法人向けIT製品の比較・選定を支援する情報メディア「アスピック」の編集部。 SaaSや業務システムを中心に、バックオフィス・営業・人事・マーケティングなど幅広い領域のIT製品を調査・比較し、導入検討に役立つ情報を発信している。 各サービスの機能や料金、導入実績などの公開情報をもとに、ユーザー視点でのわかりやすい整理を重視してコンテンツを制作。また、実際の利用シーンや業務課題を踏まえ、企業のIT活用による業務効率化や課題解決につながる情報提供を行っている。
自社のソフトウェア開発体制に合ったバージョン管理ツールを探している方へ。自社に適したツールを選びやすくなるよう、目的や開発環境に応じた選び方、比較ポイント、おすすめのツールを紹介します。
| この記事でわかること |
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バージョン管理ツールとは、ソースコードや設定ファイル、関連ドキュメントなどの変更履歴を記録・管理するためのソフトウェアです。ソース管理システム、リビジョン管理システムと呼ばれることも。バージョン管理ツールを導入ることで、変更内容や更新履歴を自動的に残せるため、「誰がいつ何を変更したのか追跡できない」「不具合発生時に以前の安定版へ戻せない」といった課題の解消が容易になります。
任意の時点へのロールバックや、ブランチを活用した並行開発もしやすくなり、チーム全体の開発効率と品質の向上に貢献。更に、法人向け製品では、権限管理や監査ログ、認証基盤との連携といった機能が充実していることが多く、開発の利便性だけでなく、セキュリティ確保や内部統制の強化にも役立ちます。
バージョン管理ツールは、解決したい課題に応じて以下の5タイプに分けられます。それぞれの「導入に向いている企業」「ツールの強み」「比較検討時の注意点」について、一覧表にまとめました。
| 解決できる課題 | タイプ |
|---|---|
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①Gitプラットフォーム型 |
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②チームコラボレーション重視型 |
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③パブリッククラウド統合型 |
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④巨大アセット特化型 |
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⑤集中管理・統制重視型 |
世界的に広く利用されているGitベースのプラットフォームで、標準的な開発プロセスを整備しやすいタイプ。コードレビュー、CI/CD、各種外部サービスとの連携機能も充実しており、外部パートナーとも協業しやすい。
| サービス名 | 向いている企業 | 注意点 |
|---|---|---|
| GitHub Enterprise | エンジニア採用や外部パートナーとの協業を重視する、コード主体の開発組織 | エンジニア向け機能は充実する一方、非エンジニアのタスク管理や進捗可視化には別途ツールが必要になりやすい |
| GitLab Enterprise Edition | 開発基盤をできるだけひとつに集約し、自社標準として整備したい内製志向の強い企業 | 多機能である分、導入時の運用設計に手間がかかりやすい |
| Bitbucket | JiraやConfluenceが社内に定着済みで、Atlassian製品と一体運用したい企業 | Atlassian製品を利用していない環境では、連携面の強みが活きにくい |
ソースコード管理と課題管理、情報共有を一元的に運用しやすいタイプ。非エンジニアのメンバーも進捗を把握しやすく、部門をまたぐプロジェクトを進めるのに向いている。
| サービス名 | 向いている企業 | 注意点 |
|---|---|---|
| Backlog | エンジニアと非エンジニアが同じ基盤でプロジェクトを進めたい企業 | 開発機能は、GitHub・GitLabほど幅広くない |
AzureやAWSなどの、主要クラウド基盤と親和性が高く、認証・権限管理や監査対応を含めて一体的に運用しやすいタイプ。クラウド側のID管理やセキュリティ設定との連携性に優れており、開発基盤全体の統制を取りやすい。
| サービス名 | 向いている企業 | 注意点 |
|---|---|---|
| Azure Repos | Microsoft 365やAzureを基盤にしている中〜大規模の企業 | Azure DevOpsの一機能として位置付けられるため、Azure DevOps全体を視野に入れた運用設計が必要 |
| AWS CodeCommit | インフラをAWSに集約しており、コードの保管先もAWS内に収めたい企業 | 汎用的な第一候補というより、AWSを前提とした運用体制の組織向け |
画像・動画・3Dデータ・CADファイルなどの大容量データを扱いやすいタイプ。Gitでは運用負荷が高くなりやすいバイナリファイルの管理や競合調整に向いており、ゲーム開発や映像制作、設計業務などに適している。
| サービス名 | 向いている企業 | 注意点 |
|---|---|---|
| Unity Version Control | Unityを主軸にゲーム・3D・シミュレーション分野の開発を行う企業 | Unity案件が中心でない環境では、導入メリットが限定的 |
| Perforce P4(Helix Core) | ゲーム・映像・製造・CAD/CAEなど、大容量バイナリファイルを日常的に扱う企業 | 一般的なWebアプリケーション開発にはオーバースペックで、導入・運用コストが見合わない場合がある |
アクセス権限や変更ルールを細かく定めながら、統制の取れた形でバージョン管理を進めやすいタイプ。厳格な管理体制が求められる企業や、既存のレガシー環境を安定運用したい現場に向いている。
| サービス名 | 向いている企業 | 注意点 |
|---|---|---|
| Apache Subversion | レガシーシステムの保守、文書管理、小規模改修が中心の企業や、既にSVN運用が根付いている組織 | Git系ツールとの親和性は劣っているため、採用や教育の面でも不利になりやすい |
| Gitea Enterprise | 外部SaaSへのコード預託を避けたい中堅企業や、閉域網に近い環境で運用する研究機関・企業 | GitLab級の包括的な機能群は備えていない |
各ツールの主な特徴を一覧表にまとめました。タイプや対応範囲を比較し、自社に合った候補を絞り込む際に、参考にしてみてください。
| サービス名 | タイプ | 月額料金 | 管理方式 | 提供形態 | ブランチ・マージ | コードレビュー | 権限管理 | 監査ログ・SSO | CI/CD連携 | 課題管理・Wiki連携 | 大容量ファイル対応 | 操作性・学習コスト |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| GitHub Enterprise | Gitプラットフォーム型 | 21ドル/名(Enterpriseプランの場合) | Gitベースの分散型 |
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PRを通じたマージや、ブランチ保護機能を搭載 | PRベースの高度なレビュー機能を搭載 | 組織・リポジトリ権限に加え、保護ブランチで制御しやすい | 監査ログあり。EnterpriseプランでSAML SSO対応 | GitHub Actionsを標準搭載 | Issues / Projects / Wikiを使える | Git LFS前提で対応。巨大バイナリファイル中心の用途では運用設計が必要 | 利用者が多く、UIも普及しているため学習しやすい |
| GitLab Enterprise Edition | 29ドル/名(Premiumプランの場合) | Gitベースの分散型 |
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MRと承認ルールによる厳格なブランチ統制 | MRベースで容易。AI(GitLab Duo)支援を提供 | 詳細なロール設定とAD/LDAP連携に対応 | 監査ログあり。SAML SSO対応 | GitLab CI/CDを内蔵 | 課題・Wiki・ボードを単一画面で管理可能 | Git LFS対応。大容量ファイルを管理可能 | 多機能で強力だが、習熟に一定の時間を要する | |
| Bitbucket | 月額3.65ドル/名(Standardプランの場合) | Git/Mercurial(分散型)両対応 |
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PRの承認ルールを細かく設定でき、ブランチ制御が可能 | PRとJiraチケットが連動。チケットに紐づいたレビュアーを無制限にアサイン可 | リポジトリ・ブランチ単位の権限設定、アクセス制御が可能 | Atlassian Guard併用でSAML SSO対応、監査ログあり | Bitbucket Pipelinesを内蔵 | JiraやConfluenceなどとの連携機能を備える | Git LFS対応。LFSストレージの拡張も可能 | Atlassian製品利用者は学習コストが低い | |
| Backlog | チームコラボレーション重視型 | 月額17,600円(スタンダードプランの場合)※ユーザー数無制限 | Git/SVN(集中型)両対応 |
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Gitと連携、開発進捗の把握、ソースコードの差分確認などが可能 | レビューやPRが「コメント」として自動でBacklog上の課題に追加 | プロジェクト単位でアクセス制御が可能 | IP制限対応。オプションでSAML SSO、監査ログ提供 | 外部CI/CDツールとの連携が前提 | 課題管理・Wiki・ガントチャート・カンバンボードを内蔵 | Git LFS対応。ファイルサイズの制限あり | 国産サービスであり、日本語UIが直感的で非エンジニアも使いやすい |
| Azure Repos | パブリッククラウド統合型 | 従量課金制 ※無料枠あり | Git/TFVC(集中型)両対応 |
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ブランチポリシー機能によるPRベースの厳格なブランチおよびマージの統制 | PRベース(Gitの場合)、またはVisual Studio経由(TFVCの場合) | リポジトリ・ブランチ単位(Git)、またはファイル・フォルダーレベルのアクセス制御(TFVC)が可能 | Entra ID連携でSSO・監査ログを利用可 | Azure Pipelinesとシームレスな連携 | 標準搭載の課題管理に加え、Azure DevOps標準のBoardsやWikiと連携 | Git LFS対応。大容量ファイルを管理可能 | Azure DevOpsユーザーは学習コストが低い |
| AWS CodeCommit | 月額1ドル/名 ※5名まで無料 | Gitベースの分散型 |
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PRを通じた基本的なブランチ・マージに対応 | PRベースのレビューに対応 | IAMを通じて権限を一元管理 | IAM認証によるアクセス制御、 CloudWatch/CloudTrailによるモニタリングを提供 | 外部ツールと統合をサポート、CodePipeline/CodeBuildと連携しやすい | 外部連携が前提 | Git LFS非対応。コード管理向け | AWSユーザーには馴染みやすいがUI機能は限定的 | |
| Unity Version Control | 巨大アセット特化型 | 要問い合わせ | 分散型+集中型の混合 |
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ブランチのツリー表示などGUIが充実 | ブラウザ上でコードレビュー管理・自動化できる | 組織・プロジェクト単位でアクセス制御 | Unity Cloudの組織設定やOn-Prem環境でSSOを利用可能 | Unity Build Automation連携で自動ビルド・通知が可能 | 外部連携が前提 | 大容量バイナリファイル・3Dアセットに強い | Unityの制作フローに乗せやすい |
| Perforce P4(Helix Core) | 月額39ドル/名(P4 Cloud) ※5名まで無料版あり | 独自方式の集中型 |
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Streams機能により高度に分岐・マージを統制 | 「P4 Code Review」により、コミット前/後両対応のレビュー運用可能 | パス・ユーザー単位で細かく制御できる | SAML対応。詳細な監査ログあり | 外部CI/CDツールとの連携が前提 | P4 Planなどシリーズ製品や外部ツールとの連携が前提 | ペタバイト規模のデータにも対応でき、大容量バイナリファイル管理に強い | 独自概念が多く学習コストが高い | |
| Apache Subversion | 集中管理・統制重視型 | なし ※ホスティング利用時は別途 | 集中型(SVN) |
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ブランチ運用は可能だが柔軟性は限定的 | レビューは別ツール連携が前提 | ディレクトリやパス単位で読み書き権限を設定できる | 外部認証連携が可能。監査ログは限定的 | 外部CI/CDツールとの連携が前提 | 課題管理は外部連携が前提 | バイナリ管理は可能だがLFS非対応 | 概念は比較的理解しやすい一方、現在主流のGitベースの運用とは前提が異なる |
| Gitea Enterprise | 月額9.5ドル/名(年間契約) | Gitベースの分散型 |
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PRベースのブランチ管理に対応 | PRベースでレビューできる | リポジトリ・組織単位で制御可能 | SAML SSO・監査ログに対応(Enterprise版) | Gitea Actionsに対応 | Issuesを内蔵 | Git LFS対応。標準的なGitベース運用向け | GitHub風UIでGit利用者は学習コストが低い |
バージョン管理ツールには、変更履歴の追跡・保存やロールバックなど、開発を安全かつ効率的に進めるための機能があります。主な機能は以下のとおりです。
| 変更履歴の追跡・保存 | ファイルに対して、誰がいつどのような変更を行ったかを履歴として記録・管理する機能。過去の変更内容をたどれるため、修正経緯の確認や原因調査に役立つ |
|---|---|
| ロールバック | 履歴をさかのぼって、任意の時点のファイルやプロジェクトの状態を参照・復元できる機能。不具合発生時に、安定していた版へ戻しやすくなる |
| ブランチとマージ | ブランチを作成し、機能追加やバグ修正を並行して進めたうえで、完了後に変更をマージできる機能。本番環境に影響を与えにくい形で開発を進められる |
| 競合の検知と解決 | 複数の開発者が同一ファイルを同時に変更した際に生じる競合を検知し、解決を支援する機能。統合時にどの変更を採用するかを選択・調整できるため、意図しない上書きを防げる |
| チームでの共有・共同作業 | リポジトリを通じてソースコードや関連ファイルを共有し、複数人で同じプロジェクトを並行して管理できる機能。更新内容の同期や配布も行いやすい |
| コードレビュー支援 | 変更内容を統合前に、ほかのメンバーがコメントや承認を行える機能。レビューを通じて品質向上や認識合わせにつなげやすい。※主にGitプラットフォームで提供される機能 |
| CI/CDとの統合 | コードの更新をきっかけに、ビルドやテスト、デプロイといった一連の工程を自動で実行する仕組み。作業負荷を減らし、開発効率と品質を向上させる |
| ファイルロック | 特定ファイルを排他的に編集できるようにし、同時編集による衝突を防ぐ機能。画像、動画、3Dデータなどマージしにくいバイナリファイルの管理で特に有効 |
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(出所:GitHub Enterprise公式Webサイト)
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(出所:GitLab Enterprise Edition公式Webサイト)
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(出所:Bitbucket公式Webサイト)
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(出所:Backlog公式Webサイト)
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(出所:Azure Repos公式Webサイト)
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(出所:AWS CodeCommit公式Webサイト)
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(出所:Unity Version Control公式Webサイト)
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(出所:Perforce P4公式Webサイト)
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(出所:Apache Subversion公式Webサイト)
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(出所:Gitea Enterprise公式Webサイト)
バージョン管理ツールを活用すると、変更履歴を自動で記録・管理でき、複数人での安全な並行作業やトラブル時の迅速な復旧がしやすくなります。
バージョン管理ツールは、「Gitプラットフォーム型」「チームコラボレーション重視型」「パブリッククラウド統合型」「巨大アセット特化型」「集中管理・統制重視型」といったタイプに分けられます。比較検討の際には、「ホスティング形態」「CI/CDとの統合」「権限管理」「外部ツールとの連携」といったポイントで比較しましょう。
バージョン管理ツールを導入すれば、開発効率や品質の向上が期待できます。本記事でご紹介した比較ポイントなどを参考に、バージョン管理ツールの導入を検討してみてください。
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