可能。社内での問い合わせを削減し、効率的なサービス提供を実現する。
(出所:Tayori公式Webサイト)
専門知識不要で、フォーム、FAQ、チャット、アンケートの作成・利用ができるカスタマーサポートツール。問い合わせの進捗管理や担当者の割り振りはもちろん、FAQ機能を使ったナレッジベースの構築など、社内ヘルプデスクとしても活用可能。リスト形式の受信箱によるメッセージ管理で、見落としや対応漏れを防ぐ。
FAQは、ドラッグ&ドロップの簡単操作で誰でも気づいた時に素早く更新可能。フォームやチャットと連携できる点にも強みがあり、問い合わせ対応をしながらそのままFAQを更新したり、チャットですぐに返信できない時にFAQを表示させたりすることができる。
(出所:メールディーラー公式Webサイト)
メール共有・管理に強みを持つ問い合わせ管理サービス。メール、電話、チャット、LINEなど様々なチャネルの問い合わせを一元管理可能。対応状況(未対応、対応中、完了)ごとに自動的に管理し、緊急度と担当者がすぐわかるため返信遅れを防止でき、別のスタッフが対応中の場合には重複警告が出るようになっている。社内での申し送り用のコメント添付、社内チャット、社内Q&Aなど共有に役立つ機能も豊富。
(出所:Re:lation公式Webサイト)
導入実績5,000社以上の問い合わせ管理システム。メール、電話、SMS、LINEやチャットなど、様々なチャネルからの問い合わせを一元管理可能。複数ユーザーで問い合わせを共有、管理できるので、「誰が・何に・どのように対応しているか」を瞬時に把握。重複対応防止のための対応中メールロック機能や、対応遅れアラートによる対応漏れ防止機能など、基本機能が充実しているほか、生成AIを活用したAIパッケージを提供している。
(出所:PEP公式Webサイト)
Q&Aを簡単にチャットボット化できるAIチャットボット作成ツール。問い合わせ対応・資料探しなど社内業務にマッチした高精度の自然言語処理に加え、簡単に設定できるユーザー辞書により、業界特有のワードや専門用語にも柔軟に対応。ノンプログラミングで誰でも簡単に設計できるGUI画面や、ドラッグ&ドロップで直感的に操作できる点も特徴。
(出所:HiTTO公式Webサイト)
社内DX特化型のAIチャットボット。共通AIを搭載したキャラクターが、従業員からの質問の意図を自動で解析・回答する。FAQデータの作成やシナリオの設計などの面倒な準備は不要。運用開始後も回答精度は自動で調整されるので、メンテナンスにかかる時間を短縮できる。導入後のカスタマーサクセスチームの専任担当によるAIチャットボットの活用支援など、サポートも手厚い。
(出所:RICOH Chatbot Service公式Webサイト)
専門知識不要で、Excelを用いて簡単にAIチャットボットを構築できるサービス。リコー独自のAI技術により、類義語や表記ゆれを理解し、ユーザーの意図を汲み取った回答を自動生成。単純なFAQ対応だけでなく、より複雑な質問にも対応できる。
連携ツールも充実しており、たとえば、LINE WORKSと連携すれば、チャットボットを介してそのまま社内問い合わせ対応を行える。また、kintoneと連携すれば、チャットボットに入力された情報をkintoneに自動登録することも可能。
そのほか、業種別のテンプレートや問い合わせ傾向や対話内容を可視化しやすい管理画面など、初めての導入でもスムーズに始められる工夫もそろう。社内外の問い合わせ対応業務の効率化をはじめ、顧客との接点創出、マーケティングなど、様々なシーンで活用実績がある。
最後に、社内問い合わせ業務の効率化に役立つその他のツールとして、昨今注目され、需要が高まっている「法人向けChatGPTサービス」をご紹介します。
(出所:JAPAN AI CHAT公式Webサイト)
各社専用にカスタマイズされたAIの活用で、業務効率化と生産性向上を支援する法人向けChatGPTサービス。AIがPDFやExcel、CSV、Webページなど社内の様々な形式のドキュメントを吸収・学習し、業務をサポート。社内に点在するマニュアルや顧客・商品などのデータも合わせて集約できる。高精度の情報検索システム(RAG)も搭載しているため、FAQとして活用することで社内外の様々な問い合わせに瞬時に自動で回答できる。
応答精度を向上するプロンプト支援も充実。社内問い合わせ以外にも、カスタマーサポートや営業・マーケティング支援など幅広く対応したい場合に適している。
社内の問い合わせ内容は多岐にわたるため、業務負担や属人化が問題となります。社内問い合わせを効率化するためには、FAQやマニュアルといった、問い合わせる側が自ら調べて解決する仕組みづくりをしていくだけでなく、社内での周知徹底が必要です。
また、問い合わせ側が疑問点を検索する際に、精度の高い検索ができるよう調整すること、マニュアルやナレッジなどのコンテンツは再利用できるように工夫することも重要。業務の効率化は、会社全体で仕組み・ルールを作り、徹底していくだけでなく、コンテンツを作りっぱなしにせず、利用し続けることで徐々に実現できるものです。
効率化に役立つツールは様々なタイプがありますので、自社に合うものを選んで業務効率化の一助にしましょう。
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メールディーラー(Mail Dealer)|インタビュー掲載
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