最終更新日:2024-02-09
遅延や配信エラーによる機会損失を防ぐため、APIを利用したメールの一斉・大量配信を検討している方へ。API対応のメール配信サービスの機能や選び方、比較のポイントとともにおすすめのツールを紹介します。
API対応のメール配信サービスとは、メールの大量・一斉配信を自動化するサービスです。API連携に対応しているため、自社のデータベースやCRM（顧客関係管理）ツールなどと連携して、メールから得られた顧客情報を活用することもできます。
自社サーバーでSMTPサーバーを構築・運用する場合、運用に手間がかかることに加えて、配信の遅延やエラーが起きるリスクが。しかし、API対応メール配信サービスを利用すれば、そのようなリスクを避けられるうえ、以下のようなメリットが見込めます。
API対応のメール配信サービスをお探しの方は、こちらからサービス紹介資料をダウンロードいただけます。
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API対応のメール配信サービスの主な機能として、以下のようなものがあります。
| メール配信 | 予約配信やCc/Bcc配信といった基本機能に加え、高性能な配信基盤による安定した大量配信に対応。遅延やエラーのリスクを抑えながら大量配信を行えます。 |
|---|---|
| 送信ドメイン認証 | 独自ドメインでもSPFやDKIMを設定できるため、ドメインのなりすましやフィッシングメールを排除して、安全にメールを配信。メールの到達率向上にも有効です。 |
| 外部ツールや自社システムとの連携 | API連携によって、CSVの入出力などを必要とせずデータを自動で連携。CRMツールに登録された顧客情報別にメールを送り分けたり、メールから得た顧客情報をCRMツールに登録したりといった処理を自動化します。 |
| 配信結果の追跡・分析 | 開封率やメールに記載されたリンクのクリック率といったメールへの反応を集計し、その結果を元にメール内容の分析をサポート。メール内容の改善案を提案するサービスも。 |
| エラーリストの取得 | 配信エラーとなったメールアドレスの情報をAPIで取得。複数回エラーになったアドレスに対して、自動で配信停止設定ができるサービスも。 |
| HTMLメール作成支援 | 配信実績に基づき、効果的なHTMLメールのテンプレートや使いやすいHTMLエディターを提供。HTMLメール作成業務の効率化をサポートします。 |
| セキュリティ対策 | 二要素認証、パーミッション管理といった機能でセキュアな送信環境を提供。また、強制/日和見TLSによってメールを暗号化し、プライバシーを保護します。 |
API対応のメール配信サービスを導入する際は以下の手順を踏みます。
それぞれの手順の詳細について解説します。
オンライン申込から無料トライアルでアカウント開設ができるサービスもあり、API配信をすぐに試せます。たとえば「アララ メッセージ」は、登録したメールアドレスのドメイン宛てに1日100通まで配信できる、30日間の無料トライアルを用意。また「SendGrid」では、月12,000通までなら、メルマガ一斉配信機能などを無期限・無料で利用できます。
多くの場合、サービス側が提供するサンプルコードを利用することで、簡単にシステム連携を実装できます。対応している言語はサービスによって異なるため、自社で利用している言語のサンプルコードが提供されているかチェックしておきましょう。
たとえば「SendGrid」は、「C#」「Go」「Java」「Node.js」「PHP」「Python」「Ruby」の7言語のサンプルコードを用意しています。また「アララ メッセージ」では、JSONファイルでサンプルコードを提供。併せて、配信予約の方法や配信結果の取得方法などについても詳しく開設しています。
実際のアドレスリストにメールを配信する前に、メールが正しく表示されるか、パーソナライゼーションがうまく反映されているかといった点を確認するために送信テストを実施します。
たとえば「SendGrid」は、大量送信のテスト用のドメインを利用したり、それぞれに異なる環境を構築した子アカウントを作成するサブユーザ機能を使ったりして、メール送信テストを行えます。
メール配信サービスは大きく4タイプに分けられます。それぞれのタイプの特徴と、どのような導入目的に適しているかについて解説します。
メール配信に加えて、マーケティング効果を高めるメルマガの作成支援や配信、配信後の効果測定などにも対応しているタイプ。メール配信を効率化したうえで、将来的に高度なメールマーケティングを行いたい場合におすすめです。
具体的には、顧客のセグメント別に内容を送り分ける機能や、開封率やリンククリック数といった配信結果を集計して、配信内容の改善・分析を支援する機能などを搭載しています。
たとえば「配配メール」は、顧客情報、配信結果のデータを自動で連携など、CRMツールとの連携をサポートする機能が充実。さらに「開封数」「クリック数」といった配信結果をもとに顧客の検索ができるので、「月内に一定回数以上、メールを開封」といった条件で顧客を抽出した、そのリストにメール配信できます。
また「Mail Publisher Smart Edition」では、メールに対するリアクションからデバイスを判別するレポートや、クリック分析、件名と開封の相関レポートなどを出力する機能を搭載。マーケティング施策の改善を支援します。
メール到達率を高めたい場合には、迷惑メールに分類されにくい信頼度の高いIPアドレスや、大量配信を可能にする中継サーバーを利用できるメールリレー型のサービスが向いています。月間の送信メール数が数千～数万規模などに収まる場合は、小規模な配信に対応した安価なメールリレーサービスが選択肢に。
たとえば「ベアメール」は、１万通まで月額5,000円で利用可能。「SendGrid」は1.2万通まで無料、4万通まで2,300円と、使いやすい価格設定です。
なお、メールリレーサービスについては「メールリレーサービスの比較10選。4つのメリットや選び方」で詳細を解説しています。
月間10万通以上のメールを配信したい場合は、大量配信向けに設計されたメールリレーサービスが選択肢となります。
たとえば、月間76億通の配信実績を持つ「Cuenote SR-S」は、高速かつ確実なメール配信を実現。配信エラーの解析機能も提供しているため、配信リストの精度維持にも役立ちます。
「API Mail」では1通あたり約0.06円から配信可能。低コストで月間100万通単位に及ぶ大量配信ができます。
クラウドサービスの基盤であるIaaSに関連するサービスとして提供されているタイプ。たとえば、AWSやAzureといったIaaS上でシステムを構築・運用している場合は、それらのサービスが提供するメール配信機能を利用するのがおすすめです。構築・運用の効率化、コスト削減といったメリットが期待できます。
たとえば、AWSでは「Amazon Simple Email Service（SES）」、Azureでは「Azure Communication Service」というサービスを提供。「SES」ではAWSアカウントのマネジメントコンソールから設定してメールを送信でき、メールの送受信数・データ使用量に応じて料金が発生します。
「Azure Communication Service」も従量課金で、音声、ビデオ通話、SMSなどを含むマルチチャネルのコミュニケーションサービスとして提供されています。
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（出所：アララ メッセージ公式Webサイト）
サービス業、情報・通信業、金融業から官公庁や地方自治体まで、幅広い業種・業界で導入実績を持つメール配信サービス。国内の携帯キャリア各社やISP事業者の配信ロジックに対応するなど、日本のメール配信事情に特化している。送信先ドメインごとに自動で施されるチューニングによって、到達率の高いメール配信を実現する。
豊富なAPIにより、マーケティングツールや顧客管理システムといった外部システムとも簡単に連携。メールアドレスや件名など、配信のために必要な情報は1回のリクエストで完了するので、導入・運用の手間がかからない。ユーザー属性をセグメントした配信設定が可能。たとえば、ユーザー属性に紐づいた日付情報を用いて、お誕生日メールやリマインドメールなどの自動配信を行える。
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（出所：配配メール公式Webサイト）
ドラッグ＆ドロップで簡単にHTMLメールが作成できるメールマーケティングサービス。顧客情報を管理する様々なシステムとAPI連携することで、配信結果を自動でシステムに戻すなど、運用の効率化に役立つ機能がそろう。配信結果を含めた顧客情報を一元管理し、マーケティング施策の分析・改善を支援する。
過去の配信メールにまつわるデータを自動で分析する機能を搭載しており、開封率の高い時間帯や曜日、平均開封・クリック率をヒートマップで表示。また、大量の宛先への一斉送信から、地域や年齢などの属性で分けたセグメント別の配信にも対応している。配信リストは開封数やクリック数などを軸とする柔軟な検索が可能だ。
メールへの反応がなかった顧客も抽出できるため、メール内容を見直す指標として活用できる。更に、メール作成時に開封率とクリック率を上げるポイントを表示し、推敲を支援する機能も。
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（出所：WEBCAS e-mail公式Webサイト）
大手企業や官公庁での豊富な導入実績を持つメール配信システム。毎時1,000万通以上の配信性能と使いやすさ、既存のデータベースや外部システムとの連携に強みを持つ。既存のデータベースをはじめ、SFAやCRMなど200以上のSaaSとノーコードで連携が可能。一斉配信に加え、ユーザーの行動をトリガーに1通ずつ即時配信できる「トリガー配信」にも対応している。
加えて、メールの作成、配信、分析、管理を効率的にする様々な機能を搭載。「One to Oneメール配信」機能では、データベースにある様々な情報からターゲットを絞りこみ、顧客に最適なメールを配信できる。訴求内容のメールを生成する「レコメンドメール」機能や、顧客一人ひとりに対して事前に組んだシナリオ通りにメールを自動で配信できる「フォローアップメール配信」なども便利だ。
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（出所：Mail Publisher Smart Edition公式Webサイト）
「システム間連携」をコンセプトに開発された、メールマーケティングに強みを持つメール配信システム。柔軟なAPIとSFTP連携によって、手間とコストをかけずに既存システムへの組み込みや、CMSや基幹システム、BIツールといった外部ツールとの連携を実現する。また、月間80億通以上、毎時4,100万通という配信性能を持つ。
高い到達性を維持するため、送信先のドメインごとに送信方法を最適化。加えて、メール受信者の端末情報をもとに、スマホのタイプを自動判別して適切な画像表示を行う機能なども搭載している。
また、500種類以上のエラーメールを解析できる高精度エラー解析モジュールを搭載しており、配信遅延のリスクを避けながら、届く可能性のあるアドレスを必要以上に除外せず、機会損失を防ぐ。
（出所：Benchmark Email公式Webサイト）
スタイリッシュなデザインのHTMLメルマガを簡単に作成・配信・効果測定できるメール配信サービス。リードナーチャリングにつながるメルマガ購読者リスト管理や、ステップメールの配信、メルマガの開封・エラー・クリックといった重要指標の確認・分析など、メールマーケティングに必要な機能が多数そろう。作成したメルマガをスケジュール通りにシステムが自動的に配信。リストセグメント、エラー管理、顧客とのコンタクトリストの一括アップロードといった機能で、メルマガ配信業務を効率化する。
提供しているメルマガ用デザインテンプレートは500種類以上。HTMLメールはPC、スマホ、タブレットなどメルマガ購読者のメール閲覧デバイスに合わせて、自動的に最適な形で表示される。メールの表示イメージはエディターのプレビューで随時確認できる機能も便利だ。
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（出所：ベアメール公式Webサイト）
独自の配信技術で「メールを確実に届ける」ことを支援するメール配信サービス。メールの高速配信・到達率の改善を実現する「メールリレーサービス」と、メールの問題点、健全性を分析・診断する「迷惑メールスコアリング」を組み合わせることで、メール配信に関する運用の手間を削減し、到達率の改善を実現する。AWSやMicrosoft Azure、Google Cloudをはじめ、ECカートシステムやCRMシステム、ワークフローシステムなど様々な連携先に対応している。
十分な送信実績があり信頼性（レピュテーション）の高いIPアドレスを多数保有。共有型のため、サービス利用者によるレピュテーション管理を必要としない。配信結果のログや日別のエラーログを管理画面から誰でも簡単に確認でき、顧客から「メールが届かない」と問い合わせがあった場合でも、迅速な対応ができる。
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（出所：SendGrid公式Webサイト）
スタートアップから大企業まで、あらゆる送信規模に対応するクラウド型メール配信サービス。SMTPリレーに加え、Web APIのメール配信、メールマーケティングのサポート機能を提供する。Node.js, Ruby, Python, Go, PHP, Java, C# など、様々なフレームワークや公式ライブラリが利用でき、サンプルコードも充実。APIリファレンス、サポート、チュートリアルといったドキュメント類も豊富にそろう。
セキュアかつ分散・冗長化されたデータセンター、30名以上のエキスパートチームといった体制により、高到達率でメールを配信。加えて、ドメインやリンクをカスタマイズできるので、共有IPアドレス・固定IPアドレスを問わず高い到達率を誇る。二要素認証、適切なパーミッション管理（Teammate機能、APIキー）、IP Access Management機能など、セキュアなメール配信を実現する機能が充実しているのも魅力だ。
（出所：AutobahnMTA公式Webサイト）
国内の大手携帯キャリアドメインの配信に対応した国産のMTA、クラウド型メール配信サービス。官公庁、SaaSサービスベンダー、インターネットプロバイダー、ECサイトなど様々な導入実績を持ち、既存サービスのリプレイスから新規サービスの構築まで幅広く対応している。
メール配信API(REST API)、SMTPリレーから配信環境を選択可能。また、メールの到達性を維持する送信ドメイン認証「DKIM」「SPF」に標準対応している。加えて、Gmailアカウントに正常にメールを配信するための要件である「メール送信者のガイドライン」にも準拠。届きにくい、配信に時間がかかるといった課題を解消する。
メールのURLクリック計測、開封計測などにも対応しているので、マーケティング施策に役立てられる。
（出所：Cuenote SR-S公式Webサイト）
シリーズ合計で月間76億通の配信実績、システム契約数2,200以上の導入実績を持つメールリレーサービス。エンジニア向けに設計されたサービスで、APIとSMTPリレーによって高速かつ確実なメール配信を実現する。加えて、メール配信の効率と信頼性を高め、エンジニアの作業負荷を軽減する配信エラーの解析機能を提供。配送状況、各種ログデータ、メールテンプレートの作成・送信指示といったメール配信に必要なデータを連携するAPIを標準で搭載している。
メールリレーサービスでは、ドメイン別での到達時間の制御や、リアルタイムのキュー管理が行える。到達性の面では、SPF、DKIM、DMARCといった送信ドメイン認証をフルサポート。加えて、未達メール・バウンスメールの自動フィルタリングや、配信状況の異常をリアルタイムで警告する機能など、エラーアドレスの管理機能も充実している。
（出所：API Mail公式Webサイト）
API連携に特化したメール配信システム。1通あたり0.06円という低価格設定ながらも、エラー処理を自動で反映させるなど、柔軟な配信環境を実現する。MAツールやCRMツールのメール配信エンジンとして利用できるので、コスト削減にも役立つ。
日時指定による配信予約や、ユーザー個別の情報を差し込んだ配信などが可能。また、開封したユーザーのメールアドレス情報や、メール内リンクのクリック情報、エラーになったメールアドレスと情報などを取得できるため、顧客リストの管理を効率化できる。更に、迷惑メールとみなされないための予防策として送信ドメイン認証（SPF）に対応。オプションサービスとして作成者署名DKIMを提供。
（出所：Amazon Simple Email Service公式Webサイト）
年間数千億通の送信実績を持つ、AWSのメールサービス。あらゆるアプリケーションとの統合に対応しており、メールの大量送信を自動化できる。専用IPアドレス、共有IPアドレスなど、さまざまな環境をサポートする。
バウンス率、開封率、クリック数など、送信データと配信データに関するレポートをコンソールからひと目で確認できるほか、メールのパフォーマンス、到達性を向上させるサポートを行うため、メールマーケティング施策の改善に有用だ。更に、配信パフォーマンスを向上させる推奨事項が更新されると、システムが自動で改善の機会を検出し、変更を実行する。
（出所：Azure Communication Service公式Webサイト）
クラウドサービスMicrosoft Azureにおける統合通信プラットフォーム。メールをはじめ、音声、ビデオ、チャット、テキスト メッセージング/SMSなどをすべてのアプリケーションに追加するAPIを提供する。API、SDK（開発キット）を利用して幅広いコミュニケーションツールを統合して導入できる。
トランザクションメールやバルクメール、マーケティングメールなど、様々な種類のメールの大量配信に対応。また、バウンス、ブロック、開封、またはクリックといった、メールに対する顧客の反応（エンゲージメント）を追跡できる。SPFやDKIMといった送信者認証もサポートしており、安定的かつ到達率の高いメール配信に必要な機能を広く備える。
本記事では、自社サーバーを運用する手間なくメールを大量配信できる、API連携に対応したメール配信サービスについて解説・紹介しました。
サービスは目的別に、以下の4タイプに分類できます。
これらのサービスを利用することで、安定的かつ高い到達性を保った大量配信を実現できます。また、自社データベースや外部ツールとのAPI連携により、メールマーケティング施策に役立つ顧客情報も集められます。
本記事でご紹介した比較ポイントなどを参考に、API対応のメール配信サービスの利用を検討してみてください。
API対応のメール配信サービスをお探しの方は、こちらからサービス紹介資料をダウンロードいただけます。
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