法人向けIT製品の比較・選定を支援する情報メディア「アスピック」の編集部。 SaaSや業務システムを中心に、バックオフィス・営業・人事・マーケティングなど幅広い領域のIT製品を調査・比較し、導入検討に役立つ情報を発信している。 各サービスの機能や料金、導入実績などの公開情報をもとに、ユーザー視点でのわかりやすい整理を重視してコンテンツを制作。また、実際の利用シーンや業務課題を踏まえ、企業のIT活用による業務効率化や課題解決につながる情報提供を行っている。
難しいコーディングなしで、誰でも手軽に業務用アプリを作成できる「ノーコード・ローコードツール」。ノーコードツールとノーコードツールの違い、導入メリットとデメリット、注意点などについて、kintoneの導入・運用経験者の意見をもとに解説します。
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| この記事でわかること |
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ノーコードツールとローコードツールいずれも「開発の効率化」を目的としていますが、対象とするユーザー層や、構築できるシステムの複雑性などが異なります。どのような違いがあるのか、6つの比較軸から解説します。
| 比較軸 | ノーコードツール | ローコードツール |
|---|---|---|
| 対象ユーザー | 現場担当者やデザイナーなどの非エンジニア | パワーユーザー、情報システム部、エンジニア |
| 開発手法 | GUI(視覚的)操作 | GUI+補助的なコード記述(SQL, JSなど) |
| 主な構築対象 | 部門内の業務アプリ、Webサイト、CRMなど | 基幹システム、全社共通基盤、複雑なBPM |
| システム連携 | 標準プラグインやAPI連携 | 深いデータベース連携、独自のAPI構築 |
| 自由度 | ツールが提供する枠組み内に限定 | コード記述により柔軟なカスタマイズが可能 |
| 保守性 | 作成者以外でも修正しやすい | 記述したコードのドキュメント管理が必要 |
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ノーコードツールとローコードツールのメリットとデメリットについて、下記の表にまとめました。
| メリット | デメリット | |
|---|---|---|
| ノーコードツール |
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| ローコードツール |
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ノーコードツールの特徴・仕組みや選び方、比較ポイントといった詳細情報は「【2026年版】ノーコードツール比較16選!料金相場やタイプ別の選び方 」にて紹介しています。
また、ローコードツールの機能やタイプ分け、比較ポイントといった詳細情報は「ローコード開発ツールの比較13選。できることや違いは? 」にて紹介しています。
ノーコード・ローコードツールを導入した現場で起こりがちな、4つの失敗について解説します。
ノーコード・ローコードツールを使えば、様々な業務用アプリを作ることができます。そのため「どんな課題を解決するために導入するのか」「どんな目的で使うのか」がはっきりしないまま、導入が決まってしまうケースも。
そうすると、使い道の自由度が高いだけに「どうやって使えばいいか分からない」「ツールを使って何をすればいいか分からない」と、現場で利用されなくなってしまう恐れがあります。
普段使っているアプリは「完成形」で提供されているため、多くのユーザーが「アプリが完璧に作れたら社内にリリースしよう」と考えます。
しかし、最初から完璧なアプリを目指すと足りない部分が目について、いつまでも微調整が終わらず、リリースできないまま導入が頓挫してしまうケースも見られます。
アプリを作るフェーズまで進めても、「アプリを使わずに、既存の手順に戻ってしまう」「アプリの使い勝手が悪くて、業務改善につながらない」といった理由で、導入が失敗してしまうケース。
シンプルなアプリでも、「新しいアプリを使うよりも、今までの慣れた手順のほうが楽」と感じる人は多いもの。アプリを現場に根付かせるための仕組みまで考えておかないと、結局使われないままになってしまいます。特に、情報の共有・蓄積を目的とする場合、アプリを使わない人が数人いるだけで、情報が散在して価値を発揮できなくなるので注意が必要です。
会計・給与・電子カルテなどの基幹システムそのもの、大量処理や高度なリアルタイム性が求められるシステム、複雑な独自ロジックを持つシステムを作るのに、ノーコードツールは不向きです。
高機能アプリを作るなら、社内にエンジニアがいる場合はローコードツールを利用する、いない場合は専用のSaaSを導入するのがおすすめ。「できること」と「導入目的」が合致していないのも、失敗の要因としてメジャーです。
ノーコード・ローコードツールの導入時にどんなことに気をつければいいのか、kintone導入経験者の意見をもとに、4つの注意点をまとめました。
ノーコード・ローコードツールは、すべての業務アプリ開発に適しているわけではありません。前述のように、会計・給与・基幹業務など高い正確性や法令対応が求められる領域、大量データ処理や複雑な独自ロジックを必要とする場合には、専用システムの方が適している場合もあります。
導入前には、「何を効率化したいのか」「既存ツールでは代替できないのか」「現場で継続的に運用できるのか」を整理することが重要です。目的が曖昧なまま導入するとアプリが乱立し、かえって管理負荷が増える恐れがあるので注意しましょう。
ノーコード・ローコードツールの導入担当者には、ツールの選定やアプリ開発だけでなく、現場に使い方を浸透させる役割も求められます。しかし、チーム全体への周知、問い合わせ対応、操作サポート、改善要望の吸い上げまでを、一人の担当者が担おうとすると負担が大きすぎます。
更に、周囲の理解や協力がないまま進めると、導入担当者だけが推進役となり、現場との板挟みで孤立してしまう恐れも。そのため、ツールの導入をプロジェクト化して、複数名に負担を分散するような仕組み作りが重要です。ツールを定着させるには、個人の努力に頼るだけでなく、組織全体で取り組みましょう。
ノーコード・ローコードツールの効果を高めるには、実際に業務を行う現場の課題を正しく把握することが重要です。管理部門や情報システム部門だけで仕様を決めると、現場の作業実態とずれたアプリになり、結局使われなくなる可能性があります。
たとえば、「入力項目が多すぎる」「承認フローが実態に合わない」「既存のExcelより手間が増える」といった状態では、なかなか現場に定着しません。導入時には、現場担当者へのヒアリングや試験運用を行い、現場の負担を減らす設計になっているかを検証する必要があります。
ノーコード・ローコードツールの運用時に注意しておきたい4つポイントについて、kintone導入経験者の意見をもとに解説します。
ノーコード・ローコードツールで作成したアプリは、必要な項目や機能を備えているだけでは不十分。実際の業務では、誰が、どのタイミングで、どの情報を入力し、次の担当者にどう引き継ぐのかまで設計する必要があります。
そのため、開発担当者だけで完成形を決めるのではなく、実務担当者に運用フローや使い勝手を確認してもらいながら作るのがポイントです。現場に見せると、入力の手間、項目名のわかりにくさ、通知の不足など、自分一人では気付けない不便さが必ず出てきます。早い段階で試用してもらい、改善を重ねることで、実際に使われるアプリに近づけましょう。
複数のアプリで同じ情報を扱う場合は、アプリごとに異なる管理キーを作らないように注意が必要です。たとえば、顧客管理アプリと問い合わせ管理アプリ、契約管理アプリで同じ顧客を扱うなら、共通の顧客IDを設定しておきましょう。
アプリごとに別々の番号や名称で管理すると、同一顧客かどうかを判別しづらくなり、データの重複や紐づけミスが起こりやすくなります。更に、後からデータを統合したり、集計・分析したりする際にも大きな負担に。アプリを個別に作る場合でも、横断的に管理する項目はあらかじめ整理し、共通のルールで扱うことが重要です。
現場で手軽にアプリを作れる反面、ルールがないまま運用すると、同じようなアプリが乱立したり、必須項目を勝手に変更されたりする恐れがあります。こうした状態になると、どのアプリが正式なものかわからなくなり、入力もれや確認ミス、集計ミスといった業務トラブルにつながることも。
運用時には、「アプリを新規作成する際は管理者に申請する」「編集権限を限定する」「変更履歴を残す」「不要なアプリを定期的に整理する」など、作成・管理のルールを決めておくことが重要。自由に作れる利点を活かしつつ、最低限の統制を設けるようにしましょう。
ノーコード・ローコードツールは、低コストで業務アプリを作成・運用できる点が大きなメリットです。しかし、標準機能だけでは足りない部分を補うためにプラグインを多用すると、月額費用や保守コストが膨らみ、当初想定していたコスト削減効果が薄れる恐れがあります。
特に、導入数が増えるほど、契約管理やアップデート対応、不具合発生時の切り分けといった管理業務が複雑に。運用時には「本当に必要な機能か」「標準機能や運用ルールで代替できないか」「費用に見合う効果があるか」をシビアに確認することが重要です。
ここまでは失敗事例や注意点について解説してきました。本項では、ローコード・ノーコードツールの導入・運用を成功させるための4つのコツについて、実際の経験をもとに解説します。
ノーコード・ローコードツールで作成したアプリを定着させるには、リリース前から現場のメンバーを強く巻き込むことが重要です。単に「触ってみて、気づいたことがあれば教えてください」と依頼するだけでは、後回しにされてしまいがち。特に、既存の業務手順に慣れている人ほど、新しいアプリを面倒なものとして捉える可能性があります。
そのためリリース前には、目の前でアプリを操作してもらう、実際の業務を想定して仮入力してもらうなど、アプリを触らないといけない場を作って積極的に巻き込みましょう。アプリに親近感を持つメンバーを増やしておくことで、運用開始後に周囲へ使い方を広めてくれる味方も生まれやすくなります。
ノーコード・ローコードツールで作る業務アプリは、最初から完成度の高いものを目指すより、運用しながら改善していく前提で設計する方が現実的です。導入初期から多くの機能や入力項目を詰め込むと、開発に時間がかかるだけでなく、現場にとって操作が複雑になり、定着の妨げになってしまいます。
特に、現場のITリテラシーが高くない場合は、まず最低限必要な機能に絞って開始することがポイントに。実際に現場で使いながら、不足している項目や改善点を把握し、段階的に追加していくのがおすすめです。業務アプリは一度作って終わりではなく、現場に合わせて育てるものと考えましょう。
アプリを自作するとなると、業務フローの整理からアプリ設計、権限設定、データ移行、社内展開まで含めて、一定の知識と工数が必要になります。社内にITに明るい推進者がいない場合や、通常業務と並行して導入を進める余裕がない場合は、外部サービスを利用するのも一手です。
導入支援やアプリ開発を行うパートナー企業を活用すれば、初期設計の失敗や手戻りを抑えやすく、短期間で実用的なアプリを作れます。
ノーコード・ローコードツールの強みは、情報システム部門だけでなく、現場のメンバー自身が必要なアプリを作れること。こうした市民開発が活発になると、現場の小さな不便を素早く改善でき、業務改善のスピードも高まります。
ただし、自然発生的に広がるとは限りません。「アプリの作り方に関する勉強会を開く」「使いやすいアプリの事例を共有する」「人気のアプリを表彰する」など、市民開発を活性化するための仕組みが必要です。現場の工夫を組織として評価することで、全社的な取り組みとして広がりやすくなります。
ノーコード・ローコードツールで作るのに適している業務アプリは、主に以下のとおりです。
| 申請・承認ワークフロー | 紙・ハンコ・メール回覧をなくし、承認状況を可視化。部署ごとの業務フローに合わせてアプリを作れるため相性がよい |
|---|---|
| 案件管理・進捗管理・プロジェクト管理 | 「誰が・何を・どこまで進めているか」を見える化する用途に強い。Excelや付箋管理の代替として有用 |
| 顧客管理・営業管理・問い合わせ管理 | 顧客情報・対応履歴・ステータス管理など、データベース型の業務と相性が良い |
| 問い合わせ・FAQ・チケット管理 | 対応もれ防止、履歴管理、FAQ化、担当者アサイン、ステータス可視化といった機能が実装しやすい |
| 契約書・書類・台帳管理 | 紙・ファイル・Excelで分散しがちな情報をデータベースに置き換えやすい。添付ファイル、検索、権限管理との相性も良い |
| 学校・自治体などの情報共有基盤 | 高額な専用システムを導入しづらい現場において、低コストで整備しやすい |
| 生産管理システム | SQLを直接用いてデータを抽出・加工できるため、大量の部品データや複雑な在庫計算を伴うシステムを構築できる |
|---|---|
| 高度な在庫・出荷管理 | 倉庫別の棚卸ロジック、期限管理、運送会社とのAPI連携、複雑な引当計算ができるため |
| 全社統合ワークフロー | 独自のAPI連携ロジックをコードで記述できるため、全社規模の複雑な分岐条件や外部システムとのリアルタイム同期を実現できる |
| レガシーシステムのフロントエンド刷新 | 既存データベースの直接参照・更新能力に強みを持ち、操作画面だけを現代的なUIやスマホ対応に変えられる |
| 異常検知・予測アプリ | AI機能を備えたツールなら、過去の膨大な蓄積データをもとに、統計的な異常検知や生産性低下の予測などが可能に |
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(出所:kintone公式Webサイト)
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(出所:サスケWorks公式Webサイト)
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(出所:@pocket公式Webサイト)
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(出所:Studio公式Webサイト)
ノーコードツールの特徴・仕組みや選び方、比較ポイントといった詳細情報は「【2026年版】ノーコードツール比較16選!料金相場やタイプ別の選び方」にて紹介しています。より多くのサービスも掲載しているので、ぜひご参照ください!
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(出所:Mendix公式Webサイト)
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(出所:Accel-Mart公式Webサイト)
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(出所:TALON公式Webサイト)
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(出所:Agentforce 360公式Webサイト)
ローコードツールの機能やタイプ分け、比較ポイントといった詳細情報は「ローコード開発ツールの比較13選。できることや違いは?」にて紹介しています。より多くのサービスも掲載しているので、ぜひご参照ください!
本記事では、ノーコード・ローコードツールの違いや、導入・運用を成功させるための具体的なメリット・デメリット、注意点について解説しました。
現場のニーズに即したアプリをスピーディーかつ低コストで構築できるノーコード・ローコードツールは、企業のDXを加速させる強力な手段となります。しかし、「現場のフローに合わず使われない」「際限のない微調整で開発が終わらない」といった失敗を招くリスクも少なくありません。
導入・運用を成功させるためには、以下のような「仕組みづくり」が重要です。
自社に最適なツールを選ぶ際は、利用者のITスキルや、解決したい課題の複雑さ、将来的な拡張性の有無などの観点から比較検討すると、自社に合ったサービスを見極めやすくなります。本記事を参考に、ノーコード・ローコードツールの導入を検討してみてください。
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