最終更新日:2023-10-28
コストを抑えて手軽に自社の店舗アプリを制作したいと考えている方や、アプリを通じて販売チャネルの拡大や実店舗への集客強化を図りたい方へ。店舗アプリ作成サービスの概要やメリット、機能、タイプ別の選び方、費用相場、比較ポイントを、おすすめサービスとともに紹介します。
店舗アプリ作成サービスとは、飲食店や小売業といった店舗のオリジナルアプリを、スクラッチ開発よりも安価かつ手軽に作成できるサービスです。
アプリをゼロから自社開発する場合、開発技術やノウハウ、高額の開発費用、長期の準備期間などが必要です。その上、無事開発に至っても、AppleやGoogleの厳しい審査を受け、定期的なメンテナンスや更新作業を行わなければなりません。
しかし、店舗アプリ作成サービスを利用すれば、専門知識や技術、長期の開発期間などは不要。「ポイント制度を導入したい」「オリジナルの凝ったデザインにしたい」といった要望に応えるだけでなく、顧客管理、集客強化といった機能まで備えたオリジナルアプリを手軽に作成できます。
効率的な情報発信、顧客のファン化、つながり強化、広告宣伝費などコストの削減、データ利活用といったメリットがある店舗アプリは、様々な業種で活用されています。いくつかの業態ごとに、店舗アプリの活用事例と導入のメリットをご紹介します。
開封率の低かったメルマガや、コストのかかる郵送のDMに代わる集客ツールとして店舗アプリを導入したカフェの事例では、プッシュ通知によりアプリ会員の総来店数が10～15%アップ。スタンプカードや、プレミアムメンバー登録を行なった会員へのドリンク無料特典などが、来店のきっかけになっています。また、アプリ内にデリバリーサイトへのリンクを貼り、出前と店舗での相乗効果も図れます。
顧客が店頭で直接クーポンを提示できるのも店舗アプリのメリットです。小売店の場合、提示するだけですぐ使える手軽さ、便利さ、更にグループ共通のポイントを付与したことから、高いダウンロード数と利用率を実現した事例が。オンラインショップへのアクセス導線をアプリに組み込むことで、EC利用率も向上させられます。
ハガキによる販促コスト削減・効率化を狙って店舗アプリを導入した美容院では、コスト削減以上に顧客エンゲージメントの強化を実現した事例が。アプリIDと店舗のカルテ番号との紐づけにより、次回来店のタイミングに合わせたクーポンの自動配信や、顧客に合わせた個別配信によって、安定した集客が叶います。
宣伝やDMにかかるコストを抑えながら、顧客に的確にアプローチできる店舗アプリ。続いては、店舗アプリ作成サービスの持つ具体的な機能をご紹介します。
サービスや得意な業種によって差はありますが、店舗アプリ作成サービスの多くは以下の機能を搭載しています。
| 機能 | 内容 | 具体的な機能例 |
|---|---|---|
| アプリ作成機能 | オリジナルのデザインで必要機能を配置したアプリをレイアウトできる | フリーレイアウト、Webビュー、イントロ（インストール時にアプリの特長を紹介する）、スクロールメニュー、セール情報のバナー表示 |
| 集客機能 | ポイントやクーポンなど、顧客ごとに最適な集客手段でアプローチ可能 | ポイントカード、スタンプカード、クーポン、プッシュ通知、会員証、ゲーム、アンケート、混雑状況の表示 |
| 外部連携機能 | 各種外部システムとの連携により、案内から購入までの一連のフローをアプリ内で完結。販売チャネルの拡大が可能 | 決済、予約、POS、テイクアウト・デリバリー、ECサイトとの連携 |
| マーケティング機能 | アプリの使用状況をデータ分析し、より効果的なマーケティング施策につなげる | アクセス統計、顧客管理、開封率解析 |
| プロモーション機能 | 分析したデータを使ってSNSなどで配信。顧客がクーポンなどをシェアすることで、新規顧客の獲得につなげられる | ポップアップPR、お知らせ/ニュース配信、おすすめメニュー・アイテムの紹介、店舗情報 |
店舗アプリ作成サービスは、（1）ECサイトの構築もできるものと、（2）実店舗の集客に強みを持つものの2タイプに大別できます。
ECカートに最適化されたアプリを構築できるタイプ。データを活用してO2O（Online to Offline）を強化したい場合に適しています。実店舗がない場合にEC機能だけを利用する、ECサイトがない場合にサイトをゼロから構築する、といった使い方も可能です。
「アプリンク」は、豊富な機能から必要な情報を組み合わせて、オリジナルの店舗アプリを作成できる店舗アプリ作成サービス。集客、業務改善ツールとして利用できるほか、ECサイトを構築して、取り扱っている商材をオンラインで販売できます。
実店舗への集客を目的としたタイプ。デザインがよく、シンプルな操作のアプリを簡単に導入したい場合におすすめです。既存のECサイトとの連携にも対応するものも多く、オンラインショップの強化を図りたい方にも適しています。
たとえば完全ノーコードで店舗アプリが開発できる「店舗アプリDX」は、集客とコスト削減を両立する店舗アプリ開発プラットフォーム。ユーザー情報が一目でわかる月次ダッシュボード、マーケティングオートメーションの自動運用などでお店のファンやリピーターを増やし、集客率を向上させます。ブログ感覚の簡単な操作で、フルデザインのオリジナルアプリが誰でも容易に運用可能です。
店舗アプリ作成サービスの費用の相場は、大まかに月額5,000〜20,000円程度といえます。上記「店舗アプリ作成サービスのタイプ別の選び方」で説明した2つのタイプのうち、「（2）実店舗の集客に強みのあるタイプ」の方が比較的安価です。
利用できる機能の範囲に応じた複数の料金プランを提供しているのが一般的で、たとえば、スタンプカードやクーポンなどの特典機能、予約機能やECサイトとの連携といった拡張性、デザインの自由なカスタマイズなどは上位プランから利用できるようになっています。
一方、「アプリメンバーズ」のように、一律料金（月額19,800円）で全機能が使えるタイプも。登録会員数が一定数（10,000件）を超えたら月額費用が加算されていく料金形態となっています。
また、初期費用として別途30,000円程度が必要なアプリや、ECやPOSとの連携オプションを用意しているアプリも。アプリに求める機能を吟味した上で、必要な機能やオプションの有無を検討することで、適切なサービス選びができるはずです。
自社に適した店舗アプリ作成サービスを選ぶ際は、上記の費用感に加えて以下の3つのポイントで比較します。
スタンプカードやクーポン、ポイントカードなど、どのアプリも集客を強化するための特典機能を搭載しています。とはいえ特典には様々な種類や設定方法があるため、より幅広い機能を持つサービスを選ぶことで、顧客接点の強化やリピーター増が期待できます。
「みせプリ」や「アプリメンバーズ」には、クーポンやポイント/ログインボーナス、スタンプカードなど、利用促進に役立つ機能充実。スクラッチ、ルーレットといったゲーム体験の提供など、ユーザーを飽きさせない工夫に富んでいます。
「店舗アプリDX」の「エンゲージメント」オプションを利用すると、会員ステージに応じた特典を付与可能。アプリ内でポイント（スコア）を貯めることで、会員ステージ（ランク）が上がったり、プレミアム特典を付けたりできます。月間最大100位以内までのユーザーに特典を付与する「月間ランキング」機能もあり、積極的な参加や店舗への愛着を高められます。
アプリのデザイン、レイアウトに関して、「思い通りのアプリがデザインできるか」「操作性を考慮した機能配置ができるか」「他社と差別化した工夫を施して、積極的に使いたいと思ってもらえるようにデザインできるか」といった点を検討します。
たとえば「店舗アプリDX」は、重要な情報をトップに最大20枚までセットできる「スライダー」、全メニューを一覧表示する「ドロワー」など、充実した表現方法を基本搭載。
「みせプリ」は、かわいい系からクール・ポップ・ナチュラル系までおしゃれなデザインを豊富に取りそろえており、更に他店との差別化を図りたい場合には、オプションでデザイナーによるオリジナルスプラッシュ（表紙ページ）の作成にも対応しています。
店舗アプリをきっかけに販路拡大を狙う場合は、流通・販売の経路や方法にどこまで対応しているかを確認します。
「GMOおみせアプリ」は、「makeshop byGMO」とのデータ連携によって、ECサイト・POSレジ・GMOおみせアプリの機能を組み合わせられます。また、定期購入や有料会員サービスの管理が行えるサブスクリプション機能や、初期費用・月額料金が無料の簡易的なEC機能も実装。商品点数が少ないなど、初めてECサイトを運営する場合に向いています。
「アプリンク」でもサブスク機能、事前決済、回数券などに対応。ほか、テイクアウト、デリバリーに対応している「店舗アプリDX」といったアプリもあります。
（出所：STORES ブランドアプリ公式Webサイト）
店舗（POS）やECの顧客情報の取得・統合・分析・活用まで、ワンストップで提供するアプリ作成サービス。POSとの連携によって顧客情報を1IDで管理・統合できるため、アプリ内でのネットショッピングをはじめ、オンライン・オフラインをまたいだ施策が実現する。
顧客情報の収集・分析ができる独自のアプリ開発や、マーケティングオートメーション、ポイントプログラムの導入など、多彩な機能を搭載。「STORES ネットショップ」のほか、ECプラットフォーム「Shopify」など外部システムとの連携にも強い。
（出所：アプリンク公式Webサイト）
充実した機能と洗練されたデザインテンプレートで、11,500店以上に支持されている店舗アプリ作成サービス。プッシュ通知、スタンプカード、ポイントカード、クーポン機能といった再来店を促す機能や、決済やチケット発行への対応で顧客満足度を底上げ。テイクアウトメニューの掲載や設定、決済処理もアプリ内で完結できるため、テイクアウトの導入がスムーズに行える。
全機能を完備した「スタンダードプラン」、チケット機能とテイクアウト機能にそれぞれ特化した「ライトプラン デジタルチケット」「ライトプラン テイクアウト」を用意。使う機能に応じて最適な料金プランを選択できる。
（出所：GMOおみせアプリ公式Webサイト）
集客・販促に強みを持つ店舗アプリ作成サービス。基本仕様＋セミオーダーのパッケージプランのため、「カスタマイズだけで制作を完結したい」「サポートが手厚いサービスを選びたい」場合におすすめ。ダッシュボードで視覚的にアプリ運用状況を理解でき、クーポンやニュース配信、キャンペーンの効果測定といった業務負担も軽減可能。利用可能店舗数に応じて3つの料金プランを提供している。
オプションプランとして、初期費用·月額費用が無料で使える簡易版EC「GMOおみせアプリカート＋」を提供。ネットショップと来店で共通のスタンプ付与ができることから、顧客満足度の向上も期待できる。
（出所：アプリメンバーズ公式Webサイト）
PCやスマホの管理画面から内容や画像の変更・編集が簡単にできる店舗アプリ作成サービス。高い操作性を持つサービスで、個性的なデザインのアプリを制作したい場合におすすめ。QRコード読み取りポイント、コード入力ポイント、金額連動ポイント、レジ連動ポイントなど、様々な方法でのポイント付与ができ、クラウドPOSレジ「スマレジ」と連携ができる点も特徴。
「全員に」「個別に」「誕生日に」など、プッシュ通知の配信対象を自由に選択できる。ほか、クーポンやスクラッチ、分析集計、会員管理といった便利な機能を多数搭載。
（出所：店舗アプリDX公式Webサイト）
900社8,000店舗が導入している完全ノーコードの最新DXアプリ開発プラットフォーム。店舗情報、クーポン、スタンプカード、プッシュ通知、会員証、マーケティングオートメーション、アンケート、分析ダッシュボード、Web決済と、必要な機能を網羅的に搭載している。
プロのアプリUI/UXデザイナーが、フルデザインで最適なアプリを提案。ブログ感覚の操作性と見やすいUIで、誰でも簡単に利用できる。最短20日でスピード導入でき、アプリとWebサイトの同時運用も容易。
（出所：みせプリ公式Webサイト）
制作からストア申請まで、ワンストップでサポートする店舗アプリ作成サービス。シンプルなデザイン構成で、業種を問わず見やすいアプリを制作可能。簡易的な管理機能を備えたオンラインショップ機能もあり、知識や経験がなくても自社商品を手軽にオンライン販売できる。
店舗数や利用期間に合わせた4つの料金プランを用意しており、最もこだわりたい場合の「カスタムプラン」では店舗だけの専用サーバーが提供される。POS連携、アプリ用ロゴマーク作成、店舗付近の顧客にアプローチする「GPSクーポン」などオプションも充実。
（出所：ミセテ公式Webサイト）
「Android/iOS対応アプリ」と「コンテンツ管理システム」を制作できる店舗アプリ作成サービス。多言語対応に強みを持ち、英語、中国語（繁体・簡体）、韓国語、タイ語に対応。登録自体は日本語で行い、翻訳エンジンで自動翻訳するので、言語力に不安がある場合でも安心して使える。インバウンド対策を強化したい店舗におすすめ。
プッシュ通知配信、コンテンツ更新、利用状況の分析は専用のコンテンツ管理システムから操作。Webシステムのため、インストール不要で、端末の種類を選ばず利用できる。
業種を問わず、店舗の良さを手軽に発信できる店舗アプリ。店舗アプリ作成サービスを利用すれば、本来アプリ開発にかかるコストやノウハウを必要とせず、簡単にオリジナルアプリが作成でき、顧客管理、集客強化、宣伝、顧客のファン化が効率的に行えます。
店舗アプリ作成サービスは、大きく以下の2つに分かれます。
サービス選定の前に、「アプリ作成を機にECサイトも立ち上げたい」「デザインによって他店との差別化を図りたい」など、アプリ作成の狙いをある程度絞るとスムーズでしょう。
店舗アプリ作成サービスの相場は、大まかに月額5,000〜20,000円前後といえます。費用感に加えて、以下の3つのポイントで比較することで、自社のニーズに合ったサービスが選べるはずです。
オリジナルのアプリには、熱意をもって運営しているお店の魅力を最大限発信できる力があります。店舗アプリ作成サービスを利用して、お店のファンを更に増やす、そして顧客が楽しく利用できる店舗アプリを作成してはいかがでしょうか。
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