法人向けIT製品の比較・選定を支援する情報メディア「アスピック」の編集部。 SaaSや業務システムを中心に、バックオフィス・営業・人事・マーケティングなど幅広い領域のIT製品を調査・比較し、導入検討に役立つ情報を発信している。 各サービスの機能や料金、導入実績などの公開情報をもとに、ユーザー視点でのわかりやすい整理を重視してコンテンツを制作。また、実際の利用シーンや業務課題を踏まえ、企業のIT活用による業務効率化や課題解決につながる情報提供を行っている。
農業向け会計ソフトの基本、導入メリット、選び方やタイプを、おすすめのサービスを交えながらわかりやすく紹介します。
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農業向け会計ソフトとは、農業経営で発生しやすい取引や申告実務に合わせて、帳簿付けや集計をしやすくする会計ソフトです。
一般的な事業の会計と違って、農業では種苗費・肥料費・農具費・農業共済掛金といった特有の勘定科目が多く、収穫前後の棚卸しや、果樹・家畜など生物資産の管理も必要になります。更に、確定申告では農業所得用の書式を使うため、こうした農業特有の処理に対応しやすいソフトを選ぶことが、日々の記帳負担を減らす近道になります。
まずは「無料で利用したい」「個人向けにスモールスタート」という方は、「無料で使える会計ソフト比較10選」や「個人事業主向け会計ソフトおすすめ10選」も参照ください。
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農業の会計は、売上と経費を入れて終わり、というほど単純ではありません。農業では「特有の勘定科目が多い」「処理が複雑」など様々な課題が散見されます。
農業では、一般的な「消耗品費」や「仕入」だけでは実態を表しにくく、小作料・賃借料、種苗費、素畜費、肥料費、飼料費、農具費、農薬衛生費、農業共済掛金、土地改良費など、農業ならではの科目を使い分ける場面が多くあります。実際、国税庁が提供する農業所得用書式でも、こうした科目が前提になっています。
「無料ソフトでいいや」と大ざっぱに記帳していると、後で「どの費用をどこに入れるか」がわからなくなりやすく、申告前に整理し直す手間が増えやすいのが難点です。
農業では、在庫や資産の中に「生き物」や「育つ途中のもの」が入ってくるため、処理が複雑になりがちです。たとえば、棚卸しでは、収穫済みの農産物だけでなく、栽培中・未収穫の農産物や、販売目的で飼育途中の動物(家畜)も整理対象になります。
更に、果樹や搾乳牛、繁殖豚などは「生物」として固定資産管理や減価償却が必要で、育成費を「育成仮勘定」で管理する考え方も出てきます。特に果樹や畜産を営む場合は、一般的な会計より一段複雑になりやすい部分です。
農業では、「お金が入った日」をそのまま売上日にしにくい場面があります。たとえばJA委託販売では、先に契約金を受け取り、出荷後に精算されるケースがあり、記帳上は前受金と売上を分けて考える必要があります。
加えて、国税庁の農業所得用書式には販売金額だけでなく、家事消費、事業消費、農産物の棚卸高といった欄もあります。卸売、直売、自家消費、年末在庫が混ざる農家ほど、「入金ベースでざっくり管理」では実態とズレる恐れがあります。
農業の申告では、一般用とは別に、農業所得専用の書式を使う必要があります。白色申告なら「収支内訳書(農業所得用)」、青色申告なら「所得税の青色申告決算書(農業所得用)」です。
これらの書式には、販売金額、家事消費、事業消費、農産物の棚卸高、果樹・牛馬等の育成費用、農業特有の必要経費科目などが並んでいます。つまり、普段の帳簿付けの段階から農業向けの整理ができていないと、申告のときに数字を当てはめにくくなります。会計ソフト選びでは、この「申告書式につなげやすいか」も大事な視点です。
農業向け会計ソフトなら単に帳簿をデジタル化するだけでなく、上記のような農業ならではの課題に対応しやすくなります。また、近年では金融明細の取り込み、レシートのOCR、農業用決算書への対応、部門別集計、e-Taxや税理士連携などの便利な機能を備えたものも多くが、「入力を楽にする」だけでなく、「農業に合った形で正しく整理しやすくする」点も大きなメリットです。
会計ソフトでは銀行口座やクレジットカードの明細を取り込み、自動で帳簿付けできる機能があります。同じ内容を何度も手入力・転記する必要はありません。更に、レシートや請求書は画像からOCRで日付・金額・取引先などを読み取り、入力を補助できる製品も。また、青色申告決算書や収支内訳書の作成機能も用意されているため、年末に申告用紙を一から作り直す負担もかかりません。
農業では、果樹や搾乳牛、繁殖豚などは「生物」として固定資産管理や減価償却の対象になり、また、育成中にかかった費用は「育成仮勘定」に振り替える必要があります。農業対応ソフトなら、専門知識が十分でなくても、こうした農業特有の勘定科目や決算書表示に合わせて整理しやすくなります。計算ミスや申告漏れへの不安を減らしやすいのが大きな利点です。
会計ソフトは、申告のためだけではなく、月次推移や前年対比、残高や構成比の確認、部門別の集計など経営の状態を見直す材料にもなります。農業専用ソフトでも作物の種類ごとに部門を分けて金額を把握し、部門ごとの集計や分析ができるものを利用すれば、「どの作物にどれだけ経費がかかっているか」「前年より利益が出ているか」などを確認可能。次の作付けや設備投資の判断にもつなげやすくなります。
青色申告特別控除は、複式簿記で記帳し、貸借対照表や損益計算書などを添付して期限内に申告すると55万円、更にe-Taxで申告するか、一定の要件を満たす電子帳簿保存を行うと65万円になります。
会計ソフトは、この前提となる帳簿や申告書類の作成を進めやすくしてくれます。加えて、クラウド型では税理士・会計士と最新データをオンライン共有でき、コメント機能などでやり取りできる製品もあります。紙の資料をまとめて郵送したり持参したりする手間が減るため、相談のハードルも下がりやすいでしょう。
なお、農業に特化したものでなくても、まずは青色申告に対応したソフトを幅広く比較したい方は、「青色申告ソフト比較14選」の記事も参考にしてください。
農業向け会計ソフトは、農業特有の処理をカバーした「農業専用」と「農業にも使える汎用タイプ」に分けて考えると選びやすくなります。
育成資産や農業用の勘定科目、農業所得向け決算書まで自然につなげたいなら専用タイプが向いています。一方、記帳の自動化やレポート、請求、税理士との共有まで含めて幅広く使いたいなら、汎用タイプも十分候補になります。まずは「申告を楽にしたい」のか、「経営管理まで見たい」のかで考えるのが近道です。
農業専用タイプは、農業の帳簿付けでつまずきやすい部分を、最初から農業向けに整えているのが強みです。
たとえば、ソリマチの「農業簿記13」は、育成資産管理、青色・白色それぞれの科目設定、明細取込、JA取引データ取込などを備えています。TKCの「FX2農業会計クラウド」は、「農業の会計に関する指針」に基づく農業用科目体系に対応し、生産品目ごとの部門別管理や業績比較にも強みがあります。
個人向けでは「らくらく青色申告農業版」が農業用勘定科目を標準装備し、「かんたん農業確定申告」は無料で白色申告向けの収支集計に使えます。
汎用タイプは、農業専用ではない代わりに、記帳の自動化やレポート、請求、証憑保存、税理士共有などを幅広くまとめやすいのが魅力です。
たとえば、「freee会計」は農業所得向け決算書の書式や農業用勘定科目の初期設定に対応し、銀行・カード明細の自動取得やタグ分析も可能です。「弥生会計 Next」は法人向けで、部門管理、レポート、金融機関連携、税理士共有まで含めて使えるため、農業法人や複数人で運用したいケースに向きます。
なお、農業だけでなく一般的に利用されている会計ソフトを知りたい方は「会計ソフトおすすめ13選」を参照ください。法人・個人向けに人気ソフトをランキング形式で紹介しています。
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専用か汎用かだけで決めると、「思ったより機能が多すぎた」「申告はできるけれど日々の管理には物足りない」といったズレが起こりがちです。どこまでの業務を任せたいか、どの端末で使いたいか、税理士や家族と共有するか、補助金申請や外部提出を見据えるかまで考えると、自分に合う製品を絞り込みやすくなります。
「日々の記帳から経営管理まで見たい」のか、「まずは確定申告を楽にしたい」のかで、ソフト選びは変わります。
前者なら、育成資産やJA取引、部門別管理、レポート機能を持つ「農業簿記13」「FX2農業会計クラウド」、あるいは自動記帳や経営分析、税理士共有まで使える「freee会計」「マネーフォワード クラウド会計」「弥生会計 Next」が候補です。
後者なら、青色申告中心の「らくらく青色申告農業版」、白色申告中心の「かんたん農業確定申告」、個人事業主向けの「マネーフォワード クラウド確定申告」のように、申告書類作成までを軽く進めやすい製品のほうが向いています。
戸外での作業を必須とする農業では、ソフトの利用環境も重要。「どこでどう利用するのか」それぞれの環境に合ったものを選ぶことが大切です。
たとえば、クラウド型なら現場・自宅・税理士事務所など、場所を問わず同じデータを見られるのが強み。「FX2農業会計クラウド」「freee会計」「マネーフォワード クラウド」「弥生会計 Next」がこれに当たります。実際、freeeやマネーフォワードの導入事例では、遠隔地でもデータ共有しながら経営判断や指示がしやすくなったことが紹介されています。
クラウド型の詳細を知りたい方は「クラウド会計ソフトの比較13選」も参照ください。
反対に、事務所の固定のWindows PCだけで利用できれば十分というなら、PCにインストールして利用するタイプの「農業簿記13」や「らくらく青色申告農業版」も選びやすいでしょう。なお、農業簿記13、らくらく青色申告農業版ともにWindows対応で、Macには非対応です。
補助金申請や実績報告、税理士確認、金融機関提出、将来的な監査対応まで視野に入れるなら、帳簿が作れるだけでなく、証憑保存、部門別管理、レポート出力、外部共有のしやすさも確認したいところです。
たとえば、「FX2農業会計クラウド」は税理士・公認会計士による支援や金融機関向け帳表提供の仕組みを持ち、「弥生会計 Next」は証憑保存や部門管理に対応しています。また、会計監査では帳簿・証憑・システムデータの整合性確認が重視されるため、将来そこまで見据えるなら「データを後から説明しやすいか」という観点も大切です。
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(出所:農業簿記13公式Webサイト)
39年の実績がある農業会計ソフトのベストセラーで、JA(農協)も推奨。通帳転記の自動化、JA取引データ取込、減価償却・育成資産管理、青色申告・白色申告対応、経営分析、電子申告連携など、農業経営に必要な機能を幅広く備える。JAバンクやゆうちょ銀行を含む全国99%の金融機関の明細を自動取り込みできる。複雑な減価償却や育成資産の計算も自動で行える。同グループの明細管理アプリ「MoneyLink」を使った金融明細の取り込みにも対応しており、銀行やカードの記帳負担を減らしたい人、農業特有の資産管理までしっかり行いたい人に向く。
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(出所:FX2農業会計クラウド公式Webサイト)
農業法人や、顧問税理士と連携しながら経営数字を見たい事業者に向くクラウド型。「農業の会計に関する指針」に基づく農業用科目体系への対応、生産品目ごとの部門別管理、黒字経営の農家・農業法人との業績比較、金融機関取引データやJA取引データをもとにした仕訳計上などが可能。申告だけでなく、月次で数字を見ながら経営改善につなげたい場合に相性がよいサービス。
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(出所:らくらく青色申告農業版公式Webサイト)
個人農家向けに機能を絞ったインストール型ソフト。機能を絞ることで圧倒的な低コストを実現しており、パソコン操作に不慣れな人でも手書きに近い感覚で入力できるシンプルな設計。65万円控除やe-Taxに対応し、農業所得用の青色申告決算書に合わせた設計、複式簿記を意識しない容易な記帳、償却資産台帳から減価償却費を自動計算も可能。高機能さより、まずは自分で申告できる状態を整えたい小規模農家に向くタイプ。
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(出所:かんたん農業確定申告公式Webサイト)
白色申告を行う個人農家向けの無料スマホアプリ。農業所得者専用の入力画面があり、家計簿感覚で収支を入力するだけで収支内訳書を自動作成できる。会員登録により無料で使え、スマホやPCから売上・仕入・経費の記録、月別・年別の収支推移や品目別売上の分析、減価償却の計算や減価償却資産の管理など農業特有の収支管理効率化もできる。まずは白色申告の収支内訳書作成を楽にしたい人向け。
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(出所:freee会計公式Webサイト)
個人事業主やフリーランスを対象とした、シンプルかつリーズナブルな定番確定申告アプリ。農業所得向けの決算書書式や農業用勘定科目の初期設定にも対応。日々の経費や売り上げを簡単に帳簿付けするだけでグラフやレポートを作成する。データはワンタップでCSV出力できるほか、「freee会計」「MoneyForwardクラウド会計」「弥生会計」といった他サービスにインポートして、確定申告に活用することもできる。農業専用ほど細かな専用機能はいらない一方、クラウドで記帳の自動化や経営分析も進めたい個人農家には有力候補。
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(出所:マネーフォワード クラウド確定申告公式Webサイト)
知識不要で直感的に使える、「マネーフォワード」シリーズの個人事業主向け会計ソフト。最小プランなら月額900円〜と安価ながらも、青色・白色申告、請求書発行、電子契約まで幅広くカバー。「マネーフォワード ME」をはじめマネーフォワードの各サービスと連携し、会計業務全般の効率化にも役立てられる。一般の確定申告機能を重視しつつ、農業用帳票は別対応でもよい人は安価な本ソフトは十分選択肢になる。
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(出所:マネーフォワード クラウド会計公式Webサイト)
バックオフィス全体の効率化と、経営の見える化を支援するクラウド会計ソフト。確定申告のための会計機能だけでなく、契約・給与・経費といったバックオフィス業務に関わる12サービスを、基本料金内で利用できる。家族経営でも、将来的に法人化や複数人運用、請求・証憑管理まで広げたい場合には特におすすめ。2,300社以上の金融機関と連携しており、銀行やクレジットカードなどの入出金明細を自動で取得。仕訳科目も、AIが自動で提案する。
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(出所:弥生会計 Next公式Webサイト)
会計業務の自動化に優れており、簿記や経理の知識がなくても扱いやすいクラウド型会計ソフト。帳簿・決算書作成、見積書・納品書などの取引書類作成、証憑管理といったバックオフィス業務をまとめて効率化できる。取引データの自動取得やAIによる自動仕訳で会計業務の負担を大幅に削減する。加えて、キャッシュフローや部門別の業績をリアルタイムで可視化するなど、経営判断をサポートする機能も備える。基本機能はそろっているので、農業経営に対応可能。
農業向け会計ソフトは、農業専用タイプなら育成資産や農業用帳票への対応に強く、汎用タイプなら自動記帳やデータ共有、バックオフィス全体の効率化に強みがあります。家族経営の農家が選ぶなら、まずは「農業用の申告書類までソフト内で完結したいか」「記帳だけでなく経営管理や税理士連携まで行いたいか」を基準に比べると、自分に合う製品を絞りやすくなります。
更に以下の比較ポイントに留意すると、自社に合ったサービスが選びやすくなります。
家族経営も多く、天候にされやすい農作物を管理する必要がある農業では、会計業務が後回しにされがちですが、便利なソフトを導入して、より本来の業務の生産性を高めましょう。
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株式会社マネーフォワード
取引明細データの自動取得とAIによる自動仕訳の作成で、日々の会計業務を効率化できる中小企業向け会計ソフト。仕訳データの活用による経営の見える化まで支援します。...
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