最終更新日:2024-03-19
社内従業員向けの業務マニュアルや、顧客向けの製品マニュアルを効果的に運用したい方へ。紙よりも読まれやすく、更新がしやすい電子マニュアルの作り方や、目的に合わせたシステムの選び方を紹介します。
既存の紙マニュアルには、印刷や配布に時間がかかったり、検索性に乏しかったりといった課題があります。これらの課題の解決手段として有効なのが、マニュアルの電子化・Web化です。具体的にどんなメリットがあるのか解説していきます。
紙のマニュアルだと、製本(印刷)、配布、更新、保管、管理といった業務をすべてアナログで行わなければいけません。しかし、電子化されたマニュアルなら、製本する必要はなく、配布も更新もパソコンやスマホなどの操作画面上から簡単に行えます。また、保管場所や管理の手間も不要です。さらに、用意されているテンプレートに入力していくだけで、誰でも簡単に均一的なマニュアルを効率的に作成することも可能です。
「どこに何が書かれているのかわからない」「文字ばかりで読みづらい」といった理由で、マニュアルが活用されていないという問題も。マニュアルを電子化することで、検索性を高めたり、必要に応じて図解や画像を挿入したりすることで内容がわかりやすくなり、自主的な活用を促進できます。
また、紙など物理的なマニュアルは持ち運びしづらいのもネック。電子マニュアルならPCやスマホ、タブレットからどこからでも参照できるため、外出先や現場作業はもちろん、リモートワークといった幅広い勤務形態にも対応できます。
実際に手を動かす作業や画面操作、道案内など、テキストと画像だけで表現するのが難しい内容は、動画を使うことでわかりやすく共有できます。
電子マニュアルは、スマホで撮影した動画やPowerPointなどで作成した動画を挿入可能。一連の作業の流れやディティールを視覚的に伝えられるだけでなく、作業しながら視聴できるため、業務効率アップにも役立ちます。
内容に不備があった際や情報が更新された場合、紙のマニュアルは修正・印刷・配布に時間とコストがかかってしまいます。しかし、電子化したマニュアルなら、その場ですぐに修正反映が可能。メンテナンスのスピードアップ、効率化に貢献します。
定期的に改訂や内容の追加があるマニュアルだと、どれが最新版で、どこが改訂されたのかわからなくなってしまう恐れが。電子マニュアルであれば、誰がいつどこを修正したのか記録を残したり、こまめにメンテナンスを行ったりすることも容易となるため、マニュアルの品質向上につながります。
なお、マニュアルの電子化に適したシステムをお探しの方は、こちらからサービス紹介資料をダウンロードいただけます。
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マニュアルには「業務マニュアル」と「リファレンスマニュアル」の2種類があり、それぞれ電子化・Web化の目的が異なります。種類別に目的と手順を解説します。
【目的】スタッフの早期戦力化、業務品質の担保、ノウハウの伝承など
業務行程をわかりやすく整理してマニュアル化する、という基本的な方針は紙でも電子でも変わりません。しかし、マニュアル作成システムを使えば、ステップ化された業務手順に説明文や画像、動画を追加するだけで、効率的かつ簡単にマニュアル作成ができます。
複数名で編集権限を共有できるシステムなら、各々の専門分野のマニュアル作成を担当する、気づいた人が更新・修正をするといった進め方が可能に。骨子となる構成を作ったら、各工程のディテールを現場の担当者が記入するという進め方もできます。
たとえば、スマホやタブレットで撮影した画像や動画を、そのままマニュアルに反映できるシステムを使えば、現場の指導者によるマニュアル作成も可能に。現場の生きた知識を継承していけるようになります。
【目的】膨大な量のマニュアル作成・管理、メンテナンスの負担軽減、複数媒体・言語への対応
リファレンスマニュアルを作るとなると、膨大な量の情報を扱うことになります。そのためまずは、作成や改訂などの作業を分業化できるように、マニュアルの構成素材となる、画像や図、テキストをデータベース化します。
そうすることでコンテンツ(画像・図・テキストなど)とレイアウト(スタイルシート・テンプレートなど)を分けて管理できるようになり、出力媒体(紙・PDF・Webなど)を問わずにマニュアル作成を一度で済ませることができるようになります。
マニュアルの原稿執筆、取りまとめ、レイアウト組みといった編集業務を行います。膨大な情報量を取り扱うことになるので、複数名での作業が必須。社内リソースが足りない場合は、執筆・編集業務を委託するという手段も。素材をデータベース化しておくことで、マニュアルの構造化が可能となり、それぞれのパーツを分担して作業を進めていけるようになります。加えて、属人化の解消にも有効です。
また、オンライン上で編集作業ができるので、制作フローの効率化、管理業務の負担軽減、リモートワーク環境への対応に役立ちます。
リファレンスマニュアルは1回作って終わりではありません。そこから違うメディア形式で出力したり、他の言語に翻訳したりといった様々な活用や、修正・改訂といったメンテナンス作業が必要です。これらを実施すれば、高い品質と実用性を持った「読まれるマニュアル」に。
新システムが保有する(あるいは新システムのために作成した)スタイルシートやテンプレートを活用することで、改訂管理や他媒体への対応も簡単になります。
マニュアルの電子化を進めるには、マニュアル作成・共有システムを使うのがおすすめです。業務マニュアル作成に向くタイプと、リファレンスマニュアル作成に向くタイプ、それぞれのシステムの特徴を解説します。
業務マニュアルの作成に向いているのが、専門知識がなくても、効果的なマニュアルを簡単にわかりやすく作成できるタイプ。主な機能は以下のとおりです。
また、業務マニュアルは「現場にもしっかり定着させられるか」も重要なポイントです。QRコードでのアクセスや閲覧状況のチェック機能などがあると、より現場で活用されやすくなります。
たとえば「shouin+」は、確認クイズやチェックリストといった機能によって、知識の定着度アップが期待できるほか、研修の進捗状況や教育状況を可視化できます。
リファレンスマニュアル作成においては、複雑かつ膨大なデータを効率的に作成・管理できるタイプが便利。主な機能は以下のとおりです。
たとえば「PMX」は、コンテンツを「トピック」という単位に部品化して一元管理。各トピックをデータベースで管理しながら、部品を組み立てるようにドキュメントを再構成できるので、改訂や差し替えが多いマニュアルの作成に適しています。
業務マニュアルの電子化に適した6つのシステムをご紹介します。
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(出所:Teachme Biz公式Webサイト)
満足度、認知度、利用率で国内トップを誇るマニュアル作成・共有システム。テキストや画像、動画を業務工程に沿って記載・アップロードしていくだけで、わかりやすいマニュアルを作成することができる。システム上で画像や動画に補足情報を記載することも可能。
QRコードからマニュアルへのダイレクトアクセス、詳細な検索機能、期日・担当者を決めてのタスク配信など、マニュアルを活用するための情報発信機能も充実している。トレーニングコースの設計や実施状況分析によって、従業員の成長・戦力化を促進するトレーニング機能も搭載。
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(出所:トースターチーム公式Webサイト)
従業員それぞれのノウハウと知識、経験をクラウドで一元管理し、業務の見える化を実現するAIマニュアル作成管理ツール。従業員を短期間で即戦力化することで、業務効率化・生産性向上に貢献する。必要なマニュアル名を入力するだけで、AIアシスタントが自動で瞬時にマニュアルを作成できる。
操作中のPC画面をそのまま録画することで動画マニュアルを作成可能。動画の撮影から編集までをスマホ1台で行うこともできる。社外のユーザーや取引先へもマニュアルを共有でき、パスワードによる保護機能も搭載しているため、セキュリティ面でも安心。また、多言語自動翻訳にも対応しているので、グローバルな職場環境での業務標準化にも役立つ。
マニュアル作成以外に、社内用語や業界用語を解説する「用語集」や「社内Wiki」をまとめて共有する機能も。社内のナレッジ共有をトータルでサポートする。
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(出所:VideoStep公式Webサイト)
文字や静止画だけでは伝えられない業務マニュアルを、簡単に動画にして共有できるツール。撮影・録画はスマホからでもPCからでもでき、編集もPowrPoint感覚で簡単。専門スキルがなくても図形挿入・文字挿入・動画カット・トリミングなど簡単に行える。
クラウドに集約した動画はYOUTUBE感覚で検索したり、それとは別にQRコード・URLリンクでも共有可能。また、管理画面で「誰がどの動画をどれくらい見ているか」もチェックできるため現場での動画活用・定着も期待できる。
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(出所:Dojo公式Webサイト)
高品質なマニュアルを誰でも簡単に自動作成できるツール。Dojoを立ち上げて普段通りに作業するだけで、作業内容を自動で記録。操作画面をキャプチャーし、種類豊富なテンプレートを利用して画像や文言の位置などを固定。マニュアル作成工数の大幅な削減はもちろん、品質の統一化を図ることもできる。作成したマニュアルは、目的や用途、利用形態に合わせて、WordやExcel、パワポのほか、HTMLやMP4など、様々な形式で出力可能。
また、操作ナビゲーションツールの「Dojoナビ」を併用することで、画面上に操作ガイドを自動で表示。初めて使う場合でも迷うことなく操作することができる。マニュアルを探して読む手間が省け、新人の早期の習熟が見込める。
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(出所:NotePM公式Webサイト)
マニュアル・業務手順書などの作成・共有に優れた社内wikiツール。豊富なテンプレートと高機能エディタでどんなドキュメントを簡単作成。画像に矢印・吹き出しをつけたり、動画を取り込んだりできるため、わかりやすくまとめられるのもポイント。
コメント機能を利用すれば作成途中のフィードバックや、公開後の改善点発見にも役立てられる。公開・更新時には特定のメンバーへの自動通知も可能。検索機能も強力で、キーワードを入力で全文検索もできるため、目的のマニュアルをすぐに探し出せる。
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(出所:shouin+公式Webサイト)
人材育成・研修の効果最大化を目指し、企業が抱える人材育成全般の課題解決に貢献するeラーニングサービス。自社で作成したPDFマニュアルや動画をシステム上にアップロードできるので、マニュアルの電子化・Web化に役立てられる。
機器の扱い方や調理方法などを撮影し、テロップを入れれば簡単に動画マニュアルの作成が完了。動画の撮影・編集については、同社のサポートを受けられるので安心だ。また、既存の紙マニュアルの元データを転用することもできる。また、キーワード検索に対応した「用語集」や、トピックスに対してタグ付けができる「タイムライン」(オプション)といった機能もマニュアルの電子化につなげられる。
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(出所:Dive公式Webサイト)
製造や物流、ビルメンテナンスなどの現場作業をサポートする動画マニュアルツール。15ヵ国語の自動翻訳にも対応し、幅広いシーンに対応できる。
標準フォーマットに沿って入力していくだけで、スマホから簡単に動画手順書の作成が可能。手順ごとに作業のコツ・注意ポイント・安全上の重要事項も共有できる。ARガイドの作成・挿入にも対応し、スマホの画面越しに現場を映しながらオブジェクトや音声、テキスト、ナビゲーションを配置するだけで、モノの置き場や道案内など、テキストや動画だけでは伝わりにくい内容もカバーできるのがうれしい。
手順ごとにチェック機能も搭載。未チェック項目があると手順を進められない設計で、非対面でも正確に作業管理ができるため安心だ。その他、ハンズフリー通話や支援要請など、遠隔地から作業者をサポートできる機能も搭載。新人教育を効率化し、早期戦力化に貢献する。
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リファレンスマニュアルの電子化・Web化に適したシステムを2 つご紹介します。
(出所:PMX公式Webサイト)
大量の文書やコンテンツを一元管理し、Webサイトや電子書籍、印刷物としてアウトプットすることができるマニュアル管理・作成ツール。家電などの取扱説明書や金融業務の規程文書など、記載すべき情報が多く、内容も複雑、さらに改訂や差し替えが多いマニュアルの作成に特化している。
複数人でマニュアル作成を進めるための共同編集機能や、多言語への翻訳機能、改訂漏れを防ぐためのバージョン管理機能など、制作・管理効率化のための機能が充実。さらに、1つのデータから、HTMLやPDF、Word書類、InDesignなどのDTPデータなど、様々なメディアに出力できる「ワンソースマルチユース」という強みも。純国産ベンダーによるサポートを受けられるので、安心して導入できる。
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(出所:はたらきかたマニュアル公式Webサイト)
「はたらきかた調査」「はたらきかた制作」「はたらきかたエディター」「はたらきかたクラウド」の4つのサービスから必要なサービスを選んで、自社に最適なマニュアル作成・共有システムを構築することができる。
現場観察やヒアリングからはじまり、専門のテクニカルライターによる執筆・編集で、自社にとってベストな業務マニュアルを制作。エディター機能で電子化、複数人での同時編集、多言語展開といった運用効率化を図ることができる。そして、クラウド機能で安全にマニュアルを配信。マニュアル運営に必要なすべての機能が用意されている。
新入社員の教育や業務品質の向上、ノウハウの継承など、マニュアル作成には様々なメリットがあります。しかし、マニュアルを作ったものの活用されていない、という現場は少なくありません。マニュアルを効果的に活用するには、作成後の管理・運用までを視野に入れる必要があるのです。
そして、効率的な管理・運用に役立つのが、マニュアルの電子化・Web化。自社の環境にあったシステムを選び、適切な運用を行うことで、人材育成を主とした課題解決に役立つはずです。
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マニュアルの電子化に適したシステムを含むマニュアル作成ツールの詳しい選び方は、こちらの選び方ガイドをご覧ください。
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