最終更新日:2024-06-05
反社チェックやコンプライアンスチェックを効率的かつ効果的に実施したいと考えている上場企業もしくは上場予定企業の法務部門の方へ。反社チェックツールの概要や比較のポイントについてご紹介します。
反社チェックツールとは、取引先の企業や従業員が反社会的勢力や不祥事に関係していないか確認するためのツールです。
反社チェックは、企業が新規取引を開始する際に、反社会的勢力と関係を持たないために実施される調査です。「コンプライアンスチェック」とも呼ばれています。反社会的勢力には「暴力団」以外にも、暴力団が経営する企業やフロント企業などの「暴力団関係企業」も含まれます。
2007年に政府から「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」が発表されて以降、上場企業はコンプライアンスチェック状況を記録することも求められるようになりました。東京証券取引所などを傘下に持つ日本取引所グループでは、コンプライアンスチェックの実施状況が新規上場の審査の一部に含まれているほどです。
反社の多くは実態を隠して接触を図ってくるため見抜くことは容易ではありません。また、排除に関する指針はあるものの、具体的なチェック方法に関しては企業ごとに委ねられている部分が大きいため、必要性は感じつつもどうしたらいいのかわからず、悩みを抱える企業が多いのではないでしょうか。
そこで効果を発揮するのが、反社チェックツールの活用です。組織や個人が反社会的勢力である可能性をリサーチ。過去の不正取引の有無や事件・事故の履歴、行政処分の有無などネガティブな情報を効率的に収集することができます。
今回は、反社チェックツールについて、「どの範囲で調査できるのか」「どんな情報を取得できるのか」、更にツールを選ぶ際のポイントなどをご紹介します。後半にはおすすめのツールや、無料で利用する方法なども併せてご紹介していますので、サービス選びの参考にしてください。
反社チェックツールをお探しの方は、こちらからサービス紹介資料をダウンロードいただけます。
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どのツールも利用方法は簡単です。調査したい取引先の法人名や個人名・生年月日などの情報を専用の検索画面に入力するというのが基本的なやり方です。
多くは行政機関が公表した情報や新聞記事、Web記事、更にSNSやブログ・口コミサイトなどから情報を収集した独自のデータベースを保有しており、その中から自社に合った基準・順序で情報を取得することができます。
通常のインターネット検索の場合、「サイトウ」であれば「齋藤」「齊藤」「斎藤」というように異体字を何度も入力したり、「サイトウ 反社」「サイトウ 反社会的勢⼒」「サイトウ 逮捕」というようにキーワードをかけ合わせたりしなければなりませんが、ツールによってはAIが自動で様々なパターンでの検索を実施してくれるものもあります。
そのため、自分でWeb検索を使って調べるのに比べて、「時間・工数をかけずに情報を得られる」というメリットがあります。専門の調査機関に依頼するのに比べると信頼性は及ばないかもしれませんが、ツールを使って発見したリスクが高そうな案件だけを専門の調査機関に依頼するというやり方であれば、高い費用対効果が見込めます。
反社チェックツールの調査範囲と取得できる情報は多岐にわたります。それぞれの内容について見ていきましょう。
反社チェックツールにおける主な調査範囲は、新聞記事やインターネット上の記事、SNSの投稿やブログ・口コミサイトなどの書き込みです。
中には、官報、裁判例情報や、都道府県の県警本部が公表している検挙情報、警察の外郭団体にあたる企業防衛対策協議会による情報などを調査対象にしているツールもあります。
「反社チェックヒートマップ」は、反社チェックとともに与信判断指標を提示し、対象企業の信頼性をトータルで判断することが可能。更に、昨今では日本だけでなく海外の反社情報までカバーしているものもあり、国内外での反社との関係性まで確認できるようになってきています。
新聞記事やインターネット上の記事を調査対象にする場合、調査対象の企業が「違反」「不正」「横領」「脱税」などのキーワードで報道されているかどうかを調査。それらが含まれた記事の一覧を取得できます。
そのほかの調査範囲の場合も、法人名や個人名から、過去の法令違反の履歴、犯罪歴、所属する反社の役職や肩書きを確認可能です。なかには、半グレや悪質クレーマーなどの情報まで、範囲を広げて調べられるものもあります。
反社チェックツールを検討する際には、いくつかの比較ポイントをおさえておきましょう。ここでは大きく3つのポイントに分けてご説明します。
前項の「調査範囲」に記載したように、反社チェックツールはサービスによって情報ソースに違いがあります。
たとえば、上場企業に求められる最低限のコンプライアンスチェックとしては、ネットの記事だけでは信頼性が十分に担保できないケースも。その場合、全国紙・地方紙の新聞記事データベースや官報など、信ぴょう性・信頼性の高い情報が使われているかを確認しておく必要があります。
より高い精度を担保したい場合には、1960年以降の全国紙・地方紙から反社情報のみを収集・蓄積した独自のデータベースを持つ「SP RISK SEARCH®」、警察関連情報を扱う「反社DB Web検索」、公知情報を独自に収集して危機管理の専門家が選別したデータを利用できる「RiskAnalyze」といったサービスが有効です。
どこまで広げて調査すべきかは、各企業のコンプライアンスの基準や、取引の規模などの取引レベルに応じたコスト・工数によって異なります。その基準を満たすツールかどうかで比較すると良いでしょう。
RPAなどの自動化ツールを使って、Webや各種記事などからキーワード検索をする場合、収集できる情報の中には無関係なものや、関連性の低いものを多く収集してしまうことがあります。
件数にもよりますが、提示された中から必要な情報を絞っていく作業には時間も労力もかかります。知りたい内容とは関係のない情報(ノイズ)を減らす工夫が備わっているかどうかが重要です。
たとえば、「RoboRoboコンプライアンスチェック」ではAIによって関連する記事を3段階で自動選別し、「注目度」の高さに応じて優先順位をつけることが可能。重要記事の見落としを防いで効率的にチェックできます。
また、「RISK EYES」では反社チェックとは無関係な各種記事をあらかじめデータソースから除去しています。更にAIによりネガティブ率が高い記事を自動選別し、「懸念度」の高さに応じて優先順位をつけることができます。いずれも、取り扱うチェックの対象が多い場合に有効です。
また、調査を依頼するタイプのツールであれば、専門の担当者がノイズの除去やソースの調整を行い、スクリーニングを実施してくれる場合もあります。ただ、この場合には納期に数日を要することも多くあるため、比較的時間の余裕がある場合におすすめです。
営業部門が新規取引を開拓する際に契約前に相手の企業を調査したい場合などは、新規顧客を見つけるたびに、管理部門に反社チェックを依頼するのは大変です。
チェックしたい企業数が多い場合は、SalesforceなどのCRM経由で反社チェックができるツールが便利です。その場合は、システム同士でデータを連携する必要があるので、反社チェックツールがAPI連携できるかどうかがポイント。複数部署が絡む反社チェック体制から、自動化を含めたシンプルな体制に変更できれば、取引先との契約のスピードアップが期待できます。
こちらでは、おすすめの反社チェックツールをご紹介します。
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(出所:Sansan公式Webサイト)
利用実績9,000社を誇る営業DXサービス。顧客情報を紙の名刺・オンライン名刺・メールの署名などから簡単に取り込むことができ、更にメディア情報や公知情報を収集した2つの高度なデータベースと連携して取引リスクを自動で検知する。
反社会的勢力との関わり、マネーロンダリング、人権侵害、組織犯罪への関与など、あらゆるビジネスリスクに対応。取引リスクが見つかった場合のみ担当者に通知されるため作業負担も少なくて済む。その分、リスクの内容確認や取引可否の判断などに集中できる。
その他、接点のない企業や過去に接点のあった企業も簡単にリスクチェックできる機能を搭載。全社のリスクマネジメントの効率化・強化を支援する。
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(出所:RISK EYES公式Webサイト)
Webニュース記事、新聞記事といった公知情報を用いて、取引先に関するスクリーニングが行えるサービス。自社で独自収集した反社関連情報が集約されたアンチソーシャルDBや、海外企業や外国人との取引向けに政府・国際機関の制裁リストを検索できるのが特徴。
また、通常の公知情報や余分な記事があらかじめ排除されたデータソースがあるため、通常の記事検索より無駄な検索結果の確認をしなくてもよい点も魅力。記事の懸念度やAI判定によるネガティブ率などで絞り込んで検索することも可能。作業時間を大幅に短縮できる。
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(出所:RoboRoboコンプライアンスチェック公式Webサイト)
取引先企業が法令を遵守していないか、企業倫理や社会規範に反するような活動がないかを自動でチェックができるクラウドサービス。取引先はExcelをドラッグ&ドロップするだけで簡単に一括登録でき、取引先のチェックをまとめて1クリックで自動検索できる手軽さが特徴。
AIによって関連記事を3段階で自動選別。注目度が高い、見逃せない記事から効率よく確認できる。インターネット記事と新聞記事を同時に検索し、証跡の取得はまとめてダウンロード。作業時間を短縮できる。社内での作業時間確保が難しい場合でも、業務の代行サービスがあり使いやすい。
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(出所:反社チェックヒートマップ公式Webサイト)
反社チェック・コンプライアンスチェック・与信判断指標をトータルで提供する、反社チェックツール。企業名・代表者名・電話番号といった情報から企業検索を実行するだけで、3つの観点からのチェックがスピーディーに行える。
新聞約50紙・過去10年分の記事から120ワードの記事検索を実施するほか、同社が精査した信憑性の高いネット記事、訴訟情報、行政処分情報を提供。反社チェックの結果は、リスクのタイプや高さがひと目でわかるヒートマップ形式で表示する。色のついたマスをクリックすれば詳細な情報を確認できる。
反社チェックと同時に与信判断指標をチェックすることで、自社の財務体力に合わせた適切な与信限度額を把握できるのも心強い。
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(出所:RiskAnalyze公式Webサイト)
新聞記事やTV局が配信するニュース、行政処分情報、雑誌や専門誌等の公知情報を用いて、 「反社会的勢力とのつながり」や「犯罪や不祥事への関与」などがないかを確認できる、SaaS型の反社チェック・コンプライアンスチェックツール。
国内最大級となる約900カ所からリスク情報を取得した上で、危機管理の専門家が選別したデータを集積しているため、信頼性の高い情報提供が可能。国内だけでなく、500万件に及ぶ海外リスク情報も保有しており、国内外のリスク情報を同時・広範囲に提供できる。
レポートの取得・保存は、CSVをアップロードし簡単な操作をするだけ。調査結果は、Web上からいつでもダウンロードでき、7年間クラウドで保存される。
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(出所:SP RISK SEARCH®公式Webサイト)
過去30年以上にわたる反社情報のみを収録したデータベースを持つ、反社チェック・ネガティブチェックのトータルプラットフォーム。表記の揺らぎを含めて検索できるほか、生年・年齢での絞り込みなど、検索を効率化する機能が充実。データベースには原典そのままの人物名が登録されているため、人物名の匿名化やWeb記事の削除によって探しきれないといった心配もなし。更に、既存システムとのAPI連携にも対応。実用性の高いチェックを実現する。
追加機能として「新聞記事検索」や「インターネット風評検索」が利用可能なほか、「海外コンプライアンスチェックサービス」にも対応。効率的なネガティブチェックをワンストップでサポートする。
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(出所:反社DB Web検索公式Webサイト)
反社情報が豊富に蓄積されたデータベースを利用し、情報を登録・保存・照会できるサービス。一般的な反社情報に加え、警察関連情報をデータベース化していることが最大の特徴。新聞記事・ネット記事に加えて幅広い情報の収集に役立つ。即時検索は、法人名や個人名を入力して、リアルタイムに反社会的勢力データベースにアクセス、迅速に、情報を得ることができる。
また、暴力団関連情報はもちろん、悪質クレーマーなどの不芳情報も独自の知見に基づいて収集している。検索マッチ時に、危機管理対応の相談・専門家による精査・同一性確認が可能であることも心強い。
(出所:Gチェッカー公式Webサイト)
新聞記事データベースを使い、取引相手の過去の不祥事などネガティブな情報の有無を、Web上から簡単にチェックできるツール。コンプライアンスチェックに適したキーワードがあらかじめセットされており、取引先名を入力するだけで簡単に高品質なチェックが可能。
全国紙の地方版、地方紙やニュース情報など、信頼性の高い媒体約150紙を対象に、過去30年分のデータが遡れる。チェック業務のアウトソーシングにも対応しているため、既存顧客の定期的なコンプライアンスチェックや、上場審査に向けた全取引先のスクリーニング業務にも向いている。
(出所:日経リスク&コンプライアンス公式Webサイト)
日本経済新聞社が提供している、国内外の取引先に潜むコンプライアンスリスクを特定・監視できるツール。グローバルのリスク情報をカバーした網羅的な情報カバレッジと、⾼度なAIテクノロジーを組み合わせたチェックに強み。
国内最⼤級のメディアデータベース「⽇経テレコン」と、⾃然⾔語処理技術、⽂意解析技術、記事分類技術を組み合わせ、国内報道だけでなく、⾏政処分情報、Web情報も横断的に検索。更に、公的地位を有する⼈物、親族関係者、制裁対象者、OFAC50%ルール対象企業など、グローバルなリスク情報との照合が可能。大手メディアが提供しているサービスならではの信頼性と情報量が最大の魅力。
(出所:minuku公式Webサイト)
反社会的勢力の定義を統一し、専門部署や知識がなくても判別が容易にできる、コンプライアンスチェックツール。合計約1,000ある全国メディアや各Webサイト、各種公知情報に加えて、独自に取得している各企業の定性情報を収集・分析しデータベースに反映している。情報を管理画面に入力するだけで簡単にチェックを行えるほか、精査されたデータ抽出が可能なため、無関係な情報を毎回確認する時間や手間が削減できる。
更に、企業の要望に応じて、個別の実態をより深掘りした分析結果のレポーティングや対象企業の電子登記簿取得代行など、業務サポートも手厚い。
(出所:アラームボックス パワーサーチ公式Webサイト)
新規取引先のシンプルな企業調査、取引開始前の風評や反社チェックなどが行えるサービス。メインは与信判断であるものの、1社あたり500円から手軽にチェックできる「ワンコイン反社チェック」が特徴。専門調査会社のデータベース照会や、新聞記事の照会まで行うことができる。
SNSやブログ、代表者の情報を調査し、過去3年分の風評やリスク情報を赤・黄色・緑でランク付けして情報を提供。収集した情報をAIが分析したうえで、専任の調査担当者が与信判断に関する見解と、今後のアドバイスをコメントしてくれるのも嬉しい。
(出所:DQ 反社チェック公式Webサイト)
取引先の一括調査から、新規取引先調査まで行え、反社チェックシステムと専門調査員による高精度の反社チェックも利用できるサービス。既存取引先のセルフチェックから、プロによるリスク検索、健全性、グローバルの調査まで多くのプランを用意。中でも、グローバル調査に強みがあり、世界100カ国以上に対応。リアルタイムで調査対象国の政府が保有するデータや裁判記録などに合法にアクセスし、調査対象の犯罪歴や民事訴訟歴などを確認できる。
人手を介さないLiteプランでは、ロボットが抽出した情報(レポート)をセルフで編集することが可能。調査結果は最短当日に納品されるため時間のロスがなく、低価格で利用できる。
まずは、費用をかけずに反社チェックを試してみたい方へ。「反社チェッカー」なら、フリープランとして、3回まで無料で試すことができます。利用できる機能に一部制限がありますが、「どのような結果が得られるのか」「使い勝手はどうか」を確認した上で、導入検討を進めたい場合におすすめです。
(出所:反社チェッカー公式Webサイト)
Web登録で簡単にチェックを始めることができる反社チェックツール。自社データベースによる独自情報を利用して、取引先、役員、株主、顧客が反社会的勢力と関係があるかを調査する。
どれだけ検索しても月額10,000円の定額であるため、不審人物・クレーマーの調査、不穏な組織・懸念団体の調査にも気軽に利用可能。トラブルを未然に防げる。
企業のコンプライアンスを遵守し、社内外の信用を損なわないためにも、反社とのつながりは確実に避けておきたいところです。反社とのつながりや反社であることを確認する方法は難しく、手間も時間もかかりますが、反社チェックツールでは、様々な手法で相手企業のチェックができ、企業のリスクを未然に防ぐ助けとなってくれます。
今回ご紹介したのは、ITサービスの反社チェックツールがメインですが、調査の規模や細かさ、高い精度を要する場合には、リサーチ会社など人に調査を依頼することも念頭に入れながら、サービスを選定するとよいでしょう。
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1960年以降の反社情報に特化した国内最大級のデータベース。加えて、新聞・Web情報、海外のリスクチェックにも対応。反社・ネガティブチェックを効率化します。...
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