最終更新日:2023-07-26
社用車の利用状況や走行ルートなどの管理に課題があり、システムの導入によって配車の自動化・効率化を推進したいとお考えの方へ。配車システムの概要や比較のポイント、分類別のおすすめサービスなどをご紹介します。
配車システムとは、企業の営業活動や送迎、配送・運搬業務などに活用する複数台の車両について、効率的に運用するために管理する業務支援システムのことです。
主に、GPSや地図ソフトを用いた配車・運行の計画を自動作成し、適切で安全な輸送・配送コースを把握しやすくする機能を備えています。
配車システムが必要とされる背景には、主に配送業界の2つの課題があります。1つ目は、配車計画の属人化です。これまで、配車計画の策定はベテランの配車担当者が行うもので、策定基準は経験と勘に頼られていました。そのため、状況によっては無駄な台数・コストが発生してしまうことも。
2つ目が、「宅配クライシス」 と呼ばれる物流業界の課題です。近年のEC通販の急激な成長により荷物量も増加し、運送会社の業務過多や労働者不足が問題化しています。
以上の2つの課題の解決策として、効率的な運送計画を策定できる配車システムが注目されています。クラウドシステムを活用したデータの共有、AIやGPSを利用した運送ルートや運送計画の策定により、スタッフの誰もが効率的な運用ができるようになります。
※この記事では、タクシー向けの配車システムを含みません。
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配車システムは、車両・運転者・目的によって主に3つのタイプに分類できます。対象企業や目的、機能と併せて紹介します。
「どの車両に/どの荷物を積んで/どこを回り/どこで降ろすのか」という計画を立てるのに適しているタイプです。従来、こうした計画は「配車マン」と呼ばれる配車担当者が経験と知識を駆使して、アナログで行っていました。配車管理システムなら、そうした属人的な作業をシステムで効率的に実現できます。
AIやアルゴリズムによって自動で配送ルートを作成できるタイプのシステムです。配車管理システムは計画に関わる作業を支援して実作業は配車担当者が担当するのに対し、自動配車システムはその名の通り完全に自動化できます。配車管理システムと似ていますが、「システムに任せられる範囲」が異なります。具体的には、高精度のAIアルゴリズムを活用して、どの車両でどのルートで回るのかといった要素の最適な組み合わせをシステム上で計算し、結果を受け取ることができます。
「動態管理システム」、「GPS運行管理システム」とも呼ばれる管理システム。管理者が各地を走行している車両の位置情報を管理、記録し、その位置情報から日報を自動作成します。また、急ブレーキなどを検知し、事故防止のための安全運転指導に役立てることができます。
プロドライバーのみならず、運転に不慣れな従業員もハンドルを握る営業車、社用車等を多く管理している企業を中心に導入が進んでいます。「稼働率の可視化機能や車両予約機能によって保有台数の無駄を減らせる」「燃費の可視化でエコ運転を心がける従業員が増える」といったメリットがあります。
配車システムの導入を検討する際、特に意識しておきたい3つの比較のポイントについてご説明します。
自社が最も改善したい点を洗い出し、そこに本当に強みを持つサービスなのかどうかをしっかりと見極めることが重要です。判断基準の目安は、次の通りです。
GPSにも様々なタイプがあるので、自社にとって導入しやすいタイプを選びたいところ。大型トラックの場合はタコグラフ(デジタコ)が義務付けられていますが、小型運搬車や営業車の場合は様々です。通信機能とGPS機能を搭載した車載デバイスをOBD-Ⅱ(自己診断装置)のポートに差し込むだけの簡単設置のタイプ、シガーソケットに差し込むタイプ、カーナビタイプ、ドライブレコーダータイプ、スマホアプリタイプなど多岐にわたります。
車載デバイスの搭載にあたり、業者による設置工事が必要になってしまうと、取り付けやメンテナンスが負担になってしまいます。簡単に設置できるものであれば、導入もスムーズかつ安価で済みます。また、車載デバイスの購入方法は、サービスによって買い取り式やリース式などで様々ですので、この点も選ぶ際の基準になります。
システムの操作性も重要なポイントです。ドライバーもデバイスやアプリの操作が必要な場合、簡単かつ直感的に使えるタイプがおすすめです。「日報を簡単に作成できる」「エコ運転かどうか燃費が見やすい」など細かなポイントが、システムの浸透のためには重要です。
こちらでは、配車計画や運行計画の作成に向いている配車管理システムをご紹介します。
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(出所:配車管理システム公式Webサイト)
配車計画、基本配車、運行計画をシステム上で行える、配車業務支援のための管理システム。地図や一覧画面で簡単に配車業務が行え、伝票明細表示、積載率表示により、積載率・実写率の向上が見込める。地図ソフトを使った配車や走行ルート表示、運行時間をチャートの長さで表現することで、グラフィカルなオペレーションを実現。更に、実車輌への配車割付けはドラッグ&ドロップの操作で可能とするなど、操作性の高さに定評がある。
(出所:ハコベル 物流DXシステム公式Webサイト)
セイノーとラクスルの合弁会社が手掛ける物流DXシステム。配車依頼・運行管理・請求依頼・確認までワンストップで対応可能。日々多くの運送会社や業務委託のドライバーと取引がある荷主や運送会社の利用実績が豊富。
配車機能に強みを持ち、Web上から協力会社や社内の他事業所へ簡単に配車依頼できる。案件コピーや拠点のマスタ設定も可能で、複数の運送会社に並列して配車依頼することも可能。CSVからの一括取り込みもできるため大量の配車依頼にも対応している。また、車番・乗務員などのシステム登録機能も搭載。配車依頼に合わせ、車番連携することで不要な連絡・確認をする必要がなく、リアルタイムに運行状況を把握できるようになる。配車担当向けアプリを利用すれば外出先からの車番確認も可能に。
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(出所:使えるくらうど配車管理公式Webサイト)
クラウド型の配車管理システム。リアルタイムに更新される配車状況をクラウドシステムでリアルタイム共有し、受注&配車管理業務が行える。ネット環境さえあれば簡単に導入できるので、導入コストの削減にもつながる。また、蓄積した受注データや配車データを簡単に自動集計して出力できる帳票出力機能も備えており、運送業者の業務効率化に役立つ。ポップアップ表示された受注内容入力画面に必要な情報を入力するだけで配車ができる、感覚的な配車登録方法。
(出所:GuRutto公式Webサイト)
無料から利用できる配車管理システム。住所のCSVリストの一覧を地図上に取り込み、複数地点を効率的に回れるルートを作成する。希望時間の指定、複数条件への対応、またスマホでの動態管理等の機能が必要な場合は、同社が提供する「GeoRouter」がおすすめ。「GeoRouter」なら、配送側の制約条件(積載量、稼働時間等) や配送先の制約条件(希望時間、車種等)の考慮、最適な車種・配送順・最低必要台数等を短時間で計算、ルート作成といったことが可能。地図や一覧の印刷にも対応している。
こちらでは、配送ルートの自動作成を可能にする自動配車システムをご紹介します。
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(出所:Loogia公式Webサイト)
幅広い配送業態での導入実績を持つクラウド型自動配車システム。「どの車両が、どの訪問先を、どの順に回ると効率的か」といった組合せ最適化について、高精度AIの最新技術を用いて計算。配送先の時間指定はもちろん、ラストワンマイルならではの道路事情(Uターン禁止、有料道路の選択、一方通行)など、様々な現場制約を含めての最適なルート作成が可能。クラウド上で最適なルートを作成するため、高性能PC等を用意する必要もなく、導入のハードルが低い。また、作成した計画を手元のスマホ端末に連携することが可能。ドライバーアプリの使用によりドライバー業務をサポートするだけでなく、リアルタイムでの進捗確認といった動態管理にも対応する。
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(出所:LYNA 自動配車クラウド公式Webサイト)
AIにより配送ルート効率化が図れるクラウド型の自動配車システム。配送オーダーを入力するだけで、必要な車両台数を算出し、AIが各車両の配送ルートを自動で検出。誰でも簡単に最適な配車計画を作成することができる。最新の組み合わせ最適化アルゴリズム「メタヒューリスティクス」を採用しているため、大量の配送オーダーはもちろんのこと、複数日にまたがる配送でもわずか数分で自動算出できる点も人気。また、配車表、運行指示書等の多彩なレポート出力機能をも搭載。最新状況をリアルタイムで可視化できるため、部署間の連携にも役立つ。
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(出所:ODINリアルタイム配送システム公式Webサイト)
スマホGPSの動態管理と配送計画の連携により、配送の進捗が把握できるクラウドの配送システム。管理画面から配送先を指定するか、もしくはExcelやCSVの配送先リストをインポートするだけでシステムが配送計画を自動作成(ドラッグ&ドロップの簡単操作で編集可能)。複数のドライバーが複数配送先へ行く場合にも対応でき、出発地点も複数選択可能。有料道路の使用有無・配送指定時間も選択可能。オプションの「動態管理」をあわせて利用すれば、車両の位置情報を利用したリアルタイムの配車計画も実現できる。
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こちらでは、車両の運行管理・位置情報管理を実現できる車両管理システムをご紹介します。
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(出所:LINKEETH公式Webサイト)
車両管理業務を総合的に支援する法人向けクラウドサービス。LINKEETH DRIVE「Locationプラン」では、複数車両の運行位置や業務状態を地図上でリアルタイムに把握できるほか、過去12カ月間に渡り走行ルートを遡り適正業務・効率化に向けたデータ活用が可能。また、日時とエリアを指定し、指定条件下で走行していた車両の特定が可能な「時空間検索機能」は、お客様対応や業務効率化に役立つ。
2022年道路交通法改正に対応している同社のアルコールチェックサービスと連携し、運行データ、安全運転診断結果と検知結果を一つのサービス画面で管理し、管理者の業務最適化を支援する。
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(出所:SmartDrive Fleet公式Webサイト)
シガーソケットに差すだけで簡単に設置できる車両管理システム。リアルタイムでの位置情報管理のほか、安全運転診断機能、乗務記録作成機能など、車両管理に役立つ機能が一通りそろっている。加えて、長時間走行や業務量を可視化できる機能も搭載。車検や保険の種類、異なるリース会社情報など、車両情報の一元管理にも役立つ。基本的な機能や管理画面を見られるデモ体験を実施している。
(出所: ビークルアシスト公式Webサイト)
通信ドライブレコーダーを利用したクラウド型サービス。安全運転支援に強みを持ち、危険挙動が起こった際にはAIが自動で検知してドライバー・管理者にアラート。前後20秒間の動画をクラウド上に保管してくれるため、手間なく原因追及やその後の安全運転指導が行える。カーナビなど車載器メーカーが開発しただけあって、位置情報を把握する動態管理機能に優れており、高精度の走行ログを取得可能。「どこをどう走ったのか」日報に活かせるだけでなく、そのデータを可視化・分析すれば、より効率的な配車や経路などを導き出すこともできる。
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(出所:KITARO公式Webサイト)
アダプタ、デジタコ、ドラレコと利用デバイスを選択できる運行管理システム。トラックやバス、ハイヤー、ルートセールス、建機など、様々な分野で規模や業態を問わず幅広く利用されている。バイクにも対応可能。
管理者はすべての車両の位置情報をリアルタイムに把握し、顧客からの到着予定時間の問い合わせなどに即座に対応できるのはもちろん、緊急時にも迅速・的確な指示を出せる。運行情報は自動で記録され、日報のひな形として利用可能。内容を確認するだけで提出できるため、日常業務の効率化にも役立つ。
急加速、急ブレーキ、急ハンドルなどの危険運転情報をスコアリングする機能やアルコールチェック機能を標準搭載。日々の安全運転とドライバーの安全意識向上を支援する。
最後に、配車システムを用いた配車計画や運行状況の管理業務に加えて、更に運行管理者の業務効率化を進めたい場合に選択肢となるサービスを紹介します。
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(出所:トラッカーズマネージャー公式Webサイト)
車検・保険・整備や事故履歴などの車両管理台帳をクラウド上で一元管理できる、運送業界に特化したクラウド業務支援システム。その他、免許の状態や健康診断の受診状況などの運転者情報、更にシフト管理や配車計画、請求書作成まで、運送業に関わる業務をクラウド上で管理可能。紙やExcelでの管理に比べて「ミスが減少する」「情報入力の手間が削減できる」「情報反映・集約・分析が容易」などのメリット多数。更にボタン1つで車両1台あたりの収益を瞬時に見える化可能。配送計画・車両計画だけでなく、経営の効率化を望む企業にもおすすめ。
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これまで属人的になりがちだった配車の管理をシステムに移行することで、運転・配送・送迎などで生じるあらゆるコストを軽減できます。営業車を多数保有する企業であれば、車両の稼働状況を正確に見える化することで、無駄な車両を削減できるかもしれません。以下、要点(よくある質問)をまとめおきましたので参考にしてください。
配車システムは有料のものが一般的で、登録台数に応じた料金形態が多い傾向にあります。「Gurutto」は無料で使えるシステムで、ルート作成のみで十分な場合にはおすすめです。
物流業界のナレッジを活かして開発されたハコベル 物流DXシステム、LYNAが挙げられます。具体的には、車格制限やエリア制限など、現場の制約条件を考慮した配車計画を作成できるのが強みです。
[1]配車計画・運行計画の自動作成に強み/配車管理システム、ハコベル 物流DXシステムなど
[2]配送ルートの自動作成に強み/Loogia、LYNA 自動配車クラウドなど
[3]車両の運行・位置情報管理に強み/LINKEETH、ビークルアシストなど
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★★★★★ 3.9 14件の口コミ・評判
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