最終更新日:2024-07-23
スマートロックはセキュリティや利便性の高さからホテルや民泊での利用も進んでいます。ここではホテルや民泊における導入メリット、選び方、導入費用、おすすめサービスなどをご紹介します。
スマートロックとは、スマホ等の操作によって、ドアの開閉ができる機器、システムのことです。「スマートキー」とも呼ばれています。個々の利用客のスマホを「鍵」として利用できるため、通常の鍵のような物理的な受け渡しの手間がかかりません。また、紛失の心配がないのも利点です。
スマートロックは、不特定多数の人が多く利用する場所で効果を発揮します。特にホテルや民泊施設では鍵の受け渡しや入退室管理について、以下のような様々な課題を抱えているため、導入効果も大きいと考えられます。
スマートロックなら、ホテル・民泊施設も鍵の受け渡しをする手間がないため、スムーズに鍵管理・入退室管理が可能です。
そのため、スマートロックは人手不足や業務負担を軽減する手段として、多くのホテルや民泊でも導入が進んでいます。
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スマートロック導入による主なメリットを具体的に3つご紹介します。
スマートロックは、暗証番号やスマホアプリなどを使って解錠できるため、物理的な鍵の受け渡しにかかっていた手間や時間、コストを大幅に削減できます。
暗証番号の発行や鍵の有効期限の変更などの各種設定もネットワーク上で行えるため、従来のキーボックスや電子錠のようにわざわざ現地へ行く必要もありません。予約情報から自動的に部屋を割り当てて、当日になったら鍵(暗証番号)を自動発行するシステムもあります。
また、セルフチェックインや遠隔操作で予約の管理、鍵の開閉などができるサービスなら、受付業務の省人化や施設の無人運営も可能に。入退室履歴の確認ができるため、宿泊客のチェックイン状況だけでなく、クリーニングや修理などの業者の履行確認にも使えます。
物理的な鍵の受け渡しには、紛失・未返却のリスクに加えて、滞在期間終了後に複製した鍵などを使った不正侵入のリスクがあります。スマートロックであれば、管理画面から鍵を無効化すれば入室できなくなるので安心です。
また、鍵の有効期限を設定して、自動で無効化することも可能です。中には、鍵の締め忘れの通知・遠隔操作で施錠に対応したサービスも。更に、利用者ごとに暗証番号を発行して番号の使い回しを避ければ、より強固なセキュリティを保てます。
宿泊客は、鍵の受け取り・返却の手間がなくなるのはもちろん、持ち歩きの必要がないため、紛失のリスクもなくなります。また、フロントスタッフの省力化や無人運営の実現によって、宿泊料金が抑えられ、お得に利用できる点も大きなメリットです。スマホアプリや宿泊サイトと連携しているスマートロックであれば、宿泊施設の検索から予約、支払い、チェックイン、チェックアウトまでの一連の流れをオンライン上で完結することも可能。宿泊客の利便性が格段に向上します。
スマートロックの導入は、旅行や出張の際に滞在先を検討する上での一つのアピールポイントになり、集客率の向上にもつながります。
スマートロックを検討する際に、選択基準となるポイントを2つご紹介します。
まず、客層や、管理方法に合わせて解錠方法を検討しましょう。スマートロックの解錠方法には、主に以下の3つの方法があります。サービスによって対応する解錠方法には差があるため注意が必要です。ユーザーが利用しやすい解錠方法に対応したものを選びましょう。
専用スマホアプリを利用して解錠します。Bluetooth無線通信で遠隔解錠したり、機種によってはGPS機能で一定距離内に近づいたら自動開錠したりすることも可能です。
事前にメールなどで有効期間つきの暗証番号を伝えておいて、当日テンキーなどの電子錠に入力することで自動でチェックイン、チェックアウトすることができます。
インターネット環境にない外国人宿泊者やスマホを持っていない方でも利用可能。ただし、チェックイン、チェックアウトの際に受け渡しの必要があります。
続いて検討すべきは、効率化したい業務の対応範囲です。鍵の発行・管理などのほか、予約管理や支払い機能など運営効率化も図りたい場合には、スマホのアプリやOTA(オンライン上で取引を行っている旅行予約サイト)、サイトコントローラーなどの宿泊管理システムと連携可能なスマートロックを選択する必要があります。
たとえば、「RemoteLock」は世界最大級の宿泊サイトAirbnbと提携しており、宿泊予約が入った際に自動的に暗証番号が発行される仕組みになっています。暗証番号とともに、宿泊先の利用方法なども事前に宿泊客へ伝えることが可能です。
また、「KEYVOX」は予約、在庫管理、部屋割り、チェックインといった機能がすべてセットされたオールインワンタイプのスマートロック。ドアに設置することですぐに宿泊施設などの運営ができるようになっています。
スマートロック導入にかかる費用は主に、鍵本体の費用や取付工事費などの初期費用と、クラウドシステムやカスタマーサポート、製品をレンタルしている場合には、レンタル料、機器保守などの費用となる月額利用料があります。
サービス名 | 利用料金 | 工事費 | 機器代 |
---|---|---|---|
RemoteLOCK | 月額2,000円 | 40,000~50,000円/台 | 50,000円/台〜 |
KEYVOX | 月額2,291円+ 2,291円/台 |
要問い合わせ | 8,900円/台〜 |
bitlock PRO | 月額5,000円(税込)/台 〜 | なし | 要問い合わせ |
カギカン | 月額5,900円/20名まで | 30,000円/カ所 ※Pro機器のみ |
月額1,400円/セット〜 |
Akerun入退室管理システム | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ |
キヅクモスマートロック | 月額3,000円~ | 要問い合わせ | 145,700円~ |
LINKEY Plus | 月額費用なし、初期費用60,000円(スタンダードプランの場合) | 要問い合わせ ※自身で施工も可 |
要問い合わせ |
Baycomスマートロック | 月額920円/契約 + 1,500円/台 | なし | なし |
NinjaLockM | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ |
サービスによって異なりますが、スマートロック1台につき月額2,000円〜5,000円が相場です。中には月の利用数(発行するID・キーの数)に制限を設けて、それを超える場合はID・キーごとに利用料を発生させるパターンも。施設の月の利用客数からどれくらいの料金がかかりそうか、概算で調べておくといいでしょう。
どのような形態のスマートロックを導入するかによって価格帯は様々です。たとえば、「カギカン」の場合、鍵本体(Qrio Lock)は付属の両面テープでサムターンに取り付けるだけなので、工事費がかかりません。また、専用アプリを使うことで、スマホ・タブレットなどのデバイスを鍵として利用できます。ボタンひとつでカギを作れるので、合カギの発行費用などもかかりません。
機器代は主にサブスクリプション型、取り付け工事が必要な型、DIY型の3つのタイプがあります。以下でそれぞれの特徴について詳しく説明します。
必要な製品をレンタルするサブスクリプション型は、「カギカン」のように初期費用無料で利用できるものもあり、導入のハードルが低いのが特徴です。月々のランニングコストはかかりますが、カスタマーサポートと機器の故障サポートがついているので、製品に問題があっても安心。貼り付けるタイプのスマートロックは手軽に取り付けることができ、取り外す時も原状回復が容易にできるのも魅力的なところです。
取付工事が必要な型は、簡単に取り外すことができない分、堅牢性や耐久性に優れています。前述の「RemoteLock」は、鍵本体の価格50,000円のほかに、取付工事費が1カ所1個30,000円以上かかります。クラウドシステムの月額利用料はAirbnbなどのサービスと連携ができるビジネススタンダードコースで1デバイスあたり2,000円です。
DIY型は、機器代のみで初期設置費用やメンテナンス料などのランニングコストがかからないのが特長。スマートロックを設置するスペースがあればすぐに導入できるのもメリットです。
例えば、「KEYVOX」は、扉内側のサムターンを取り外してネジ止めすれば設置可能。無料スマホアプリと連動させれば機器代だけで利用開始できます。「LINKEY Plus」も、スタンダードプランなら電子錠本体代のみで利用可能。ドライバー1本で簡単に後付け・取り外しができます。
ただし、錠前の種類や扉の形状によっては設置できない場合があるため、購入前の確認が必要です。特殊なつまみの形や回転角度が大きいつまみ、ドアノブタイプなど、スマートロックが対応できない場合もあるので注意してください。
宿泊施設の規模、入退室の頻度などを考慮して必要な機能を見極めて導入する必要があります。導入する前に、契約期間の縛りのない「カギカン」や「Akerun」のようなレンタルサービスで使い勝手を試してみるのも一手です。
おすすめのスマートロックをご紹介します。運営する宿泊施設にマッチしたサービスを検討してみてください。
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(出所:RemoteLOCK公式Webサイト)
Wi-Fiを通じて、クラウドシステムから管理できるスマートロック。1日10万組以上の入室を管理している。世界最大級の宿泊サイトAirbnbをはじめ各種予約サイト・宿泊管理ツールとシステム連携しており、予約時に暗証番号を自動発行。暗証番号を利用して自動でチェックインすることができ、施設の無人運営にも適している。ビジネスシーンでのハードな利用を想定し、取付工事が必要な単体でも電子錠として機能する製品を採用。月額5,000円/台、初期費用なしで利用できるレンタルサービスも人気だ。
(出所:KEYVOX公式Webサイト)
スマートロックにスマホアプリを連携させることで、物件在庫管理、入室履歴管理、本人確認、決済、予約といった、一連の機能をワンストップで提供。ブロックチェーン技術を利用して、高いセキュリティを保証しているのも魅力の一つ。
スマートロックは、シリンダー取付工事が必要なタイプのほか、購入者自身で取り付けられるDIY型、壁にビスで固定orドアノブに付属のシャックルを利用してぶらさげるキーボックス型から選択できる。
(出所:bitlock PRO公式Webサイト)
工事不要で簡単に設置できるスマートロック「bitlock LITE」のオフィス用モデル。関連製品と合わせて利用することで、NFCカードでの解錠・施錠も権限コントロールが可能に。スマホやApple Watchでの開け閉めができるほか、ドアが閉まった際に自動で施錠されるオートロック機能も標準装備している。
既存のオフィスの鍵に、工事なく上から被せる形で容易に取り付けができ、幅広いカギの形に対応可能な点が人気。アプリを利用し、「誰が」「いつ」「どの手段で」「解錠・施錠したか」の操作ログの情報を蓄積できるため、幅広く活用できる。
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(出所:カギカン公式Webサイト)
工事不要の後付型のスマートロックシステム。室内側のサムターンにスマートロック「Qrio Lock」を両面テープで貼り付けるだけで利用できる。アプリ上で作成した鍵は、様々なデバイスで利用可能で、対面での受け渡しも不要になる。また、「Qrio Hub」を近くのコンセントにセットアップすれば、鍵の解施錠の履歴を確認できる。離れた場所からの解錠・施錠などの遠隔操作もできるため、セキュリティ向上にも役立つ。
民泊やレンタルスペースなどでは、PINコードによるドアへの一時的なアクセス権限の付与や、PINコードごとに日付や時間などの条件設定が可能。PINコードは同時に50個まで発行できる。その他、スマホやICカードによる解施錠にも対応しているなど、利用シーンに応じた柔軟な活用が可能だ。
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(出所:Akerun入退室管理システム公式Webサイト)
カスタマーサポートと機器の故障サポート付きのサブスクリプションサービス。貼り付けるタイプのスマートロックなので、工事費と初期費用は不要、最短3日で導入できる。スマホアプリやICカードを使って解錠する仕組みで、入退室管理や鍵の管理をクラウド上で行うことができるほか、API連携も可能。
開き戸(サムターン)用や自動ドア用など、様々な種類のドアに対応したタイプがそろう。オフィスをはじめ、フィットネスジムや学校施設、レンタルスペースなど、規模‧ 業種業態を問わず、7,000社以上での導入実績を持つ。
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(出所:キヅクモスマートロック公式Webサイト)
カギとカメラの連動によってよりスマートな入退室管理を実現するスマートロックサービス。解錠方式は、暗証番号やICカード、アプリに対応。期限付きの暗証番号の発行や変更も遠隔から行えるため、複数拠点を運営している場合も、現地に足を運ぶ必要がなく効率的に管理できる。
同シリーズのカメラと連動させることで、スマートロックが施解錠した際に録画を開始し、映像として履歴を残すことが可能。いつ誰が入室したのかをスムーズに把握できるため、民泊での不正な共連れの防止にも役立つ。PCやスマホアプリとカメラとで双方向通話ができるため、映像を見ながら口頭で本人確認をすることもできる。
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(出所:LINKEY Plus公式Webサイト)
現地操作・遠隔管理のいずれにも対応できるスマートロック。暗証番号やICカード、NFC、自動ロックなど、様々な解錠・施錠機能を搭載。現地で操作する電子錠の購入だけで利用できる「スタンダードプラン」、遠隔操作や複数拠点の一元管理ができる「リモートプラン」の2つを提供し、予算や用途・運用方法に合わせて選択可能だ。カギ管理や受付業務の無人化も実現できるため、スペース運営ビジネスの利益最大化にも役立つ。
穴開け工事不要な独自の取りつけ方法を採用し、簡単に後付け・取り外しができるため、退去時の原状復帰や別物件での再利用もスムーズ。貼り付けタイプにありがちな剥がれや持ち去りといったリスクもなく、長期間にわたる利用も安心だ。
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(出所:Baycomスマートロック公式Webサイト)
加工なしで既存の錠前をそのまま利用できるスマートロック。民泊や貸し会議室、賃貸マンションなど、様々な施設で導入されている。工事不要で簡単に取り付けができ、シーン毎、複数人に別々の暗証番号を付与することも可能だ。
暗証番号、ICカード、そして暗証番号・URLでの遠隔解錠に対応している。扉の開閉履歴の保存やIPカメラとの連動が可能なため、トラブル時でも安心。また、上質なデザインと豊富な機能が特徴の「PiACKⅡ(美和ロック製)」との連携、エントランスオートロックといった、オプションサービスも用意されている。
(出所:NinjaLockM公式Webサイト)
国内の大手鍵メーカー、美和ロック社との共同開発によるスマートロック。10万回の開閉テストや防炎試験をクリアした日本製で、高い防犯性と耐久性に強み。解錠方法は、スマホアプリ、暗証番号、ICカードから選択可能。カバーを外せば物理鍵での解錠もできるため、緊急時でも安心だ。
一時利用や期間指定、曜日指定など、細かく解錠権限を設定でき、開閉履歴はスマホアプリから確認できるため、不正な入室にもすぐに気付ける。ランダムな番号表示で、指紋の付着から暗証番号が推測されることを防止できる「フェイクピン機能」や、複数回の誤った入力で警報音がなり、一定期間使用できなくする「いたずら防止機能」など、万全のセキュリティで宿泊者の安全な滞在をサポートする。
今回は、オフィスや貸会議室、自宅、賃貸マンションのほか、ホテルや民泊での利用も進むスマートロックについてご紹介しました。ホテルや民泊向けスマートロックのメリットとしては主に以下の3点が挙げられます。
導入を検討する際は、「解錠方法(スマホアプリ/暗証番号/ICカード)」や「施設運営を効率化する機能の範囲」を確認しつつ、ご紹介した導入費用の目安なども参考に、自社に合うサービスを探してみてください。
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