最終更新日:2024-07-26
オンラインでの様々な決済方法を効率的に管理したい方や、幅広い決済方法に対応することでターゲット層と販路の拡大をお考えの方へ。オンライン決済システムの概要や導入のメリット、比較のポイントとともに、おすすめのサービスをタイプ別にご紹介します。
オンライン決済システムとは、インターネット上で決済を完結・管理できるシステムのことで、ECサイトをはじめ、飲食店や美容サロン、宿泊施設といった実店舗での事前決済などにも活用されています。オンライン決済システムを活用して幅広い決済方法に対応することで、利用者の利便性向上や販路の拡大が期待できます。
現金以外の主な決済方法は、「クレジットカード決済」「口座振込み」「コンビニ払い」「電子マネー決済」携帯電話代や通信費とまとめて支払う「キャリア決済」など多数。これらの決済方法を個別に登録・運用するのは非常に手間とコストがかかりますが、オンライン決済システムを使えば様々な決済が一括で管理できます。また、入金を一元管理できるので、運用の負担軽減や、業務の効率化につながります。
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オンライン決済システムの導入で期待できるメリットは、主に以下の3つです。
決済方法ごとに異なる仕組みに個別の対応をすることなく、オンライン上で決済を完結できるのがオンライン決済システムの大きな強み。複数の決済方法から支払いやすい手段を選ぶことができるので、顧客側の利便性も向上します。手続きがスムーズになれば購買のハードルが下がるので、カゴ落ちなどの離脱を抑制し、売上アップの期待もできます。
決済をオンラインで行う上での懸念点として、代金の未払いや不正取引といったリスクが挙げられます。その点、オンライン決済システムは高いセキュリティで守られているため、安全性の高い取引が可能です。
万が一、不正取引が発生した場合に、システム側が被害を負担してくれるサービスもあります。たとえば「PayPay」は、不正利用による被害が発生した際、利用者と加盟店のそれぞれに補償制度を用意しています。
複数の決済方法を採用した場合、運用面の負担は無視できない問題です。オンライン決済システムでは入金サイクルもひとつにまとめられるため、売上金の集計や経理処理等の業務効率化が図れます。一元管理によって運用負荷を軽減できるのです。
また、「Square」のように請求書発行や継続課金の機能を備えた決済サービスを利用すれば、リアルタイムで請求書の支払い状況を確認可能。月謝や会費などの定期的な課金を自動化して、入金状況の進捗を把握できます。
オンライン決済システムのタイプは、用途別に大きく4つに分類できます。それぞれ詳しく見ていきましょう。
複数の販路での決済を統一したい場合に適したタイプ。実店舗での決済と、デリバリーの事前決済やECサイトでの決済など、いくつかの決済方法を取り入れている飲食店などに向いています。
たとえば、「PayPay」の場合は、加盟店申し込みをして審査が通れば、オフライン・オンラインに関わらず、決済システムを比較的簡単に導入できます。ちなみに実店舗の場合、少額利用時に使いやすい電子マネーなどに対応していると、利用者の利便性が高まり、ついで買いなどによる購買促進にもつながります。
ECサイトでの物販や、チケット、セミナー販売などに特化したタイプ。APIやメールで決済用URLを送信するメールリンク、専用トークンなど、自社サイトの運営に合わせて柔軟にシステムを構築できるサービスが充実しています。
その一例が、SMSで届く4桁の認証コードを入力するだけで決済できる「Paidy」。クレジットカードが不要で、複雑な操作をすることなくスムーズに取引ができるので、非クレカ層や若年層の取り込み拡大も期待できます。
ネットワーク経由でソフトウェア機能を提供するSaaSや、サブスクリプションアプリの利用料の支払いに適したタイプ。定額課金利用中にプランや利用人数を変更した際の料金計算や、日割り計算などにも自動対応し、柔軟な決済設定や請求処理が可能です。
たとえば、インターネット向け決済インフラの「Stripe」は、SaaS ビジネスのための請求および支払い機能を搭載。ユーザー数に基づく料金から従量課金まで、あらゆるタイプの請求に利用できる請求ロジックを提供しています。
また、「サブスクペイ」は、メールマガジンやイベント、オンラインサロンなどのサブスクリプションビジネスに最適化した決済システム。決済の自動化のみならず、顧客・決済情報の一元管理で業務の削減を実現します。
毎月の⽉謝や利用料など、会員からの会費徴収に向いているタイプ。オンラインで会員登録を完結でき、クレジットカード番号・口座番号などを入力してもらうだけで、即座に集金を始められるのが強みです。
たとえば、「月額パンダ」は集金だけでなく、督促メールの自動送信、クレジットカード決済の返金など様々な便利機能も搭載しています。学習教室や英会話教室などの子供向けのスクール、ヨガ・ピラティスなどのフィットネスジム、ダンス・体操などのスポーツ教室、月極駐車場などで利用されています。
以下の5つのポイントに注目して、具体的なサービスを比較・検討します。
課金方式を採用しているサービスの場合、顧客は「都度課金」と「継続課金」を選ぶことになります。継続課金に対応しているオンライン決済システムなら、定期的に発生する集金を自動化できるため、サービスを提供する事業者側の業務効率化にもつながります。
クレジットカード決済をはじめ、デビットカード決済、オンライン電子マネー決済、コンビニ決済、キャリア決済など、幅広い決済方法に対応しているかをチェックしましょう。最近ではアプリと連携して決済できるシステムも登場しています。
また、利用シーンに合わせて利便性を向上できることも重要。たとえばECサイトならクレジットカード決済は必須です。また、Webセミナーやスクールなど月謝が発生する場合は、口座の紐づけ・自動引き落としに対応するシステムがおすすめ。管理や運用の手間を省けます。
請求書や納品書の作成・発行機能を搭載するシステムなら、請求作業の自動化を実現できます。システムによっては、管理画面上で入金状況を一覧で確認したり、請求~突合までを自動化できたりなど、一連の事務作業の効率化が可能。「STORES 請求書決済」のように、請求書を兼ねた決済用のWebページを作成し、利用者がURL経由で決済できるサービスもあります。
自社で使用しているECサイト構築ツールとの連携も重要なチェックポイントです。「ソニーペイメントサービス」のように、EC-CUBEやCS-Cartなどを使ってWebサイトを構築している場合、簡単に導入できるパッケージプランを用意しているサービスもあります。
「Opn Payments」は、ShopifyやMagentoなどのECプラットフォームと簡単に接続できます。
オンライン決済システムの多くは初期費用・月額費用無料で導入できますが、決済手数料はカード会社や決済方法によってパーセンテージが異なります。利用者の多い決済方法や金額などに応じてシステムを選ぶことで、コスト削減につながります。
また、運営方針に合わせた入金サイクルを選ぶこともポイントです。入金は決済成立の翌月・翌々月払いが基本ですが、即日入金・最短3日で口座引き出せるサービスや、月2回締めが設定できるオプションなども、円滑な資金繰りを後押ししてくれるサービスもあります。
ここからは、4つのタイプに分けておすすめのオンライン決済システムをご紹介します。まずは、実店舗にも対応したシステムから。
(出所:Square 公式Webサイト)
様々な決済端末や決済手段に対応したオンライン決済プラットフォーム。主要ブランドのクレジットカードのほか、PayPalやSquare Pay、Apple Pay、ギフトカードなどでの支払いが可能。
実店舗向けの「Square POSレジ」を通して、実店舗とオンラインショップの商品情報が自動で同期されるため、在庫管理、売上管理、顧客管理が簡単にできる。ECサイト作成機能では、テンプレートを使って初心者でも簡単に構築可能。写真加工アプリでの商品画像やInstagramのフィードもショッピングサイトとして活用できるので、ネット販売をすばやく手軽に始めたい場合にも向いている。
(出所:メタップスペイメント公式Webサイト)
オンライン上や実店舗端末でのクレジットカード決済、コンビニ決済、電子マネー決済など多彩な決済サービスを用意。チケット販売・音楽ライブ配信ができる「チケットペイ」、定額制サービス向けの「会員ペイ」、家賃決済など、周辺サービスも幅広く複合的に提供している。物販・イベント・寄付など、幅広い業種の導入実績が強み。
(出所:アルファノート公式Webサイト)
幅広い業種に対応できる豊富な決済方法が特徴。実店舗での対面決済では、マルチ決済端末1台で、クレジットカード・QRコード・交通系電子マネーの各種決済に対応できる。端末はポータブルタイプのため、無店舗型、イベント会場での決済でも使いやすい。
オンライン決済では、クレジットカード決済のほか、メールリンク型決済、後払い決済、PayPayが利用できる。また、新規顧客獲得に有効なオリジナルプリペイドカード制作や訪日外国人向けの決済サービス、加盟店向け融資のトランザクションレンディングも提供している。
(出所:SBペイメントサービス公式Webサイト)
ソフトバンクグループが運営する決済システム。クレジットカードや携帯電話のキャリア決済、コンビニ決済など多種のオンライン決済サービスはもちろん、実店舗向けのクレジット・電子マネー・QRコード決済や、通信各社が提供する支払い代行サービスなど豊富な決済サービスに対応。事業者のサービスに応じてリンク型・API型といった決済システムの接続方法も用意されており、拡張性の高さも魅力。ニュースリリース配信や、SNSマーケティングサービスを利用できる「マーケティング支援プラン」を無料で提供している。
(出所:楽天ペイ公式Webサイト)
楽天以外のECサイトでも、利用者が楽天IDで決済でき、楽天カードとの連携も容易な決済サービス。楽天カードだけでなく、楽天IDに登録したクレジットカードでの決済や、楽天ポイントの利用もできるので、楽天IDユーザーや、楽天のサービスを利用することが多い人にとってのメリットが大きい。QRコードを使用した実店舗向け決済サービスと、ECサイト向けのオンライン決済サービスに対応。楽天銀行の口座を持っていれば、直接引き落としもできる。
(出所:LINE Pay公式Webサイト)
LINEユーザーならすぐ登録可能なQRコード決済サービス(企業・店舗側はPayPay加盟店への申し込みが必須)。銀行口座の登録によってチャージや出金が可能。LINEの友だち同士なら簡単に送金もできる。ポイント還元など各種のキャンペーンを行っていることが多く、お得に利用し続けられる仕組み作りにも注目。LINE公式アカウントとの連携で、決済時にアカウントへの友達追加を促すことができ、メッセージ送信や割引クーポンの発行といった販促活動も効果的に行える。
(出所:PayPayオンライン公式Webサイト)
約5,300万ユーザーと、幅広い層に利用されているQRコード決済サービス。ECサイト向けのオンライン決済では、利用者が購入画面でPayPay決済を選択するとアプリが自動で起動し、PayPay残高から支払いを行える。最短ワンタップで購入できるため、カゴ落ち防止・コンバージョン改善にもつながる。専任スタッフとシステムの24時間体制の監視で不正を未然に防ぎ、万が一不正な取引があった場合には原則被害の全額を負担してくれる点も安心。
続いて、ECサイトに特化に特化したオンライン決済システムをご紹介します。
(出所:Opn payments公式Webサイト)
ECサイトやスマホアプリで、迅速・確実に決済を執り行うオンライン決済代行サービス。クレジットカード/デビットカード決済やインターネットバンキング、Pay-easy、コンビニ決済、Google Payなど、50種類以上の決済方法に対応している。
SNSやメールにURLを送るだけで決済できる開発不要の「リンク決済」が特徴。ほかにも、複数のECカートとの「プラグイン連携」や、オリジナルなECカートとの「API連携」で、オンライン決済代行サービスを柔軟に組み込むことができる。毎週・毎月などの定額制サービスの支払いに活躍する定期課金機能を搭載。
(出所:STORES 請求書決済公式Webサイト)
オンライン上で決済用のWeb請求書ページを作成・送信できるオンライン決済システム。請求書を送信すると利用者のメールアドレス宛に決済用WebページのURLが送られ、利用者はそこから決済を完了できる。請求書やレシートは自動的に多言語対応で作成されること、アプリではなくWebブラウザで決済を完結できることなど、店舗側も利用者も利用しやすい点が多数。
(出所:イプシロン公式Webサイト)
クレジットカード決済やコンビニ決済、代引き決済など、初期費用無料で導入できる様々な決済方法を備えた決済代行サービス。更にメールリンクサービス、月額費用なしで使える配送サービス、Web集客サービス、トランザクションレンディングといったオプションも豊富。不正検知や3Dセキュアといったセキュリティや、2回締め・早期入金・随時入金といった入金サイクルが用意されているのも心強い。最短1営業日で導入でき、月額無料の「スピード導入プラン」と、月額5,000円で手数料が安価な「手数料お得プラン」の2つの料金体系になっている。
(出所:ソニーペイメントサービス公式Webサイト)
20年以上の実績をもち、PayPay、LINE Pay、Apple PayといったオンラインID決済やクレジットカード決済、コンビニ決済、口座振替等の様々な決済代行サービスを提供しているマルチペイメントサービス。カード会社とほかのネットワークを介さず接続する高速レスポンスを実現。これにより利用者のストレスを軽減し、離脱率改善が期待できることに加え、大量のデータによるシステム障害やメンテナンスによるサービスの停止を最小化できる。認証サービスとして、本人認証パスワードを用いた「3Dセキュア」に加え、任意の属性情報を利用した独自の「認証アシストサービス」を導入している。
こちらでは、Webサービス・アプリ向きのオンライン決済システムを紹介します。
(出所:ekaiin.com公式Webサイト)
会員管理・請求・集金をWeb完結できるオンライン決済サービス。申込みから最短3日で導入でき、シンプルな操作性でITツールを使い慣れていなくても扱いやすいのが特長だ。
管理画面上で請求作業、集金ページを簡単に作成し、URLを共有するだけで請求が可能。クレジットカード決済やコンビニ決済、口座自動引き落とし、ネットバンキングなど定番の決済方法はもちろん、決済アプリ「支払秘書」の利用も可能。定期集金・都度集金の両方に対応しており、セミナーやスクールだけでなく、単発イベントや寄付など、様々なシーンで活用できる。
その他、会員管理機能も充実。氏名や住所、連絡先などの名簿管理、会員のクラス分け、メッセージ配信など、スムーズな団体管理を実現する。
(出所:サブスクペイ公式Webサイト)
スクールやセミナーなどの継続課金ビジネスに必要な機能を集約した決済代行サービス。クレジットカードや口座振替、銀行振込、コンビニ決済、キャリア決済といった様々な決済方法から利用者層に見合った決済サービスが選択できる。課金の周期や金額、日にち、回数などを柔軟に設定可能。会員管理業務として決済に紐づく顧客情報をデータベース化する拡張機能を搭載しており、マーケティング活動にもつなげられる。
(出所:Stripe公式Webサイト)
Stripeソフトウェアと高機能のAPIを使用した、世界規模で企業にオンライン決済サービスを提供している決済インフラ。銀行や金融機関、デジタルウォレットなどと連携していることが魅力で、Stripe製品として対面販売や定期支払、ソフトウェアプラットフォーム、マーケットプレイスのための決済インフラもそろっており、ビジネススタイルに合った決済システムを選択・連携できる。海外市場への販路拡大など、グローバル事業を検討する場合に有効なサービスといえる。
(出所:月額パンダ公式Webサイト)
⽉謝・会費・利用料などの徴収管理に特化した⾃動集⾦システム。クレジットカード・口座振替・銀行振込などの決済に対応しており、決済スケジュールも毎月・年1回・単発など、柔軟に対応可能。料金は毎月の利用件数ごとの手数料のみで、初期費用・月額基本料も無料。利用者数が変動する場合でも無駄なく利用できる。
ユーザーの会員登録も簡単で書類の手続きは不要。LINEなどで入会申込ページのURLを案内したら、後はそこからクレジットカードや口座情報などの必要事項を入力してもらうだけ。管理者はスマホやPCからいつでも決済状況を確認可能。売上一覧、売上リストダウンロード、返金機能なども搭載しているので管理の手間もかからない。習い事・スクール・月極駐車場・PTAなど、様々な用途で利用されている。
オンライン決済システムの概要や導入のメリット、タイプ、比較検討の際のポイントとともに、おすすめのシステムをご紹介しました。実店舗で必要なのかなど必要なタイプを確認し、課金・決済方法や連携機能などを吟味していくことで、自社の環境に最も適したシステムを選べるでしょう。
キャッシュレスが浸透している現在、オンライン決済システムの導入は売上にダイレクトに関係する問題です。従業員の負担を減らし、顧客の利便性を高めながら、収益増大につなげていきましょう。
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