最終更新日:2023-05-17
MRPシステムの導入により、Excelから脱却して生産管理を効率化したいと考えている製造業の方へ。MRPシステムのメリットや選び方、具体的なサービスを紹介します。
MRPシステムとは、資材の調達計画を立てるときの補助をしてくれるシステムのこと。製品の生産計画に合わせて、部品や原材料の所要量や調達日程を計算することができます。
そもそもMRPとは、「Material Requirements Planning(資材所要量計画)」の略で、生産や発注を効率よく計算する生産管理手法のひとつです。具体的には、製品の販売計画や受注管理の情報をもとに作成した基準日程生産計画(MPS)から逆算して、部品構成表(BOM)などから資材の所要量を算出し、資材の在庫量を加味しながら発注するといった手法が用いられます。受注生産で用いられる製番管理と相対する手法です。
MRPにもとづく生産計画は、「定期発注点方式」に該当します。部品構成表を使って必要な数量を計算し、生産の全工程へ進んでいくことから、「プッシュ方式(押し出し方式)」と言われています。
また、MRPの拡張版として、「MRP2」という手法も普及しています。MRPは資材の調達に活用できる手法なのに対し、MRP2は生産能力計画、人員計画、物流計画まで管理する手法に当たるため、ロジスティクス全体の計画を立てたいときに有効です。
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MRPシステムには、以下の4つのメリットがあります。
MRPシステムを利用することで、必要なタイミングで必要な量の資材を手配することが可能。売れる見込みのない在庫(滞留在庫)や工程の途中で発生する加工中資材(仕掛品)の発生を抑制します。
また、通常は在庫数の計算時に、必要量を計算したあとで資材の必要量を計算しますが、そのためには、現在保有している在庫資材の量を差し引く必要があります。MRPシステムでは、在庫データと連動してこれらを自動計算できるため、人手による計算の手間を削減することができます。
生産計画や在庫管理にExcelを活用している場合に課題となるのが、計画の立てにくさや管理のしにくさです。BOM(部品表)による確認作業時間や各部品の調達期間、製造工程の作業時間などを考慮して、必要なデータを集約・計算するとなると、Excelだけではまかないきれないケースがほとんどです。MRPシステムなら、計画の作成も面倒な管理も一元化できるので、担当者の負担を大きく減らすことができます。
人の手で在庫を計算している場合、計算ミスなどの人為ミスが発生しやすいリスクがあります。人為ミスによって余剰の在庫を抱えることになれば、生産効率の低下につながります。製造計画全体を見直すことにもなりかねず、納品や生産遅れの懸念も。その点、MRPシステムは在庫数、必要数、納期、スケジュールまで自動計算できるのでミスの防止につながります。
受注のキャンセルや納期の変更があった場合には、改めて計画を立て直さなければなりませんが、MRPシステムを導入した場合、新たな条件を設定すれば簡単に計画の再計算ができるため、作業効率が向上。また、「余剰となってしまった在庫を把握する」「他に回して使用する」といった、変更に伴う作業をスムーズに行えることもメリットです。
MRPシステムの導入に際して、確認しておきたいポイントは以下の2つです。
MRPシステムは、生産管理システムや基幹システム(ERP)などのサービスに組み込まれているケースが多いです。生産管理システムは、主に生産計画、販売、在庫管理、原価計算などのプロセスをシステム化する役割を担っています。そのうちの生産計画や在庫管理を効率化したい場合には「生産スケジューラ」が適しています。
また、販売管理や会計システムなどと連携して一元管理・運用したい場合は、広範囲な業務に対応しているERPを採用するのも有効です。
MRPシステムは、生産管理だけを行いたいのか、それとも別の業務も含めてシステム化したいのかで、選ぶサービスが変わってきます。MRPシステムを搭載した生産管理システムを選ぶ場合、生産方式や企業規模別などの観点で検討すると良いでしょう。
生産方式の観点としては、まずは自社の業種や生産方式に適しているシステムかどうかで判断しましょう。MRP方式と製番管理方式の両方の製品を持っている場合には、両者に臨機応変に対応できる機能を備えたシステムが必要となります。また、企業規模別の観点としては、中小企業・中堅以上・大企業向けなどで機能や価格が異なるので、必然的に選ぶサービスは変わってきます。
一般的に、企業の規模が大きくなればなるほど、製造プロセスは複雑になります。中堅以上の規模で中小企業向けの生産管理システムを導入してしまうと、複雑な業務に対応できない可能性があるので注意してください。
なお、MRPシステムを導入する際には、部品構成表(BOM)、在庫管理データ、工程情報、発注情報といった初期設定の情報を正確に揃えておく必要があります。
ここではMRPシステムを取り入れた生産管理システムをご紹介します。
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(出所:A’s Style公式Webサイト)
販売・生産・購買・在庫・原価を一元管理。希望に応じて機能やパーツを組み合わせて利用できるセミオーダー型の生産管理システム。繰り返し生産、個別受注生産、見込み生産、受注生産混在型と、幅広い生産方式に対応している。繰り返し生産や見込生産の企業向けにMRP対応オプションを用意。MRP版の場合、在庫数・確定受注・見込み生産情報をもとにした発注必要数を自動で計算できる。
受入現場では、目視確認しながらタブレットで入荷情報を簡易登録可能。指定日までに入荷されていない購入品がある場合はメールでアラートが通知されるため、入荷遅れにも迅速に対応することができる。
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(出所:生産革新 Fu-jin SMILE V公式Webサイト)
中小・中堅企業の組立製造業に特化しており、販売管理と一体化された、製販一気通貫型の生産管理システム。製品構成が決まっている標準品の見込・受注生産に対応し、部品や材料などの在庫管理を効率的に行うことが可能。製造・進捗、出荷・売上、請求・入金・支払などをトータルに管理できる。時系列で有効在庫数を考慮し所要量を計算、発注や在庫管理を効率化できる点、部品や材料の適正な調達手配や、納期別・品目別・仕入先別の発注残管理により、欠品防止をサポートできる点もメリット。
(出所:FutureStage公式Webサイト)
中小企業・中堅企業を対象とした、製造業・卸売業・小売業に対応した基幹業務パッケージ。製造業向けサービスでは、業種別モデル「特定業種向けテンプレート」を搭載し、自動車部品製造・金属加工製造・一般機械製造など、業界特有の商慣習、業務プロセス、マスタ、機能に対応した生産管理システムを構築できる。自社内の設備に導入していく導入型と、製造業・卸売業向けのクラウド型を提供している。
(出所:攻撃型生産管理システム TPiCS-X公式Webサイト)
在庫の適正化と変化への迅速な対応により、安定した生産を実現する生産管理システム。資材調達と生産計画立案から、常に適正な在庫量を自動計算して補充する特許取得の「f-MRP」の機能により、適正在庫の保持を叶える。
生産計画と製品構成マスタを基に所要量計算を行い「いつ、何が、いくつ必要か」の把握を容易に。手配済み(作業指示、発注、外注加工)の状況を一覧で確認できるところも魅力。部門ごとの作業量を確認し、負荷が高い部門があれば日程調整も可能にする。
(出所:GEN公式Webサイト)
MRPによる購買管理、製造指示、外注指示、工程進捗管理、在庫管理、納品請求入金までブラウザ上で確認できる。一般的な生産管理システムと異なり、ECサイトのような親しみやすいUIで、バックオフィスのメンバーにとっても使い勝手の良い機能性とデザイン性を両立させている。クラウド型ならWindows/Mac両方の端末で利用可能。
ノンプログラミングでマスタや画面を追加、編集できるので、プログラマーではなくても管理体系の変化や帳票の仕様変更にも柔軟に対応できる。
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(出所:R-PiCS公式Webサイト)
製造現場に必要な機能を網羅的に標準搭載する国産生産管理システム。製番管理を得意としながら、柔軟な引当処理も実現。個別設計生産から繰り返し生産まで、ワンパッケージで対応できる他、製番別BOM仕様変更にも柔軟に対応。業務用機械器具製造業や、汎用機械器具製造業、電気機械器具製造業などを中心に660以上の導入実績を誇る。
自社仕様のUIに変更できる見込生産向けシステムの「R-PiCS NX」にてMRPによる計算を行い、作業計画、発注計画、出庫計画を立案する。
ここでは生産計画や管理を高度化できる生産スケジューラにMRPシステムを取り入れたサービスをご紹介します。
(出所:Asprova公式Webサイト)
自動車部品や電子部品といった加工組立製造から、化学薬品や食品などのプロセス製造まで幅広い業種に対応した、生産スケジューラに特化したシステム。在庫の推移も製品・半製品・購買品に分けて品目ごとに過去と未来で推移が見える化できて、データ分析に活用できるほか、資源ごとにかかる人員の負荷までグラフ化。
これにより稼働率や納期/計画精度の向上を図り、製品のQCD向上を実現。計画立案はガントチャートで表現できるほか、BOMもExcelと同様の操作方法で使いやすいので属人化の解消にもつなげられる。
(出所:ADAP公式Webサイト)
Web上で在庫推移から各製造過程の負荷状況までサプライチェーンのあらゆるポイントを一覧表示。各工程の在庫や完成品だけでなく、途中の運搬や作業の時間までとらえたサプライチェーンBOMの管理で改善の余地や調整の可能性などのポイントを把握しやすい。
また、各工程の関係性を見渡したうえで、MRPとスケジューラのような負荷調整を同期的に行う高速APS機能も。自動で大日程計画から基準日程計画への展開と需給調整を行うことで調整業務を効率化に導く。
製造業において、在庫を抱えることや余剰の在庫を作り出すことは業績にも影響を与える要素です。しかし、生産計画や発注計画を人力やExcelで行うことは、ミスの原因にもなりやすいですし、時間と手間もかかってしまいます。
MRPシステムなら生産管理システムの一部として、生産計画や在庫管理を自動化することで業務効率を上げることを期待できます。ただし、生産計画に強みを持つ生産スケジューラ、物流計画や人員計画まで幅広く対応できるERPなど、システムのカバー範囲は異なります。導入に際しては、何をどこまで行いたいのか、まずは現在の業務の棚卸しが必要。
最近は従来のオンプレミス型からクラウド型のサービスも増えてきたことで、より導入しやすい環境になってきています。企業の規模感や業界・業種への特化対応、生産方式にマッチするかといった観点で、会社に適したサービスを検討してみるのがおすすめです。
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