最終更新日:2022-12-02
膨大な帳票処理が業務を圧迫しており、帳票読取の自動化で業務を効率化させたい方へ。帳票OCRソフトのメリットや利用における注意点、主なサービスの特徴を紹介します。
帳票OCRソフトとは、紙の帳票をスキャナーで読み取り、ファイルとしてテキスト化できるソフトウェアのこと。OCRは「Optical Character Recognition/Reader」の略で、「光学文字認識」と訳されることもあります。OCR技術の読み取りの対象となるのは、活字、手書き文字、チェックマーク、QRコードなど様々です。
読み取りができる書類は、請求書や領収書、伝票、注文書、納品書といった帳票が中心です。また、アンケート用紙、マイナンバーカード、申込書、健康診断票、診療報酬明細書などに利用できるソフトもあります。これらを都度、手作業でパソコンに入力していると大きな労力がかかってしまい、コストも膨らんでしまうでしょう。帳票OCRソフトには比較的長い歴史がありますが、AIの発達によって文字認識精度が飛躍的に向上したことや、クラウドサービスが普及・定着したことにより、近年再び注目されています。
帳票OCRソフトにおける具体的なメリットとしては、以下の3つが挙げられます。
帳票OCRソフトの最大のメリットは、紙の帳票情報をデータ化できること。従来は、紙の帳票を手作業で仕分けし、目視確認しながらPCにデータを入力する必要がありましたが、OCRソフトを導入することで、これらの作業を自動化・効率化することができます。
帳票OCRソフトの中には、手書きの文字を認識してテキスト化できるものもあります。ただし、読み取りの精度は100%ではないため、基本的には認識結果を目視で確認し、人の手で修正する必要があります。AIを搭載したソフトの場合は、確認・修正に対する深層学習によって文字認識の精度を上げることが可能。「WOZE」や「DEEP READ」、「SmartRead」なら、100%に近い高精度での読み取りが可能です。
読み取った情報の確認・修正がしやすいように設計されたサービスもあります。たとえば、「FormOCR v.7.5」や「SmartRead」では、帳票の記入内容と認識結果が同時に表示されるため、確認作業を効率化できます。「DynaEye10」は視線の移動量が少ない画面設計になっており、確認の進捗状況を一覧で把握できる機能も搭載。また、「帳票OCR Ver.8」は、認識結果があらかじめ設定した条件に合致しない場合にセルの色が変わるなど、直感的に作業できるように工夫されています。
手作業による入力の場合、データが大量であるほどミスが頻発し、修正やその確認作業が業務を圧迫してしまいがちです。そのような場合は、「日付や時間などの数字が正しいか」「各項目の金額が合計と合致するか」「必須項目に文字やチェックマークが記載されているか」を自動でチェックするなど、ミスの防止をサポートする機能を搭載している帳票OCRソフトを導入することで、大幅な改善が見込めます。
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業務効率化の上で様々なメリットがある帳票OCRソフトですが、利用する上ではどのようなことに注意すべきでしょうか。テキストの文字認識精度以外の観点から見ていきます。
帳票OCRソフトでは、帳票の書式ごとに、どのエリアのどの項目を読み取るのかを事前に設定する必要があります。事前設定では、テキスト変換したい箇所をマウスで囲い込み、その領域が数字なのか、日付なのか、文字なのかを選択・入力していきます。たとえば、テキスト変換したい領域が商品コードであれば数字、発行日であれば日付、氏名であれば文字です。ひらがな、カタカナ、漢字、アルファベットと認識対象とする文字種を指定することも可能で、指定した文字をユーザー辞書として登録しておくことで、読取精度を向上させられるソフトも多くなっています。
最初に設定を行えば、その後はスムーズに読み取りが可能です。ただし何らかの事情で、社内や取引先の帳票に変更があった場合には再設定が必要になるため注意が必要です。
手書き文字は人それぞれに癖があるため、OCRによる文字認識の精度が安定しないことが難点です。ここで力を発揮するのがAI搭載のOCRで、深層学習によって認識精度を随時向上させていくことができます。自社の帳票に手書きが多く、文字認識の精度を担保したい場合は、AI OCRの活用を視野に入れると良いでしょう。
従来のOCRエンジンとAIを組み合わせることで、高いパフォーマンスを発揮する帳票OCRソフトもあります。たとえば「FormOCR v.7.5」は、枠内の手書き文字は従来型エンジンで認識、枠がないフリーピッチの手書き文字はAI OCRで認識することで、高い精度を実現しています。
OCRソフトによっては、バーコードやQRコード、チェックマークなどを読み取れるものと読み取れないものがあります。バーコードであれば、JAN、ITF、CODE39、CODE128など、自社の帳票で使われているバーコードの対応コードを確認しておきましょう。また、チェックマークについても、「レ」や選択式の「○」、オーバーライトチェックマーク、塗りつぶしなど対応するチェックマークが製品によって異なるため、確認しておく必要があります。
「帳票OCR Ver.8」のように、自動車検査証を読み取れるOCRソフトもあります。そのほかにも運転免許証やマイナンバーカードなど、公的書類のタイプによって読み取れるものとそうでないものもあるため、効率化したい業務範囲を事前に確認しておくと良いでしょう。
帳票OCRソフトは、「少量の帳票読取向け」「大量の帳票読取向け(オンプレミス型)」「大量の帳票読取向け(クラウド型)」と主に3つのタイプに分けることができます。
「少量の帳票読取向け」は、月に100枚程度までの読み取りを視野に入れたタイプの帳票OCRです。たとえば、「読取革命」のように1万円前後で購入できる安価なソフトや、「DynaEye 10 帳票OCR Entry」のようにエントリーアプリケーションを用意するソフトなどがあります。低価格で導入し試験的に運用したい場合や、少ない帳票を多くのレイアウトで作成する必要がある場合などに向いています。
ただし、「少量の帳票読取向け」は機能が限定的で、複数の担当者による認識結果の確認・修正に向いておらず、大量の帳票処理を効率化するのは困難です。そのため、本記事では、月100枚を超える大量の帳票を読み取るタイプのソフトについて詳しく紹介します。
大量の帳票読取向けのソフトは、まず、オンプレミス型とクラウド型から選びます。「大量の帳票読取向け(オンプレ型)」は、安全性を特に担保したい業界や業種に最適。自社内でネットワークを構築するため、既に使用している自社システムと連携しやすい点も特徴です。
「大量の帳票読取向け(クラウド型)」は、インターネット環境があれば、どこからでも利用できるメリットがあります。リモートワークや複数人でデータを扱う場合でも、読み取ったデータがクラウド上のサーバーにアップロードされるので、柔軟な働き方に対応が可能。システムのアップデートも製品を提供する企業が行うため、新機能の追加も期待できます。
オンプレミス型ソフトは、概ね400,000円から700,000円前後のOCRソフトが多くなっています。一方、クラウド型ソフトは、月額10,000円から30,000円前後に別途、初期費用がかかるものが一般的です。クラウドサービスの場合、処理枚数が多いほど一枚あたりの単価は安くなる傾向にあります。オンプレミス型の場合には、運用・保守にどれくらいコストがかかるのかも考慮しておくようにしましょう。
また、手書きの読み取りが必要でAI OCRを利用する場合には、一文字あたりの単価で計算されるサービスもあります。自社でどんな種類の帳票が多くて、何枚の帳票をテキスト化する必要があるのかを把握しておくと、製品を検討する際の目安になります。
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(出所:AnyForom OCR公式Webサイト)
ネットワークや情報活用、データキャプチャーに関するソリューションを提供するハンモックのOCR
ソフトウェア。帳票設計やOCRの読み取り結果の確認・修正ツールだけでなく、帳票の仕分け機能や他システムとのスムーズな連携に必要なデータ出力機能などを揃えたオールインワンパッケージになっている。特許技術である「WOCR」を搭載し、読み込ませる画像とノイズ除去などの修正を加えた画像を、異なる2つのOCRエンジンで読み取り、認識結果が同じかつ信頼性が高い場合のみ確定データを生成することが特徴。
非定型帳票に対しては、処理したい項目をマウスでドラッグすることで、プログラミング知識がなくても帳票設計を短期間で行える。外部データベースマスタとの連携では、Microsoft SQL Serverを利用して基幹システムのマスターデータをダイレクトに参照することで、データ管理の手間を削減し、タイムリーにマスタ情報を活用できる。
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(出所:DynaEye10公式Webサイト)
導入実績7,700社以上、自治体・官公庁、金融、流通・製造、医療・福祉、情報・出版、農林・水産など幅広い業界に導入実績があるOCRソフト。OCRで読み取った情報の正誤を確認する修正画面は、視線の移動量が極力減るように工夫が凝らされている他、読み取りを阻害する網掛け、印影、地紋、白抜き文字を処理する「OCRノイズ除去機能」を搭載。同社が提供する本人確認カメラOCRや運転免許証OCR、マイナンバーOCR、RPAサービスと組み合わせることで、幅広い業務に対応できる。
テキスト化のニーズが高い請求書、注文書、納品書については項目定義のテンプレートが用意されているため、導入後すぐにOCRを利用できることが魅力。新たにOCRを導入する企業向けには、スキャナー、OCRソフト、帳票定義作成サービス、OCR環境セットアップ、導入トレーニングをパッケージングした「DynaEye 10 帳票OCR Entry スタートアップセット」を提供しており、専門知識なしで迅速に導入できる。
(出所:帳票OCR Ver.8公式Webサイト)
AI OCR対応の帳票OCRソフト。スキャナーや複合機からだけでなく、BMPファイル、TIFFファイル、JPEGファイル、PDFファイルなどの画像ファイルからも帳票を読み取ることができる。FAX送信によるかすれた文字など、低品質文字にも強い高精度OCRエンジンを搭載。表示されている画像ファイルが傾いている場合であっても、自動的に傾斜角度を検出して傾き補正を行うなど、文字認識精度を向上させる画像編集機能が充実する。
特殊二値化処理により、背景がある部分の文字認識ができるため、自動車検査証や色の付いた枠に記入されたチェックマークの認識にも対応できる点が特徴。読み込んだ帳票画像をファイル名や形式をもとに自動的に指定フォルダへ振り分ける機能により、ドキュメント登録時の仕分け作業を自動化できる点も魅力。読み込んだ複数ページの画像データを自動で分割することで、大量の書類をドキュメント化できる機能も搭載。
(出所:FormOCR v.7.5公式Webサイト)
病院・学校事務、人事給与管理、顧客管理、販売管理、生産管理、マーケティング、経理・会計業務など、幅広い業務・業種で利用されている定型帳票のデータ入力に対応するOCRソフトウェア。読み取り認識時に姓名辞書、住所辞書との照合を行い、ユーザー定義による単語辞書や商品番号と商品名を組み合わせたコード辞書を作成することで、文字認識の精度を向上させている。
確認・修正画面では、認識結果を帳票イメージの上に同時に表示。さらに認識エリアをダブルクリックすることで候補となる文字を表示できるなど、確認や修正の効率化に大きく貢献する。
拡張オプションによるOCR複数訂正システムでは、認識結果を複数のパソコン端末から同時に修正できるため、大量データの確認と修正、業務の分散を可能にする。複合機やスキャナーでスキャンした帳票画像のほか、スマートフォンやタブレット端末で撮影した帳票画像にも対応。フリーピッチの手書き認識はAI OCR、枠内の手書き、活字文字、バーコードは従来のエンジンを組み合わせて認識することで、低コスト・高精度を実現。
(出所:CLOVA OCR公式Webサイト)
電話応対AIサービスやオンライン本人確認、チャットボット、音声認識のサービスを提供するLINE CLOVAシリーズのOCRサービス。用途に合わせて、開発不要・最短2日で導入可能なクラウドアプリケーション版の「CLOVA OCR Reader」と、様々な基幹システムと連携が可能なAPI連携版「CLOVA OCR API」を提供する。湾曲して書かれた文字や傾いた文字などの悪条件下での文字認識、多言語認識、専門用語の認識に優れている。
「定型」「特化型」「非定型」という3つのタイプのOCRを利用することで、あらゆるスタイルの書式をテキスト化することが可能。マルチボックス機能では、記入枠ごとに読み取り範囲を1つずつ設定することなく、ボックス内の一つひとつの文字と値を認識させることができる。チェックボックス機能では、チェックボックスの候補の中から丸やチェックマークで選択された値のみを抽出するなど、データを正しく読み取りながら処理・確認作業をスムーズ化することに貢献する。
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(出所:WOZE公式Webサイト)
帳票設計、操作教育不要ですぐに導入開始できる、クラウド型のデータエントリーサービス。最安1枚40円でデータ化可能なため、大量の帳票のデータ化に最適。
特許技術OCR(文字認識)とクラウドワーカー(ヒトによる目視チェック)の連携による独自の仕組みにより、帳票の種類によっては、最短30分でほぼ100%の高精度でデータ化を完了できる。画像形式はブラウザ、デスクトップアプリ共にjpg/tif/pdfに対応。
クラウドワーカーに画像を提供する際には、フィールド画像を分離し、分散提供されるため、セキュリティ面も万全。
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(出所:AI-OCRらくスルー公式Webサイト)
手書き帳票の読み取りに特化したAI-OCR。製造、金融、不動産、サービス、士業、自治体、学校など、幅広い業種での導入実績があり、毎月大量の手書き帳票の入力作業が発生する場合に有効。マークや丸囲いなどを文字に変換して読み取りできる他、誤字・くせ字、はみ出し文字、訂正印の読み飛ばしなどにも対応。
オプションの仕分け機能では、帳票の特徴・量を自動判別して、複数の異なる帳票を効率的にデータ化可能。また、セキュリティ対策となる、接続元IPアドレスを制限する機能もオプションで提供しており、関係者以外からのアクセスを防止できる。
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(出所:DEEP READ公式Webサイト)
業界トップクラス約98%の高精度の手書き文字認識精度を誇るAI-OCR。アンケート用紙・答案用紙・申込書・診断書等、様々な帳票に対応でき、金融機関、医療機関、学校法人など幅広い業種で利用されている。Excelの表形式の帳票であれば、自動で罫線を認識して読み取りエリアを生成可能。更にサポート機能の「帳票分類ツール」を使えば、事前に設定した帳票タイプのフォーマットを自動で読み込んで画像データを分類し、設定した項目を読み取ってくれる。
読み取り結果はその場で瞬時に表示され、帳票全体を閲覧しながらキーボードのみで簡単に確認・修正可能。認識結果を“確からしさ”を示す確信度でフィルタリングして、「確信度99%以上のものは確認をスキップ」というような効率的な使い方もできる。
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(出所:SmartRead公式Webサイト)
独自開発のAIにより様々な書類の自動仕分け・読み取りができるAI-OCR。文書の細かいレイアウトの違いを自動で識別・仕分けし、活字・手書きを問わず、99.2%の高精度で読み取り。FAXのように文書に歪みや傾きが生じている場合でも、自動で補正して検出することができる。
「定型」「非定型」の文書はもちろん、預金通帳や給与支払報告書のような、項目は共通だがレイアウトが固定されていない「準定型」の文書にも対応。テンプレートは作成せず、読み取るファイルのタイプを選択するだけで、文書に応じた認識結果を出力できる。事前学習済みのAIを活用することで、事前設定工数を大幅に削減。入力・仕分けの自動化にも対応しているので、様々な文書が混在する場合でも利用しやすい。
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帳票OCRソフトの活用には、「紙で受領した帳票情報のテキスト化」、「入力確認作業の効率化」、「入力ミスの防止」というメリットがあるので、帳票処理にかかる時間と人的リソースを削減でき、本来すべき業務に集中することができます。そして今後は、機能が充実化するだけでなく、AIの精度も向上していくため、ビジネスに欠かせないツールとしてますます注目されていくでしょう。まずは自社の課題を整理した上で、最適なソフトを導入し、煩雑な作業から解放された働き方を実現してください。
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