最終更新日:2022-04-04
工場における設備の稼働状況を把握・分析して生産性向上やリスク対策につなげたい方へ。IoTを使った設備稼働監視システムのメリットやタイプについてご紹介します。
設備稼働監視システムとは、設置されたカメラやセンサーで工場の設備の情報を収集し、稼働状態を監視するためのIoTシステムです。
工場の生産ラインでは多くの設備が稼働していますが、様々な要因で異常が発生し、機械の故障や生産ラインの停止につながることもあります。設備の稼働を停止させないためには、異常を予測・検知する「稼働監視」が必要です。また、稼働率を正確に把握することにより、設備や人材リソースの最適化が図れるようになります。
これまでは設備の稼働データを収集し、異常点の発見は従業員に委ねられており、常に監視しなければいけないところが大きな負担になっていました。さらにITや各種センサーの発達によって、得られる情報量が増加し、工場内のデータ解析も多様化、細分化されてきました。データの多様化によって、解析をするための専門知識が必要となり、データを評価できる人員の不足や属人化の問題も生じています。
こうした問題を解消できるのが、設備稼働監視システムです。設備の稼働データを幅広く収集し、得られたデータからどのような異常が発見され、設備の稼働にどのように連動していくのかを一元管理可能。データの収集と分析、異常の事前の検知と対応の迅速化と省力化によって、工場の生産性・効率性の向上を期待できます。
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設備稼働監視システムは、クラウド型IoTシステムを採用している場合が多いです。クラウド型IoTシステムは、まず工場内に設置する監視装置に測定のためのセンサーを取り付け、読み取った情報をクラウドに集めていきます。
クラウドで情報を解析し、ある一定の閾値を超えた「異常値」が検出された場合は、アラートを通知・表示できます。クラウド上でデータを処理できるので、工場内のネットワーク環境ではない外部からでも閲覧可能。様々な場所からデータを確認できることもメリットです。
工場内の設備を監視するために用いられるセンサーは、監視対象によって様々なタイプがあります。主に利用されているのは、センサーをネットワークに接続して情報を収集する「IoTセンサー」です。その種類は用途により様々で、稼働監視においては電流センサーや温度センサー、圧力センサーが多く活用されています。以下は代表的なIoTセンサーです。
センサーだけでなく、カメラに関しても画像認識の技術が発達しているため、稼働監視に多く活用されています。たとえば、「工場内の信号灯の色を画像解析して判別」「操作盤に表示された文字を含む情報を識別して設備の稼働状況を把握」「人間を認識して安全確保や従業員の作業時間を集計」といったデータの取得にカメラが用いられます。
設備稼働監視システムを導入するメリットは、大きく3つに分類できます。
設備稼働監視システムは、各設備の稼働状況のデータを集計・記録できます。多くのデータを俯瞰的に分析できるため、工場内のどの設備がボトルネックになり稼働率が低くなっているのか、生産工程の改善点を可視化できます。
頻繁に異常が発生したり、稼働停止が多かったりする設備についても数値やデータを通じて発見しやすくなるので、要因分析が容易になります。工場設備を効果的に稼働できているのか、生産性アップのためにどんな施策を打ち出していく必要があるのかなど、現在の工場内の課題を発見していくことにつながります。
工場設備を人手で監視するデメリットは、異常の発生まで気が付かない、対応が遅い、異常検知の判断基準が属人的になってしまうなどが挙げられます。これでは異常を未然に防ぐことが難しく、発生からの対応にも遅れが生じかねません。一方、設備稼働監視システムでは、収集したデータをもとに自動的にアラートを出し、作業者に伝えることができます。
あらかじめアラートを出す数値や状況を設定しておけば、異常発生の前段階で警告を出すことも可能となります。異常が発生・停止してしまった場合であっても、より早く気づくことができるため、早期に対策を講じ、稼働率の低下を防ぐことにもつながります。
工場の規模によっては設備が多く、作業員の定期巡回をきめ細かく行うことが難しい場合もあります。設備稼働監視システムは、インターネット経由で各設備の稼働状況や、設置したカメラを通して実際の様子を確認できるので、作業負担は大幅に改善されるといえます。
また、モバイル端末から確認できるシステムであれば、手元にPCがない状況でも各設備を確認することが容易です。確認する人の居場所を問わず設備の状況を確認できる点もメリットとなります。
設備稼働監視システムでは、センサーやカメラをIoTで接続し、様々な処理を自動的に行えます。大きく分けて以下の3タイプに分類できます。
「設備の稼働状況やデータをリアルタイムで集約・分析したい」「異常を検知した際にアラート通知をすぐに受け取りたい」「設備の稼働状況だけでなく作業そのものに問題がないか確認したい」といった場合に適しているタイプです。正常に設備が稼働しているかの確認に特化しており、異常時には素早く対応できることが導入メリットになります。
「A-Eyeカメラ」では、AI画像認識が可能なカメラを使って設備の情報を収集でき、AI学習によって質の高いデータ収集が実現できます。「A-POM」はデータ通信の負荷軽減や遅延防止を目的としたデータ処理「エッジ処理」をしているので、どこにいてもリアルタイムに情報を取得することができます。
設備稼働の監視だけでなく、設備の遠隔制御も行えるようにしたい場合に適しています。自動スイッチによるONとOFFの制御から、扉の自動開閉、温度管理などの設定変更といった指示を、現場にいなくても操作できるようになります。
「ezeio」は、温度・電流・振動・圧力といった各種のセンサーに対応していますので、工場の生産ラインだけでなくビニールハウスや倉庫、発電所といった施設でも遠隔制御機能が活用されています。規模は小さいが設備が複数あり、状況の把握と制御に時間がかかる場合や、現場が離れていて直接的な制御が難しい場合に、監視とともに適切な指示が出せることが導入メリットといえます。
設備の稼働状況を集約することに特化しており、データを日報記録や日別の稼働効率などにまとめる機能を備えているタイプです。集約したデータを分析して稼働のボトルネックを探したい、稼働率の改善に活かしたいという場合に適しています。情報の収集を通じて設備稼働の効率化を図り、生産性をアップさせることができます。
たとえば、「FineReoprt」のようなBIツールを利用すれば、複数の異なるシステムのデータを集約し、一つの帳票につなげて分析可能。手間のかかるレポート作成や帳票作業を大幅に削減できます。また生産状況をリアルタイムに把握することで、適切な判断や迅速な対応が実現できるようになります。
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(出所:A-Eyeカメラ公式Webサイト)
AI画像認識を利用した、工場の見える化システムを実現する設備稼働監視システム。設備・機械の稼働情報を人工知能が自動で収集、蓄積された情報はリアルタイムに集計され、アラートなど通知や可視化ツールによって分析できることが特長。
AI画像認識ができるカメラを利用した判別を行うため、設備や機械のメーカー・新旧を問わない情報の取得が可能。AIの判別は設備に設置されている信号灯の光り方からの確認だけでなく、信号灯がない機械の場合でも機械の表示画面から情報を収集できるなど、既存設備への対応力が高い。
またAI学習が可能になるため、環境の変化など情報の精度を高めることができ、質の高いデータ収集ができるようになっている。収集した情報はスマホやタブレットでも確認でき、異常停止を知らせるアラート通知機能もモバイル端末で受信できるよう設定できる。市販のネットワークカメラで対応できるため、IoT用の特別な機器や設備機械との配線接続も不要。導入のしやすさもメリット。
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(出所:A-POM公式Webサイト)
電流センサーに特化し、設備機械から得た情報をクラウド上で参照できる設備稼働監視システム。センサー端末の近くにサーバー機能を持つコンピュータを置いた「エッジ処理」を採用し、クラウド上に保存するため、データ通信の負荷軽減や通信遅延の問題を解消、インターネット回線からどこでも情報が取得できることが特長。
設備稼働監視システムはクランプ型の電流センサーを用いて電流計測を行い、設備状態をリアルタイムに確認でき、取集データを自動集計。設備ごとの集計や日別集計で設備の効率化と人材リソースの効率化を実現できる。シンプルで使いやすい搭載機能だけでなく、タブレット・スマホからリモートリアルタイム稼働監視が行えること、データのCSV出力機能でデータの2次利用がしやすいことも魅力。
(出所:SIG-LITE公式Webサイト)
工場設備の信号灯やネットワークカメラと連動し、工場・事務所・本社・モバイル端末をクラウドでつなげることができる設備稼働監視システム。パトライト製の信号灯を導入している場合、送信機を取り付けることで配線不要、ワイヤレス通信を使って情報を自動収集できる点が特徴的。ワイヤレスカメラは信号灯の状態と連携し、異常発生時等の状況を録画可能、設備状況のガントチャート画面から選択して再生でき、異常発生時の状況確認や分析がしやすくなっている。
クラウド上では稼働管理・保守管理の状況、データの可視化・分析、生産工程の管理、事務所拠点内ではカメラ動画処理など、必要な情報を分けて蓄積していくことができる。
工場以外に事務所や本社がある場合、海外拠点の状況を確認したい場合など、複数の拠点で確認がしたいという場合にも適しているサービスとなっている。
(出所:Nazca Neo Linka公式Webサイト)
「工場マネジメント」をコンセプトに開発した工作機械の稼働監視システム。工作機械の稼働データをリアルタイムに収集し、PCやスマホからいつでもどこでも稼働状態を確認できる。工作機械のステータス変化を知らせるメール機能通知により、異常停止など状況対応の早期化が期待できる。
稼働管理・加工生産管理に強みがあり、ブラウザ上でNCプログラムの送受信や編集ができ、工場内のNCプログラムを一元管理できる点が特長。機械メーカーや新旧問わず、工場内にある幅広い機械に対応できるほか、英語対応により海外工場のシステムを共通化できることも魅力。
(出所:ezeio公式Webサイト)
遠隔監視・遠隔制御を低コストで実現できるクラウド型遠隔監視システム。各種センサーからのデータを⾃動取得し、クラウドサーバを通じてブラウザから記録データやアラートをどこでも受け取れる「遠隔監視」と、設備のスケジュール運転や設定操作、異常時の緊急停止を専用サイトから行える「遠隔制御」の2つの機能を搭載していることが特長。
市販のアナログ出力つきセンサーが使用でき、温度・電流・振動・圧力のセンサーに対応しているため、工場だけでなく農業、倉庫、発電所など様々な場所で導入されている。設置機器であるezeioはSIMカード内蔵で、自力でのインターネット通信が可能。LANケーブルやWi-Fiの届かない屋外などでも問題なく使用できる。IoTに必要な機能がパッケージングされており、1台から導入できるので、スモールスタートしたい場合に向いているといえる。
(出所:コルソス CSDJ公式Webサイト)
上下水道、製造業、農業など多様な業種のIoT化をサポートする遠隔監視制御システム。設備稼働状況や故障情報、上下水道施設における水位・流量などの情報をアナログ回線、PHS、ADSL、光、CATVなど各種通信インフラを用いて監視・通報・制御する機能がワンパッケージ化されており、手軽に低コストで導入できる。
制御項目は、機械運転・停止、ランプの点灯・消灯、ブザー鳴動・停止、ゲート制御(開度指定)など多岐にわたる。
運用形態や規模に合わせたシステムが選択できる柔軟性も強みで、単体、クラウド、オンプレミスでの運用の監視方式に対応する。さらに、拡張IOボード増設により、16入力の接点増設が可能。親子接続を行うことにより、最大96入力まで収容可能な監視端末を構築できる。
(出所:FineReoprt公式Webサイト)
日本大手企業を含む世界7000社以上で利用実績のあるデータ可視化ツール。経営企画での利用のイメージが強いが、データ可視化の利点を活かして、生産管理現場ではIoTシステムとして利用可能。複数の異なるシステムのデータや現場のモバイル端末で取得したデータを集約し、一つの帳票につなげて分析可能。たとえば、無数の機械の稼働状況を独自開発の70種類以上のグラフで、わかりやすく見える化。状況の早期把握・予実管理などにも活かせる。ExcelライクなUIで、操作はドラッグ&ドロップのみ。
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(出所:製造業向け稼動監視パッケージ公式Webサイト)
主に製造業を対象としたサービスで、既存設備を変更せずにデータ収集ができ、現場の作業負担軽減と設備の稼動状況が把握できるIoTシステム。クラウド型ではなく直接配線して専用端末にデータを収集でき、稼働状況、停止要因の分析、設備効率などを確認できる。
Excel連携により日報自動化も可能で、設備に合わせたカスタマイズもできることが特長。
専用端末のみをクランプして接続し、収集したデータをUSB経由で抜き出しできるスターターBOXもあり、導入が容易であることも魅力。
(出所:生産設備連携IoTソリューション公式Webサイト)
製造業向けERP・生産管理システムにおける、生産設備と連携するOKIの3つのソリューションのうちの一つ。「設備稼働見える化」では、PLC、信号灯、センサーといった各種デバイスが持っている生産設備の稼動状況や加工の実績数などをリアルタイムに見える化することができる。
「工場に有線のネットワークが引けない」、「生産設備のデータは社内LANと切り離して運用したい」、といった要件にも、SmartHop(920MHZ帯マルチホップ無線)をはじめとするセンシングネットワーク技術によりネットワークの構築もトータルで対応する。
IoTの進歩に合わせて計測機器の精度が上がり、データ量も大幅に増加・多様化しています。工場の生産ラインなど、多くの機械設備を稼働させている事業所では、安定的な稼働が生産性・効率性向上の重要なポイントとなり、IoTの技術を利用することがその最短経路になっているともいえます。
設備の異常停止を最小限にとどめ、最適な状態で効率よく稼働させていくためには、設備稼働監視システムは大きな役割を果たしてくれるでしょう。設備稼働監視システムを導入する際には、設備の稼働をリアルタイムで監視・確認する機能、遠隔制御ができる機能、データを活用した分析機能など、どこに重点を置いたサービスなのかを自社のニーズに合わせて検討する必要があります。スモールステップで導入できるサービスもありますので、まずは自社に合った効果的なサービスは何かを精査して、導入していくことがおすすめです。
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A-Eyeカメラ(エーアイカメラ)
AI画像認識を利用した工場の見える化システム。必要なものは市販のネットワークカメラとLAN環境のみ。簡単設置、低コストで導入可能。生産設備のメーカーや年代を問わ...
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