最終更新日:2024-05-02
入居者への連絡や、やりとりなどの負荷を軽減し、業務を効率化したい不動産管理会社の方へ。コミュニケーションの円滑化や対応スピードの向上が期待できる入居者アプリについて、導入メリットや比較のポイント、主なサービスについてご紹介します。
入居者管理アプリとは、賃貸契約手続きや管理会社と入居者のコミュニケーションを効率化できるスマホアプリです。厳密にはiOS、Android OS向けの専用アプリを指しますが、本記事では、スマホからWebブラウザ(クラウド)を通じて利用できるものも含みます。
管理会社が入居者に連絡を取ろうとする場合、従来の電話・郵便・メールなどのやり方では、「電話に出てくれない」「つかまらない」などの課題があります。その結果、更新や退去の手続き、点検等のお知らせや家賃滞納等、手続きが滞ってしまうことも珍しくありません。また、一件一件連絡したり、折返しに対応したりするのは、管理会社にとっても大きな負担です。
その点、入居者管理アプリなら、スマホを通じて簡単に入居者へ1対1の連絡、一斉連絡ができます。既読・未読のステータス管理や更新期限なども一覧で管理できるため、対応漏れ・遅れの心配がありません。また、全戸一斉通知やフロア等で条件を絞って配信できるため、従来よりも効率的・効果的なコミュニケーションが期待できます。
導入形態としては、不動産管理会社が入居者アプリサービスを契約し、入居者に対して入居者用アプリ導入を案内するのが一般的です。管理会社からの通知以外にも、修理依頼、質問、手続き、書類の閲覧など便利な機能も備えており、入居者にとっても有用です。
アプリによっては、入居者用アプリとは別に「不動産オーナー向けアプリ」を備えているものもあり、その場合は月次報告、修繕報告や契約書のやりとりなどオーナーにとって便利な機能を利用可能です。
この記事では、入居者アプリについて、具合的な活用メリットや比較ポイントなどを、おすすめサービスを交えながらご紹介します。
入居者管理アプリをお探しの方は、こちらからサービス紹介資料をダウンロードいただけます。
入居者管理アプリには主に以下のような機能があります。
退去・更新の手続 | 更新が近づいた入居者の更新有無の確認もスムーズ |
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契約情報閲覧 | 契約の変更の申請も可能 |
管理会社情報閲覧 | 個人情報の変更や解約の申請も可能 |
一時金決済処理 | 更新料や清算金、退去精算や自転車ステッカー代などの一時金の決済ができる |
入居時の写真 | 入居後の現況確認時も写真で撮影して記録が残せる |
契約書の締結支援 | 電子契約システムとの連携 |
お知らせ掲示板 | 定期清掃や設備点検などのお知らせ。必要に応じてプッシュ通知も |
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サポートチャット | 24時間の対応が可能に。ログを残すことで言った言わないのトラブルも回避 |
ライフラインの連絡先閲覧 | スマホからいつでも情報を確認でき、困った時に自己解決できる |
設置器具の取扱説明書などのPDF閲覧 | エアコンの取扱説明書など。入居者が見やすい、不動産会社が手渡す必要がなくなるというだけでなく、オーナーにとっても、入居者に失くされる心配なく次の入居者に渡せるようになる |
ファイル管理機能 | 重要事項説明書、賃貸借契約書、ご入居の手引きなど |
アンケート | 個別・一斉、物件単位・店舗単位など |
各種入居者向けの有益な情報配信 | 家賃の安さ以外で物件に付加価値をつけるため、物件の近所のスーパーのお買い得情報などを配信 |
そのほか、「GMO賃貸DX入居者アプリ」のように、賃貸借契約や更新契約などで使える電子契約機能や、チャット上で賃料を決済できる機能が提供されているアプリもあります。
入居者管理アプリの導入メリットについて、「不動産管理会社」「入居者」「不動産オーナー」それぞれの立場ごとに見ていきましょう。
賃料が振り込まれていない場合の督促や、契約更新手続きのお願いなどのために入居者に電話連絡する際、入居者が電話に出ない、なかなかつかまらないということも多々あります。また、若い入居者は電話連絡を嫌がり、電話に出ないということも多く、特に催促の電話だと自覚していればあえて出ない、というケースもあるでしょう。
何度も電話をかけるのも大きな手間になりますが、入居者管理アプリがあれば、一度連絡するだけで伝わる確率が高まります。またアプリであれば既読かどうかもわかり便利です。
アプリ内の掲示板機能で定期清掃や設備点検のお知らせができます。お知らせを作成し印刷して物件まで足を運んで貼りに行く必要がなくなります。
エアコンや給湯器等の設備が壊れた場合、入居者から管理会社へ電話、管理会社からオーナーへ、と電話でやり取りをするとなかなか説明がうまくいかず時間がかかりますが、アプリを利用することでスムーズに伝達することができます。特に故障箇所やエラー表示、メーカー、型番などをスマホで撮影してアプリで共有することで、間違いがなく、手軽に対応にかかれるようになります。
様々な依頼や質問をアプリ内でのチャット経由でできるため、不動産管理会社の営業時間にわざわざ電話で伝える必要はありません。夜中でも休日でも手の空いた時間に一報入れることができ、忙しい入居者にも便利です。特に、修繕時の依頼にあたっては、状況の説明や機器の型番がわからず苦戦しがちですが、スマホで写真を撮って送ることで複雑な説明も不要になります。また、退去や更新の手続きがアプリ内で手軽にできるため負担を減らせます。
アプリ内の掲示板機能で定期清掃や設備点検のお知らせを読むことができるため、マンションの掲示板を見に行く必要がありません。必要なお知らせを見落とす可能性も低くなります。
入居者管理アプリ内のファイル管理機能を利用することで、重要事項説明書、賃貸借契約書、ご入居の手引きなどの各種書類をアプリ内で管理できます。また、エアコン等の取扱説明書、管理会社の情報や、ライフラインやケーブルテレビの連絡先、ゴミの出し方の案内書面などもアプリ内ですぐに閲覧できるため、トラブルが起きても慌てて探す必要はありません。
画像や動画であれば、電話や書面に比べわかりやすく、拡大表示もできて見やすいです。特に複数の不動産を所有するオーナーにとっては、各物件の情報を管理するのは手間がかかります。しかし、アプリを使えば物件ごとに効率よく状況を確認できるようになります。
必要なことはすべてアプリを見ればわかるので、電話連絡や掲示板の確認をする必要はありません。そのため、様々なアプリ利用に慣れた入居者であれば、「入居者管理アプリは便利だし、使える物件に住み続けたい」とアプリに対応していること自体に付加価値を感じてもらえるようになります。
入居者アプリの導入は不動産管理会社にとっても入居者にとっても、またオーナーにとっても多くのメリットがあることがわかりましたが、逆にデメリットはあるのでしょうか?
現時点で提供されている各サービスを見る限り、デメリットはなさそうです。ただし、導入自体がスムーズにいかないケースもあるので、注意点として詳しく知っておくべきです。
入居者やオーナーがアプリの導入に協力的でないケースです。たとえば、スマホを持ってはいるものの「アプリは利用しない」「利用したくない」、あるいは「そもそもスマホを持っていない」という場合などが考えられます。今まで通りに電話連絡やメール連絡を希望する入居者、オーナーがいる場合は、不動産管理会社はアプリと従来の連絡手段の2つを併用しなくてはいけません。
その場合、連絡手段がメールやSMSであれば併用してもさほど問題ありませんが、電話連絡・郵送を希望されるとかえって手間がかかる恐れがあります。業務上の負担・手間のバランスを考えながら利用を検討しましょう。中には、アプリではなく、Webブラウザを利用してクラウド上でやりとりする「Dicon」のようなツールもあります。QRコードなどを案内するだけでインストールの手間が省けるため「アプリを利用したくない」という入居者・オーナーにもおすすめです。
入居者管理アプリの導入際には、どのようなポイントで選んだらよいのでしょうか。比較のポイントをご紹介します。
家賃の督促において管理対象の入居者が多い場合は、個別連絡だけでなくある程度一括で連絡できる手段があると、督促作業の大幅なスピードアップにつながります。たとえば、先月分の家賃を振り込んでいないユーザーの一覧を賃貸管理システム等からCSVデータで出力して、その一覧リストを入居者管理アプリの管理者画面に読み込ませて、該当者に一括送信する、というやり方があります。
入居者によっては頻繁に利用するアプリではないため、アプリで通知するだけでは気づかない、見てもらえない可能性があります。そのため、必ず目を通して欲しい内容の場合はSMSやメール、必要な時に見てもらう情報の場合は掲示板など、複数の連絡手段を有したサービスだと、不動産管理会社にとっても、入居者にとっても使いやすいはずです。アプリ内のメッセージやお知らせの際にプッシュ通知ができるかどうかも重要ポイントです。
アプリ内で管理可能な入居者数を確認しておきましょう。中規模以上の不動産管理会社であれば数千人を管理、ということもあるでしょう。また、料金面でも数百戸向けと数万戸向けではプランが変わりますので、想定規模で使う場合のプランがリーズナブルであるか確認が必要です。
月次報告書の送信などができる、不動産オーナー向けのアプリも有したサービスなら、各種手続きの電話連絡、書類の封入作業、郵送コストなどをなくすことができ、利便性が更に高まります。
賃貸管理ソフト等とデータ連携できると、物件や入居者に関する情報を一元管理でき、二重で入力する必要もありません。たとえば、「くらさぽコネクト」は同社の賃貸管理システム「賃貸革命」と連携できるので、入居者からの問い合わせ、契約更新や解約の申込情報などがそのまま賃貸管理システムに反映されるようになります。
家賃や、駐車場代、更新料、退去時費用の回収業務の負担を軽減する機能の有無も確認しておきましょう。「GMO賃貸DX 入居者アプリ」は、クレジット決済へ対応。「いい生活Home」はシリーズサービスの「いい生活Pay」を利用することで、ネット口座振替&クレジットカード・コンビニ払いに対応できるようになります。
セキュリティ対策とその強度、自社のセキュリティポリシーに反しないかを必ず確認しましょう。入居者管理アプリはいわば「顧客情報をシステム上で管理するためのもの」です。そのため、セキュリティ対策に不備があると、個人情報漏洩などの事件が起こってしまうリスクを抱えています。万が一情報が漏洩してしまった場合、入居者や不動産オーナーに多大な損害が生じかねないため細心の注意を払わなくてはいけません。
比較のポイントを踏まえて、主な入居者管理アプリをご紹介します。なお、料金については管理戸数や機能によって大幅によって異なるため、各社への問い合わせが必要です。
(出所:GMO賃貸DX入居者アプリ公式Webサイト)
業務効率だけでなく、入居者の満足度向上が期待できる入居者アプリ。アプリを通じて入居者と簡単に情報伝達が行えるメッセージ機能のほか、入居者からの質問をチャット形式で自動対応する機能、定期的なお知らせや入居者全員へ案内したい情報を一斉送信できる掲示板など多彩なコミュニケーション機能あり。メッセージの視認率や開封率を高めるPUSH通知に加え、オプションでSMS機能も利用できるため、メールアドレスがない場合でも連絡を取ることが可能。電子契約や電子決済といったオプション機能も追加で利用できる。
そのほか、入居時に傷や汚れがないかを入居者自身で確認できる「入居時チェック機能」や「クレジット決済」にも対応しているのもポイント。入居前確認や退去に伴う費用回収の手間を省くことができる。
(出所:いい生活Home公式Webサイト)
テキストだけでなく写真や動画の送信もスムーズに行える入居者管理アプリ。ファイル管理機能で契約書等の重要な書類をいつでも確認可能。お知らせ掲示板機能は、どの入居者がお知らせを見たかの既読の確認もできる。外国人入居者からの問い合わせにも対応しており、外国語で届いたメッセージをワンクリックで和訳したり、日本語を外国語に翻訳して送信したりする機能も搭載。基幹システムなどから入居者情報を抽出して、CSVデータを取り込んでメッセージを作成することも可能。
入居者向けのほか、不動産オーナー向けアプリもある。オプションに、退去清算や一時金の回収に適したスマホ完結決済システムもあり。
(出所:Dicon公式Webサイト)
アプリではなく、Webブラウザタイプの入居者コミュニケーションツール。入居者への連絡はSMSもしくはチャットにて行う。SMSは個別連絡・一斉連絡のほか、「物件ごと」などグループ設定も可能。チャットはQRコードを案内するだけで双方向のやりとりが始められ、テキスト以外にも、写真・動画・書類なども送信できるため、書類の受け渡しや設備の修理依頼などにも便利。自動翻訳機能もあるため外国籍の方が入居している際にもおすすめ。
グッドデザイン賞を受賞するなど「直感的に操作できるデザイン」で構築されており、導入・利用に余計なトレーニングコストがかからない点もメリットと言える。
(出所:くらさぽコネクト公式Webサイト)
賃貸管理ソフトの「賃貸革命」と連携して、入居者や契約の管理などを効率的に行うことができる入居者管理アプリ。入居者は問合せや契約更新の申込、ライフラインなどの情報確認でき、管理会社は定期清掃などの一斉連絡や個別の入居者への連絡・やり取りの管理が簡単にできるようになる。
各種お知らせの通知先を入居者単位で選択して通知でき、入居者の既読状況も確認できる。通知の予約設定も可能。アプリを使わない入居者にはSMSやeメールでの連絡ができる。更新、解約の申し込み・一次対応がアプリで進められる。入居者へ近所のスーパーの特売情報など付加価値のある情報提供も行える。
(出所:totono公式Webサイト)
管理会社と入居者をつなぐ入居者専用スマホアプリ。LINE感覚で利用できる24時間コミュニケーションチャット機能をはじめ、スマホへの自動通知・配信日の設定・アプリ内で目立たせる重要なお知らせフラグなど、入居者の目に届きやすい工夫が施されている。入居時室内点検表や解約申請、ペットの受付・駐車場保管場所使用承諾証明書の申請など、各種申請受付機能がテンプレ化されているため申請手続きをスムーズに行える。
画像や動画に加えてPDFも添付できるため、紙書類をそのまま電子化して通知することも可能。汎用的な300以上のよくある質問集があらかじめデータセットされたFAQにより、入居者の自己解決を促進できる。
(出所:Roomコネクト公式Webサイト)
入居者とのコミュニケーションに強みを持つ入居者管理アプリ。チャットには写真も添付できるため状況を共有しやすく、早期解決が可能。一方、管理会社からの設備の点検や工事などのお知らせも、アプリ通知で手早く周知できるのもポイント。
その他、水まわり、カギ、ガラスなどの設備トラブルが起きた際の「24時間365日対応の駆けつけサービス」、更に騒音トラブルやゴミ出しマナーなどの「近隣トラブル対応サービス」なども提供。不動産管理が行き届いているという点で、入居者向けに他物件との差別化も図れる。入居者からのクレームもコールセンターで対応するため、「些細なことでもすべて管理会社へ問い合わせが来てしまう」とお悩みの場合でも安心。
(出所:パレット管理公式Webサイト)
必要な機能やお好みのコンテンツを自由に組み合わせた、自社独自の入居者サービスを作成できるクラウド入居者管理システム。300万戸での導入実績があり、最短1週間で新規導入することができる。
入居時の説明資料の管理はもちろん、入居者へのお知らせ(設備点検、イベント告知など)を、写真やテキストを組み合わせて自由に作成できる。内容に応じて、お知らせの公開範囲(エリア/建物/部屋など)を限定することも可能。写真付きのメッセージ送受信や契約更新や解約申請のオンラインでの受付もできる。入居者が入居時に部屋の傷などを撮影し、履歴として残せる「入居時チェック機能」を搭載。写真付きで入居時の現況を報告できるため、退去時のトラブル防止にもつながる。
(出所:Room Information Systemアプリダウンロードページ)
不動産総合企業の株式会社湘建が提供する、湘建グループの管理物件の入居者を主な対象者とした入居者サポートアプリ。チャット、契約時の賃貸契約書や関連書類の確認機能に加え、物件情報、契約中・入居中の契約期間、賃料などの契約情報、契約更新時期等のお知らせ等、一通り機能がそろっている。希望の条件を入力すると、条件に合うまたは類似する物件を紹介してくれる点が特長。
(出所:シャーメゾンライフ CLUBアプリダウンロードページ)
積水ハウス不動産の管理物件の入居者を対象とした入居者サポートアプリ。契約内容の確認や入居時のガス・電気・水道など各種ライフライン情報などを一元確認できる。公共機関、施設などのスポット情報や避難所マップ、各種イベント情報など生活に必要な情報も併せて配信。なお、地域によって利用できるサービスに差があるため要確認。
入居者管理アプリは不動産管理会社にとって、「電話連絡の手間が減る」「修繕のやりとりがスムーズになる」など業務の効率化が見込めるサービスです。ただし、入居者アプリを活かすには「利用者へのアプリの浸透」や「利用状況の把握」などが必要になりますので、定着して効果を発揮するまでに少し時間がかかることを念頭に入れる必要があります。
入居者アプリの導入検討に際しては、下記の点を注意して比較検討するとスムーズです。
(1)入居者への一括連絡ができるか
(2)入居者への複数の連絡手段があるか
(3)管理できる入居者の規模
(4)不動産オーナー向けアプリの有無
(5)不動産管理システムや賃貸管理ソフトとの連動性
(6)回収を支援する機能があるか
(7)セキュリティ対策とその強度
入居者管理アプリをお探しの方は、こちらからサービス紹介資料をダウンロードいただけます。
株式会社いい生活
不動産管理会社から入居者への連絡は電話ではなくアプリで実施。入居者と連絡がつかずに業務が進まないという問題が軽減されます。1,500社以上の導入実績を持つ不動産...
株式会社PID
不動産管理業務をスマートにする入居者コミュニケーションツール。入居者への一斉連絡や、問い合わせ対応を効率化。シンプルデザインで管理者も入居者もすぐに使えます。...
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