法人向けIT製品の比較・選定を支援する情報メディア「アスピック」の編集部。 SaaSや業務システムを中心に、バックオフィス・営業・人事・マーケティングなど幅広い領域のIT製品を調査・比較し、導入検討に役立つ情報を発信している。 各サービスの機能や料金、導入実績などの公開情報をもとに、ユーザー視点でのわかりやすい整理を重視してコンテンツを制作。また、実際の利用シーンや業務課題を踏まえ、企業のIT活用による業務効率化や課題解決につながる情報提供を行っている。
電子カルテシステムとは、患者ごとの診察記録や処方などを電子化して一元的に管理するためのシステムです。診療の効率化だけでなく、問診・検査・会計などの院内業務の効率化が期待できます。本記事では選び方・比較ポイントを、おすすめの電子カルテシステムと併せて、わかりやすく紹介します。
「手早く自院に合った電子カルテを知りたい」という方は、以下より確認できます。
| 重視する条件 | 適した種類 | 主な電子カルテ |
|---|---|---|
| 小規模で導入・運用負担を抑えたい | クリニック向け・クラウド型 | CLIUS、CLINICSなど |
| 受付から会計までまとめたい | レセコン一体型 | エムスリーデジカルなど |
| 既存レセコンを引き続き使いたい | レセコン連携型 | Medicom-HRf Hybridなど |
| 部門間・病棟間で情報共有したい | 病院向け | blanc、ウェブカルテⅡなど |
| 診療科固有の記録や検査に対応したい | 診療科特化型 | 診療科により異なる |
主なサービス資料については、以下より資料をまとめてダウンロードできます。
“電子カルテシステム”の 一括資料ダウンロードする(無料)
電子カルテとは、患者の基本情報や診療内容、検査結果、処方内容などを電子データとして記録・管理するシステムのことです。
従来の紙カルテと異なり、必要な情報を検索しやすく、院内の複数部門で迅速に共有できるのが特徴です。レセコンや検査システム、予約・会計システムなどと連携すれば、カルテ入力から会計までの業務を効率化できます。
厚生労働省が集計した2026年6月のアンケート調査によると、電子カルテの導入率は、医科診療所で72.6%、20~199床の病院で73.5%、200~399床の病院で86.0%、400床以上の病院で94.4%でした。一方、療養病床のみを有する病院では40.1%、精神科病床のみを有する病院では45.8%にとどまっており、施設の規模や機能によって普及状況に差が見られます。
政府は、遅くとも2030年には概ねすべての医療機関で患者の医療情報を共有できる電子カルテの導入を目指しています。そのためにクラウドネイティブ型電子カルテの普及や、医療機関同士で必要な患者情報を共有できる仕組みの整備、サイバーセキュリティ対策などもあわせて進められています。
普及率の現状や目標について、詳細を知りたい方は厚生労働省の「電子カルテ普及計画」を参照ください(2026年9月9日発表)。
これから電子カルテを選ぶ際は、紙の診療記録を単にデジタル化できるかだけでなく、院内システムとの連携性、医療情報の標準化への対応、セキュリティ、障害時の診療継続性まで含めて比較することが重要です。
電子カルテは、主に「施設規模」「導入形態」「診療科・利用場面」「レセコンとの関係」の4つの観点から分類できます。まずは自院に必要な種類を確認し、候補となる製品を絞り込みましょう。
【図解:施設規模・導入形態別の電子カルテ一覧】

図のとおり、電子カルテは施設規模によって主な選択肢が異なります。また、同じ施設規模向けの製品でも、クラウド型、オンプレミス型、ハイブリッド型に分かれるため、両方の観点から候補を絞ることが重要です。
電子カルテに求められる機能やサポート体制は、医療機関の規模によって大きく異なります。最初に、クリニック・診療所、中小病院、大規模病院のどこに該当するかを確認しましょう。
無床診療所や小規模クリニックには、シンプルな操作性と導入しやすさを重視した電子カルテが適しています。限られた人数で受付から診察、会計までを行うため、少ない操作で入力でき、医師や医療事務スタッフが短期間で使いこなせることが重要です。
具体的には、レセコン一体型、クラウド型、予約・Web問診・オンライン診療などと連携できる製品が候補になります。新規開業の場合は、電子カルテだけでなく、予約、受付、問診、会計までまとめて導入できる製品を選ぶと、複数システムを個別に契約・連携する手間を抑えられます。
一方、既にレセコンや予約システムを利用している場合は、現在のシステムと連携できるか、既存データをスムーズに移行できるかを確認しておきましょう。
中小病院では、外来診療だけでなく、入院、看護、検査、投薬、リハビリなど、複数部門の情報を一元管理できる電子カルテが必要です。医師だけでなく、看護師、薬剤師、検査技師、医療事務など、多職種が利用することを前提に選びましょう。
看護支援、オーダリング、病床管理、部門システム連携、地域医療連携などへの対応が主な比較ポイントです。また、導入後に病床数や診療科が増える可能性がある場合は、機能や利用者を追加できる拡張性も欠かせません。
専任のシステム担当者がいない病院では、導入支援や操作研修、トラブル発生時のリモート・訪問対応など、ベンダーのサポート体制も重視するとよいでしょう。
大規模病院には、多数の診療科や部門、医療従事者が同時に利用しても安定稼働できる電子カルテが適しています。診療情報だけでなく、オーダリング、看護、検査、画像、薬剤、手術、医事会計など、院内の幅広いシステムと連携できることが前提となります。
病院ごとの複雑な業務フローに対応するため、カスタマイズ性や拡張性も重要です。複数施設を運営している場合は、病院間で患者情報を共有できるか、施設ごとの権限を適切に設定できるかも確認しましょう。
更に、システム障害が診療へ与える影響が大きいため、冗長化やバックアップ、災害対策、サイバーセキュリティ、24時間対応の保守体制なども重要な選定条件です。
電子カルテの導入形態は、主にクラウド型、オンプレミス型、ハイブリッド型の3種類に分けられます。費用だけでなく、カスタマイズ性や障害時の運用、保守負担を含めて比較しましょう。
クラウド型は、ベンダーが管理するクラウドサーバー上で電子カルテを利用する方式です。院内に専用サーバーを設置する必要がなく、初期費用や保守負担を抑えやすいことから、クリニックや中小規模の医療機関を中心に利用されています。
インターネット環境があれば、院内のPCだけでなく、タブレットや訪問先の端末から利用できる製品もあります。また、機能追加や法改正に伴うアップデートをベンダー側で実施する製品が多く、システムを最新の状態に保ちやすい点もメリットです。
一方、通信障害が発生すると利用できなくなる可能性があります。オフライン時の閲覧・入力機能、バックアップ回線への切り替え、障害時の診療継続方法を確認しておきましょう。
オンプレミス型は、医療機関内にサーバーを設置し、院内ネットワークを通じて電子カルテを利用する方式です。医療機関独自の業務フローに合わせて機能や画面をカスタマイズしやすく、既存の部門システムや医療機器とも柔軟に連携できます。
院内ネットワークを中心に運用するため、インターネット回線の影響を受けにくい点も特徴です。診療科や部門が多く、複雑な運用が必要な中規模以上の病院に向いています。
ただし、サーバーやネットワーク機器の購入費用がかかるほか、定期的な保守・更新も必要です。導入費用だけでなく、サーバー更新、バックアップ、セキュリティ対策などを含めた中長期的なコストを確認しましょう。
ハイブリッド型は、オンプレミス型とクラウド型の特徴を組み合わせた方式です。通常時は院内サーバーを利用して安定したレスポンスを確保しながら、クラウド上にもデータを保管して、バックアップや院外からの閲覧に活用します。
クラウド側への切り替え機能を備えた製品であれば、院内サーバーの故障や災害が発生した場合も診療を継続しやすくなります。操作性やカスタマイズ性を維持しつつ、クラウドの利便性や災害対策も取り入れたい医療機関に適しています。
ただし、「ハイブリッド型」が指す構成は製品によって異なります。どのデータを院内とクラウドのどちらに保存するのか、障害時にどこまでの機能を利用できるのかを確認する必要があります。
電子カルテは施設規模や導入形態に加えて、自院の診療科や診療スタイルに合った機能を備えているかも重要です。電子カルテは、幅広い診療科に対応する汎用型、診療科特化型、訪問診療・在宅医療向けに分けられます。
汎用型は、内科をはじめとした幅広い診療科で利用できる電子カルテです。患者情報や診療記録の管理、処方、検査オーダー、文書作成、レセコン連携など、日常診療に必要な基本機能を備えています。
診療内容に応じてテンプレートや入力項目を設定できる製品であれば、複数の診療科を持つ医療機関でも運用しやすくなります。また、開業後に標榜科を増やす場合や、将来的な機能拡張を想定している場合にも適しています。
選定時には、自院でよく使う処方や検査、シェーマ、文書のテンプレートを登録できるか、画面や入力手順を診療フローに合わせて調整できるかを確認しましょう。
診療科特化型は、眼科、産婦人科、精神科、歯科など、特定の診療科に必要な機能や入力画面を備えた電子カルテです。診療科固有の検査データや画像、シェーマ、経過記録を管理しやすく、専用の医療機器と連携できる製品もあります。
たとえば、眼科であれば視力・眼圧検査や画像ファイリング、産婦人科であれば妊婦健診や分娩記録、精神科であれば長期的な経過記録や各種書類の作成支援などが挙げられます。
汎用型でもテンプレート追加によって対応できる場合がありますが、専門的な検査や記録が多い場合は、診療科特化型の方が入力・管理を効率化しやすいでしょう。
訪問診療・在宅医療向けの電子カルテは、院外からスマホやタブレットで患者情報を閲覧・入力できることが特徴です。訪問スケジュール、訪問ルート、処方、在宅医療に必要な文書などをまとめて管理できる製品もあります。
訪問先で通信環境が不安定になることもあるため、オフラインでの閲覧・入力や、通信復旧後のデータ同期に対応しているかを確認しましょう。また、訪問看護ステーション、薬局、ケアマネジャーなど、院外の関係者と安全に情報共有できるかも重要です。
院内診療と訪問診療の両方を行う場合は、患者情報やスケジュールを一つのシステムで管理できる製品を選ぶと、二重入力や情報の分散を防げます。
電子カルテは、レセコンを内包した「一体型」と、外部のレセコンと接続する「連携型」に分けられます。新規開業か既存システムからの乗り換えかによって、適した方式が異なります。
レセコン一体型は、電子カルテとレセコンの機能を一つのシステムにまとめたタイプです。カルテに入力した診療内容を会計・レセプト作成へ反映できるため、受付から診察、会計、請求までの業務を一元化できます。
患者情報や診療内容を複数のシステムへ入力する必要がなく、転記ミスや入力負担を減らせる点がメリットです。電子カルテとレセコンを同時に導入する新規開業のクリニックや、既存システムをまとめて刷新したい医療機関に適しています。
一方、電子カルテとレセコンを個別に選べない場合があるほか、将来どちらか一方だけを変更するのが難しいこともあります。料金や機能に加えて、データの出力方法や他社システムへの移行条件も確認しておきましょう。
レセコン連携型は、電子カルテと外部のレセコンを接続して利用するタイプです。現在使用しているレセコンを継続しながら、電子カルテだけを新たに導入・変更したい医療機関に向いています。
使い慣れたレセコンをそのまま利用できるほか、電子カルテとレセコンをそれぞれの機能や使いやすさから選べる点がメリットです。一方、連携できるレセコンが製品ごとに異なり、連携方法によっては患者情報や会計データの一部を手作業で入力しなければならない場合があります。
選定時には、利用中のレセコンに対応しているかだけでなく、患者登録、診療内容、会計情報がどこまで双方向に連携されるか、連携に追加費用がかかるかを確認しましょう。
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続いて「何を選べばいいかわからない」という方向けに、人気の電子カルテをランキング形式でご紹介します。
ランキングはアスピックが保有する以下のデータをもとに、それぞれをスコア化した上で、資料請求数を重視した独自の加重平均により算出しています。
閲覧数(関心)だけでなく、資料請求(導入検討度)を重視しているため、実際に比較・検討されているサービスが上位に来る設計となっています。
| 順位 | サービス名 | 根拠 | 特徴 | おすすめ |
|---|---|---|---|---|
| 1位 | CLIUS | 資料請求最多 | AI入力補助・低コストで開業向け | 開業したばかり・コストを抑えたい |
| 2位 | Medicom-HRf Hybrid Cloud | PV最多・資料請求も上位 | 医事一体型・豊富な連携実績 | レセコン連携や運用サポートを重視 |
| 3位 | エムスリーデジカル | PV・資料請求ともに上位 | AI・操作性・実績で安定 | 効率化・入力負担を減らしたい |
| 順位 | サービス名 | 根拠 | 特徴 | おすすめ |
|---|---|---|---|---|
| 1位 | ウェブカルテⅡ | PV・資料請求ともに最多 | 看護・部門連携まで対応 | 部門連携・チーム医療を重視 |
| 2位 | blanc | 資料請求2位 | 文書作成・オーダー補助など豊富 | 将来を見据えてDXを進めたい |
| 3位 | Medicom-CKⅡ | 資料請求上位 | 中小規模病院向けのWeb型電子カルテ | 病院業務に合う基本機能を重視 |
サービスの資料を取り寄せたい方は、以下よりダウンロードください。上記ランキングで取り上げたサービスについてもまとめて受け取れます。
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続いて、主要電子カルテについて、「導入形態」「レセコン」「各種機能」などをリサーチして表にまとめておきました。気になるサービスがあれば対応状況をチェックしてください。
| サービス名称 | タイプ | 特徴・他との違い | 導入形態 | レセコン | 受付 | カルテ | オーダーリング | 集患サポート | 病院向け機能 | |||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| クラウド | オンプレ | 内包一体型 | 分離連携型 | 診療予約 | Web問診 | シェーマ | 手書き対応 | オーダー学習 | オーダーチェック | メッセージ配信 | LINE連携 | 看護支援 | 部門別連携 | 検査機器・会社連携 | 地域医療連携 | |||
| CLIUS(クリアス) | クリニック向け | AIオーダー推薦と300種以上のシステム連携が特徴。レセコンはORCAのみ連携可 | ◯ | - | - | ◯ | ◯ | ◯ | - | - | ◯ | ◯ | - | - | - | - | ◯ | - |
| CLINICS | レセコン一体型。予約・問診・オンライン診療、会計まで完結 | ◯ | - | ◯ | - | ◯ | ◯ | ◯ | - | - | ◯ | ◯ | - | - | - | ◯ | - | |
| エムスリーデジカル | AI自動学習に強み。カルテ入力時間が大幅削減できる。導入実績7,000件超 | ◯ | - | ◯ | ◯ | オプション | オプション | ◯ | オプション | ◯ | オプション | オプション | - | - | - | ◯ | - | |
| Medicom-HRf Hybrid | 直感的なUIに強み。予約・検査・精算、170社の機器と連携可能 | ◯ | ◯ | - | ◯ | オプション | オプション | - | - | ◯ | ◯ | オプション | - | - | - | ◯ | - | |
| MAPs for CLINIC | Web予約・問診機能を標準搭載。専用アプリによる高速入力が特徴 | ◯ | - | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | - | - | - | - | - | - | ◯ | - | |
| MRN | オンプレながらクラウドバックアップや定期バージョンアップなどに対応 | ◯ | ◯ | ◯ | - | オプション | - | - | - | - | - | - | - | - | ◯ | ◯ | ◯ | |
| Medicom-CKⅡ | 中小病院向け | 中小規模病院に特化。オンプレ・クラウドいずれにも対応。薬剤・栄養・リハ部門と統合した病院運営に強く、地域医療連携機能も充実。 | ◯ | ◯ | - | ◯ | オプション | オプション | - | - | - | オプション | - | - | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
| ウェブカルテⅡ | ナースコール・看護記録などの看護部門やリハビリ部門など他部門連携に強み。外部の介護施設等との情報連携も可能。 | ◯ | - | ◯ | ◯ | ◯ | オプション | - | - | - | ◯ | - | - | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |
| blanc | 亀田総合病院が開発・提供した病院向け電子カルテ。看護業務のUI/UXに注力。チーム医療を支える設計で、看護記録の入力効率に特徴あり。 | ◯ | - | - | ◯ | - | - | - | - | - | ◯ | - | - | - | - | - | - | |
| Henry | 中小病院に特化したレセコン一体型のクラウド電子カルテ。中小病院向けにコスト最適化を重視した軽量設計のため、スピーディに導入できて、運用もしやすい。 | ◯ | - | ◯ | - | - | - | - | ◯ | - | - | - | - | ◯ | - | - | - | |
| HOPE Life Mark-MX | 地域医療連携機能も搭載。〜300床の中堅病院向け。DPC対応や部門システム連携が充実。大規模病院並みの機能を中小規模にも展開可能。 | - | ◯ | - | ◯ | - | - | - | - | - | - | - | - | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |
| 電子カルテシステムER | 中小病院の幅広い診療科に対応。中小規模病院の業務に特化した汎用性のあるパッケージで、各部門システムを統合しやすい。 | - | ◯ | ◯ | ◯ | - | - | - | - | - | - | - | - | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |
| セコム・ユビキタス電子カルテ | セコムグループのITセキュリティを活用し、クラウド環境で提供。毎日院内のPCにバックアップデータが作成され、万一の災害の際にも安心。 | ○ | - | - | ○ | オプション | - | ○ | - | - | - | - | - | ○ | ○ | オプション | オプション | |
| HOPE LifeMark-HX | 大規模病院向け | 診療情報、オーダー、医事データ、レセプトなど大量データを一元管理 | - | ◯ | - | ◯ | - | - | - | - | - | - | - | - | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
| MegaOak/iS | 生成AIを搭載し、電子カルテをもとに紹介状や退院サマリを自動生成 | - | ◯ | - | ◯ | - | ◯ | - | - | ◯ | ◯ | - | - | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |
「手元でしっかり確認したい」という方向けに、編集可能な比較表も用意しています。以下より、ダウンロードください。今なら電子カルテシステムのサービス資料と合わせて受け取れます。
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自院に合ったタイプが何となくつかめたら、続いては個々のシステムを更に詳しく比較検討する番です。電子カルテシステムを選ぶ上で検討すべきポイントをいくつかご紹介します。
オンライン上で事前に問診できたり、予約できたりすると、患者の待ち時間を減らしてスムーズに診療に移れます。電子カルテシステムによっては、これらの受付機能を搭載しているものもあります。「問診や予約対応に追われている」「事務スタッフが不足している」という場合はおすすめです。
たとえば、「CLINICS」はWeb予約・問診だけでなく、スタッフのスケジュール管理まで行えます。また、オンライン診療のためのビデオ通話機能、画面共有機能、キャッシュレス決済やファイル送信なども搭載しています。
システムの中には、カルテの作成を効率化してくれる機能を備えたものもあります。たとえば「CLIUS」は医師の処方や処置行為をAIが自動学習することで、よく使う処方・セット・SOAPをランキング形式で表示してくれます。イチから入力しなくて済むため、カルテ作成の手間を大幅に省くことができます。
また、「エムスリーデジカル」のように専用のペンとiPadを用いることで紙に書くような書き心地を実現しているものもあります。更にシェーマや記載用テンプレートを事前登録することで、紙カルテと同様にハンコ感覚で使うこともできます。「手書きを好む」「写真撮影やシェーマをよく使う」という医師にはおすすめです。
更に、日々の診察で利用するテンプレート・入力セットを詳細な組み合わせで設定できる「MAPs for CLINIC」のようなものも。「主訴・所見」「オーダー」「病名」の一括セット化に対応するなど、スピーディーなカルテ入力をサポートします。
カルテ以外にも、診断書・紹介状・各種指示書などの文書の作成をサポートしてくれる機能があると便利です。特に在宅医療の場合、居宅療養管理指導書や訪問看護指示書、特別訪問看護指示書など作成文書が多く、医師の負担が大きいため必須です。
たとえば、「blanc」は、カルテ内の各種情報から紹介状や診断書等の文書を自動作成可能。文書様式や記載内容も簡単にテンプレート化できるため、文書作成業務を大幅に効率化してくれます。また、「何がどこでとまっているか」など文書作成状況も一覧で可視化できるため、作業の遅延や登録漏れも防げます。
現在、病院・クリニックで利用している検査会社や医療機器、Web問診システム、レセプトチェックシステム、画像ファイリングシステム、自動精算機、診療予約システムなどがあれば、連携できるかどうかチェックしておきましょう。システムによっては同社製品としか連携できないものなど、連携が限られるものもあります。
たとえば、「CLIUS」なら、60社・120種類を超える、多くの外注検査会社やほかの医療機器・システムと連携可能です。また、本来別のシステムで賄うべき機能を備えた一体型の電子カルテも存在し、「CLINICS」なら、予約~オンライン診療~電子カルテ~レセプトまで完結できます。
システムによっては「Windowsしか利用できない」「Androidでは利用できない」など利用が制限される場合もあります。「Macでも使いたい」「出先でタブレットでも使えるようにしたい」などの要望がある場合は、事前に対応しているかチェックしておきましょう。
中には、「Medicom-CKⅡ」のように、往診時にはPC・タブレット・スマホなど持ち出し用端末をVPN接続することで、訪問先でのカルテ参照・記載も可能にするなど、院外利用を想定した電子カルテも存在します。この場合は、院内だけでなく、法人グループ内の連携、地域医療連携などにも有用です。
電子カルテの導入に際して、どのようなサポートを取っているかはシステムによって変わります。不安がある場合は「Open-Karte Cloud」のように、専任のスタッフが客先を定期訪問し、電子カルテの運用提案や操作のレクチャーを行うなど丁寧にサポートしてくれるものが心強いです。
また、「エムスリーデジカル」のようにWeb面談でデモを行うことで相談のしやすさを売りにしているシステムも存在します。院内に専任担当者がいないために医師や事務長が直接担当しなければならず、時間をかけられないという場合にも向いています。
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(出所:CLIUS公式Webサイト)
企業のバックオフィス業務を効率化する「ジョブカン」シリーズを手掛ける同社が提供するクラウド型電子カルテシステム。電子カルテに加えて、オプションプランを用いることで「オンライン診療」「患者予約」も利用可能。
ジョブカンの勤怠・給与・労務管理を利用すれば、院内業務の効率化も期待できる。外注検査会社やほかの医療機器・システムとの連携に優れており、業界最大規模の60社・120種類を超える。文書作成機能にも長けており、オリジナルの文書雛形を作って、それをもとに自動で書類作成も可能。無数の文書を作成しなければならない在宅医療を行っているようなクリニックにはおすすめ。レセコンはクラウド版のORCAを連携させて利用。
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(出所:CLINICS公式Webサイト)
現場経験豊富な臨床医とデザイナー目線で徹底的に使いやすいUIにこだわったクラウド診療支援システム。レセプト出力に加え、月末の点検作業を軽減するレセプトチェック機能も搭載。院内の様々な機器とシームレスに接続することも可能。「オンライン診療」「予約」機能を活用すれば、予約〜受付〜カルテ〜会計業務まで一つのシステムで完結。一貫性のある操作で、効率的に業務を行える。
なお、既にレセコンを利用している場合でも、独自の移行プログラムを利用してデータをスムーズに抽出・移行するようサポートを受けられるので安心。導入に当たってはオンラインだけでなく、必要に応じて往訪でのサポートもあり。
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(出所:エムスリーデジカル公式Webサイト)
日本の医師の9割にあたる30万人以上が登録する医療従事者専門サイトを運営する同社が、医療現場のニーズに合わせて開発・提供するクラウド型電子カルテシステム。導入実績7,000件以上。
マニュアル不要で直感的に操作できるシンプルなインターフェースのほか、医師がよく用いる処置行為を学習してサジェストすることでカルテ作成・オーダー入力を効率化してくれる「AI自動学習機能」、紙カルテを超える書き心地で、シェーマもハンコ感覚で使える「iPad アプリ」など便利な機能を豊富に備える。レセコン一体型、ORCA連動型から選択可能。
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(出所:Medicom-HRf Hybrid Cloud公式Webサイト)
診療所向けで高いシェアを誇る医事一体型電子カルテシステム。オンプレ型とクラウド型の両方に対応。カルテとレセプトを一元管理できるため、カルテ入力時にリアルタイムでチェック可能。直感的な操作性と充実のアシスト機能によって、カルテ入力やレセプト点検における手間を大幅に軽減できる。更に、PACS、問診システム、予約・再来受付システムなど約170社の様々な機器と連携することで、院内業務をより効率化。
個人情報の漏えい防止機能や不正アクセス防止機能など、セキュリティ対策も万全。サポート体制が全国約170拠点に整備されているため、運用サポートも充実。
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(出所:MAPs for CLINIC公式Webサイト)
専用アプリを使うことで高い操作性を実現したクラウド電子カルテ。UIは各診療スタイルに合わせたカスタマイズに対応。カルテ作成を効率化する機能として「主訴・所見」「オーダー」「病名」の一括セット化にも対応するなど、入力速度を向上させる柔軟な設定が可能。起動や操作時のレスポンスも早く、入力操作でストレスを感じる心配もいらない。ネットワーク障害時には、ローカル環境での操作に切り替えて継続利用できるといった安心・安全な仕組みも備えており、日々の業務を円滑に進めることができる。
また、レセコン一体型で豊富な機能を搭載しながら、月額20,000円~の低コストで利用できるのも魅力。
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(出所:MRN公式Webサイト)
オンプレとクラウドのよいところを持つハイブリッド型の診療所向け電子カルテ。自院にサーバーを設置する必要はあるものの、外部のデータセンターを活用した高度なバックアップや更新機能を持つ。オンプレならではの独自のセキュリティ対策に加えて、サーバーダウンなどの不測の事態にもすぐに復旧できるのがポイント。安価な月額料金で利用でき、システムやマスタの更新など定期的にバージョンアップされるのも心強い。
セット入力や過去の処方の繰り返し入力などカルテ作成機能も充実。オーダーについても処置から候補病名や算定項目を自動でアシストする機能があるため、入力漏れや点検の手間を軽減できる。
“電子カルテシステム”の 一括資料ダウンロードする(無料)
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(出所:Medicom-CKⅡ公式Webサイト)
1972年に日本初のレセプトをリリースして以降、医療のIT化を担ってきた同社が開発した中小規模病院向けWeb型電子カルテ。電子カルテに看護支援機能やリハビリ支援機能などを一体化し、中小規模病院の現場で役立つ機能をシンプルで使いやすい画面に集約。PC・タブレット・スマホなどマルチ端末で利用でき、訪問診療時には院内ネットワークと持ち出し用端末をVPN接続し、訪問先でのカルテ参照・記載も可能。
チーム医療だけでなく、法人グループ内連携、更に地域医療連携などへの貢献も期待できる。レセコンは内包しておらず同シリーズの 「Medicom-HSi」 のみ使用可能(別売)。
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(出所:ウェブカルテⅡ公式Webサイト)
ブラウザ上での視認性や入力のしやすさなど操作性にこだわった電子カルテシステム。カルテ記録や各種オーダー管理、看護支援など中小病院向けの機能を網羅的に搭載。カルテは2画面表示して過去の記録を参照しながらマウスのみでスムーズに入力できる。DO入力や一括指示機能も活用して、診療業務の効率化を実現する。チーム医療を推進するための病棟患者マップ、日々の看護記録に役立つフローシートを中心とした看護師やスタッフの業務効率化に役立つ機能も充実。
レセコン分離タイプで、医事システムや調剤システム、リハビリ支援システムといった幅広い部門システムと柔軟に接続する標準インターフェースを搭載。同一法人内であれば電子カルテと介護システム間で患者情報を共有できるため、地域医療の品質向上にも貢献する。
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(出所:blanc公式Webサイト)
全国200施設以上で利用されているWeb型電子カルテ「エクリュ」を、よりシンプルなレイアウトや操作性を追求したクラウド電子カルテ。遠隔診療や訪問医療・看護・介護など、様々なシチュエーションにも利用可能。
カルテ内の各種情報から紹介状や診断書等の文書を自動作成できるほか、処方内容を用途に応じて事前にセット化すれば、診療科・医師・患者ごとにワンクリックでオーダー可能。状況も一覧で可視化できるため、登録漏れ・オーダー漏れを防げる。そのほか、オーダーの期間重複チェックや薬剤投与時の禁忌チェックなどの各種チェック機能のほか、院内の予約状況がひと目でわかる予約簿機能なども搭載。
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(出所:Henry公式Webサイト)
使い勝手のよさが特徴の、中小病院向けレセコン一体型クラウド電子カルテ。無駄なボタンや画面を排除したシンプルなUIで、スマホのように直感的な操作が可能。自社開発のレセコンと一体型のため、入力処理が早いのもポイント。PC・タブレットなどデバイスを問わず利用できるため、訪問診療などにも利用できる。
診療・会計以外にも、複雑な受付・診察フローにも対応できる受付機能を備えており、複数診療科を持つ中小病院でも運用しやすい。クラウドネイティブ基盤による柔軟な機能拡張に加え、AIによる診療内容の要約やカルテ原案作成にも対応。導入・運用に当たっては、元医療事務・看護師など医療従事者が多数在籍するチームでサポートしてくれるのも心強い。
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(出所:HOPE Life Mark-MX公式Webサイト)
富士通が長年培ったノウハウとユーザーの意見を活かして開発した、中堅病院向けオンプレミス型の電子カルテシステム。オンプレながらも独自のサーバー仮想化技術を採用することで、オンプレのデメリットになりがちなサーバー設置スペースを削減。電気代や運用保守負担の軽減も期待できる。
専門の知識がなくても簡単に操作できるシンプルなデザインが特徴で、カルテ、各種専用オーダー、看護支援、各部門との連携など豊富なパッケージ機能を用意。カルテの同時入力・同時参照機能があるため、規模が大きいとトラブルになりがちな複数のスタッフが同時にカルテに閲覧・入力する場合も心配なし。
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(出所:電子カルテシステムER公式Webサイト)
100床〜200床規模の医療機関250件超の豊富な導入実績を持つ、オンプレミス型の電子カルテシステム。中小規模の病院に必要な機能に特化しているため無駄なカスタマイズコストがかからない。カルテ機能、オーダー機能、患者データベースに加えて外来に役立つ、予約管理・受付・問診・紹介管理、病棟に役立つ空床照会・指示確認、更に文書管理や職員間情報共有機能など豊富な機能を持つ。
レセコンは内包しておらず、外部と連携して利用するタイプ。外部連携に強みを持ち、それ以外にも様々な検査システムや外注検査と連携実績あり。
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(出所:セコム・ユビキタス電子カルテ公式Webサイト)
セコムグループのITセキュリティ技術を活用して提供する、クラウド型の電子カルテシステム。災害対策が整った自社のデータセンターを保有しており、万が一の場合でも安心。レセコンは別システムと連携して利用できる。
外来・入院・在宅といったシーンに必要な機能や、一般的なカルテ機能がそろう。更に、医療事務や放射線、薬剤、リハビリ、検査といった院内の多様なシステムと連携でき、円滑なチーム医療体制づくりを支援。患者一人ひとりにIDを付与し、病院以外の診療所や老人保健施設、訪問看護ステーションといった施設を複数運営している場合にも有用だ。
規模の大きな病院は診療科や業務フローが複雑なため、病院ごとに希望や課題に応じてカスタマイズ開発するのが一般的です。そのため、オンプレミス型が主流で、クラウド型はほとんど存在しません。ここではオンプレミス型でありながら、定期的に改修が行われる電子カルテをご紹介します。
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(出所:HOPE LifeMark-HX公式Webサイト)
「社会に広がるデータとの連携」をコンセプトにした大・中規模向けでオンプレミス型の電子カルテ。必要な情報を1画面に集約したUI、画像・検査結果の時系列表示、情報の探索機能など利用者の「使いやすさ」を重視したつくりになっている。
データウェアハウス機能をもち、電子カルテ、オーダー、医事データから医事会計、そのほかの業務データなどあらゆる種類の大量データを格納して、分析のために取り出しやすくしているのも特徴。サーバーの二重化など業務の継続性対策も充実。
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(出所:MegaOak/iS公式Webサイト)
生成AIを搭載した大規模・中堅規模向けの電子カルテシステム。AIメディカルアシスト機能を搭載しており、電子カルテに記載された診療情報をもとに診療情報提供書(紹介状)と退院サマリの文章案を自動生成可能。引用元である電子カルテの記載内容を関連付けて表示されるため、エビデンスの確認をする手間も省ける上、ハルシネーションのリスクも少ない。医師の業務負担軽減や働き方改革を検討する場合にはおすすめ。
カルテ・文章作成などの診療支援機能のほかにも、オーダー、看護支援など中堅・大規模向けの基本機能が充実。オプション機能を利用すれば地域連携や電子認証、医療機器連携などより高度・複雑な利用も可能だ。
電子カルテシステムの料金は、初期費用+月額利用料で構成されるのが一般的です(施設規模・導入形態やレセコンの有無などによっても異なります)。
初期費用・月額費用は、クラウド型の場合は割合安価に抑えられることが多いですが、オンプレミス型はサーバーの設置やメンテナンスなども必要になるため、高額になることが多いです。参考までに、ケースごとの料金相場を一部挙げておきます。
なお、「初期費用無料」と謳うサービスでも、データ移行・レセコン設定などで10万〜30万円前後かかるケースがあるため注意が必要です。
| 主な電子カルテ | 初期費用 | 月額費用 |
|---|---|---|
| CLIUS | 20万円〜 | 月額12,000円(レセコン費用は別途) |
| エムスリーデジカル | 基本無料 ※データ移行・初期設定は別途 |
月額24,800円~(レセコン一体型の場合) |
続いては電子カルテシステムを導入することで、今の業務がどう変わるのか。メリット・デメリットについて紹介します。
電子カルテシステムの導入メリットとしては、紙カルテに比較した場合、オンプレミス型と比較した場合の2つが考えられます。
| 情報管理の効率化 | 患者情報・診療情報をデータ化することで、検索しやすくなる。ファイルを探す手間が省ける。 |
|---|---|
| 診療業務の効率化 | テンプレや補助機能を利用してカルテを簡単に入力・作成可能。処方箋や紹介状などもボタン一つ。 |
| ミスの削減 | 情報をシームレスにやりとりするため転記ミスを防げる。アラート機能で異常値を早期発見できるものも。 |
| ペーパーレス | 紙カルテがなくなるため、これまでカルテを保管していたスペースが不要になる。ファイリングの手間も省ける。 |
| 導入・運用コストが低い | 初期費用が安価(無料も多い)。サーバーの保守・監視、バージョンアップなどメンテナンスも事業者側で行うためコスト・手間がかからない。月額料金も10,000円~数万円程度。 |
|---|---|
| 診療情報にアクセスしやすい | 複数人で同時に閲覧・編集可能。在宅医療・往診時にもスマホ、タブレットなどで院外から利用可能。チーム医療・地域医療促進にもつながりやすい。 |
| 外部システム・機器と連携しやすい | Web問診システム、画像ファイリングシステム、各種検査機器、医事会計システム、診療予約システムなど、個別の設定なしでも連携しやすい。 |
| 緊急時のバックアップになりうる | 外部のサーバーにデータが保管されているため、万が一医院が火事・災害などで罹災した場合でも復元しやすい。 |
メリットばかりに思える電子カルテシステムですが、当然ながら「コストがかかる」「業務フローの変更が必要」など注意点もあります。特にクラウド型のシステムを導入する場合は、外部サーバーに情報を保管しておくことになるため、セキュリティ対策が重要です。
クラウド型では基本的にベンダー側がセキュリティ対策を担うことになりますが、それに加えて医療機関側でも多要素認証、アクセス権限、端末、職員教育などを適切に管理する必要があります。誤ってネット上に情報漏洩を起こしてしまうことがないように、スタッフへの操作方法と一緒に、個人情報の取り扱いについての周知徹底などが必要です。
もう一つ、クラウド型で注意すべきは「カスタマイズ」です。従来の個別開発の場合は、病院の業務や希望に合わせて仕様や機能を作ることできましたが、クラウド型は既に定まっている場合が大半です。システムによっては、その中から病院に合わせて選び取ったり、メーカーに要望して新たに機能開発したりすることもできますが、個別開発ほどの柔軟性がないことは理解しておきましょう。
最後に電子カルテに関してよく聞かれることの多い質問を、FAQ形式でまとめておきました。参考にしてください。
A:クリニック向けとして代表的な製品は CLIUS(株式会社DONUTS)、エムスリーデジカル(エムスリー株式会社)などのクラウド型電子カルテが挙げられます。
病院向けとしては Open-Karte Cloud、富士通やNEC など、大手ベンダー製品が目立ちます。それぞれクリニック規模・病床規模・診療科ごとに強みが異なるため、自院に合ったサービスを比較検討することが重要です。
A:オンプレミス時代から長年取り組んでおり、実績・ノウハウが豊富な企業としてはNECや富士通など、近年ではウィーメックス(旧PHC)が挙げられます。ウィーメックスの「Medicom」シリーズは、同社の強みであるレセコン導入実績を活かして、一般診療所で導入が進み、今では25%を占めている状況です(現在はクラウド型も提供)。
クラウド型の導入実績としては、以下のようなものが挙げられます。
| メーカー | 製品名 | 提供開始 | 導入実績 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| エムスリーデジカル株式会社 | エムスリーデジカル | 2015年 | 7,000件 | AI自動学習機能でカルテの入力時間を大幅削減。スマホやタブレットなどの利用にも優れる。 |
| 株式会社メドレー | CLINICS | 2016年 | 3,500件 | レセプト一体型。予約〜受付〜カルテ〜会計業務まで完結可能。 |
| 株式会社DONUTS | CLIUS | 2018年 | 非公開 | 60社・120種類を超える外注検査会社やほかの医療機器・システムとの連携が可能。 |
A:クラウド型電子カルテは、ベンダー側がサーバー管理・セキュリティ対策を担うため、セキュリティレベルはむしろ高いケースが多いといえます。
通信は暗号化され、データは国内のデータセンターに保存されるのが一般的です。更に、医療情報システム安全管理に関するガイドライン(厚労省策定)に準拠した運用が義務付けられており、二要素認証・アクセス権限管理・ログ管理なども整備されています。
ただし、インターネット接続が必須となるため、回線障害時に備えて「バックアップ回線」「オフライン入力機能」などの仕組みを確認しておくようにしましょう。
A:はい、可能です。電子カルテには 「レセコン一体型」 と 「レセコン分離型」 があり、分離型であれば、現在利用中のレセコンを連携してそのまま継続して利用できます。
ただし、ベンダーやプランによって連携可能なレセコンが異なるため、「自院のレセコンと連携できるか」事前に確認することが必須です。
電子カルテシステムのサービス紹介資料はこちらからダウンロードいただけます。
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電子カルテシステムの更に詳しい選び方は、こちらの選び方ガイドをご覧ください。
電子カルテシステムの選び方ガイド(比較表付き)
株式会社DONUTS
【インタビュー掲載】CLIUS(クリアス)はクリニック(無床診療所)向けのクラウド型電子カルテです。CLIUSを運営する株式会社DONUTSは、導入実績15万社...
株式会社メドレー
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ウィーメックス株式会社
<電子カルテシェアNO.1>医事一体型電子カルテシステム。多くの診療所ドクターから支持された圧倒的な使い勝手。...
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一般・療養型の中小規模病院向けのWeb型電子カルテ。「患者情報の一括入力機能」「受診前の情報管理機能」など中小規模病院に必要な機能を標準装備。短期間での導入・運...
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