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デジタルアダプションツール6選。システムの活用・定着を促進

デジタルアダプションツール6選。システムの活用・定着を促進

最終更新日:2022-07-08

社内システムの浸透や効果に課題を感じている担当者の方や、SaaSやクラウドサービスのUIを改善したいCS担当の方へ。システムの利用やUI/UX改善に役立つデジタルアダプションツールの概要やメリット、具体的なサービスについてご紹介します。

目次

デジタルアダプションとは?

デジタルアダプションとは、導入したシステムやソフトウェアを意図された通りに使えている・定着している状態を指す言葉です。

現在、多くの企業ではDXを進めており、従来の業務の進め方を刷新しています。会計システムや在庫管理システムなどを導入することで、業務効率化による生産性の向上や属人化の解消といったメリットや、蓄積されたデータの活用によって会社の意思決定に利用できるといったメリットを期待できます。

デジタルアダプションが求められる背景

しかし、システムを導入したからといって安心はできません。「従業員のITリテラシーが低いことで導入したシステムを効果的に利用できない」「従来の慣習から脱却できずにシステムが浸透しない」「新しいシステムを使いこなすための学習時間、社員教育の手間、サポート人員の確保ができない」などの理由により、メリットを最大化できないこともあり得ます。

こうした障壁によって、せっかく導入したシステムが思うように浸透せずに、期待通りの効果が得られないことも少なくありません。

これは、社内向けシステムに限ったことではなく、SaaSやクラウドサービスなどカスタマー向けのWebサービスにも言えることです。情報入力に手間がかかったり、入力するべきことが分かりにくかったりすると、途中で離脱してしまう可能性も。どんなに良いシステムやWebサイトであっても、使われなければ意味がないので、顧客体験の向上に努める必要があります。

デジタルアダプションツールとは?

そこで活躍するのが、デジタルアダプションツールです。デジタルアダプションツールとは、ユーザーがシステムやWebサービスを使いこなすための機能を有しているツールの総称。社内向けのシステムをはじめ、SaaSやクラウドサービスのプロバイダーにおける、顧客のセルフオンボーディングのためのツールとしても活用されています。システムやWebサービスの機能を苦労なく利用する助けとなるツールだと言えます。

 

デジタルアダプションツールの主な機能

デジタルアダプションツールの主な機能としては以下の3つが挙げられます。

(1)デジタルガイド作成機能

システム上に手順が表示され、順番に進めることができるステップ・バイ・ステップのガイドや、入力時のルール、用語の説明、ヒントを画面上に表示させるツールチップを画面上に設置できます。また、誤入力防止機能によって入力内容をリアルタイムに検証し、入力ミスを未然に防止できるので、ユーザーがスムーズに手順を進めることができます。

条件に応じてデジタルガイドを出し分けるなど、ユーザーごとに最適な内容・最適なタイミングを設定できるため、日時、期間、ブラウザ、デバイスなどユーザーの環境に応じた設定も可能です。

なお、システム上にマニュアルを表示させる機能を充実させたい場合には、操作手順書の作成に強みのあるツールを利用することもおすすめです。たとえば、「Dojo(株式会社テンダ)」では検索機能を搭載しており、ナビゲーションを開始するアイコンがブラウザ画面上に常駐し、迷った時にはマニュアルの目次を簡単に検索できます。また、操作上の注意点や、忘れてはいけないポイントなど、紙マニュアルに書き込んでいたメモをデジタル付箋として貼ることができます。

マニュアル作成ツールに関しては、「マニュアル作成ツールの比較15選。4つの目的別の選び方」もご覧ください。

(2)プロセスの自動化機能

システムの入力に際しては、定型操作の発生が多々あります。定型操作が面倒だったり複雑だったりすると、利用の停滞につながりかねません。デジタルアダプションツールでは、定型操作を自動化するオートフロー機能によって、操作時間の短縮、操作ミスの削減を実現。それにより、ユーザーは重要なプロセスにだけ集中できる状態をつくることができます。また、ユーザーが入力した情報を記憶し、自動入力の値として利用することもできます。

ほとんどのデジタルアダプションツールは、プログラミング知識や技術を必要とせず、画面上の操作だけで自動化を実現できます。たとえば、「WalkMe」は、複数のアプリケーションを横断したプロセスをトータルで自動化できるので、クリック作業の省力化、効率化を図ることができます。

(3)利用分析機能

システムの利用頻度や時間、多く使われている機能が記録されるので、システムや各機能の活用状況が把握可能に。ユーザーによるシステムの利用動向を可視化することで、あまり活用されていない機能や非効率な操作を発見して、改善につなげていくことができます。

さらに、導入ガイドやツールチップの利用回数などの分析で、ツールが有効に機能しているのかを確認できます。ユーザーの行動分析を踏まえて、ユーザーが操作に困る場面、離脱箇所、離脱理由の理解を深めることで、的確な改善点の打ち出しなどが可能になり、品質向上に役立ちます。

 

デジタルアダプションツールのメリット

上記のような機能を備えた、デジタルアダプションツールを活用することで、次のようなメリットが得られます。

(1)システムの利用促進

デジタルガイドにより、誰でも簡単かつ正確にシステムが使えるようになるため、「入力時間が短縮される」「煩雑な手続きが簡略化される」「定型業務を自動化できる」など、システム導入の恩恵を受けられるようになります。これによって利用促進を期待できます。

また、管理者がダッシュボード上で、ツールごとの操作の手順や動線をチェックし、無駄な箇所があれば柔軟に修正を加えられます。そのため、自社や顧客にとって使い勝手の良いシステムに改善してくことができます。誤入力や入力漏れなどをなくし、質の高いデータが収集できるようになれば、システムの利用価値を高め、経営における効果的なデータ活用が可能になっていくと考えられます。

(2)教育コストの削減

デジタルガイドの利用により、マニュアルなどでは説明が難しい操作であっても、最低限の情報量で正確に伝えられます。また、マニュアル作成や勉強会といった事前の準備が不要になるので、社内システムを導入する企業にとっては教育の手間やコストの削減につながります。実際の操作を行いながらセルフオンボーディングができるので新人の即戦力化も可能です。

(3)問い合わせ対応の削減

デジタルガイドにより、ユーザーが自己解決できる事項が増えると、問い合わせ数の削減をできます。社内システムの場合、正確な入力や操作ができるようになるので、提出物や申請物に不備がなくなり、差し戻しの手間を減らすことにもつながります。

顧客向けのシステムの場合であれば、ガイドに沿った操作やヒントの表示によって、顧客のセルフオンボーディングが促進されます。また、顧客の疑問点の早期解消とカスタマーサービスの対応時間を圧縮する効果もあります。

さらに、ツールによっては問い合わせ削減のために、誤操作ができないようにあらかじめ設定しておくことも可能です。指定箇所以外を操作できないようにするマスク機能を利用することによって、人的要因によるミスが発生しづらくなり、結果として問い合わせ数の削減につなげられるでしょう。

 

デジタルアダプションツールのタイプ

デジタルアダプションツールは、大きく2つのタイプに分けることができます。

1.従業員のシステム活用支援に強みのあるタイプ

様々な社内システムに対してツールを導入し、従業員の業務を手助けするタイプです。新規システムを導入する場合と既存システムにツールを組み込む場合、両方のパターンがあります。どちらのパターンも、従業員のリテラシーに左右されず、誰もが効率よくシステムを使えるようにすることを目的にしています。

ソフトウェアやアプリなどの積極的な活用・定着化を促進していくために、入力補助やシステムのオートメーション化など、ヒューマンエラーを削減して業務負担軽減に役立つ機能が充実していることが特徴です。

たとえば、「Techtouch」は、面倒な定型操作を自動実行し、不要なシステム操作時間の短縮、操作ミスの削減が期待できるオートフロー機能が備わっていて、ユーザー負担を軽くできます。「WalkMe」は、業務プロセスの完了率を追跡管理し、複数のアプリケーションにまたがってユーザーの行動を理解・改善していく分析機能が充実しています。

また、「Pendo」は、モバイルにも対応し、アプリ内ガイドの作成に強みを持っています。「BizFront」は全Windowsアプリに対応し、画面上に注釈やヘルプ、ガイド、リンクなどを表示できるアノテーション機能が魅力的です。

なお、BizFront以外は、カスタマーサクセス向けの用途でもサービスを展開しています。

2.カスタマーサクセスの効率化

企業や個人に販売するSaaSやサービスに向くタイプです。ユーザーにサービスをストレスなく利用してもらうことを目的としています。その結果、満足度や売り上げの向上、クロスセル、解約・離脱の防止といった面につながります。

特徴は、ノーコードでエンジニアに頼らずチュートリアルを作成できる点です。自社で直接作成するため、ユーザーの声の即時反映や、つまずき箇所をすぐに改善できることから、タイミングが遅れることなく対策できます。

「Onboarding」はガイドの作成に専門的な技術知識は不要、極力エンジニアの工数を使わずにプロダクト改善を行う体制が構築できます。「Fullstar」では、チュートリアルの作成に加えて、アンケートの設置や条件設定をして顧客ごとの活用状況を把握できるなど顧客の声を吸い上げる機能に長けており、解約やアップセルの兆候を逃さず、ハイタッチ管理が可能となっています。

 

主なデジタルアダプションツール(社内システムの活用支援)

社内のシステム定着や活用促進に役立つツールを4つご紹介します。

テックタッチ(テックタッチ株式会社)

Techtouch公式Webサイト

(出所:Techtouch公式Webサイト)

あらゆるシステム上に操作ガイドや入力ルールを示すガイドを展開することで、ユーザー体験を向上できるツール。吹き出し、ポップアップ、選択分岐などのナビゲーションによって、ユーザーは迷うことなく操作できる。
すべてのガイドやツールチップ(入力スペースにカーソルやマウスポインタを合わせると周辺に注釈などが表示される領域)は、利用システム画面上での直感的な操作によって作成と設置が可能。即座にプレビューできるので、ユーザー体験を確認しながら、操作ガイドを作成できる。ユーザーに代わってクリック、入力、セレクトなどの定型操作を自動で実行。操作時間の短縮や操作ミスの削減によってユーザー負担を軽減できる。

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WalkMe(WalkMe株式会社)

WalkMe公式Webサイト

(出所:WalkMe公式Webサイト)

2011年にイスラエルで創業したスタートアップ企業。豊富なガイダンス機能でエンドユーザーの操作を適切にナビゲートし、システムを学ぶ負担を減らすツール。画面にナビゲーションを添えることで、誰でも確実に正しく操作させる環境を整えることができる。
直感的かつストレスフリーのナビゲートでエンドユーザーの満足度を高めて、システムの活用を促進する。既存システムに変更を加えず簡単に導入できるので負担が少ない。業務プロセスの完了率を追跡管理し、アプリケーションを横断してユーザーの行動を理解し改善。Webサイトを利用する際のつまずきポイントを把握しやすくなる。

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Pendo(Pendo.io Japan株式会社)

Pendo公式Webサイト

(出所:Pendo公式Webサイト)

プロダクト分析、アプリ内ガイダンス、プロダクト計画、フィードバックツールを組み合わせたソリューション。ソフトウェアのユーザーデータを収集・分析し、分析結果に基づいてガイドする。ユーザーはWebとモバイル全体でソフトウェアをより効率的に導入できる。
ソフトウェアの利用分析と同時に利用率を向上させる機能が充実。ユーザーの属性に合わせたガイドラインやメッセージの表示をはじめ、ユーザー行動の把握、ユーザーの満足度調査などの機能をエンジニア不要(ローコード/ノーコード)で設定可能。社内構築したシステムの他、Microsoft Dynamics、Salesforce、Xactly, SnartRecruiters, Jaggaerといった代表的なソフトウェアの定着化もサポート。

  • 料金:要問い合わせ

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BizFront(NTT テクノクロス株式会社)

BizFront公式Webサイト

(出所:BizFront公式Webサイト)

NTT研究所のR&D成果を活用し、システム改修なし・低コスト・短期間で業務システムの使い勝手を改善するシリーズ。「BizFront/アノテーション」と「BizFront/SmartUI」の2つのアプリ構成。
「BizFront/アノテーション」は、すべてのWindowsアプリに対応し、画面上に注釈やヘルプ、ガイド、マニュアルなどへのリンクを貼れるツール。Webシステム画面上に拡張UIやアノテーション(関連情報の注釈)を表示させることで、操作者に注意を促せる。ユーザーPCには表示ツールをインストールするだけで導入できる。「BizFront/SmartUI」は、Webシステムに対応し、システム入力フォームなどに機能を追加しUIを改善/拡張できるツール。帳票入力や契約申請内容等のデータ入力業務の効率化とミスの事前防止に役立つ。

  • 料金:要問い合わせ

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主なデジタルアダプションツール(カスタマーサクセスの効率化)

カスタマーサクセスの工数削減に効果的なツールを2つ紹介します。

Onboarding(株式会社STANDS)

Onboarding公式Webサイト

(出所:Onboarding公式Webサイト)

自社サービスにノーコードでガイドの表示ができる、UI/UX改善SaaS。ユーザーごとに最適なガイド表示が可能で、チュートリアル形式やヒント形式のガイドを、ユーザーの状況・属性・習熟度などに応じ、様々な条件設定をして表示することが可能。直感的な操作で誰でも運用が可能で、ガイドの作成に専門的な技術知識や、エンジニアのヘルプは不要。
機能活用レポートは、ユーザーごとのガイド利用率、ログイン頻度、機能活用状況を可視化してPDCAを円滑に。データに基づいて次の改善施策につながる。早期にサービスの利用イメージをつけることで、営業時の訴求や、導入後の活用と定着を促し、LTVの最大化を期待できる。

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Fullstar(クラウドサーカス株式会社)

Fullstar公式Webサイト

(出所:Fullstar公式Webサイト)

15年のSaaS提供実績を持つクラウドサーカス株式会社が提供する、ノーコードでチュートリアルが作成できるSaaS向けツール。顧客自身が活用できる仕組みをつくり、セルフオンボーディングを促進する「チュートリアル管理」、顧客ロイヤリティを知るためのエンゲージメントや、顧客インサイトを知るための自由記述のアンケートなどが作成・表示できる「エンゲージメント・アンケート管理」、プルダウンから条件を選んで顧客の活用状況を確認できる「コミュニケーション管理」が特長。
他にもタスクを割り当てる条件を構築するストーリー編集など、効率的にLTVを最大化できる機能が整っている。お試しで実装し、対応工数を減らしたい企業向けにフリープランも用意されている。

  • 料金:月額50,000円~(ライトプラン) ※無料プランあり

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まとめ

テクノロジーの進化により、従来の業務や体験をより効率的に実現できるシステムが数多く開発されています。しかし、どんなに優秀なシステムであっても、使うのは人間です。うまく活用できれば便利なシステムであっても、覚えるのが大変だったり操作が面倒だったりすると、宝の持ち腐れになりかねません。

デジタルアダプションツールは、こうした課題を解決するために存在するソリューションです。気の利いたアシストで、システムの活用と浸透を促してくれます。すでにシステムの利用に課題を感じている企業やSaaSやクラウドサービスのUI/UXを改善したいと考えている企業は、導入を検討してみるのがおすすめです。

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