最終更新日:2024-03-28
IT人材が不足しており、アウトソーシングによって業務改善をしたいと考えている情シス部門の方へ。人手不足の解消に役立つ情シスのアウトソーシングサービスを4つのタイプに分けて、依頼できることや選び方について紹介します。
情シスのアウトソーシングサービスとは、企業が情報システム部門の業務全体、あるいは一部を外部の専門企業に委託できるサービスです。企業においてデジタルT化が進むほど運用を支える情シス部門の必要性が高まる一方で、IT分野における人材不足が深刻化しています。
そこで、安定的なIT人材の確保や担当者の負担軽減、業務効率化を図るため、情シスアウトソーシングサービスを導入する企業が増加しています。
情シスのアウトソーシングサービスには、主に以下のような業務を依頼できます。
PCやスマホ、専用機器といったデジタルツールの手配や初期設定、データ移行などの業務をアウトソーシングできます。特にデジタルデバイスの各種設定やソフト・アプリのインストールを行う「キッティング」は、入社や異動の多い時期に業務量が増加するため、短期間でミスなく作業を行わなければいけません。
しかし、アウトソーシングサービスを活用すれば、デジタル機器の扱いに精通したプロが迅速かつ正確にキッティング作業を代行してくれるため、担当者の負担が大幅に軽減されます。
希望に沿ってシステム構築・運用業務をアウトソーシングできます。大きく分けて、システム環境の構築から運用まですべて委託する「フルアウトソーシング」、システムの保守運用を委託する「運用アウトソーシング」、エンジニアが常駐して定めた構築・運用業務を行う「常駐サービス」の3パターンがあります。
専門的な知識と経験を持つエンジニアに、自社のニーズに合わせたサーバーやネットワーク環境の構築などを依頼できるほか、運用中の保守やアップデートの委託も可能です。
社内の情報システム全般のセキュリティ対策をアウトソーシングできます。自社のネットワークを外的脅威から守るための環境構築や、ウイルス対策ソフトの導入、個人パスワードの管理まで幅広く対応。最新の技術を駆使したセキュリティシステムの構築が可能となります。
顧客からの問い合わせやクレーム対応はもちろん、社内からのヘルプ要請の代行にも対応しています。顧客に対して迅速かつ最適なサポートを提供できるようになるほか、情シス担当者の社内対応の負荷軽減にも有効です。
情シスのアウトソーシングサービスを、企業の規模とサービス内容に分けて解説します。
社内からの問い合わせに対応するヘルプデスク業務をメインに、月額10万円以下と予算を抑えてアウトソーシングしたい方に向けたプランです。
たとえば「フレクシーサポート」は、定額制で業務委託ができるので安心。PC操作、ソフトウェア操作、メーカーやベンダー調査、ネットワーク調査など、ITに関する問い合わせへの対応業務などをまとめてアウトソーシングできます。
ヘルプデスク業務に加えて、社内サーバーの運用や、自社で利用しているSaaSのアカウント管理業務などもアウトソーシングしたい場合におすすめのタイプ。
たとえば「Total IT Helper」は、ヘルプデスク業務を軸にしながらコンサルティング、ネットワーク構築、キッティングなど様々な実務をカバー。100万件以上の問い合わせで培ったノウハウと技術力で、迅速かつ正確にトラブルを解決に導いてくれます。
従業員100名以上の企業での、ヘルプデスク業務のアウトソーシングに対応したタイプ。ヘルプデスクを代行するだけでなく、社内のノウハウ蓄積までサポートしてくれるのが特徴です。
たとえば「まるごと情シスBPO」は、ヘルプデスク業務の代行に加えて、標準化できるトラブルへの対応をFAQに組み込むことで、同じような問い合わせが減る仕組みづくりを支援。また、問い合わせ状況を分析し運用フローを見直すことで、「自動化」「効率化」につながる環境整備にも貢献します。
情シス業務をできるかぎり外部委託し、社内の運用負担を大幅に軽減したい場合には、トータルでサポートしてくれるサービスがおすすめです。
たとえばテクバン株式会社の「IT推進情シス支援総合サービス」は、「社内SEソーシングサービス」を提供。経験豊富なSEが自社のシステム構築や運用保守はもちろん、社員のITリテラシー教育、IT戦略立案まで幅広い業務に柔軟に対応します。また、24時間365日リモートでオンプレミスシステムを監視・運用する「オンプレミスサーバー構築支援サービス」も用意。異常を検知したら即座に対応し、トラブルを未然に防ぎます。
次に、情シスのアウトソーシングサービスを比較する際に留意したい、3つのポイントについて解説します。
企業によって、導入している機器やソフトウェアなどが異なります。そして、対応できる機器やソフトウェアの種類も、ヘルプデスクによって異なるため注意が必要です。アウトソーシングサービスを選ぶ際は、社内で使用している機器類に対応しているかどうか、事前に確認しましょう。
「RICOH 情シスおまかせパック」では、対応可能な機器とソフトウェアが指定されています。たとえば、PCはWindowsに限られるため、Mac OSのPCはサポート対象外に。また、Gmailを含むGoogle Workspaceなどのクラウドサービスもサポートを受けられないため注意が必要です。
一方、「IT推進情シス支援総合サービス」のように、Google Workspace、Microsoft 365、AWSなど各種クラウドサービスから各種ベンダー製品まで、幅広いサービスに対応しているサービスもあります。
PCなどのIT機器の導入から運用管理まですべて任せて効率的にシステム導入をしたい場合は、キッティングやアカウント運用に対応しているアウトソーシングサービスがおすすめです。具体的には、選定・購入、組み立て・設置から初期設定、アプリのインストール、セキュリティソフトの設定、ネットワーク接続、動作確認といった業務を委託できます。
たとえばエイネットの「情報システム代行アウトソーシングサービス」では、あらゆるメーカー機器やOSに対応したデジタルツールキッティング代行サービスを提供。社員は業務内容に合ったPCを受け取り、すぐに業務を始められます。
なお、キッティングからデータ消去までのサイクルを各プロセスに応じてサポートするLCMに特化したアウトソーシングサービスをお探しの方は、以下の記事をご参照ください。
LCMサービスの比較10選。依頼できることや違いは？
キッティングサービス比較12選。作業内容や費用、選び方は？
最低でも年に1回は行わなければいけないIT資産管理。定期的にネットワークの状態やライセンス、ツールや周辺機器のバージョンなどの確認が必要となりますが、導入する機器やソフトの種類に比例して膨大な作業となり、担当者には大きな負担がかかります。その状況を回避するために、IT資産管理をアウトソーシングするのも選択肢の1つです。
たとえば「kaetek」は、端末番号や所有者、設置場所、OSのバージョン、シリアルナンバー、メーカー保証期間、付帯物品、IPアドレスなど、管理項目が多い業務用端末の資産管理を一括代行。OSの緊急パッチリリースやサポート終了など、メーカーから発表される情報もいち早く共有します。
ヘルプデスク業務のアウトソーシングに対応した、中小・中堅企業向けのサービスを紹介します。
（出所：フレクシーサポート公式Webサイト）
中堅・中小企業のITの困りごとを柔軟に解決するITサポートサービス。定額料金でヘルプデスク、キッティング、保守運用・トラブル対応、IT資産管理、クラウド化など、多くの企業が必要とする代行サービスを迅速に提供する。社内に情シス要員を配置するより費用を抑え、属人化を防ぐ。
業務効率化につながるビジネスアプリの導入相談や、インフラの見直し相談などにも対応してくれるので、最新IT技術やサービスをもとに課題を整理したいといったニーズにも応えられる。リモート代行がメインだが、緊急時には訪問対応も可能だ。
（出所：RICOH 情シスおまかせパック公式Webサイト）
リコーのITエンジニアが情報システム業務を代行し、様々な障害や疑問に対応するサービス。PCやサーバー、アクセサリー類に至るまで、購入先に関係なくマルチサポートを行い、導入後は更なるIT活用へのアドバイスを提供する。
同時に社内のIT資産管理を行うことで、企業の生産性向上とDX推進をサポート。IT機器管理用のサイトを提供してくれるので、ブラウザ経由で自社のIT機器・ソフトウェアの最新状況を即座に確認できるようになる。また、各機器の利用制限や禁止アプリの設定はもちろん、リモートロックなどのセキュリティ対策も万全だ。
システムの運用管理にも対応できる、中小・中堅企業向けの情シスアウトソーシングサービスをご紹介します。
（出所：情報システム代行アウトソーシングサービス公式Webサイト）
14種類のメニューの中から必要なものだけを選んでコスパよく運用できる、情報システムアウトソーシングサービス。カバーしている業務は、ヘルプデスクやアカウント管理、キッティング作業、セキュリティコンサル、サーバー監視・管理、IT資産管理ソフト導入、PC端末の調達など。オンサイト対応も提供している。
PCキッティング代行サービスは、あらゆるメーカー機器やOSに対応。事前に作業を依頼しておけば、各社員の業務内容に適したPCを受け取って、入社日・異動日からすぐに業務をスタートできる。手順書の作成から回収・データ消去作業まで、充実のアフターサービスにも定評あり。
（出所：トータルITヘルパー公式Webサイト）
要件定義から運用まですべてを担える情シス代行サービス。企業の情報シス業務のサポートはもちろん、要望に合わせて全業務の引き継ぎ・運営を行う。トラブル対応からコンサルティング、ヘルプデスク、ネットワーク構築、キッティングなど様々な実務に対応可能だ。
全国37営業所のネットワークを使った対面訪問対応に加え、オフラインでの業務代行を受け付けるなど顧客の要望に合わせた柔軟なサポート体制が人気。IT知識を有した100名以上の専門スタッフが対応する。
（出所：情シスサポートサービス公式Webサイト）
システム企画から運用までの情シス/社内SE業務を代行するサービス。計画的なセキュリティアップデートやシステム導入、突発的に発生するネットワークやシステム障害の対応などをアウトソーシングすることで、業務効率を上げ、安定した情シス部門の運営をサポートする。ベンダーや代理店といった外注委託先への指示・管理も任せられる。
障害発生時の一次切り分けに特化したライトプランから、セキュリティ対応やIT資産の棚卸までトータルサポートを行うカスタムプランまで、企業の要望に適したプランを提供。いずれのプランにおいても、ITに関する些細な疑問から専門知識が必要な課題まで、ITエンジニアの丁寧なサポートが受けられる。
（出所：Kaetec公式Webサイト）
IT設備と情シス業務の適正調査からIT運用のアウトソーシングまで、DXの推進をサポートする「情シス」トータルソリューションサービス。経験豊富なITスペシャリストが、日々のIT運用業務の支援を通してIT設備や情シス業務の問題点を抽出、改善の要望を実現する。
ニーズに合わせて選べる複数プランが用意されているのが特徴で、セキュリティやIT設備、業務体制など情シスの過不足を調査する「情シス適正調査サービス」や、SaaSを中心とした業務ツールの運用を代行する「業務用ツール運用サービス」など、全部で6つのプランがそろう。加えて、トータルアウトソーシングや各サービスを組み合わせたカスタムアウトソーシングにも対応。
こちらでは、ヘルプデスク業務を中心に考える中堅・大手企業向けのサービスをご紹介します。
（出所：まるごと情シスBPO公式Webサイト）
「社内ヘルプデスク」や「キッティング」「障害対応」といったノンコア業務を一手に引き受け、情シス部門の業務負荷を軽減するサービス。テクニカルサポート25年以上の実績で培ったノウハウで、情報システム部が“攻めの業務”に集中できる環境を作り出す。
属人化しやすい業務を「見える化」「標準化」することでノウハウを構築することに強みを持ち、チャットボットシナリオ構築、マニュアル作成、RPA作成など「自動化」「業務効率化」の観点からサポートを行う。緊急やイレギュラー時にも、コミュニケーションツールを活用したシームレスな連携で速やかな問題解決を実現。社内問い合わせ対応、システム運用・監視から情報資産管理、キッティング作業などサービス対応範囲も広い。
（出所：ReSM plus公式Webサイト）
有⼈ヘルプデスクとFAQシステムの2つの窓口で、社内からの問い合わせをスピード解決する、社内ヘルプデスクストソーシングサービス。誰でも使いやすいWebポータルサイトを作成して、従業員の自己解決を促進するのに加えて、有人ヘルプデスクに寄せられた問い合わせ内容からナレッジを蓄積することで、業務生産性の向上を実現する。情シス部門の対応コスト削減だけでなく、問題解決のスピード向上、業務の属人化の防止といったメリットも期待できる。
また、ヘルプデスク代行のほかに、システム作業代行やPCキッティング、IT資産管理といった作業オプションも用意。
こちらでは、システムの運用管理に対応するアウトソーシングサービスを考える中堅・大手企業向けのサービスをご紹介します。
（出所：情シスSAMURAI公式Webサイト）
創業30年の豊富な経験にもとづく、高い技術力に強みを持つ情シスアウトソーシングサービス。「業務代行・改善」と「アウトソーシング」の2つの柱で、情シスの人手不足や業務の属人化問題を支援する。
オンサイト＋リモートのスピーディーかつ正確な引き継ぎが魅力で、相談から最短2週間で業務を移行。運用が安定したところで、業務効率化・運用改善、IT企画までをトータルでサポートを実施する。
情シス業務経験豊富なプロ3名以上のチームサービスを提供することで、ナレッジ共有や属人化の解消につなげる。ヘルプデスク、アカウント管理、PCキッティング、システム運用といった日常業務に加え、長期を見据えた改善支援やIT企画提案まで幅広くカバーするのも特徴だ。
（出所：IT推進 情シス支援 総合サービス公式Webサイト）
マルチベンダー対応を基本とするITソリューションパートナー。システムの導入・運用を介して、企業のIT化/DX化の支援や、ITに関する課題の解決を目指す。「ヘルプデスク」「ITインフラ事業」「デバイス事業」「次世代セキュリティ対策」「IT推進/社内SE事業」の5つのソリューションを組み合わせることで、自社に最適サービスを実現する。いずれもITに関する専門知識を有したスペシャリストが対応するため、
情シス担当者のあらゆる負担を軽減する。
「とりあえずの相談」にも解決策を提案するサービスのバリエーションの豊富さに加えて、業務量の増減やイレギュラー対応に強い柔軟なサービスメニューが魅力だ。
（出所：情シス特化型運用支援サービス公式Webサイト）
「既存システムの運用・監視」や「社内問い合わせの対応」といった情シス業務を可視化・効率化・自動化する、情シス特化型運用支援サービス。これらのルーティン業務を代行支援することで、システム企画業務やDX推進といったコア業務へのリソース再分配を可能にする。IT企画/計画やアーキテクチャ設計、インフラ設計など専門性の高い業務に関しても、経験豊富なコンサルタントが手厚くサポート。
人材確保に課題がある企業については、業務効率向上と採用・育成ナレッジを用いた独自の標準化・仕組化メソッドにより解決へと導く。
（出所：ITアウトソーシング公式Webサイト）
社内に新たな時間や価値を創出するための、IT運用の外部委託サービス。PCキッティング代行サービス、ITサポートサービス、業務の引継ぎ対応、問い合わせ代行・障害対応代行チケットサービスといった作業を請け負うことで、情シス担当者がコア業務にフォーカスするのをサポートする。
情シス業務の一覧化から作業をスタート。アウトソーシングの対象となる業務を可視化したうえで、予算に応じて柔軟な選択ができる。1人情シスの担当者が属人化してしまった運用業務を可視化して、システム停止や業務の停止などのリスクを回避することも可能だ。また、オンプレミス/クラウドといった形態や、業務単位/時間帯にかかわらず、企業の都合に合わせて業務を依頼できる自由度の高さもメリット。
近年注目を集めている情シスのアウトソーシングサービス。情報システム部門の業務全体、あるいは一部を外部委託することで、以下のようなメリットが得られます。
デジタル機器の設定、システム開発・保守、セキュリティ対策、ヘルプデスク業務など幅広い業務を委託できますが、大きくは「ヘルプ業務中心」か「システム運用管理にも対応している」かで分けられます。加えて、「中小・中堅企業」「中堅・大手企業」など企業規模と合わせて検討すると、自社に合ったサービスが選びやすくなります。
また、情シスアウトソーシングサービスには、以下のようにいくつか比較ポイントがあります。
情シスのアウトソーシングサービスを提供する会社は増加傾向にあり、それぞれ特徴や費用が異なるため、サービスごとの業務範囲やサポート体制までよく理解したうえで契約することが大切です。本記事を参考に、情シスアウトソーシングサービスの導入を検討してみてください。
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