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帳票電子化とは?メリット・デメリット・導入手順を解説

帳票電子化とは?メリット・デメリット・導入手順を解説

最終更新日:2025-04-17

帳票電子化とは、これまで紙で運用していた各種帳票を、電子データとして管理・運用することを指します。具体的にどのようなメリット・デメリットがあるのか、法律上気をつけるべきこと、導入手順などをわかりやすく解説します。

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目次

帳票電子化とは?

帳票電子化とは、これまで紙で作成・配信・保管されていた各種帳票を、電子データとして管理・運用することを指します。

紙帳票の場合、作成や印刷、郵送、保管といった一連の工程に多くの手間とコストがかかります。更に、社内の保管スペースを圧迫し、必要な情報を探すのにも時間がかかるなど、様々な課題が存在していました。こうした問題を解決する方法として注目されているのが帳票の電子化です。

たとえば、請求書や納品書、領収書、稟議書など、企業には様々な帳票が存在していますが、それらをデジタルデータに置き換えることで、「インターネットさえあればいつでもどこでもやり取り・保管ができる」「場所を取らない」「余計なコストが発生しない」など様々な利点が期待できます。

なぜ今帳票電子化なのか

背景には、国を挙げた「働き方改革」や「ペーパーレス化」の推進が挙げられます。多くの企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)を迫られていますが、それを進める上で帳票の電子化は不可欠なステップとして位置づけられるようになっています。また、電子帳簿保存法やe-文書法といった関連法制度の改正も要因の一つに挙げられます。国税関係書類などの電子保存が法的にも認められ、原本を紙で保存する必要がなくなるなど、制度的な後押しが進んでいます。

これから帳票電子化に取り組む企業にとっては、業務改善だけでなく、法対応・内部統制の強化・セキュリティ向上といった多面的なメリットを享受できるチャンスと言えるでしょう。

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紙の帳票の課題と限界

まず、現行の紙の帳票について、具体的にどのような点が問題になるのかを確認してみましょう。「作成」「送付・配信」「保管・管理」の3つの観点からそれぞれ見ていきます。

作成の問題点

企業のIT化が進んだ今、ほとんどの企業がPCを使って帳票を作成していますが、これまでの慣習などの理由から、現在も一部を手書きで作成している企業もあります。膨大な数の帳票を手書きで作成することは、人員・時間・手間、全てにおいて負担がかかります。苦労して作成した割に、乱筆であったり、誤字脱字があったり、作成する人によって精度の違いが大きく現れます。

また、PCを使ってExcelやWordなどで作成しても、印刷して紙に出力するとなると、取引先が多い場合は多数のファイル作成が必要になるうえ、プリンタで出力する作業も手間がかかります。それに数が多いとミスをする確率が高まります。

送付・配信の問題点

紙の帳票の場合、取引先への送付はFAXや郵送がメインとなります。郵送の場合には、印刷・封入・投函などの作業があり、数が多くなるほど重労働となり人的ミスも発生しやすくなります。また、一部電子化していたとしても、送付先が多数になると、相手先によって電子メール、郵送、FAXなど使い分ける必要があり、処理が複雑になってしまいます。

保管・管理の問題点

紙の帳票は、物理的に場所を取ります。数が増えるほど、限られた社内スペースで保管場所を確保することは困難になっていきます。保管のために倉庫を借りている企業もありますが、その分、余計なコストがかかります。

また、日々増え続ける膨大な帳票をファイリングして整理することも手間がかかり、そのファイリングの中から閲覧したい帳票を探し出すのも一苦労です。紙媒体に閲覧者の制限をかけることも難しいため、セキュリティ面でも不安があります。紛失や災害時の復元にも対応できません。

 

帳票電子化のメリット・デメリット

続いては、紙の帳票を電子化することで、前述の課題がどのようにして改善されるかです。メリットだけでなく、デメリットについても合わせて説明していきます。

帳票を電子化するメリット

1. コストの削減

紙の場合、印刷費・封筒代・郵送費・倉庫の保管料など、多くのコストが発生します。帳票を電子化することで、こうした物理的コストを大幅に削減できます。また、帳票の配信をメールやクラウドで行えるため、人件費や作業時間の削減にもつながります。

2. 業務の効率化と生産性向上

紙の帳票の場合、手書きによる作成、郵送やFAXなど手作業での配信など、膨大な手間を要します。電子化すれば、これらを簡単に実行できます。また専用ツールや他の業務システムと連携することで、帳票作成から承認、送信、保管までの一連のフローをスムーズに自動化でき、作業時間を大幅に短縮することが可能です。

3. 検索性・利便性の向上

過去の紙の帳票を探し出そうとするとファイリングの山から探さなければならないため大変です。電子帳票ではデータベース化されているため、企業名・日付・金額などの項目で瞬時に検索・抽出することができます。過去の帳票を参照しやすくなるため、業務のスピードと正確性が向上します。

4. セキュリティと内部統制の強化

電子化することで、データへのアクセス権限の設定やパスワードによる保護、アクセスログの記録といった情報セキュリティ対策を講じることができます。閲覧や修正の履歴管理も可能なため、内部統制の強化や法令順守にも有効です。

5. 災害・紛失リスクの軽減

紙の帳票は火災や水害などの災害時に消失するリスクがありますが、電子データであれば基本クラウド上にあるため安心です。オフィス外からのアクセスもできるため、テレワーク環境にも対応しやすくなりますし、いざという時もバックアップがとられているため上書き・削除してしまった場合も心配ありません。

帳票を電子化するメリット・注意点

紙よりも圧倒的に利便性の高い電子帳票ですが、いくつか注意点もあります。導入前にデメリットになる可能性も考慮して対策しておくと良いでしょう。

1. 初期費用や導入負担が発生する

帳票電子化にあたっては、システムの導入費用やクラウドサービスの利用料、また既存の紙帳票を読み取るためのスキャナやデバイスの購入など一定の初期投資が必要です。また、導入したらそれでおしまいではなく、その後も運用フローの見直しや従業員への教育などの手間・コストも忘れてはいけません。

2. 帳票フォーマット設計に手間がかかる

電子化に当たっては、これまでの紙帳票の運用とは異なる業務フローが必須です。特殊なフォーマットや複雑な申請経路を利用している場合、見直し・変更に時間を要します。また、導入推進者と実際の利用者との間でITリテラシーの差がある職場では、導入直後に混乱が起きる可能性があります。

3. 紙との混在管理による非効率

すべてが電子化できるとは限りません。取引先や社内部署の事情によって、一部の帳票が紙のまま残るケースもあります。この場合、紙と電子が混在することで管理が煩雑になり、かえって非効率になるのを防ぐには、一気に切り替えるのではなく段階的な電子化や社内全体で足並みを揃えて取り組むことが重要です。

 

帳票電子化と関連する法律について

帳票を電子化する際には、業務効率やコスト削減といった実務的な視点だけでなく、関連する法律への対応も欠かせません。

たとえば、帳票の電子保存に関わる重要な法律としては「e-文書法」と「電子帳簿保存法」の2つが挙げられます。これらの法制度に対応しておかないと税務上・法務上のリスクを伴う可能性があるため、それぞれの制度の違いや要件を正しく理解しておくことが重要です。帳票電子化を進める上では、自社で取り扱う帳票がどちらの法律に該当するかを考えた上で進めるようにしましょう。

e-文書法とは?

e-文書法(電子文書法)とは、本来商法・税法・会社法などで紙保存が義務付けられている帳票・書類を、一定の要件のもと電子データ保存を認めた法律です。後述の電子帳簿保存法と異なり、対象書類の範囲が広く、業種や用途にかかわらず、様々なビジネス文書が対象となっているのが特徴です。

e-文書法の主な保存要件

要件 内容
見読性 モニター上で帳票の内容が容易に読めること
完全性 改ざんがなく、真正な文書であることが担保されていること
機密性 アクセス制限がかけられており、情報が保護されていること
検索性 必要な帳票を迅速に検索・抽出できる機能があること

電子帳簿保存法とは?

対して、電子帳簿保存法とは、国税関係帳簿や書類、電子取引に関するデータを電子保存するための法律です。e-文書法と異なり、「税務処理に関わる書類に特化している」点が特徴です。

電子帳簿保存法の主な保存要件

要件 内容
真実性の確保 タイムスタンプの付与、訂正削除の履歴管理、入力責任者の明確化など
可視性の確保 閲覧性、検索性、プリントアウトの対応など

なお、電子帳簿保存法は近年、大きな改正が加えられ、企業にとって電子化を進めやすくなった一方で、これまで紙での保管が認められていたものが電子保存対応を義務化されるケースも出てきているため、注意が必要です。

  • 事前承認制度の廃止
    → 以前は税務署の承認が必要だったが、2022年1月より不要に。
  • スキャナ保存の要件緩和
    → スマホ撮影が容認。タイムスタンプ要件も緩和。
  • 電子取引データの電子保存が原則義務化
    → メール・クラウド経由で受け取ったPDF等の請求書や領収書を紙に印刷して保存するのがNGに(猶予措置あり)。

電子保存における違反リスクと罰則

e-文書法や電子帳簿保存法で定められた保存要件に従わなかった場合、つまり法律に違反した場合、罰金刑などの刑事罰こそありませんが、税務上の不利益を受けるおそれがあります。

たとえば、電子帳簿保存法に違反すると、個人事業主であれば青色申告の取り消し、法人であれば追徴課税や課税処理での不利な扱いなどが考えられます。税務調査時に発覚した場合には、印象悪化は避けられず、「他にも問題があるのでは」と勘ぐられるおそれも。

なお、e-文書法には電子帳簿保存法のような税務上の直接的制裁措置はありませんが、要件を満たしていない電子文書は法的効力を持たない可能性があり、訴訟・監査・社内統制上のリスクがあることを覚えておきましょう。

 

帳票電子化システムの導入手順

帳票を電子化することで何をどこまで効率化させたいのかを具体化して、電子帳票を活用する範囲を検討することが最初の1歩です。

たとえば、帳票の種類が限定的であれば、特定用途に強いクラウド帳票のサービスで事足ります。一方、中規模以上の企業で、帳票の種類や取引先が多数ある場合には、システム連携を含めたより汎用的な帳票システムの導入を考える必要があるでしょう。

いくつか進め方のポイントを紹介するので、ご参考にしてみてください。

帳票を電子化する範囲を決める

電子帳票システムは、基本的に、「作成」「配信」「保管・管理」の3つの分野で大別することができます。自社にとって、何が業務上ネックになっているかによって、どの分野に強みがあるサービスを選ぶべきかが決まってきます。

また、帳票の種類が多数ある場合には、一度にすべての帳票を電子化することが負担になることもあるので、帳票を精査し、どこまで電子化対応するのかを検討することも必要です。その際、閲覧回数が多く、帳票の量が多いものから始めると効率的に進められます。帳票の種類が請求書や領収書などに限られるのであれば、Web請求書システムのように、特定の帳票に強いクラウドサービスでもよいでしょう。

業務フローへの影響を考える

どの部署の業務を効率化させるのが目的かを明確化しましょう。たとえば、営業部が中心となって見積書や請求書などを作成していて、そのボリュームが大きいのであれば、営業部に使ってもらうことが大切です。業務フローが変更して一時的に効率が落ちることもあるかもしれませんが、一度導入してしまえばその後の業務が効率化されるので同意は得やすいはずです。操作性が高くシンプルなシステムであれば学習コストをかけずにスムーズに導入できるでしょう。

また、見積書発行などに課長・部長などの承認フローがある場合には、合わせて電子決裁の導入を検討することもおすすめです。フロアがまたがっている場合や、出張や在宅勤務の場合などでも申請や回覧、承認がオンライン上でできるので大幅な時間短縮に繋がります。

システムの連携の範囲を考える

販売管理システムなどの基幹システムと連携することで横断的に分析できるBIツールの活用は、会社の規模が大きく、部署を横断して情報をまとめる必要があるときなどには有効活用できます。一方、中小規模の企業で、帳票の数がそれほど多くなく、発行時期も頻度が月に数回程度であれば、それほど連携を重視する必要はありません。

帳票の種類が請求書、納品書、領収書といった明細書類に限定される場合にはCSVやPDFのデータをアップロードするだけで利用できるクラウド型システムの導入でも十分対応できるでしょう。これまで蓄積された社内データをうまく活用できればよいですが、システム連携して結局使われなかったいうことにならないよう、連携の目的を明確にして、利用範囲を考えることが重要です。

 

主な帳票電子化システム

現在、各社から多数の帳票電子化システムが提供されています。「作成」「配信」「保管・管理」のうちどこまでの範囲で利用するのか、電子帳票のフォーマットの対応形式やシステム連携について、また、大容量の帳票をいかにスピーディーに配信できるのかも、導入するシステムを比較する際のポイントです。

自社の運用目的にあったシステムを選択し、場合によっては、複数のシステムをうまく組み合わせることで効率化を図ることを検討するとよいでしょう。具体的なシステムは「電子帳票システム比較16選。3分類してわかりやすく紹介」をご覧ください。

なお、請求書や領収書などの発行・配信であれば、Web請求書システムも選択肢になります。Web請求書システムについては「Web請求書システム比較15選!わかりやすくタイプ別に紹介(図解)」でご紹介しています。

 

まとめ

紙の帳票を電子化することで、人員、時間、コストの削減はもちろん、業務の在り方を根本的に見直す機会となり、大幅な効率化が見込めます。政府が働き方改革の一環として推進してきたペーパーレス化は、着実に企業の生産性をあげることに貢献しており、今後益々加速していくことが予想されます。

新しい業務フローを取り入れることはコストも労力もかかり、全社員に浸透するまでには時間がかかることもあるでしょう。しかし、電子化への取り組みが遅れるほど、電子化を実現している企業へ遅れを取ることになりかねません。企業規模にかかわらず、帳票の電子化は避けることのできない早急に対処すべき課題と言えます。

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