自社の業務や風土にマッチした、活躍が見込める人材の採用、早期離職の削減を目指す採用担当の方へ。適性検査サービスでできることや、タイプ別の選び方、比較のポイントとともに、おすすめのサービスを解説します。
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適性検査とは、企業が採用活動を行う上で、求める人材要件に適合するかを判断するために行われる検査のことです。応募者のスキルや知識、性格、心理的特性などを測定し、組織が求める人材を見つけるために行われます。
採用リスクの低減や、入社後のミスマッチによる早期離職を防ぐために多くの企業が取り入れおり、株式会社リクルートが運営する「就職みらい研究所」が発行した「就職白書2023」によると適性検査および筆記試験を実施している企業の割合は88.5%にのぼります。
SPI(Synthetic Personality Inventory)は、リクルートマネジメントソリューションズが開発した適性検査の一種です。「能力検査」と「性格検査」の2種類に大別され、求職者の能力や性格を定量的に測定・把握できます。ほかにも様々な適性検査がありますが、最もポピュラーなものの1つがSPIです。
適性検査は様々なシーンで活用されますが、ここでは、新卒採用・中途採用などの採用時に利用する適性検査サービスをご紹介します。
適性検査サービスをお探しの方は、こちらからサービス紹介資料をダウンロードいただけます。
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適性検査の種類には大きく分けて「能力適性検査」と「性格適性検査」の2種類があります。
検査項目 | 評価できること | 確認できるポイント |
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能力適性検査 |
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性格適性検査 |
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能力適性検査は、技術や知識を習得するための学力や、業務をこなすための思考力や対応力がどれだけあるのかを測る検査です。この検査を行うことで、自社が求めるスキルを有する人材なのか、自社の業務をこなす能力があるのかを把握できます。
学歴や面接だけでは知り得ない潜在的な能力を可視化することで、応募者のことをより深く理解できるようになります。
性格適性検査は、性格や資質、行動の特性を測るための検査です。この検査を行うことで、応募者が自社の風土や価値観に合致しているのか、仕事に対して意欲を出せる性格なのかを把握できるようになります。
性格適性検査を導入することで応募者と企業間の価値観や企業風土のミスマッチによる早期退職を減らす効果が期待されます。近年では、性格と活躍の度合いを関連付ける「コンピテンシー診断」「可能性診断」とも呼ばれる新しい検査法も登場しています。
ここでは適性検査サービスのタイプ別の特徴や選び方についてご紹介します。
以前から広く使われているタイプは、豊富な採用実績をもとに安心してサービスを利用したい企業におすすめできます。
たとえば、「SPI3」は年間15,500社が利用している適性検査で、多くの対策本まで発行されているほど一般的となっているサービスです。新卒採用であれば一度は受けたことがあるという人も多いはずです。
また、「CUBIC TRIUMPH ver.」や「tanΘ(タンジェント)」は5,000社以上で活用されている適性検査「CUBIC(キュービック)」をベースにしています。
まず、既存の社員に受検してもらい、社員や組織の特徴を定めた上で、応募者と比較していくタイプです。
たとえば、テストを自社の社員に受けさせると、「ミイダス」や「タレントパレット」では「どんな特徴の社員が多いか」「ハイパフォーマーに共通の要素」などを可視化できます。「HaKaSe診断for Recruiting」の場合は、社員の受検データをもとに個性の一致度からチームとの相性を判定することが可能です。
その条件を採用にも利用すれば、応募者が自社にフィットするかをより正確に診断でき、ミスマッチ・早期退職の抑止はもちろん、ハイパフォーマーの発掘につながります。
AIや独自データの活用、豊富な測定項目など、独自の検査方法を備えたタイプです。
たとえば、「GPS-Business」はテキスト問題と音声・動画形式の問題で思考力を多角的に測定し、問題解決力の有無を見極めます。「GROW360」は応募者を知る3人以上から評価してもらうことで、応募者の人物像を客観的な観点で把握できます。
また、「TG-WEB」は、性格や知的能力に加えて行動特性の視点からの評価にも対応します。成果を創出する能力やストレス対処力、仕事への貢献意欲なども見極められます。
短時間で検査を実施したり、検査結果をリアルタイムで閲覧できたりと、実施から結果取得までスピーディーに完結できるタイプです。候補者や企業への負担を抑えて検査を実施したい場合に向いています。
「Talent Analytics」は最大35分ほどで検査が完了します。「TAP」は豊富な検査メニューを用意しており、必要な部分だけを選択して実施できます。たとえば、性格タイプなら15分、短縮タイプなら30分で完了するため、無駄のない選考フローにつながります。
いずれのサービスもスマホ受検に対応しており、検査当日の準備負担が少ない点も特長です。
特定の用途に特化した適正検査サービスもあります。ストレス耐性や強味の把握に特化した性格適性検査「SKK式適性検査」や、アルバイトやパートの採用に特化した「Talentgram」がこのタイプに該当します。
次に、適性検査サービスを比較検討する際の3つのポイントについて解説します。
考え方の軸や相性といった性格適性が測れればいいのか、知能や言語理解などの能力適性検査をしっかり行いたいのかなど、具体的に応募者のどこを見極めたいのかを明確にして、自社で必要な検査対象に強みのあるサービスを選びましょう。
たとえば、「tanΘ(タンジェント)」は「言語」「非言語」「英語」の3科目を用意しています。「Talentgram」や「HaKaSe診断for Recruiting」は、性格の診断や分析に特化しており、コミュニケーション力やメンタル力、行動パターンなどを検査したい場合に適しています。
「面接で何を聞いたらいいかわからない」などの課題を感じている場合は、適性検査の結果を活かした面接サポートがあるサービスがおすすめです。
たとえば、「GPS-Business」は人事・評価者向けの「総合・面接支援レポート」で、受検者の問題解決行動を確認できる質問例などを掲載しています。「Compass」では、検査結果に基づいた面接での注意点や確認すべき質問が示された「面接サポートシート」を作成可能です。
そのほか、「HaKaSe診断for Recruiting」では具体的な質問の例や動機付けのポイントに加えて、受検者と仕事・職場との相性判定結果も提示して受検者の見極めをサポートします。
せっかくスキルの高い人材を採用したにもかかわらず、すぐに退職されては意味がありません。早期退職を減らすためには適切な人材配置や定着への支援があるサービスを選ぶとよいでしょう。
たとえば、「TG-WEB」では、豊富な検査項目で多面的に人材を評価できるのはもちろん、人事・面接官向けの「個人別分析結果報告書」や本人向けの「フィードバックシート」、上司向けの「育成報告書」など、多様なフィードバックを標準で搭載しています。選考時や内定者フォロー時に加えて、入社後の能力や適性に合った配置・配属、人材育成まで、幅広く活用できます。
また、「ミツカリ」は、32項目の性格の特徴が7段階で可視化されることに加え、相性の良い部署が順番に表示されるため、ミスマッチを防いで最適な部署へスムーズに配置できるようになります。
まずは定番となっている適性検査サービスをご紹介します。
(出所:SPI3公式Webサイト)
年間15,500社、約217万人の受検者数を誇り、適性検査のスタンダードとも言える適性検査サービス。実施方法はPCとマークシートの2通りに対応しており、大卒・中途・高卒と、対象者別にテストを選択できるため、自社の採用に最適な組み合わせで検査を実施できる。
オプションで面接時に確認すべきポイントと具体的な質問例がまとまった「面接支援報告書」が用意され、面接官は応募者の特性を把握したうえで具体的な質問が可能となる。また、従業員向けにはSPI3 for Employeesを提供。
(出所:Compass公式Webサイト)
1,000社を超える人事担当者のアンケートをもとに評価項目を抽出したWeb形式の適性診断サービス。「ストレス耐性」や「対人コミュニケーション」、「抑うつ傾向」など入社後のリスク要因を5つの因子、10段階でチェックする性格適性検査を標準としており、オプションで能力適性検査にも対応。
受検後は、「採用判定レポート」「パーソナリティレポート」「フィードバックレポート」が自動作成され、多角的な分析・判断が可能。また、面接時にレポートを活かしやすくする「面接サポートシート」、「マッチングシート」も用意。
(出所:CUBIC TRIUMPH ver.公式Webサイト)
約5,000社以上の導入実績、継続利用率93.6%を誇る適性検査サービス「CUBIC(キュービック)」をベースにした適性検査サービス。
「認知的不協和理論」「キャリア・アンカー理論」「公平理論」などの理論をもとに、「面接官の経験・実力に関わらず入社動機を高められる適性検査」をコンセプトに開発されており、内定辞退や早期離職の防止につなげられる。
また、40以上の測定因子から、特に見極めたいものをピックアップして設計できる「自社設定基準」機能を標準搭載しており「自社でこそ活躍する人材」の発掘に役立てることができる。
(出所:tanΘ公式Webサイト)
こちらもCUBICをベースとした適性検査サービスで、個人の潜在意識や資質・適性である「性格」「欲求」「思考タイプ」に関する性格適性検査が行える。診断結果はA4一枚に収められ、人物像、ストレス耐性、思考タイプなどを直感的に捉えられる。
また、測定項目の1つである思考タイプをもとに、組織風土分析レポートの出力も可能。活躍人材の見極めやチームビルディングに活用できる。能力適性検査は「言語」「非言語」「英語」の3科目が用意され、いずれの検査も15分程度で完了するため、受検者の負担を抑えて実施が可能。
自社の社員と応募者を比較分析するタイプの適性検査サービスを紹介します。
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(出所:ミイダス公式Webサイト)
自社に合った人材の分析・要件定義から、採用まで一貫して行えるアセスメントリクルーティングサービス。入社後のパフォーマンスと相関が高い、コンピテンシー診断とバイアス診断ゲームという2種類のアプローチで高精度の適性検査を行える。
コンピテンシー診断では、パーソナリティ 、ストレス要因、上下関係適性などの特徴を可視化。バイアス診断ゲームは、自己申告型という適性検査の特性をカバーできる。
料金は利用期間に応じた完全定額制となるため、何人受検しても、採用しても追加料金なし。求人掲載数やオファー配信数も無制限のため、採用媒体としても有用。
(出所:ミツカリ公式Webサイト)
4,500社を超える企業が導入する、早期離職や内定辞退、社内ミスマッチの防止に特化したサービス。事前に自社社員の診断結果を登録し、応募者の結果とAIを活用しながら比較分析を行う。
試験は72問の5択方式、10分程度で回答できる内容となっており、「ビッグファイブ理論」や「Basic Human Values」といった理論をベースに、独自調査を加えた項目を検出。
32種類の性格や価値観を7段階で可視化することで、会社や部署ごとに重要な価値観を把握できる。別途利用できるエンゲージメント調査と組み合わせれば具体的なアクションにもつなげられる。
(出所:タレントパレット公式Webサイト)
採用業務の効率化はもちろん、エントリーシートの分析や有望人材モデルの作成など、より高度な採用制度の構築を目指せるタレントマネジメントシステム。独自開発した適性検査に強みをもつ。あらかじめ社員向けに実施し、社交性や協調性、積極性、革新性などの8つの基準で、ハイパフォーマー社員や組織の特徴・傾向を把握。採用時に応募者にも受けてもらい、面接時に検査結果から、社内のどのメンバーに適性傾向が近いのか、どのような適職傾向があるのかなども即座に判定できる。採用のミスマッチ防止はもちろん、面接の効率化にも役立つ。
採用時の情報は、入社後の社員情報に紐づけられ、成長・活躍の状況とともに蓄積。より中長期的に活躍できる人材の採用・育成にもつながる。
(出所:「HaKaSe診断」for Recruiting公式Webサイト)
応募者一人ひとりのビジネススキルを可視化する実用的な適正検査ツール。約15年の実証実験にもとづいて開発した独自設計のオンライン診断を提供。基本の無料プランをベースに必要な分だけオプション追加する料金システムのため、無駄なコストを抑えられる。
本能レベルの性質を図れる80個の質問で60タイプに分類し、個人の強み・弱みといったパーソナリティを判定。診断結果で応募者自身が自己理解を深めるのはもちろん、採用担当者の見極めに有用だ。社員の受検データとの一致率から組織や企業文化とのチームとの適合度合いを判定し、正確な評価をサポートする。
そのほか、面接時の具体的な確認ポイント、効果的な動機付け方法提案など、採用担当者をサポートする機能も充実。
特徴的な検査方法を持つ適性検査サービスをご紹介します。
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(出所:GPS-Business公式Webサイト)
ベネッセグループのテスト作成ノウハウをもとに開発されたWeb適性検査。言語・数的処理などの基礎能力検査とパーソナリティ検査はもちろん、音声・動画形式にも対応した3つの思考力(「批判的思考力」「創造的思考力」「協働的思考力」)を問う問題で本質的な課題を見定める能力を見極めることができる。受検者の様子を撮影できる不正抑止機能も無償で使える。
受検者向けの「個人結果レポート」は、強み・弱みや、思考力のレベルなど正確に把握でき、面接の補助資料や採用合否の判断材料としてはもちろん、受検者本人へのフィードバックにも活用できる。
(出所:TG-WEB公式Webサイト)
様々な観点から欲しい人材を的確に見極める適性検査サービス。2,700社以上・年間60万人以上の利用実績を持ち、成果を創出するための能力をみる「コンピテンシー検査」やストレス耐性を測る「コーピング検査」など、行動特性の視点も加えて人材を多面的に評価できる豊富な検査ラインナップが強み。
「協調性+ストレスに強い」「臨機応変+リーダーシップ+仕事を楽しめる」など複数視点の組み合わせにも対応し、より精緻な見極めをサポートする。収集したデータは、採用時にはもちろん採用後の研修や人材育成など幅広いシーンで利用可能だ。
オンラインAI監視型Webテスト方式に対応しているため、替え玉受験やカンニングなどの不正行為も抑止に役立つ。
(出所:GROW360公式Webサイト)
360度評価にAIを活用した評価補正を掛け合わせ、優秀な人材を見極める適性検査サービス。
「気質診断(IAT)」「自己評価」「他者評価」というステップで診断が行われ、受検者が潜在的に持っている価値観や認識を可視化できるの点が強み。「他者評価」では友人や家族など最低3名が受検者に対する評価を行い、自己評価と併せて行動特性を分析するため、信頼性を高められる。
負担をなるべくかけずに、手軽に検査を実施できるタイプの適性検査サービスを紹介します。
(出所:Talent Analytics公式Webサイト)
いち早くスマホ受検に対応した適性検査サービスで、累計受検者数は280万人以上。
「3E-i(知的能力テスト)」と「3E-p(性格・価値観テスト)」の2種類で構成された精度の高い検査を最大35分という短時間で実施できるのが特長。日本語版のほか、英語、中国語、ベトナム語に対応したグローバル版も用意されているため、外国籍の応募者を受け入れる企業にもおすすめ。ほかに人材可視化サーベイやテスト結果分析など、3Eテストと掛け合わせて使えるオプションサービスも提供。
(出所:TAP公式Webサイト)
知能検査、性格検査、適性検査などの心理検査を専門とする出版社が提供する採用適正検査サービス。
豊富なテストパターンと料金プランが強みで、能力と性格の両方を検査できる「総合タイプ」、性格のみを検査する「性格タイプ」、総合タイプの半分の時間で能力と性格を検査する「短縮タイプ」の3タイプを提供する。
総合タイプは検査時間60分で、一名あたり1,200円程度の低コストで利用可能。受検方式はPC、スマホ、タブレットに対応したWeb受検と紙のマークシート受検の2通りに対応している。
最後に、特定の用途に特化したタイプの適性検査サービスをご紹介します。
(出所:SKK式適性検査公式Webサイト)
ストレス耐性や持ち味の把握に特化した適性検査サービス。作業検査法の一つである「クレペリン検査」がベースとなっており、解析をコンピューターに頼らず人の目で行うのが特徴。
検査は紙で行われ、1桁の数字が並んだ用紙の、隣り合う数字を足し算して、その答えの一の位を記入していくという手法。数字の足し算さえできれば、国籍を問わず検査可能なため、日本語がわからない応募者にも実施できる。結果は「メンタルヘルス」「習熟効果」など6つの基本特性のほか、「創造力」「忍耐力」などを含む12項目について100段階で評価。受検者の職務適正を把握したうえで具体的職種が提示されるため、選抜時はもちろん、配置や教育、育成でも活用しやすい。
(出所:Talentgram公式Webサイト)
アルバイトとパートの採用に特化した適性検査サービスで、心理学理論と統計データに基づいた考え方や行動パターンが判定可能。受検者は3分程度の性格診断や心理テストのような感覚で20問の質問に回答するだけなので、負担が少ないのが特徴。
優しさや厳しさといった性格面、協調性や論理性といった項目を数値やグラフで可視化し、更に産業医と精神科医によるタイプ別の解説とコメントも記載される。面接や採用時だけでなく、既存スタッフのメンタルチェックや社内の配属、マネジメントにも活用しやすい作り。新卒・中途採用などにも活用できる。
適性検査サービスを利用することで、採用のミスマッチや早期離職の防止、採用担当者の業務負担軽減、最適な人材配置など様々なメリットが期待できます。適性検査サービスは、主に以下の5つにタイプ分けが可能です。
(1)定番のタイプ
(2)社員との比較分析タイプ
(3)特徴的な検査方法を持つタイプ
(4)手軽に実施できるタイプ
(5)用途を特化したタイプ
この5つのタイプ分けを踏まえ、以下のポイントに留意してサービスを選んでみましょう。
(1)検査対象
(2)面接支援の有無
(3)人材配置や定着への支援の有無
導入目的によって、最適な適性検査サービスは異なります。本記事で紹介した内容を参考に、自社に適した適性検査サービスの導入を検討してみてください。
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