カスハラ対策の義務化に向けて、カスタマーハラスメントへの対策を実施したいと考えてるカスタマーサポート部門のマネージャーへ。カスハラ対策に役立つ機能を多く備えた「カスハラ対策サービス」について、タイプと選び方、比較のポイントといった観点から詳しく解説します。
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カスハラ対策サービスとは、カスタマーハラスメント(カスハラ)への対処や、予防に役立つ機能を備えたサービスです。通話内容の録音や文字起こし、NGワードの検索といった機能で企業のカスハラ対策を支援します。
本記事では、コールセンターシステムやクラウドBPX、問い合わせ管理システムなどのうち、カスハラ対策に役立つ機能を有するものを「カスハラ対策サービス」と定義して解説・紹介します。
カスタマーハラスメント(カスハラ)とは、顧客などからの従業員やスタッフに対する精神的・肉体的な攻撃を指し、悪質なクレーム、暴言、暴力行為、過剰な要求などが該当します。昨今、カスハラは大きな社会問題となっており、東京都や北海道などの一部地域では、2025年4月からカスハラ防止条例を施行。2025年6月には、企業のカスハラ対策を義務化する法案が国会で可決され、2026年中に全国で施行される見込みです。
施行後には、従業員をカスハラから守る安全配慮義務が企業に課されます。すでに現場でのカスハラが課題となっている企業はもちろん、カスハラが発生しやすい顧客との接点が多い企業において、早めのカスハラ対策が必須です。
カスハラ対策サービスの機能はタイプによって異なります。タイプごとに搭載されている主な機能を以下の表にまとめました。なお、各タイプの特徴や強みは、後述の「カスハラ対策サービスのタイプと選び方」にて詳しく解説しています。
タイプ名 | 主な機能 |
---|---|
応対支援に強み |
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通話録音に強み |
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自動応答に強み |
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対面接客向けにも対応 |
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対応力強化に強み |
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いずれのタイプにもカスハラの証拠となる「録音・文字起こし機能」が搭載されていることが多く、現場における「言った・言わない」の水掛け論を回避できます。日常業務の効率化に優れたサービスもあるため、カスハラ対策には留まらない、スタッフの負担軽減にも有用です。
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前述したカスハラ対策サービスのタイプの特徴について解説します。
通話内容の自動録音・文字起こしや、顧客の感情分析、対応時の回答補助といったカスハラ対策機能に加えて、カスタマーサポートの応対品質向上や業務効率化に役立つ機能が充実したタイプ。顧客との接点が多く、問い合わせ対応の件数が多い企業におすすめです。
たとえば、「MiiTel Phone」では「リアルタイムFAQ」で通話中にマニュアルを自動表示。リアルタイム文字起こしと合わせて、応対品質の均一化を実現します。
「Zendesk」は、問い合わせ管理や社内外向けFAQサイトの構築にも対応しているほか、AIが顧客への回答作成を補助。問い合わせ内容に関連する背景情報を表示し、発生しているトラブルや顧客の要望を素早く把握できます。
「カイクラ」は、顧客情報管理機能を備えており、着信時ポップアップや通話時の顧客情報表示などに対応。通話中のメモや対応履歴を確認できるため、顧客にとっての「二度手間」を回避し、クレーム・カスハラの発生を未然に防止します。
高精度な通話の自動録音と文字起こし、そしてAIによる要約・分析機能に強みを持つタイプです。通話の自動録音で万が一に備えるとともに、文字起こしで会話の内容を正確に把握。カスハラの客観的な証拠確保や「言った言わない」のトラブル防止に寄与します。
たとえば「ソクコム」は、容量や期間の制限なく、通話内容の自動録音・文字起こしが可能。録音データはクラウド上に保存され、後から確認・分析できます。
AIボイスボットやIVRを活用することで、高度な自動応答を実現するタイプ。一次請けを自動化することで、電話対応を7〜8割削減し、コールセンターの省力化に寄与します。予約や問い合わせへの対応はもちろん、クレームの一次対応までAIで完結させられるため、従業員の精神的・業務的負担の軽減が可能です。
たとえば「カスハラ対策さくらさん」では、クレーマーをAIが記憶しブロックする機能や、会話音声からハラスメント行為を検知してアラートを出す機能などを搭載。AIが盾となって、カスハラから従業員を守ります。
実店舗などでの対面接客におけるカスハラ対策を強化するには、モバイル端末での録音に対応したサービスがおすすめ。対面接客時や商談時の会話を記録することで、カスハラや「言った・言わない」トラブルへの対応をスムーズにします。
たとえば「AmiVoice SF-CMS」は、iOSやAndroid対応の録音アプリを提供。録音データは高精度な音声認識によって、テキスト化できます。訪問販売や窓口対応、商談といったオフラインでのやり取りも可視化できます。また、オンライン上のやり取りにおいては、トラブル発生時にマネージャーにヘルプ通知を送れる機能も搭載。
ツールやシステムの導入だけでなく、カスハラ被害を抑えるための具体的な対応策を準備したい場合におすすめのタイプ。カスハラ対策方針の策定や対応マニュアルの作成などが行えます。
たとえばベルシステム24の「カスタマーハラスメント対策サービス」では、方針策定から従業員教育、相談窓口の設置まで一貫したサポートを提供。具体的には、カスハラ方針の策定を支援するワークショップや、クレーム対応の実践研修、カスタマーハラスメントの実情を可視化するためのVOC分析などを行います。
カスハラ対策サービスを比較する際は、上記のタイプに加えて、以下の3つポイントを確認すると自社にあったサービスが選びやすくなります。
通話などを録音する場合、固定回線のみ、IP電話のみに対応しているサービスがあります。自社の通信環境に合った回線に対応しているか確認が必要です。
たとえば「RecACEplus」は、NTTのIP電話「ひかり電話」の契約者を対象としたサービスです。一方、「MiiTel Phone」や「ソクコム」などのように、IP電話機能やクラウドPBX機能を備えているサービスも。これらのサービスは電話回線の整備にも寄与します。
カスハラ発生を管理者が迅速に把握するための通知機能の充実度も、従業員を守るうえで重要なポイントです。
たとえば「MiiTel Phone」は、回線の入電状況やスタッフの稼働状況をリアルタイムで表示。ステータス継続時間に応じてアラートを発し、管理者にカスハラの可能性を通知します。そのほか、ヘルプサイン機能によって現場から管理者に助けを求めることも可能です。
また「カイクラ」のアラートワード通知機能は、通話データに含まれるカスハラ関連のワードを迅速に検出し、即座にアラートを表示。問題の早期発見と迅速な対応を可能にすることで、従業員の精神的負担を軽減します。
カスハラが発生時に、具体的な支援を行えるかどうかも重要です。三者通話や指示機能を使って管理者やマネージャーが現場スタッフの負担を肩代わりする、もしくは自動音声やAIによる対応など、従業員の負荷軽減に役立つ機能が役立ちます。
たとえば「MiiTel Phone」の「ささやき」機能は、顧客には聞こえないかたちで管理者からスタッフへの指示出しが可能。管理者を交えた三者通話にも対応しており、状況に応じて使い分けできます。
また、「RecACEplus」は、通話記録にAIが自動で「クレーム」といったタグ付けを行い、本部や管理者にメールで共有。カスハラ発生後、迅速に状況を把握し、組織的な対応を行えます。
更に「カスハラ対策さくらさん」は、しつこいクレーマーをシャットアウトする「覚えブロック」を搭載。AIが自動で処理をするため、スタッフの心身負担を抑えられます。また、定型的な問い合わせやクレームに対しては、応答マニュアルの生成・提案も可能です。
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(出所:MiiTel Phone公式Webサイト)
ビジネスにおけるコミュニケーションを最適化するAI搭載型のIP電話サービス。通話内容はすべて自動で録音され、リアルタイムに文字起こしされる。通話内容は第三者によるモニタリングが可能。スタッフにだけ聞こえる「ささやき」で指示を出せるため、カスハラ発生時のオペレーター支援に向いている。
また、AIによる話し方や声のトーンの感情認識機能は、通話者の感情の変化を把握することでクレームの兆候を早期発見。そのほか、単語をもとに自動でタグづけする通話タグ機能など、カスハラの実態把握に役立つ機能が豊富に搭載されている。
(出所:Zendesk公式Webサイト)
Webやメール、電話、SNSからの問い合わせを一元管理できる統合型カスタマーサービスソリューション。電話対応の全プロセスにAI技術が駆使されており、通話内容をもとにリアルタイムで回答の提案を行うなど、スピーディーかつ正確な応対を実現。業務効率化に加えて、問い合わせからクレーム・カスハラに発展するリスクの回避に役立つ。
また、メールやSNSなど文章でのコミュニケーションにおいては、顧客の問い合わせに関連する背景情報を自動で表示。オペレーターが回答する前に、発生しているトラブルや顧客の要望を具体的に把握できる。加えて、AIによる返信文の作成補助機能も搭載しており、顧客一人ひとりの傾向に合わせた丁寧な対応を実現できる。
(出所:カイクラ公式Webサイト)
顧客とのコミュニケーションをクラウド上で管理できる次世代型コミュニケーションプラットフォーム。電話、メール、SMS、テレビ電話など、幅広いチャネルに対応している。着信時には顧客情報をポップアップで表示。通話メモの作成や対応履歴の確認ができるため、対応の遅れやミスを防止し、クレームの削減に寄与する。
通話内容は自動で録音され、AIが文字起こしを作成。顧客タグ付け機能を使えば、「クレーム対応中」などのタグを個別につけられ、二次クレーム防止に役立つ。加えて、カスハラによく使われる「アラートワード」を含む通話データにアラートを表示し、問題の早期発見と迅速な対応を可能にする。
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(出所:ソクコム公式Webサイト)
IVRやクラウドPBX、CTIといったコミュニケーションツールを統合するワンプラットフォーム。不動産、金融、通販など様々な業界での導入実績を持つ。自動音声応答により受電業務を自動化し、適切な部門や担当者へ振り分け。一次対応を自動化することで、スタッフの負荷削減にも役立つ。通話内容は容量や保存期間の制限なく録音でき、自動で文字起こしされるため、トラブル発生時にも安心だ。
更に、問い合わせや特定のトリガーに対して即座にアクションする「即電/即連機能」で顧客の問い合わせに迅速に対応し、クレームを防止。特定の電話番号をブロックするブラックリスト機能で、悪質なクレーマーを排除することも可能だ。
(出所:nokos公式Webサイト)
Microsoft社のTeams電話の通話内容を、自動で録音・管理するクラウドサービス。ボタンの押し忘れによる録音もれを防止し、日時やユーザー名ごとに音源を管理できる。録音データはSharePointまたはOneDrive上に保管されるため、専用サーバーの設置は不要。Teams電話のほかに、TeamsやZoomの録音・録画に対応しており、今後Webexにも対応予定だ。
オプションで提供されている音声テキスト化機能を利用すれば、キーワード検索によるNGワードチェックなどが可能に。また、録音は故意に停止できないため、不正取引や不適切な会話の抑制にも役立つ。
(出所:RecACEplus公式Webサイト)
AI自動要約によってカスハラやトラブルをすぐ発見し、迅速な対応を可能にする、ひかり電話向けの通話録音サービス。自動で通話内容を録音し、AIによる文字起こしと要約を実施。テキストデータはスマホアプリやメールで確認でき、重要な問い合わせはプッシュ通知の設定が可能だ。
また通話記録の内容に応じて AIが自動でタグ付け。本部や管理者にもメールで共有されるため、カスハラやクレームなどが発生した際に、現場との意思疎通を図りやすい。保存容量は無制限で、期間は1年間。タグをもとにした検索に対応しているため、確認したい通話内容に素早くアクセスできる。
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(出所:DXでんわ公式Webサイト)
電話業務を効率化する自動応答サービス。音声ガイダンス、分岐設定、自動音声といった機能で、問い合わせ対応によるスタッフの負担を削減する。メールやSMSに加え、Slack、Microsoft Teamsなどとの連携によるリアルタイム通知が可能。着信状況を速やかに把握できる。
Aiが顧客のメッセージを自動で要約・テキスト化。録音ファイルの確認がスムーズになるうえ、聞き逃しを防ぎ、「言った言わない」によるトラブル防止に役立つ。自動音声は速度・ピッチ・種類を選択できるほか、英語・中国語・韓国語など約40の言語に対応。海外拠点での導入にも向いている。
(出所:IVRy公式Webサイト)
業種や規模を問わず、導入しやすいIVR・電話自動応答サービス。既存の電話番号をそのまま利用でき、店舗・接客やオフィス業務はもちろん、外勤・フィールドワークといった現場での導入実績も持つ。
よくある問い合わせはIVRと、AIによるヒアリングで自動化。通話内容は文字起こしと要約によって一目で確認できるため、カスハラやクレームといった緊急性の高い案件にも迅速な対応を行える。更に、AIが蓄積された履歴を分析して、より良い電話対応を提案。全社規模での対応品質の向上にも寄与する。
(出所:カスハラ対策さくらさん公式Webサイト)
対話型AI「さくらさん」シリーズのカスハラ対策ソリューション。対面・電話・メール・チャットなど、様々な顧客接点で活用できる。AIがクレーム電話の一次対応を自動で行い、会話音声をリアルタイムで分析。威圧的な言葉やトーンが検知された場合には、会話を自動で記録して管理者に共有する。
また、定型的な質問やクレームに対しては、応答マニュアルの生成・提案を行う。更に、執拗にカスハラを繰り返すクレーマーは、「覚えブロック」機能によって対応を拒否。スタッフを守る"盾"として機能する。
FAQデータなど資料をアップロードするだけでAIの学習が完了するため、専門知識がなくても導入・運用できる。
(出所:AmiVoice® SF-CMS公式Webサイト)
高精度な音声認識技術を用いた、商談・接客の会話記録・解析ソリューション。対面営業や店舗での接客、Web会議など、対面・オンライン問わず様々な顧客接点で活用できる。
イントネーションの違いや発話スピードの緩急にも対応する録音・テキスト機能に加えて、感情解析機能を搭載。従業員の報告と顧客の真意とのズレを修正し、不満やクレームの発生を未然に防止する。
また、現場で問題が起こった際には、従業員からマネージャーにヘルプ通知を送ることが可能。カスハラだけでなく、技術的な問い合わせにも迅速に対処できる。オンプレ、クラウドの両方に対応しているのも便利。
(出所:カスタマーハラスメント対策サービス公式Webサイト)
企業がカスハラ対策を包括的に実施できるよう、方針策定から従業員教育までワンストップで提供するサービス。ワークショップやVOC分析を通じて、カスハラのリアルな入電状況を可視化。これらの実態調査に基づいて、企業のカスハラ方針の策定を支援する。また、現場マニュアルの整備など個別ニーズにも対応している。
教育・研修においては、「カスハラの定義」「カスハラとクレームの違い」といった基礎知識から、実践的なクレーム対応まで包括的なプログラムを提供。更に、カスハラ相談窓口など事後の対応も強化することで、厚生労働省のガイドラインに準拠した総合的なカスハラ対策を実現する。
(出所:カスタマーハラスメント対策サービス公式Webサイト)
基本方針の策定からマニュアル作成、研修実施まで、企業によるカスハラ対策をトータルサポートするサービス。まず、個社の顧客対応方法や基準に基づいて、「正当なクレーム」と「カスハラ」の定義づけと、対応方針の策定を伴走支援する。加えて、社内でのカスハラ実態調査の結果をもとに、事業単位でマニュアルを作成。現場に即した実用的なカスハラ対策を実現する。
従業員向けの研修や一次相談窓口の設置に加え、カスハラ被害者への精神的サポートやケアにも対応。社内のカスハラ事例を収集するナレッジベースの構築によって、継続的な対応強化を促す。
「マニュアルの作成から支援まで」「従業員研修のみ」といったスポット利用も可能だ。
近年、増加傾向にあり、社会問題にもなっているカスタマーハラスメント。理不尽なクレームや言動、暴力行為によって発生する損害は大きく、スタッフの生産性の低下や離職・休職といった結果を招きます。2026年中には、カスハラ対策を義務付ける動きが推し進められているなど、企業によるカスハラ対策は急務と言えます。
カスハラ対策サービスは様々なサービスと紐づいて提供され、以下のようなタイプに分けられます。
また、サービスによって以下のような違いがあるため、比較検討の際には自社の環境に合ったものを選びましょう。
カスハラ対策サービスを導入すれば、スタッフの心身を守るとともに、企業として毅然とした対応が可能になります。人材採用や社会的信用の獲得といった面でもメリットを得られるため、本記事を参考にカスハラ対策サービスを導入してみてください。
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