最終更新日:2022-08-04
社内での動画や画像など大容量ファイルを共有するときの手間や工数を省きたいと考えている方へ。ストレージ容量無制限のオンラインストレージについて、概要や活用メリット、おすすめのサービスをご紹介します。
無制限オンラインストレージとは、インターネット上にファイルなどのデータを格納できるクラウドサービスのことです。該当するのは、「ストレージ容量が無制限」「一度にアップロードするファイル容量が無制限」「利用人数が無制限」のサービスなど。データの保管場所としても使えるほか、ログインすればどこにいてもデータを共有できます。
現在、有料・無料を含め、多くのサービスが存在します。今回は、その中でも「大容量ファイル」の取り扱いに長けた、無制限オンラインストレージをご紹介します。特に、以下のような企業にはおすすめです。
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企業における無制限オンラインストレージの活用メリットは、大きく「業務効率」と「セキュリティ」の2つの側面があります。
メールは大容量のファイルを送る場合、小分けにせざるを得ません。また、無料のファイル転送サービスはアップロードできる容量に限りがあり、たとえできたとしても転送までに時間がかかる場合がほとんどです。更にUSB・HDD・ブルーレイなどは、データをまとめて保存できますが、物理的に手渡し・郵送・バイク便などの手配の手間と、確認までの時間を要します。
その点、無制限オンラインストレージなら、大容量ファイルに耐えうるだけのストレージ容量を持ち、今後、4K、8Kの時代を迎え、ファイルの容量に拍車がかかったとしても十分耐えられるインフラ環境を整備できます。
メールや無料のファイル転送サービスは「誤送信のリスク」が、USB・HDD・ブルーレイなどは「遺失のリスク」などがつきまといます。企業の重要なデータを共有する方法としては、望ましいとは言えません。
無制限オンラインストレージなら、情報漏えいを防ぐための機能や、いざという時のアクセスログ管理機能などセキュリティ対策も万全なところがメリットだと言えます。
1TBは1,000GB=1,000,000MBです。デジカメで撮影した写真1枚を仮に5MBとすると、1TBのストレージには約20万枚の写真をアップロードすることができます。ただし、動画の場合は、1分100MB換算だと、約150時間分です。これを多いと見るか、少ないと見るかは企業によって異なります。動画制作会社の場合は物足りなく感じるかもしれません。
もちろん、ストレージに保管したままにせず一定期間経ったら削除する、もしくは別の場所に保存するなど、ストレージの運用方法によって対応できる部分もあります。今後の運用方法を含めて、ファイルの取り扱いについて今一度、検討してみると良いでしょう。
数あるサービスの中から、最適なサービスを選ぶための比較ポイントを8つご紹介します。それぞれ具体的に見ていきましょう。
ストレージの容量はサービス・プランによって異なります。一定期間の保存を前提とするサービスと、受け渡しに特化したサービスとでは、容量は異なるケースがほとんどなので、まずは導入目的を明確にしましょう。また、追加で拡張することができるのかも要チェックです。
たとえば、「DirectCloud」のスタンダードプランのストレージ容量は500GBで、契約後も100GB単位で追加できます。近年は大容量化され、16TBの「MEGA」、無制限の「Box/Box over VPN」など、TBのストレージ容量を誇るサービスも登場しています。
ストレージ容量に余裕があっても、一度にアップロードできる容量が小さかったり、スピードが遅かったりすると業務が捗りません。最大で何GBの送受信できるのか、何通送れるのか、これまでの運用状況を踏まえてチェックしておきましょう。また、アップロードのスピードも自身が契約するインターネット回線以外に、サービスによっても左右されますので注意が必要です。
たとえば、「SECURE DELIVER」は一度に最大100GBを送付可能。また、「DIRECT EXTREME」は独自のプロトコル機能によって、超高速データ転送を実現しています。
オンラインストレージの多くは、Webブラウザや専用アプリからアクセスします。サービスによっては、表示のされ方がPCと異なるため、使いづらく感じることも。その点「Everidays」や「Fileforce®」、「Fleekdrive」のように、慣れ親しんだエクスプローラーのような階層型のデザインをしていると見やすいです。
また、複数人でファイルを共有する場合、ストレージ上にあるファイルをすぐに確認できると便利です。たとえば、拡張子が「ai」の場合、本来、閲覧するにはIllustratorが必要ですが、それがなくても閲覧できる「ビューワー機能」、その他、ダウンロードを待たずに追いかけ再生できる「ストリーミング機能」などが備わっていると便利です。
「Box/Box over VPN」は120種類の拡張子に対応しており、アプリケーションがなくても多くのファイルを閲覧することができます。
大量のファイルを保管する場合、目的のファイルを簡単に見つけやすい「検索機能」があると便利です。たとえば、「IMAGE WORKS」は100項目を超えるファイル属性を利用して検索できます。また、AIによる画像分析・自動抽出機能も備えており、タグ付け・検索などの処理も自動で行えるところも強みです。
広告データ、編集データ、設計図、教育動画などの大容量ファイルは、一般的に修正のやりとりが煩雑になりがち。修正のたびにファイルをアップし直すのではなく、ストレージで共有したファイルに直接修正できると便利です。たとえば、「JECTOR」は動画ファイルのタイムラインごとに、コメントやマークをつけることで、より正確な修正指示を伝えられます。
オンラインストレージにメンバー間のやりとりを活性化させたり、効率化させたりするようなコミュニケーション機能が備わっているとよりスムーズです。「Everidays」はファイルやフォルダ単位ではなく、ワークスペース単位で“場”を共有可能。「MEGA」は音声通話、ビデオ通話、チャットなども利用できます。
「情報漏えい対策」「BCP対策」の2点をチェックしておく必要があります。情報漏えい対策に関しては、通信の暗号化・ウイルスチェックなどに大きな差はありませんが、ファイルへのアクセス制限はサービスによって異なります。社内外大勢の利用が考えられる場合は、「DirectCloud」のようにアクセス権限のレベルを細かく設定できるサービスが良いでしょう。
BCP対策については、データセンターをどこに置いているのかチェックしておきましょう。たとえば、「使えるファイル箱」のデータセンターは自然災害の少ない長野県に位置し、ネットワーク冗長化・自家発電設備など、最高基準のセキュリティポリシーがとられているため、安定運用を期待できます。
料金体系は大きく2種類。一定量のストレージ容量・利用人数が定められた定額制と、使った人数・容量ごとの従量課金制に分かれます。日常的に利用する場合は定額制、納品など利用シーンが限られた場合は従量課金を選ぶといいでしょう。サービスによっては、最低利用人数(ID)が設定されている場合もありますので注意が必要です。
たとえば、「MEGA」は月額約4,000円の定額制で、ストレージ容量16TBを利用できます。「SECURE DELIVER」は利用した分だけの従量課金制。ID数に左右されないため、利用頻度が低い社員にもユーザーIDを配布することが可能です。中には「pCloud」のように“買い切り”できるユニークなサービスもあります。
企業で活用しやすい、おすすめのオンラインストレージサービスをご紹介します。
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(出所:JECTOR公式Webサイト)
映像・音楽・出版・印刷・広告制作など、容量の大きなファイルや特殊なファイルを扱うクリエイティブ業界専門のオンラインストレージ。ライトプランからエンタープライズまで、契約容量やユーザー数に応じてプランを細かく用意。容量やファイルのフォーマットに左右されずにどんなデータでも共有でき、ダウンロードを待たずに専用アプリでプレビューしたり、ストリーミング再生したりできるのもポイント。単に受け渡すのではなく、社内外の人と大容量ファイルを共有して、ファイルごとにコメントをつけたり、静止画・動画ファイルには直接マーカーで指示を出しながらコメントしたり、クラウド上でコミュニケーションを取ることができるので、業務効率アップも期待できる。
(出所:SECURE DELIVER公式Webサイト)
富士フイルムが提供する法人向けのクラウド型ファイル転送・送受信サービス。一度に最大100GBを送付可能。大量の画像、長尺の動画、大容量のデザイン・CADなどにも対応可能。ファイルは7日間で自動削除されるため、サーバー内での面倒なデータ管理は不要。送受信に特化して利用したい企業にうってつけ。価格は通数別に月額料金制で、超過した分に課金。ID無しでも送受信できるので、外部とのデータ授受もスムーズ。
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(出所:IMAGE WORKS公式Webサイト)
「SECURE DELIVER」の姉妹サービスで、画像・動画等のデジタル素材を一元管理するための機能に優れる。たとえば、大量のファイルの中から目的のファイルを見つけることができる閲覧性・検索性に長けており、ユーザーは100項目を超えるファイル属性情報(メタ情報)から、業務・用途に応じて検索・表示項目を自由に作成可能。その他、AIが対象画像を分析し、類似画像を自動抽出する「類似画像検索」機能も搭載。年間120万枚撮影されるプロ野球写真の一元管理・配信などに用いられており、大量に撮影された写真の自動タグ付け(選手名・シーンなど)にも利用されている。
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(出所:DIRECT! EXTREME公式Webサイト)
音楽・出版・印刷・映像・ゲームなど大容量データ・ファイルを扱う業界の企業間・国際間・業界間の横断型プラットフォーム。アップロードとダウンロードを同時進行させる独自のプロトコル機能によって、最大1ファイル2TBの超大容量データの超高速転送を実現。また、送受信にかかる業務を自動化することができるのも特徴。たとえば海外に情報解禁タイミングに合わせて大容量の映像コンテンツを配信したいが、「各国の時差によって作業効率が悪くなる」という事例では、各国の時差に合わせタイマー送信機能によって配信タイミングを図れる。SSL暗号化/AES暗号化によるセキュリティも万全。
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(出所:DirectCloud公式Webサイト)
プランごとのワンプライス制、ストレージ容量に応じた月額制プランのみの分かりやすい料金体系が特徴。いずれもユーザー数無制限だから毎月コストを気にかける必要なし。事業が拡大した場合、ストレージ容量もオプションで追加できるため(100GB当り月額5,000円)、スモールスタート希望の企業にも向いている。また、新しいメンバーをURL発行でゲストとして簡単に招待することができたり、コメントを書き込むと登録メンバーへメールで自動通知するよう設定できたり、社内外問わずプロジェクトとしての使い勝手のいい機能が豊富に備わっている。
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(出所:Box over VPN公式Webサイト)
世界導入実績10万社以上を誇るクラウド・コンテンツ・マネジメントの定番サービスとも言われる「Box」を、NTTコミュニケーションズのVPN経由環境でよりセキュアに利用することが可能なサービス。ストレージ容量無制限(1度のアップロード上限は5GB※15GBまで拡張可能)のため、追加コスト・調整稼働を気にせず使える。120種類の拡張子に対応するプレビュー機能を搭載しているため、たとえば、Photoshopデータをクライアントチェックのためだけに、わざわざ別に書き出す必要がない。ゲストは無制限で招待可能なため納品にも利用できる。ネットワークからBoxまで24時間365日体制で一元保守のため、トラブル時も迅速に対応してくれるところも魅力。
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(出所:MEGA公式Webサイト)
ニュージーランドに本社を持つオンラインストレージサービス。世界1億6千万人もの登録者数を誇る。特徴は、圧倒的なコストパフォーマンス。シンプルなファイルストレージと共有、簡単なユーザー管理、無制限のファイルサイズ、パスワードで保護されたリンクなどを、すべてのデバイスで安全に共有。重要なデータをすべてクラウドに保存することで、ランサムウェア攻撃によるデータ損失から保護。その他、音声通話、ビデオ通話、チャットなどの機能も標準搭載。PCブラウザはもちろん、スマホ・タブレットなどモバイル端末にアプリをインストールさえすれば、いつでもどこからでも、暗号化されたセキュアな環境下でコミュニケーションを取る事が可能。
(出所:使えるファイル箱公式Webサイト)
ユーザー数無制限・ストレージ容量1TBをお手軽な価格の定額料金で利用可能。利用人数やデータ容量を気にする必要がないため、ファイルの受け渡しに限らず、社内のファイルサーバーの代わりに普段使いしたり、プロジェクトの共同作業スペースとして利用したりすることも可能。専用のインターフェースを必要とせず、WindowsならExplorer、MacならFinderで共有フォルダを扱うので、普段のPCと同じような操作でデータのアップロード、ダウンロード、共有が可能。ISO 認証データセンターを保有しており、EU一般データ保護規則(GDPR)にも対応している。
年間契約の場合、最初の1年間は全額返金を保証。いつでも解約が可能なので、安心して使い始めることができる。
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(出所:Everidays公式Webサイト)
慣れ親しんだエクスプローラーのような階層型のデザインを採用しているため、直感的に使用可能な国産オンラインストレージ。共有ファイルはクラウド上で直接開き、そのまま編集可能。万が一上書いてしまった場合も、10世代管理しているため、簡単に戻すこともできる。リンクURLでの共有で安全にファイルをやり取りできる。ユーザー数無制限、アップロードの上限サイズも特になし。ファイルやフォルダ単位ではなく、ワークスペース単位で共有し、Chatwork・Slack連携を利用すれば、よりスムーズなチームコラボレーションが期待できる。通信の暗号化や操作ログの取得配信機能などを備え、遠隔での利用や管理にも配慮。
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(出所:Fileforce®公式Webサイト)
ユーザー数無制限の純国産オンラインクラウドストレージサービス。Windowsエクスプローラー上に仮想ドライブとしてマウントすることでシームレスに利用できる「Fileforce® Drive」、Webブラウザからログインするだけで利用できる「Fileforce® Web UI」の2種類のインターフェースに対応。運用ニーズに合わせて柔軟に使い分けることができる。
企画・開発から運用、サポートまでのすべてを日本国内に限定しているのも特長で、スピーディーで柔軟なサポートが可能。カントリーリスクや、海外など外部委託先のブラックボックス化の心配もいらない。更に、Active Directory連携のほか、各種IDaaS連携やシングルサインオンにも対応。情報システム部門の管理工数の大幅削減や、ユーザーの利便性向上にもつながる。
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(出所:Fleekdrive公式Webサイト)
社内外を問わずにスムーズなファイル共有を実現する、国産のオンラインストレージ。Office系のファイルはもちろん、「ai」や「psd」といった拡張子のファイルもブラウザから手軽に確認できる。動画は18種類、音声は13種類を含む様々なファイルの再生に対応。スマホをはじめとするモバイルアプリを活用し、外出先やPCがない環境からも閲覧できる。また、複数人での同時編集や、ファイル上でのチャット・コメント機能を搭載。ファイルのやり取りにかかる工数を削減しながら、コミュニケーションの活性化も期待できる。
ファイルやフォルダごとのアクセス制限やシングルサインオンなど、セキュリティ機能も充実。データは国内の複数拠点のサーバーで管理され、万が一の場合も安心。オプションで動画配信プラットフォーム「J-Stream Equipmedia」との連携も可能。
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(出所:pCloud公式Webサイト)
業務用ファイルを保存、同期し、同僚とコラボレーションできる総合的で安全なプラットフォーム。特徴はエンドツーエンド暗号化に対応したフォルダで、保存されたデータはサービス運営会社側で閲覧できない。セキュアなオンラインストレージとして世界的に知られており、セキュリティ対策も万全。業界標準の4096ビットRSA、ファイルやフォルダごとの鍵には256ビットAESを使用しているので法人利用に適している。ビジネスプランであれば、1年間さかのぼってファイルを復元することもできる。
メールやUSB、無料の転送サービスなどで大容量ファイルを送信・共有する際に発生する課題をクリアできる無制限オンラインストレージ。費用は発生しますが、送信・共有における細かい煩わしさや手間を大幅の削減できるほか、セキュリティや利便性も格段に上がります。
まず、自社が取り扱っているファイルの容量とメール等の通数から、「ストレージ容量」「アップロード容量・スピード」を考え、それに合ったサービスを大まかに絞り込みます。その後、「表示・検索性」「閲覧機能」「コミュニケーション機能」「セキュリティ」「料金体系」などのポイントに沿って比較検討していくとスムーズでしょう。
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