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データセンターの電気代の削減方法とAI・IoT活用メリット

データセンターの電気代の削減方法とAI・IoT活用メリット

最終更新日:2023-04-26

データセンターの更なるコスト削減に向けて、電気代を削減する方法が知りたい方へ。新機器の導入やマンパワーに頼った運用作業とは一線を画す、AIやIoTを活かしたサービスによる電気代削減手段を紹介します。

目次

データセンターのコスト構造。電気代の占める割合は?

少し古いデータですが、総務省「データセンター利用に関する国内外の動向に係る調査研究」(2010年)によると、データセンターのコスト構造は以下のように言われており、施設費や人件費と並んで、電気代の割合が高いことがわかります。

また、電気代の中でも、冷却用の空調が占める割合は特に高いため、空調の運用改善は電気代の削減に直結すると言えます。

「データセンターのコスト構造」と「電気代の内訳」 円グラフ

 

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データセンターの電気代削減が求められる背景

資源高騰やウクライナ情勢などにより、2021年秋より電力の平均単価は大幅な上昇傾向が続いています。2023年4月に予定されていた電力各社の規制料金値上げは申請時点よりも燃料価格が下落傾向となったため6月以降に先送りとなりましたが、先送りされただけで依然として値上げ傾向にあるとする見方が主流です。

また、今回見送られたのは規制料金のみで、低圧(自由料金)や高圧、特別高圧の電気料金は多くの電力会社で値上げが発表されています。

そのため、電力の使用効率を高めない限りは、電気代が占めるコストの割合が更に上昇することとなり、利益を圧迫します。

 

データセンターの電気代を削減する4つの方法

それではデータセンターの電気代を削減するための基本的な方法をみていきましょう。

1.サーバー、ネットワーク機器、UPSなどのIT機器や空調設備の高効率化

できるだけ少ない電力でも処理能力が高いIT機器や空調設備に入れ替えます。ただし、IT機器などの減価償却期間中だと、既存設備を破棄して導入するとかえって割高になってしまうリスクがあります。基本的には、機器の増設時や、償却期間終了後の入れ替え時期での実施がよいでしょう。

また、その際に、性能の高いサーバーやネットワーク機器で、2台分を1台で処理できる環境を整えればトータルの電力消費量を下げることもできます。当然ですが、電気代負担を踏まえた機器選定が重要です。

2.新方式の冷却システムの採用

これも前述の方法と同じく新設時や減価償却終了後になりますが、単に性能の高い空調機を導入するのではなく、水冷・空冷式の冷却システムや局所冷却システムなどを導入することのも手です。

中には、自然エネルギーを活用できる外気を利用する外気導入式空調機があります。データセンター内の温度よりも外気の方が低い場合は、外気を用いて冷却できるため電気代の大幅な抑制が期待できます。特に寒冷地では効果的でしょう。

3.空調稼働の適正化

空調の冷却に偏りがあると、一部の箇所の温度を下げるために、非効率に冷却していることが多々あります。その場合、温度を下げたい箇所をピンポイントで冷却できるようにすると無駄を減らせます。

また、空調機によっては、急な冷却のためにフル稼働させると、運転効率の低い稼働状況になってしまう機種もあります。空調機の処理能力を踏まえて、ムダやムラがないように、稼働させることが重要です。

4.細かな改善の積み重ね

冷却効率を高めるためには細かな改善を積み重ねていくことが大切です。

たとえば、風通しが悪いと冷却効率が落ちてしまうためサーバーラック内のケーブル配線の風通りをよくする、サーバーラック間の設置間隔を調整する、風の流れのために板を置く、などの細かい工夫は少しずつ効果が積み重なります。

また、空調機から供給される冷気が十分にサーバーやネットワーク機器などのICT装置に行き渡らなかったり、ICT機器が自身の排気を直接吸い込んでしまったりすることで、データセンター室内に局所的な高温部が発生してしまうという問題もあります。

この問題への対処としては、空調機からの冷気が排気と混合することなくICT機器に供給され、ICT機器から排出される高温空気が冷気と混合せずに空調機に還気される設備にするという手があります。つまり、空調機からの供給冷気とICT機器からの高温排気とを分離できるように、壁や屋根を設け、冷却空気を逃さずICT機器に吸わせるのです。

大きな改善効果にはならないため、目に見えた効果は感じにくいですが、継続的な改善活動は、コスト削減だけでなく、メンテナンスのしやすさにも好影響を与えることからIT機器の安定運用にもつながります。

 

AI・IoTを活用してデータセンターの電気代を削減する方法

前項の取り組みをすでに一通り行っている場合、更にできる対策は「AI・IoTによる効率的な空調制御」です。

「空調稼働の適正化」のために、手動で空調設定を行うにも、室内や外気の状況を踏まえた設定作業には一定の知見や経験が必要になり、ベテランに頼りがちです。土日や夜間など人手が少ない時間帯は細かく実行しきれない、という問題もあるでしょう。

AI・IoT活用メリット

この問題の解決策として、AIやIoTを用いたサービスが提供されはじめています。仕組みは、データセンターに設置したIoTデバイスが温度を計測し、温度情報をクラウドに送信。クラウドでデータセンター内の温度状況や温度の基準値との差異を分析して表示、緊急の冷却が必要な場合はアラートで通知します。

加えて、温度状況を学習したAIが、自動で空調を制御して温度の差異を抑制する「AIによる空調自動制御」まで行えます。

AI・IoTの活用により、温度の監視や空調の制御はAIに任せて、ベテランが不在でも高効率にデータセンター運用ができる環境が整います。

 

AI・IoT活用によるデータセンターの電気代削減効果

AIやIoTデバイスを活用した自動制御により、空調機にかかる電気代の25~30%程度を削減できた、という事例が報告されています。

削減幅は現状の電力使用効率(PUE)や運用規模にもよりますが、ある程度IT機器台数の多いデータセンターであれば、電気代削減効果による費用対効果の面でも、そしてデータセンター運用担当者の負担を減らす面でも十分導入検討の価値があるでしょう。

また、AI・IoTによるサービスは、IT機器や空調機の減価償却などのタイミングを考えずに、いつでも導入できる、という点で導入のハードルが低いサービスなのもおすすめのポイントです。

たとえば、清水建設と三谷産業による「SMT(Smart Management Technology)クラウド」はAIとIoT温度センサーを用いて空調の自動制御を実現するサービスです。IoTセンサーで収集したデータをAIで継続的に学習、最適な温度環境を必要最小限のエネルギーで実現する制御情報を空調機器に送信します。

 

AI・IoTでデータセンターの電気代を削減する主なソリューション

AIやIoTを活用した空調機の自動制御も可能な主なソリューションをご紹介します。料金については、設備によって大幅に異なるため、見積もりが必要です。

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Smart Facility Manager(株式会社TOKAIコミュニケーションズ)

Smart Facility Manager公式Webサイト

(出所:Smart Facility Manager公式Webサイト)

AIとIoT温度センサーを用いた空調の自動制御により、データセンターの電力使用量の削減や運用業務の負担軽減を実現するクラウドサービス。空調の自動制御は行わず、温度の差異分析に利用することも可能。1分間隔のリアルタイム監視によるグラフ表示や、自動制御による特定箇所のピンポイント冷却に強みを持つ。閾値到達時のアラート通知にも対応。改善点を分析・レポーティング・提案する運用支援メニューも提供しており、改善の知見を得たいという目的にも適している。

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SmartDASH(株式会社NTTファシリティーズ)

SmartDASH公式Webサイト

(出所:SmartDASH公式Webサイト)

AIと無線の温度センターを用いて空調の自動制御を実現するサービス。温度センサーで計測して収集サーバーに無線でデータを送信。サーバーでは収集した情報を継続的に学習・分析。独自アルゴリズムにより自動学習により、消費電力を最大30%削減する。
また、ホットスポットやコールドスポットの位置や範囲を表示する「温度分布表示」や、各空調機の冷却範囲を表示する「影響度分析表示」での空調管理の見える化もできる。

詳細はこちら

 

まとめ

データセンターのコストを削減するには、変動費である電気代の抑制が効果的です。これまでは高効率なIT機器や空調機の導入、手動操作による空調設定などで電気代を削減してきましたが、最新機器の導入は簡単ではなく、手動操作は運用の負担が大きいという課題がありました。

しかし、最近ではAIやIoTを用いたデータセンター空調制御技術が登場。温度状況の把握や、自動制御も活用されるようになり、電気代削減により一層踏み込みたい企業にとって有効な選択肢です。

AI・IoTによる空調制御の肝は「ベテランでなくても高効率にデータセンター運用ができること」です。属人化を防ぎ、よりデータドリブンな管理が可能となります。

また、経験豊富な人材を空調管理に割かれずに済むため、人材のより効果的な活用が見込めます。

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Smart Facility Manager|インタビュー掲載

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AIとIoT温度センサーを用いた空調の自動制御により、データセンターやサーバールームにおける空調電力使用量の削減や運用業務の負担軽減を実現するサービスです。見え...

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