最終更新日:2024-03-11
専門の管理システムを導入することで、保守業務を効率化したいと考えているフィールドサービス部門の方へ。フィールドサービス管理システムの概要や機能、システムのタイプ、比較のポイントとともに、おすすめのツールを紹介します。
フィールドサービス管理システムとは、自社から派遣した作業員や技術者の業務を効率的に調整・管理するサービスです。たとえば、機器やシステムの設置、修理、保守といったアフターサービス業務で主に用いられています。
フィールドサービス業務では自社の従業員や契約業者を派遣して対応するのが一般的ですが、遠隔地にいるスタッフを電話やメール・チャットツール、Excelなどを用いて派遣・管理するのは限界があります。
フィールドサービス管理システムには、以下のような機能が搭載されています（システムによって差異あり）。
| 主な機能 | 特徴 |
|---|---|
| 業務管理 | スタッフのスケジュール確認や業務の割当、GPSによる位置確認、進捗状況の把握など。 |
| 業務支援 | 現場の状況をコメントや写真で共有することで、わかりやすく可視化。事後のノウハウとしても活用できる。 |
| データの一元管理 | 入力した案件情報・顧客情報を同一プラットフォーム上で一元管理。業務別に転記する手間を省く。 |
| 報告書作成・提出 | 収集したデータをもとに、日報や見積書など各種報告書を、スマホから簡単に作成して提出できる。 |
| 在庫管理 | 修理パーツの発注・納入管理、払い出しや在庫移動などの機能で、欠品による作業遅延や部品の手配漏れを防止。 |
| 販売管理 | 見積提示、受注、請求、回収まで販売業務をワンストップ管理。部品や協力業者への発注・承認業務、仕入計上・出金などにも対応。 |
本記事では、保守業務を効率化したいと考えている方向けに、自社に合ったフィールドサービス管理システムの選び方・比較ポイントなどをわかりやすく紹介します。
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フィールドサービス管理システムは、大きく3つのタイプに分けられます。
業務管理（訪問修理、点検など）や問い合わせ管理（顧客情報、対応履歴管理など）に加えて、受注管理、部品などの在庫管理・出荷管理、請求管理といった販売管理にまで対応したタイプ。フィールドサービス担当者の業務だけでなく、バックオフィス業務も含めて効率化させたい場合に適しています。
たとえば、「CSOne」は、スポット作業、定期点検、予防保全などのフィールドサービス機能から在庫管理、販売・購買業務などの基幹業務まで、ひとつのシステムで管理可能。複数の管理業務を１システムに統合することで、効率化やカスタマーサービス業務の改善、更には予防保全計画による収益アップの実現が見込めます。
「（1）販売管理などを含む基幹業務タイプ」よりも、アフターサービスの対応管理業務に絞ったタイプ。訪問修理や点検などの業務管理や、顧客情報や対応履歴管理などの問い合わせ管理に特化したサービスを求めている方におすすめです。
たとえば、「Field Planner」は、修理受付・作業手配・作業実施・作業報告までを一元管理。アフターサービス業務に必要な管理機能を集約したシンプル設計で、修理受付や技術アサイン、修理状況の確認といった機能を搭載しています。
点検や修理といったフィールド活動の支援機能をメインとするタイプ。作業員の活動状況の把握や、報告書作成業務の効率化、顧客情報の管理の強化、作業履歴の確認などが行えます。
点検・修理・工事のフィールドサービスに特化した「cyzen」が代表格。報告業務の効率化やGPS活用による現場の働きの「見える化」、地図上への顧客情報の表示といった多彩な機能で、フィールド業務をサポートします。デジタルに苦手意識を持つスタッフでも簡単に使える、ユーザーフレンドリーなUIも強みです。
自社に最適なタイプが見えてきたら、以下のポイントで比較していきます。
まずは、どのような業務にどこまで対応できるかを確認しておきましょう。たとえば「ServAir」は、フィールドサービス（訪問修理）、メンテナンスサービス（点検、保全）、センドバックサービス（引取修理）など幅広く対応しています。また、「GrowOne メンテナンス」は設備（エレベーター、浄化槽設備など）、施設（ビル、立体駐車場など）、機器（オフィス機器、工作機械、空調機など）の点検・保守業務に対応。自社で提供しているサービスに対応したシステムを選んでください。
フィールドにいる作業員の業務を効率化できるどうかも、チェックしておきましょう。ただし、ほとんどのシステムが、スマホやタブレットでの作業記録や報告書作成に対応しているため、ほかの機能に注目すると比較しやすいでしょう。
たとえば、「CSOne」では、その場でお客さまに完了サインをいただく電子サイン機能、報告書の音声入力といった機能を搭載。また「cyzen」であれば、音声入力とOCR入力ができるほか、地図上の訪問先情報を用いた位置・ルートの把握などができます。
システムに反映したい自社特有の業務やルール、商慣習があるなら、拡張性の高いシステムをカスタマイズして利用するという選択肢もあります。この場合、どこまで柔軟なカスタマイズができるかがポイントです。
たとえば、「CSOne」は、クラウドサービスならではの高い柔軟性が魅力。各種クラウドサービスとAPI連携ができるほか、既存システムとの連携や、テナントごとのカスタマイズも可能です。また、「Field Planner」も要望に応じて機能拡張を行えます。カスタマイズ対応から導入後の運用サポートまで一貫して対応しているため、導入に不安がある方にもおすすめです。
ここからは、3つのタイプに分けて、おすすめの7サービスをご紹介します。
基幹業務タイプのフィールドサービス管理システムを3つご紹介します。
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（出所：CSOne公式Webサイト）
フィールドサービス・アフターサービスに特化したクラウド型管理支援システム。フィールドサービス、機器・契約管理と定期点検業務に加え、販売管理プロセスも統合できる。CRM＋ERPによるトータルな業務効率化、柔軟性の高いカスタマイズ、要件定義からシステム構築までをワンストップでサポートするプロジェクトマネジメント力が強み。
サービスマンへの作業指示メール配信、現調での見積や作業報告管理といった機能を搭載。電子サインの受領により、ペーパーレス運用も可能に。顧客の経営革新や業務改革に貢献し、コスト効果に定評あり。
（出所：ServAir公式Webサイト）
アフターサービス業務から販売・購買・在庫管理に至る基幹業務までを、一貫してサポートするアフターサービス基幹業務パッケージ。顧客からのコール受付、作業計画の立案および実施部署・人員の最適なアサイン、各種報告書作成など、フィールドサービス全体の作業工程を効率よく管理できる機能を多数提供している。日本固有の商習慣なども含め、実際の利用シーンに即した利便性の高い機能がそろう。また、引取修理にかかわる業務を管理するセンドバックサービスも搭載。
コンピュータルームに配置し、契約したクラウド基盤の上にシステムを配置するIaaS型の「ServAir」のほか、SaaS型の「ServAir Cloud」を用意。企業の持つ課題に合わせてタイプを選択できる。
（出所：GrowOne メンテナンス公式Webサイト）
設備保全業務に特化したアフターサービス業務向け基幹システム。物件情報・作業・商談・販売情報の一元管理などのアフターサービス業務全般に加え、蓄積データの分析業務までサポートする。
現場負荷軽減をコンセプトの一つとし、シムトップス社の帳票電子化システム「i-Reporter」とのデータ連携により、タブレットで点検報告書を作成し、作業実績データに紐づけて管理できる。また、過去帳票の検索・参照、電子マニュアルの参照に加え、ワークフロー機能を標準機能として利用でき、現場作業のデジタル化推進につなげられる。そのほか、部品耐用年数などに基づいて今後予測される商談内容を一覧表示できる商談管理機能や、データ分析・可視化を支援するダッシュボードサンプルなど、独自機能を備えている。
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アフターサービス対応の管理に特化したフィールドサービス管理システムを3つご紹介します。
（出所：Field Planner公式Webサイト）
受付・手配・修理・見積といった一連の流れを統合管理できるアフターサービス業務向けパッケージソフトウェア。修理受付や技術者アサイン、修理状況の確認など、アフターサービス業務に必要な管理機能を集約したシンプル設計が特徴だ。Webシステムなので、フィールドエンジニアのサービス状況などをどこからでも確認でき、迅速な対応につなげられる。
利用ユーザー数無制限のサーバライセンスのため、導入コストを削減して、ユーザーが希望する拡張カスタマイズやオプションを充実させられる。
（出所：アフターサービス変革支援サービス公式Webサイト）
NECが提供するアフターサービスのサポートサービス。業務プロセス変革コンサルティングとICTを活用したフィールドサービスマネジメントにより、アフターサービス領域における新たな価値提供を支援する。
アフターサービスの業務プロセス変革により経営課題を解決する「アフターサービス変革支援サービス」のほかに、機器情報管理やメンテナンス作業履歴情報の管理システムによって、アフターサービスの効率化・高度化を実現する「フィールドサービスマネジメント」を提供。特に後者では、ディスパッチャーによるスケジューリングによって、最適なサービスエンジニアがアサインされる。また、現地でタブレットを活用して、作業内容の確認や作業の終了報告ができるほか、蓄積された情報の活用も効率的に行える。
（出所：フィールドサービス管理ソフトウェアソリューション公式Webサイト）
全世界で37万人以上のユーザーを持ち、国際的に評価されているサービス管理ソリューション。最初の通話から最後のサインオフまでを一元管理することで、業務効率や作業スピードの向上といった効果が期待できる。
設備資産や契約、部品を一元管理できるダッシュボードで、業務の進捗を見える化。モバイル端末からチェックリストなどを使えるため、作業スタッフをサポート すると同時に、作業品質の均一化にも役立つ。作業員側の使い勝手の良さにも定評あり。見積もり作成の効率化やミス削減につながる、テンプレート付きの見積機能・作業計画も搭載している。
作業員の活動管理に特化したフィールドサービス管理システムをご紹介します。
（出所：cyzen公式Webサイト）
点検・修理・工事のフィールドサービスに特化した活動管理アプリ。音声・OCR入力を利用した写真付き報告書の作成、1分単位でトラッキングできるGPSを利用した作業時間・訪問時間の把握、出退勤管理、顧客情報のマッピングといった機能で、各業務の効率化をサポートする。
設備メンテナンスの効率化を最短1日で実現できる、導入のしやすさも魅力。導入企業の中には、写真とメモを使ったリアルタイムの情報共有によって、報告書作成業務の工数を7割削減したうえ、部署を超えた分業体制を確立できたという事例も。
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(出所：プロワン公式Webサイト)
電気工事・空調工事・設備工事、リフォーム、更に造園業・駆除・クリーニング・引っ越しなど様々な業態で利用実績を持つ業務支援システム。スタッフは手持ちのスマホやタブレットで、スケジュールや注意事項、進捗状況など、案件の様々な情報を入力・確認可能。顧客情報・売上データ・案件情報などの転記作業も必要なし。書類もテンプレを利用して作成・提出できるため、わざわざ事務所に戻る手間もかからない。業務効率アップやミスの削減が期待できる。
そのほか、請求書や発注書から自動で収支を計算するほか、勤怠管理や経費データを連携すれば収支管理も可能。蓄積したデータをもとに価格比較を行って最適な見積り作成も行える。
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フィールドサービス管理システムの概要や主な機能、タイプ、比較のポイントとともに、おすすめのシステムを紹介しました。タイプで絞り込んだら、業務の対応範囲や機能の充実度、カスタマイズのしやすさといったポイントで比較すれば、自社にフィットしたサービスが選べるでしょう。
大勢の作業員が動くフィールドサービス業務では、マネジメントを効率化することで、管理者も作業員も負担が軽減できます。システム導入により、作業員、管理者、そして顧客が満足する“三方よし”の作業環境を構築していきましょう。そのためにも、フィールドサービスシステムの導入をぜひご検討ください。
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★★★★★ 3.0 1件の口コミ・評判
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★★★★★ 5.0 2件の口コミ・評判
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