最終更新日:2024-03-08
手動でのシフト作成による負担が大きく、シフト作成を自動化したいと考えている介護施設の管理者の方へ。介護シフト自動作成ソフトの機能やタイプ、選び方とともに、おすすめのソフトを紹介します。
介護施設向けシフト自動作成ソフトとは、介護施設の勤務シフトを自動で作成するソフトです。近年ではAIと数理モデルを使って、複雑なシフトも自動で作成できるシステムも増えてきています。
介護施設自体にも通所型、居宅介護支援事業所、デイサービスなど様々な種類があり、業務内容が異なります、そのため、それぞれの施設に即したシフトを組む必要があります。
たとえば特別養護老人ホームのように、1年365日24時間勤務の必要がある施設では、夜勤後から次のシフトまでに一定時間を確保するなど、夜勤と休みの組み合わせにも配慮しなければなりません。
そのほかにも、以下のような条件を踏まえた調整が必要です。
このようなルール・条件を遵守したシフト作成には非常に手間がかかり、担当者に大きな負担がかかります。加えて、ルールの見落としなど、ミスが発生しやすいという課題も。
そのため多くの介護施設では、担当者の負担軽減やミス防止を目的に、介護施設向けシフト自動作成ソフトの導入が進んでいます。
なお、介護施設以外の企業向けのシフト自動作成ソフトは「シフト自動作成ソフト15選。無料から高機能までタイプ別に」で紹介しています。
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シフト自動作成ソフトでは、主に以下のようなことができます。
| 機能 | 詳細 |
|---|---|
| シフト希望の収集 | スタッフのシフト希望を収集する機能。スマホ・LINEアプリなど提出しやすいチャネルを用意して、申請もれを防ぐ |
| 条件の設定 | 必要人数や勤務回数、勤務パターン、スタッフの有する資格、スタッフの組み合わせなどの条件を設定。独自のルールに対応していたり、条件ごとに優先度を設定できたりと、特徴的な機能を備えたソフトも |
| シフト作成 | スタッフの希望や条件をもとに、シフトを自動作成する。平日/休日など異なる条件のプリセット登録に対応したソフトであれば、2回目以降はよりスムーズにシフトを組める |
| シフト調整 | シフトを手動で調整する機能。プレビュー機能や変更履歴、ミスのアラートといった機能で作業の効率化をサポートする |
| シフト共有 | 作成したシフトをスタッフに共有。印刷やスマホ共有など、複数の方法に対応したソフトなら、現場に合わせた周知方法を選択できる |
介護施設向けのシフト自動作成ソフトは、以下のような強みがあります。
介護施設向けシフト自動作成ソフトには、主に以下のようなタイプがあります。
特別養護老人ホームや介護老人保健施設、介護付き有料老人ホーム、グループホーム、小規模多機能ホーム、デイサービスといった介護施設における、シフトの自動作成機能に特化したタイプ。
たとえば「ジョブズマイスター for 介護福祉」では、勤務パターンや必要な人数、シフト希望などを入力するだけでシフトを自動作成できます。「新人同士を組み合わせない」「夜勤ができないスタッフを避ける」といった細かな条件にも対応。シフト表はスマホやタブレットからいつでも確認でき、Excel形式での出力も可能です。
シフト作成だけでなく、勤務時間管理や打刻を含む勤怠管理も同時に行っていきたい場合におすすめのタイプ。給与計算なども効率化できます。
たとえば「ガルフCSM 勤怠管理」では、ICカードや指紋、指静脈、パスワード、顔認証といった様々な認証方法でのタイムレコード・打刻機能を用意。検温と打刻を兼ねられる端末なら、感染症対策としても活用できます。
また、「CWS for Care」では、シフトと出退勤情報を照合して、予実の差異をいつでも確認できます。残業の状況や出勤日数の過不足を可視化することで、法令を遵守したシフト調整・人員配置が可能に。
訪問介護施設向けのシフト自動作成ソフト。訪問介護の場合、スタッフの移動時間が発生するため、移動時間や効率のよい移動ルートなどを勘案する必要があります。
たとえば「CareMaker」は、サービス利用者の住所情報から、最適な訪問ルートを選定。利用者の希望やNGスタッフといった特殊な条件も考慮しながら、ルートとシフト候補を自動で提案します。
また、「ZEST」では、サービス利用者の状態や住所、希望の訪問時間といった諸条件と、技能やスキル・資格・勤務時間といったスタッフ側の条件をすべて考慮したうえで訪問スケジュールを作成。手動で調整する際も、移動時間が足りないといったヒューマンエラーをアラート表示してくれます。
前述したタイプから、自社の施設に合いそうなものを絞り込んだ後は、以下の観点で検討していくとよいでしょう。
様々な条件を考慮してシフトを自動作成する機能はもちろん、作成後に手動で調整できるかどうかも、継続的な運用において重要なポイントです。設定条件に沿って作成したシフトが、別の条件と相反しているなど、何らかの問題が発生することも少なくありません。自動作成したシフトは、最後に手動で調整することも想定しておくとよいでしょう。
たとえば、AI技術を搭載した「快決！シフト君NEO ウェルネス」は、条件の緩和レベルを「必ず・原則・なるべく守る」の3段階で設定可能。人の考え方に近いシフト原案を作成できます。
更に考慮すべき条件が多い場合は、「Shiftmation」の「作成条件の重要度設定」機能を使うのも一案です。連勤制限や公休数を必須に固定しつつ、全体の条件をなるべく多く満たすシフトを作成。手動で微調整すれば、より完成度が高められます。
入力しやすい提出フォームでスタッフのシフト希望を速やかに集められれば、早い段階でシフトを組み始められ、直前の修正の手間も減らせます。
多くのソフトではスマホアプリやWebのマイページなどから希望シフトを収集しますが、中には「らくしふ」のように、LINEで収集できるものも。日常的に使用するコミュニケーションツールを使うことで、期限内の提出率向上が期待できます。
体調不良により長期欠勤者が出るなど、急な対応が発生した場合に備え、月の途中からでもシフトの変更/再編ができると便利です。また、「ほすぴタッチ」のように、スタッフ個人間でのシフト交換にも対応したソフトであれば、管理者の調整負担の軽減が見込めます。
主なソフトのうち、シフトの自動作成に特化したものを紹介します。
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（出所：勤務シフト作成お助けマン公式Webサイト）
“最適化AI”が複雑なシフト表を自動で作成・管理するクラウドサービス。早番・遅番・夜勤向けと時間指定向けの2タイプが用意されており、介護施設でのシフト作成には、「勤務シフト作成お助けマンDay」が適している。
独自の最適化エンジンで、法令遵守や働き方改革に対応しながらシフト表を自動作成。部署別・スタッフ別に、月/週単位で細かく勤務条件を設定できる。スタッフの組み合わせ条件も設定可能で、スムーズなスタッフィングをサポートする。作成したシフトを手動で修正したり、スマホでスタッフに共有したりと管理も簡単。オプション機能を使えば、スタッフの希望をスマホから登録・集約できるので、転記の手間を更に省ける。
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（出所：Shiftmation公式Webサイト）
確認や修正も含めたシフト作成の手間を削減する、人工知能搭載型の自動作成ソフト。条件の重要度を個別に設定できるので、納得感のある高精度なシフト作成が可能に。スマホでの希望シフト収集にも対応しており、期限内の提出率向上も見込める。
シフト作成においては、資格保有者や新人、ベテランのバランス考慮、施設やフロア間のヘルプ依頼のほか、濃厚接触者の自宅待機など長期の不在にも対応。条件を満たしていない部分のアラート機能や、月の途中に特定のスタッフだけでシフトを再作成する機能を備え、作成後の運用のしやすさにも定評がある。
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（出所：ジョブズマイスター for 介護福祉公式Webサイト）
基本的な条件設定でシフトを簡単に自動作成できる、介護施設向けのシフト管理システム。希望や条件を入力し、休日を決め、最後に勤務日を自動で配置するという3ステップのみで、不公平感のないシフトを作成する。
シフト表はスマホによる共有のほか、Excelに出力して印刷することもでき、デジタル・アナログの両面から周知もれを防ぐ。シフト表に直接コメントを入力できる機能や、赤色の備忘マーク設定、行事設定といった便利機能も充実。また、3カ月の無料トライアル期間で、使用感をくまなくチェックできるのもうれしい。
（出所：快決！シフト君NEO ウェルネス公式Webサイト）
介護業界に特化した機能で、シフト管理業務全般を強力にサポートする、シフト自動作成ソフト。専用のスマートデバイスアプリ「milQ」から、シフトの希望を収集。シフト希望を考慮したうえで、労務規則遵守と公平性の確保にも配慮したシフト原案をAIが自動で作成する。サービス提供体制強化加算の申請に必要な、常勤換算表も作成できる。
また、アプリからのシフト表の配布や業務連絡、出勤調整にも対応。既読機能でスタッフの閲覧状況を確認できるので、確認もれによる事故防止にも役立つ。また、各種シフト表や夜勤職員配置加算、予実管理表といった専用帳票を作成する機能も豊富にそろう。
（出所：らくしふ公式Webサイト）
経営・現場の視点からシフト管理の課題を解決する、シフト管理システム。シフト希望の収集・共有をLINEで行えるのが特徴。数理最適化の手法を用いて、収集した希望や各種条件を踏まえたシフト表を自動作成する。
経営向けの機能も搭載しており、人件費や売上、人員の過不足などのデータ管理に対応。加えて、労務違反があるシフト表へのアラート機能で、法定労働時間や労働制限の違反を未然に防止する。また、施設や事業所を横断したヘルプ勤務のシフトも調整できるので、管理担当者の業務負担軽減にも役立つ。
（出所：ほすぴタッチ公式Webサイト）
医療・介護福祉・ヘルスケア業界に対応した、クラウド型のシフト表自動作成サービス。スマホで受け付けたシフト希望と勤務ルール、その他の条件に従って、AIがシフト表を自動で作成する。細かい条件設定や独自ルールにも対応できる、カスタマイズ性が強みだ。
また、シフト希望の際には、「入れる」「できれば入りたくない」「入れない」といった、レベル別の提出フォームで優先度を把握。複数拠点の掛け持ち勤務やスタッフ個人間でのシフト交換、月の途中のシフト再編などにも対応しており、事情に合わせた柔軟な運用で、現場のモチベーション向上にも貢献する。
主な介護施設向けシフト自動作成ソフトのうち、勤怠管理に対応したものを紹介します。
（出所：CWS for Care公式Webサイト）
シフト表作成、勤怠管理、勤務形態一覧表の出力を一括で行える、介護専門のシフト・勤怠管理サービス。事業所間・複数職種の兼務に対応し、再利用可能なセット登録でシフト作成にかかる作業時間を大幅に短縮。スタッフの事情に合わせた柔軟な働き方をサポートする。
勤怠打刻はICカード、PC、スマホアプリに対応しており、管理者はシフトと出退勤情報の照合によって予実の差異を確認できる。また、勤務形態一覧表は、厚生労働省の標準様式に準拠。様々な側面から施設運営の効率化に寄与する。
（出所：ガルフCSM 勤怠管理公式Webサイト）
介護業の複雑な勤怠管理・シフト管理を支援するシステム。導入時に機能を開発・変更してカスタマイズするため、自社の業務にフィットしたシステムを構築できる。策定した人員計画をもとに月別・週別・日別にシフトを登録し、日々のワークスケジュールを組めるのが特徴だ。
また、店舗・施設ごとにスタッフの過不足をわかりやすく見える化できる「他店舗への応援調整機能」搭載。ヘルプ勤務の調整が簡単かつスピーディーに。勤務実績が優良なスタッフには、溜めたポイントは電子マネーやAmazonギフト券へ交換できるポイントを付与するといた、ユニークな機能も備える。
主な介護施設向けシフト自動作成ソフトのうち、訪問介護向けのものを紹介します。
（出所：CareMaker公式Webサイト）
スケジュール管理から、訪問看護・介護の働き方改革を支援するクラウドツール。サービス利用者の住所情報や希望、NGスタッフ、他サービス計画を考慮して、AIがスケジュールと訪問ルートを自動提案する。提案された候補をドラッグ＆ドロップで好みの時間に微調整するだけという柔軟な操作性で、電話を受けながらの対応も可能に。
また、同じ利用者の重複登録などのアラートを表示することでスケジューリングのミスを防止。インターネットに接続していれば、PCとスマホどちらからも確認できるため、シフト表をスタッフ全員にリアルタイムで共有しやすい。
（出所：ZEST公式Webサイト）
様々な無駄を削減し、業務効率アップに寄与する訪問介護・介護ステーション向けのスケジュール作成ツール。サービス利用者の状態や住所、スタッフの資格や利用者との相性、勤務シフトなどを考慮しながらボタンひとつで訪問スケジュールを作成。訪問ルートは、スマホやタブレットからGoogleマップでスムーズに確認できる。
日々の急な変更の管理・調整も、直感的な操作で素早い対応が可能に。スタッフの資格の有無や移動時間の不足などはアラートで表示されるため、緊急時のケアレスミスもフォローしてくれる。また、作成した訪問スケジュールを請求システムに反映することも可能だ。
（出所：Shift Purser公式Webサイト）
シフト作成の大幅な効率化を実現するシフト自動作成システム。サービス提供責任者がコア業務に集中できる環境づくりをサポートする。介護職特有の条件を考慮した特殊なアルゴリズムで無駄を省き、ヘルパーからのクレーム防止にも役立つ。
代理スタッフの再割り当てや、予定枠のドラッグ＆ドロップによる変更といった機能で突発的な変更にも柔軟に対応。また、シフトの実績データから保険請求や給与精算の自動処理ができるほか、給与計算は事業所に合わせて計算式や手当、帳票レイアウトなどをカスタマイズできる。
（出所：咲くSaku公式Webサイト）
介護事業所向けクラウド型シフト作成サービス。「過去の予定をコピーする」「基本パターンをコピーする」「提供票をもとにスタッフを自動割当する」という3つの方法からシフトを作成できる。スタッフの割り当て時には、過去の訪問回数やシフト、スケジュールの状況を考慮し、適合度の高いスタッフから順に候補者を表示。スケジュールの最適化に寄与する。
特定事業所加算の算定要件「文書等による指示及びサービス提供後の報告」に対応した、指示・報告（申し送り）・記録機能も搭載。また、スマホアプリで外出先でも管理者からの指示や予定が確認できる点も便利だ。
介護施設のシフト作成は、勤務パターンやスタッフの数が多いほど調整の負担が大きく、ミスも発生しやすくなります。シフト自動作成ソフトを活用することで、労働基準法や人員配置基準、加算要件などのルールを遵守しつつ、ミスなく公平性の高いシフトづくりが実現できます。
ソフトを選ぶ際は、次の3つのタイプのうち、自社の施設が重視したい点に合致するものを見ていきましょう。
シフト自動作成ソフトにより、シフト作成の業務効率は大幅に改善されます。また、希望が最大限に反映されたシフトによって、スタッフの満足度が向上。ひいてはサービスの質を高めることにもつながります。この機会にシフト自動作成ソフトの導入を検討してみてください。
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