法人向けIT製品の比較・選定を支援する情報メディア「アスピック」の編集部。 SaaSや業務システムを中心に、バックオフィス・営業・人事・マーケティングなど幅広い領域のIT製品を調査・比較し、導入検討に役立つ情報を発信している。 各サービスの機能や料金、導入実績などの公開情報をもとに、ユーザー視点でのわかりやすい整理を重視してコンテンツを制作。また、実際の利用シーンや業務課題を踏まえ、企業のIT活用による業務効率化や課題解決につながる情報提供を行っている。
問い合わせが増えてきたのでそろそろFAQを活用したい、ただ、準備や運用も必要なのでメリットをしっかりと理解してからFAQの導入を進めたいとお考えの方へ。FAQを活用する5つのメリットや導入時の注意点についてご紹介します。
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製品やサービスのユーザーに対して、「よくある質問(FAQ)」を用意すると、ユーザーは自分で答えを探すことで、疑問をその場で解決できるようになります。ユーザーだけでなく、社内のカスタマーサポートやコールセンターのスタッフが、問い合わせ対応時に不明点を確認する手段としても広く利用されています。
そのようなFAQの活用メリットとしては次の5つが挙げられます。
この中でも導入目的として最も挙げられるのが、「問い合わせ件数の削減」です。似たような問い合わせが多いので減らしたい、人の作業が追い付かないから負担を軽減したい、という方も多いでしょう。次項から各メリットを詳しくご紹介します。
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「よくある質問」に関する問い合わせの数を減らして、カスタマーサポートの負担を減らすことが一番のメリットとして挙げられます。多数の問い合わせがある中、問い合わせ内容を見ると、半分以上は「手続きの方法がわからない」「パスワードを忘れた」のような簡単に解決できる内容だったということはありがちです。
たとえば、カスタマーサポートのスタッフ5人が問い合わせ対応に追われている場合、FAQによって問い合わせを減らせれば、担当者の負担軽減や追加採用の抑制につながります。費用対効果がわかりやすいメリットとも言えるでしょう。
また、急成長中の会社だと、問い合わせの増加に、カスタマーサポート部門の人員増加が追い付かないこともあります。その際に、FAQシステムを上手く活用すれば、問い合わせ件数の伸びほど人員を増加させなくてもよいようになります。
製品やサービスのユーザーが何か困っている時に、すぐにその困りごとが解決できれば、解決まで待つことなく、製品やサービスの利用に戻ることができます。その結果、顧客満足度が高まり、サービスを使い続けることで解約防止にもつながります。
FAQがない場合、困っているユーザーが必ずしも問い合わせて解決を図るとは限らず、問い合わせたとしても回答までに時間がかかると、その間に利用を諦めてしまうこともあります。そのような機会損失を避ける点もFAQの導入メリットです。
カスタマーサポートへの問い合わせの場合、たとえば、平日の9時~17時のみ対応し、休日は対応していないというケースはよくあります。FAQ常時公開しておけば、夜間や休日、年末年始でも、ユーザーが自ら回答を探して自己解決を試みられます。
特に、感染症の流行や災害などでカスタマーサポート体制の維持が難しい場合には、有人対応の時間を必要に応じて調整し、FAQによる自己解決を促す方法が有効です。
社内でFAQを活用する場合のメリットです。カスタマーサポートが問い合わせに対応する際に、すぐに回答できない質問があった場合に、同僚や上司に聞く、あるいは対応マニュアルを調べる、ということが必要になります。
その際、FAQで回答の参考になる情報を確認できれば、調べたり聞いたりすることなく回答できるようになります。メールやチャットで返信する場合は、FAQに掲載した返信テンプレートを活用することで、文章の作成時間を短縮できるでしょう。
問い合わせ内容によっては、特定の担当者しか回答できなかったり、過去に類似案件へ対応した担当者や対応内容を把握できず、効率的に回答できなかったりすることがあります。
そのため、重要な情報をFAQとして蓄積しておけば、その分野に詳しくない担当者でも、FAQを参照しながら回答できるようになります。それにより、「ベテランはいつも同僚から質問ばかりされて大変」ということも減りますし、「ベテランが退職することで誰もわからなくなる」といった属人化に伴う課題の軽減も期待できるでしょう。
なお、近年では登録済みのFAQに加えて、社内マニュアルや過去の問い合わせ履歴などの文書を横断的に検索して回答を組み立てる仕組み(RAGと呼ばれる技術)を備えたツールも登場しています。FAQとして明文化しきれていない知識も活用しやすくなり、属人化の解消を更に後押しします。
これまでの5つのメリットからFAQを活用すべきと言えますが、注意して進めないと、FAQシステムを用意したのにうまく活用されていない、期待したほど効果が出ていない、運用が大変で続かない、ということが起きてしまいます。それを防ぐためにも以下の4点には注意すべきです。
FAQのコンテンツとシステムを用意しても、Webサイトやスマホアプリ内の見つけにくい場所にあったり、電話番号のほうが目立っていたりすると、せっかく役立つ情報があってもFAQを利用する人が限られてしまいます。
そうならないよう、明らかに分かるところや、すぐに到達できる場所に置くことが重要です。その際、「よくある質問」や「お困りの場合は」のように、FAQに誘導しやすい文言にしましょう。
FAQ導入初期には、数にこだわらず、最低限のコンテンツだけではじめるのでも十分です。カスタマーサポートが「明らかにこれは用意すべき」と判断するものを優先して準備しておきましょう。
なるべく疑問を解決できるように事前にたくさんのコンテンツを準備しても、ほとんど参照されていないという状況になることも。ログ分析機能を備えた製品では、検索ログや問い合わせデータから不足しているコンテンツを特定し、必要なFAQを追加可能です。
また、製品によっては、表記ゆれや誤字を吸収・補正したり、文書や問い合わせログからFAQを自動生成したり、不足コンテンツを提案したりする機能を備えています。更新作業などの運用コストも考慮しておくとよいでしょう。
FAQの運用開始直後は、回答を掲載していてもユーザーが該当ページにたどり着けず、同じ内容の問い合わせがカスタマーサポートに届くことがあります。FAQの利用経路は検索エンジンからの流入、カテゴリやリンクからの探索、サイト内検索などに分かれるため、利用ログを確認し、回答にたどり着けていない経路を改善することが重要です。
それでも、回答ページへのタグ付けや、質問の多い検索キーワード候補の表示などを行うことで、回答到達率を高めることができます。ユーザーに十分利用されている状況であれば、1~2カ月程度で頻度の高い質問に対するチューニングが行えるはずなので、導入開始時はこれを踏まえておく必要があります。ある程度軌道に乗れば、1カ月に1度の確認程度でもしっかりとした効果になるでしょう。
また、近年はキーワードの一致だけでなく、質問の意味をくみ取って回答候補を提示する生成AIや意味検索を備えたFAQシステムも広がっています。表記ゆれや曖昧な言い回しにも対応しやすく、検索での到達率を高める一助となります。ただし、精度は登録コンテンツの整備状況に左右されるため、定期的なメンテナンスが不要になるわけではありません。
生成AIで回答を自動生成するFAQも増えていますが、参照データが不十分だと事実と異なる回答(ハルシネーション)を返すことがあります。回答の根拠となる元情報を併せて提示する、解決できない場合は有人対応へ引き継ぐ導線を用意するなど、品質を担保する運用ルールをあわせて整えておくことが重要です。
FAQの導入メリットや導入時の注意点はわかったので、FAQシステムの導入を具体的に考えてみたい、という方は「FAQシステム比較16選|費用相場と選び方」をご参照ください。導入時に重視したいメリットや予算に応じて、適したFAQシステムを選びましょう。
また、比較・検証する際のポイントやより詳細な比較表はこちらでご紹介しておりますので、併せてご覧ください。
FAQシステムの選び方ガイド(比較表付き)
FAQを導入することで、よくある質問に関するユーザーの自己解決や問い合わせ件数の削減に加え、サービス品質の向上、解約率の改善、カスタマーサポートの問い合わせ対応時間の短縮、属人化の防止といった効果が期待できます。
ただし、FAQは導入すれば手間がかからずにすぐに効果が出るとは限らず、FAQ導入に際しては、FAQを活用してもらうための導線設計、FAQコンテンツの準備、そして検索でFAQに到達してもらうための定期的なメンテナンスなども重要になります。FAQの活用方法や運用体制を見据えながら、期待する効果を得られるよう導入を検討しましょう。
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