最終更新日:2024-03-07
テレワークを推進するために必要な、セキュリティを含めたインフラの整備について、具体的な方法をお探しの方へ。リモートアクセスツールの種類や注意点、選び方、おすすめのツールなどをご紹介します。
リモートアクセスツールとは、インターネットを通じてオフィスのPCを遠隔から操作できるツールのことです。リモートアクセスツールを使うことで、社内と変わらない環境でファイルの編集や閲覧、アプリケーションの起動といった操作ができるようになります。
従業員が個人で保有しているPC、スマホ、タブレット、あるいは常駐している客先のPCから社内PCにアクセスする場合、販売管理システムや会計システムなどの基幹システムは社内PC以外の利用が難しい可能性があります。また、社内PCと比べると脆弱なセキュリティや、移動時の紛失といったリスクも。
こうした課題の解決に役立つのがリモートアクセスツールです。サイバー攻撃や端末の紛失といった情報漏えいに備えられるほか、「資料を確認するためだけに出社」「社内システムへ入力するために出社」といった無駄な時間を削減することもできます。
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リモートアクセスツールが必要となるシーンは主に3つ。それぞれのシーンについて具体的に解説します。
販売管理システムや会計システムといった基幹システムは、アクセス可能なネットワーク環境が限られています。また、社内のネットワーク環境でないと、機密性の高いデータをやり取りできないというケースも。このような場合、オフィスのPCを遠隔操作できるリモートアクセスツールが必要となります。
重要なデータを保存したモバイル端末やPCを持ち歩くと、紛失や盗難といったリスクがあります。また、自宅のネットワークのセキュリティ環境が十分ではなく、ウイルスに感染してしまう恐れも。
こうしたリスクを解消するには、端末に重要なデータが残らず、社内のネットワーク環境を利用できるリモートアクセスツールが必要です。
従業員が私物の端末を業務利用することをBYOD (Bring Your Own Device)といいます。従業員は使い慣れた私物端末を利用でき、企業側は端末支給のコストを減らせるというメリットがありますが、端末の紛失や盗難、ウイルス感染といったリスクも。安全にBYODを進めるには、リモートアクセスツールの導入が欠かせません。
リモートアクセスツールは採用している接続方式によって、下記の3種類に分けられます。
インターネットを通じて、社内PCの画面をそのまま社外の端末へと転送するタイプ。ネットワークの構築などが不要で、導入の手軽さと高い安全性を兼ね備えており、リモートアクセスツールの主流の方式です。
端末にデータを保存しないセキュアなブラウザを通じて、社内のシステムにアクセスするタイプ。画像転送方式と比較して、スムーズに操作できるのが特徴です。ただし、システムやアプリによっては利用できない可能性もあります。
VPN接続で社内のネットワークに接続し、サーバー内のファイルなどを操作するタイプ。ネットワーク上に構築した、仮想の専用ネットワークを利用する仕組みです。VPNに対応したルーターなど、ハードウェアの設置が必要になります。
また、端末にデータを保存することになるため、セキュリティ面での注意が必要です。
さて、リモートアクセスツールの導入を検討するにあたって、チェックしておきたい5つのポイントがあります。ここでは「画像転送方式」を例にとって解説します。
リモートアクセスツールは「アプリタイプ」と「USBタイプ」に大別できます。アプリタイプは、端末にアプリをインストール・設定しておき、アプリからパスワード認証を行います。また、「USBタイプ」はUSBを差し込めば、どのPCからでも社内PCへのアクセスが可能に。いつも同じ端末を利用する場合は「アプリタイプ」、出張先のホテルやネットカフェなどの共用のPCを使うことが多い場合は「USBタイプ」が適しています。
操作性が悪いとストレスが溜まるうえ業務にも支障が出てしまいます。フレームレートや、仮想キーボード・仮想マウスの有無、ショートカットキーが使えるかといった操作性に関わる機能をチェックしておきましょう。
また、遠隔操作中の社内PCを誰かに勝手に操作されないように画面を暗くしたりロックをかけたりする機能のあるサービスもあります。
攻撃やなりすましといった外部への対策と、データ不正持ち出しなどの内部対策の両方が必要です。外部対策としては暗号化、機体認証、パスワード認証、ワンタイムパスワードなど。内部への対策としては、画面キャプチャや不正ダウンロードの禁止といった機能を持つ製品を選ぶとよいでしょう。
IDやライセンスごとの月額制が主流ですが、従量課金制のサービスもあります。利用する従業員の人数や頻度などをふまえて選びましょう。
画面転送方式だと、印刷先がそのまま会社のプリンターになってしまいます。手元のプリンターで印刷できる機能を持つサービスもあるため、利用頻度が高い場合はそういったサービスを選ぶべきです。
ここからは、テレワークに役立つおすすめのリモートアクセスツール10選をご紹介します。
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(出所:MagicConnect公式Webサイト)
画面転送型で、セキュリティに強みを持つリモートアクセスツール。USBキーを挿して利用する「USB型」と、特定の端末を利用する「端末認証型」、特定のモバイル端末で利用できる「モバイル型」を提供している。
新モデル「マジックコネクト・ネオ」では、「USB型」と「アプリ型」を提供。2〜3台の端末と接続できるようになった。また、アクセスが集中していないサーバーを自動選択することで、安定した接続を実現する。
画面転送型なので端末にデータを残さずに利用でき、プリントスクリーンによる画面キャプチャを禁止しているため、情報漏えい防止に役立つ。
SSLとRDPの二重の暗号処理を備え、USBキー個体認証やアプリによる端末の機体認証やパスワード認証によるなりすまし防止など、セキュリティ対策も充実している。
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(出所:RemoteView公式Webサイト)
安全で強固なセキュリティと運用安定性に強みを持つクラウド型リモートデスクトップツール。Webブラウザからインターネット経由で社内のPCアクセスするので、専用ソフトをインストールしていない端末でも手軽に利用できる。環境に合わせた接続権限設定 や 2段階認証、遠隔制御PCの動作制限、使用履歴の追跡など、豊富なセキュリティ機能がそろう。
遠隔地から自分のPCの電源管理が行えるWakeOnLANツールの提供や、オフィスのPC画面を非表示にする遠隔画面ロック機能など、機密情報の流出を心配せずにリモートワークができる機能がそろっている。
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(出所:moconavi公式Webサイト)
業界問わず、1,400社の企業で導入されているリモートアクセスツール。セキュアブラウザ方式とAPI方式に対応している。端末にデータを保存しない仕組みなので、個人所有の端末を利用する場合でも安全に利用できる。
グループウェアやクラウドストレージ、CRMやIP電話などの主要サービスと連携させることで、スマホから多くの機能が利用可能に。モバイルワークを効率よく行えるようになる。
多要素認証、AD認証、SAML認証、生体認証などの認証方式を用意。更に、SAML・ADダイレクト認証・デバイス認証に対応したmoconaviの launcher機能を活用して、すべてのアプリケーションにセキュアシングルサインオンができる。
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(出所:CACHATTO公式Webサイト)
ワンストップで自由なテレワーク環境を構築できるリモートアクセスプラットフォーム。「データレスクライアント」「セキュアブラウザ」「リモートデスクトップ」の3タイプでシリーズ製品を展開し、単品または複数製品を組み合わせて導入できる。いずれも端末に情報を残さず、持ち出せない仕様で、ワンタイムパスワードや利用制限などセキュリティ設定が可能。PC・スマホ・タブレットに対応し、BYOD端末からも利用できるため、情報漏えいリスクを防止しながら導入コストを軽減できる。
また、各種クラウドサービスや社内システムへの直接アクセスも可能。リモートデスクトップでありがちなアクセス集中による動作不具合が起こりにくいため、スムーズな操作感で業務効率を下げる心配がないのもポイントだ。
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(出所:Splashtop Enterprise公式Webサイト)
リモートワーク/リモートアクセスに必要な機能が充実している総合リモートソリューション。遠隔PC1台への2名同時アクセス、画面共有中の音声通話、AR機能も提供。SSO対応で、操作性を損なわないのもうれしい。「情シスのメンテナンス・サポート」「顧客への技術提供」など、ニーズに合わせてリモート環境を構築できる。
全通信をSSL・TSL、AES-265bitで保護し、専用アプリからリレーサーバー経由でPCへ接続することで、VPNを使わずに安全で高速なアクセスを実現している。手元の端末に残さない画面転送方式のため、在宅ワークや出張中も安心だ。グループ作成、ユーザー管理制御、接続可能日時など、詳細なポリシー設定で効率的にセキュリティ強化できる。
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(出所:OneOffice スマートコネクト公式Webサイト)
日額従量課金制が特徴のアプリタイプのリモートアクセスツール。複雑な設定やネットワークの変更は不要で、社内PC側にソフトウェアを、社外端末側にアプリをインストールするだけで利用開始できる。画面転送型のため、端末にデータが残らない。また、電源を落としたオフィスPCを遠隔起動可能なWake-On-Lanに対応。
モバイル機器での多段階認証、SSL暗号化通信のほか、操作中のオフィスPC画面をブランクスクリーンに設定できるなど、セキュリティ面に配慮した機能を多く搭載している。
1アカウントあたりの月額上限は1,500円、利用しなかった月はアカウント管理料100円のみ。BPO対策として導入を検討している企業や、利用頻度にムラがあるユーザーに最適だ。
(出所:セキュアリモートアクセス公式Webサイト)
ゲートウェイ経由で社内システムやパブリッククラウドに接続できるVPN方式のリモートアクセスツール。マルチキャリア、マルチ端末対応で、既存のインターネット環境を利用して安全なアクセスを実現する。
ワンタイムパスワードによる認証やIDロック機能、機体認証、スマートデバイス管理などセキュリティ対策に役立つオプションも充実。
VPNの回線とモバイル端末管理(MDM)を組み合わせることで、デバイス上の公私分離が可能になるため、BYODを安全に進めたい場合にも向いている。
(出所:Soliton SecureDesktop公式Webサイト)
クラウド版とオンプレミス版から選べるリモートアクセスツール。フレームレートは3Gで25FPS、LANで30FPSとなっており、独自のストリーミング技術での高速画面転送に強みがある。セキュリティはIDとパスワードに加え、電子証明書による認証にも対応しており、持ち込み端末への対策や二要素認証としても活用できる。タッチパネルでの仮想キーボード・仮想マウス操作、ショートカットキーのカスタマイズ、表示画面のホワイトボード機能など、操作性に優れている。
マルチデバイス対応に加え、オンプレミス版ではPCの電源を遠隔操作する「Wake On LAN機能」にも対応している。
(出所:TeamViewer公式Webサイト)
世界で25億台以上の接続端末数を誇るリモートアクセスツール。顧客や従業員向けのリモートサポートから、在宅勤務や出張時などに使えるリモートアクセス、モバイルデバイスサポート(オプション)を提供。Windowsはもちろん、iOSデバイスのリモートにも対応しており、PCからモバイル、IoTデバイスまで、ほぼすべてのデスクトップとモバイルプラットフォームで機能する。そのため、リモートワーク促進のみならず、リモートでのユーザーサポートを提供するためにも利用されている。
ライセンスや接続数によって複数プランが用意されているので、スモールスタートしたい企業・個人事業主にもおすすめだ。
(出所:ISL Online公式Webサイト)
世界100カ国で30万社以上、国内でも2,500社以上の導入実績があるリモートアクセスツール。1ライセンスでワンタイム接続・常駐接続・Web会議・チャットの4機能が使用でき、テレワークやヘルプデスク、遠隔デモ、海外拠点のサポートといったシーンで利用されている。
世界80台以上の中継サーバーから最適ルートを自動選択し、高速かつ安定した接続をおこなうISLグリッドネットワークを搭載。SSL 256bit-AES暗号化や2段階認証などのセキュリティ対策も充実している。また、「ライセンス数=同時に利用する接続数」で対象端末数は無制限なので、コストパフォーマンスにも優れている。また、同時接続数無制限のプリペイドプランも用意。
コロナ禍でニーズが高まったことから、様々な特徴を持つリモートアクセスツールが展開されるようになりました。主流の画面転送方式タイプの場合は、5つのポイントを比較することが大切です。
「機密性が高いシステムへのアクセス」「私物端末の利用」など、テレワークにおける具体的な活用シーンで、適したサービスは異なります。通常のリモートワーク以外にも、ハイブリットワークや自然災害時のBPO対策として導入するなど、企業によって活用方法も広がりを見せています。
サービスによってはサーバー不要で試験導入できる場合もあります。実際の使用感で検討してみるのもよいでしょう。
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★★★★★ 4.0 1件の口コミ・評判
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