ファクタリングとは、期日前の請求書を現金化することで、企業の資金繰りをスムーズにするサービスのこと。基本的な仕組みや利用の流れ、安心して利用するための注意点などについて紹介します。
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ファクタリングとは、「入金を待つしかないお金」を「今すぐ使える現金」に変える仕組みです。
たとえば、あなたの会社が取引先に100万円の請求書を出したとします。ところが、その入金は翌月末。支払いまで1か月以上も待たなければなりません。でも、仕入れや人件費などの支払いは今すぐ必要で、このままでは事業が回らなくなってしまうかもしれません。
そこで登場するのがファクタリングです。請求書という「売掛金」をファクタリング会社が買い取ってくれるので、本来は翌月に入るはずのお金を即現金として受け取ることができます。つまり、「請求書を待つ」から「請求書を現金化する」に変えることで、資金繰りをスムーズにする手助けとなるのです。
比較項目 | 銀行融資 | ファクタリング |
---|---|---|
資金調達までの期間 | 数週間〜1か月ほどかかるのが一般的。審査に時間がかかる。 | 最短で即日〜数日。請求書があればスピーディーに現金化できる。 |
必要書類・審査 | 決算書・事業計画書・税務申告書など多数必要。会社や経営者の信用力が厳しく審査される。 | 請求書(売掛金)が主な対象。取引先の信用力が重視され、必要書類は比較的少ない。 |
信用情報への影響 | 借入なので「返済義務」が発生。融資情報は信用情報に登録され、将来の借入にも影響する。 | 借入ではなく「売掛金の売却」扱い。信用情報には記録されず、ほかの借入枠に影響しない。 |
財務上の処理 | 負債(借入金)として計上され、バランスシート上の借入残高が増える。 | 売掛金の譲渡として処理され、負債計上は不要。財務上はオフバランス処理が可能。 |
※信用情報とは、ローンやクレジットカードの利用履歴や返済状況をまとめた「お金の信用度」を示す記録のことです。銀行融資は返済義務があるため信用情報に記録されますが、ファクタリングは借入ではないため記録されません。
ファクタリングは、銀行融資のように厳しい審査や返済義務がないため、赤字決算や創業間もない企業でも利用しやすい方法です。特に、急な支払いに備えたいときや、借入を増やさずに資金を確保したいとき、売掛金はあるのに手元資金が不足しているときに効果を発揮します。小口から柔軟に使える点も魅力で、資金繰りを安定させたい企業にとって心強い選択肢となります。
本記事では、そんなファクタリングについて、メリット・デメリット、利用の流れ・利用法などをわかりやすく紹介します。基本的なことよりも、「今すぐサービスを利用したい」という方は以下の記事を参照ください。おすすめのファクタリングサービスや選び方を紹介しています。
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ファクタリングにはメリットだけでなく、デメリット(利用上の注意点)もあります。以下、それぞれ箇条書きでわかりやすくまとめておいたので参照ください。
ファクタリングは、借入に比べてスピーディーかつ柔軟に資金を確保できる点が大きな強みです。信用情報に影響せず、担保や保証人も不要なので、多くの企業が利用しやすい資金調達方法といえます。
ファクタリングは、便利な一方でコスト負担や業者選びに注意が必要なサービスです。特に、手数料の高さや悪質業者によるトラブルには気をつける必要があります。
ファクタリングの大きな特徴は、とにかく現金化までが早いことです。売掛金の入金が1〜3カ月先でも、資金繰りに困ったときにすぐ使えます。
申込から入金までの早さは、サービスや方法によって異なりますが、2社間ファクタリングなら最短で即日入金も可能です。ただし、初めて利用する場合は審査や契約に時間がかかることもあるため、事前に確認しておくと安心です。
また、最近はオンライン完結型のサービスも増えており、必要書類をアップロードするだけで申し込みが完了。郵送や対面よりもスピーディーに資金を確保できます。
ファクタリングで現金化するまでの流れは、一般的に次のようになります。
なお、取引先への通知が必要かどうかは、2社間ファクタリングか3社間ファクタリングかで変わります。2社間は取引先に知られずスピーディーに資金化できますが手数料は高め。3社間は取引先に通知されますが、その分コストを抑えやすい仕組みです。
ファクタリングの種類としては、売掛金の回収後に自社からファクタリング事業者に支払う方法(2社間ファクタリング)と、ファクタリング事業者が売掛金を取引先から直接回収する方法(3社間ファクタリング)が一般的です。そのほかにも、診察・介護報酬ファクタリング、リバースファクタリングなどがあります。
2社間ファクタリングは、自社とファクタリング会社の2社間の契約・やり取りのみで完結するファクタリングです。取引先にファクタリングを利用していることを知られることがないため、取引先に「資金繰りが上手くいっていないのではないか」などの不信感を与える心配がありません。
一方、3社間ファクタリングは、自社とファクタリング会社と取引先の3社を含めた契約が行われ、現金化後の支払いは取引先から直接ファクタリング会社へ入金される、というもの。
「支払いの回収リスク軽減」というメリットがあるため、2社間ファクタリングよりも手数料が安価なことがほとんど。ただし、取引先にファクタリングを利用していることを知られてしまうほか、取引先の合意が必要なため現金化までに時間がかかる、といった注意点があります。
通常の買取ファクタリング以外にも、事業者・内容に合わせた特化型のファクタリングがあります。たとえば、以下のようなものがあります。
国民健康保険や健康保険組合などからの振り込みを待たずに、医療・介護報酬を早期に資金化できる、病院や介護事業者向けのファクタリング。診療報酬債権は貸倒れのリスクが低いため、ほとんどの場合、一般的なファクタリングよりも手数料が低く設定されています。
売掛債権をファクタリング会社に売却して資金調達する通常のファクタリングとは逆に、買掛金を有する「受注企業側」がファクタリング事業者に依頼し、取引先への支払いを立て替えてもらうタイプ。買掛金の支払いを一時的に先延ばしにできます。
ただし、リバースファクタリングを利用するには、「株式会社全銀電子債権ネットワーク(でんさいネット)」が取り扱う決済手段「電子記録債権(でんさい)」を導入しなければいけません。
一般的なファクタリングは国内企業間での取引で発生した売掛金を扱うことがほとんどです。しかし、国際ファクタリングは海外企業との取引で発生する売掛金の回収リスクを回避するための手法として利用されています。
国内外のファクターが連携し、海外の販売先(バイヤー)の信用調査を行うほか、輸出品に対する代金回収の保証を行っています。
対象条件を満たし、必要な金額に見合う売掛債権がそろう算段が立ったら、ファクタリング会社に問い合わせて申込みを進めてみましょう。審査後に買取額が提示され、契約が成立するまでは費用がかからないので、とりあえず申込みをしてみるという使い方もできます。もちろん、買取額に満足できない場合や、資金が準備できて不要になった場合などは、申込みをキャンセルすることも可能です。
どのファクタリング事業者を利用するのか、いつまでに入金が必要なのかは、申込みをしてからサポートデスクや担当者と相談して進めていく、という使い方でも問題ありません。
売掛債権を持っていれば、企業に加えて個人事業主やフリーランスを対象とする場合も多数あります。しかし中には、法人向けながらも合同会社は利用できない、といったケースもあるので、対象条件をしっかりと確認しておくことが大切です。
ファクタリング事業者によって必要な書類が異なります。大規模なファクタリングでなければすべてが必要となるケースは稀ですが、以下の書類をそろえておくと安心です。
1.登記簿謄本(法人の場合) | 申込み企業が本当に存在するかを証明するために必要になる場合があります。 |
---|---|
2.印鑑証明書 | 契約書に署名押印するサイン・印鑑を証明するために提出が求められます。代表者個人の印鑑証明書・法人の印鑑証明書のどちらも必要になる場合があります。 |
3.代表者の身分証明書 | 第三者の成り済まし防止・本人確認のため、運転免許証やパスポートなどの写真付き身分証明書や、住民票などが必要になる場合があります。 |
4.確定申告書、または決算報告書 | 申込者と取引先の事業規模といった会社の業績を確認するために、税務署へ提出した財務関係書類はほぼ必須です。過去3期分程度あると安心ですが、創業から間もなく書類が用意できない場合は事業者に相談してみましょう。 |
5.取引履歴が確認ができる通帳 | 事業で利用している預金通帳を提出します。売掛先企業との継続的な取引の有無や頻度、申込み企業の過去数カ月分の取引履歴から、支払い能力を判断します。 |
6.売掛先企業との基本契約書 | 掛先企業との継続的な取引の証明として使用します。基本契約書を提出することで、請求書や納品書がなくてもファクタリングを受けられる場合があるので、基本契約を結んでいる場合には提出できるように用意をしておきましょう。 |
7.売掛先企業との売買契約書 (3社間ファクタリングの場合) |
3社間ファクタリングを行う際に必要になります。ファクタリング事業者への申込み後に書類を受け取り、取引先から契約の合意を得ます。 |
8.売却予定の発注書、納品書、 請求書など |
売掛金が存在することを証明するため、売掛債権の金額や入金日がわかる書類を提出します。請求書が一般的ですが、見積書や納品書などで申請可能な場合もあります。 |
ファクタリング事業者によって、売掛債権の買取可能額の下限や上限が設定されていることが多く、10万~数百万円程度が一般的です。中には数万円程度〜下限設定なしの少額対応可能なものや、上限を設けずに数億円までの大規模買取に対応できるものがあります。
ただし、高額入金に対応したファクタリングは、利用者を法人企業のみに限定している場合がほとんどです。必要な金額の規模を確認してからコンタクトをとると、相談や審査などがスムーズに進められるでしょう。
また、売掛債権の全額でなく一部のみを売却するなど、買取金額を設定できるファクタリング事業者もあります。必要な額は少額だが高額な請求書しかない場合などは、余分な手数料の負担を抑えることができるためおすすめです。
ファクタリング事業者は以下の3タイプに大別できます。
ファクタリング事業者によって手数料や利用限度額、申請方法などが大きく異なるため、できるだけ良い条件で利用するために、複数のファクタリング事業者に見積り依頼をするようにしましょう。
アポイントや移動の手間がかからず、更に申込みから入金までのスピーディーな手続きができるのが特徴です。ZoomやSkypeといったWeb会議システムを使って面談を行うなど、オンライン上ですべての手続きが完結します。中には、AI審査を採用して即日入金が可能なファクタリング事業者もあります。
多くのファクタリング事業者が買取可能額の上限を設けていますが、その規模は数百万から数億円までファクタリング事業者によって大きく異なります。必要な資金の調達額が大きい場合は、大規模買取の経験が豊富な事業者を選ぶと、相談や審査などがスムーズです。
資金調達の進め方について、担当者にイチから相談できるのが特徴です。また、担当者と直接面談することでファクタリング会社の信用度を見極めたい、審査の透明性を重視したいといった場合は、対面型のほうが安心感を得やすいでしょう。
なお、ファクタリング事業者の詳細については「ファクタリングサービス比較14選。料金・種類やタイプ別選び方まで」でご紹介しています。
最後に、ファクタリングに関して寄せられることの多い質問に、FAQ形式でお答えします。
Q1.ファクタリングは違法じゃないの?
A:違法ではありません。ファクタリングは、請求書(売掛金)を譲渡する「債権譲渡」の一種で、法律に基づいた正規の取引です。貸金業とは異なり、適切に運営されている限り合法的に利用できます。
Q2.ファクタリングは税金や社会保険を滞納していても使える?
A:銀行融資とは違い、税金や社会保険の滞納があっても利用できるケースがあります。ただし、審査基準は事業者ごとに異なるため、事前に相談して確認することが大切です。
Q3.ファクタリングは信用情報に載る?
A:融資やローンとは違い、ファクタリングは借入ではなく「売掛金の売却」です。そのため信用情報機関に記録されることはなく、ほかの借入枠や将来の融資審査に影響を与えることはありません。
Q4.ファクタリングは売掛先にバレる?
A:2社間ファクタリングであれば取引先に通知されずに利用できることが多く、知られるリスクは低いです。ただし3社間ファクタリングでは取引先の承諾が必要になり、通知が行われるのが一般的です。
Q5.ファクタリングは個人事業主でも使える?
A:請求書を持つ個人事業主やフリーランスでも利用できる事業者は多数あります。ただし、会社の形態や取引規模によっては利用できない場合もあるため、条件を確認してから申し込むのがおすすめです。
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