最終更新日:2022-12-21
Excelなどの表計算ソフトを使ったデータの分析に限界や不満を感じている方へ。BIツールの機能や導入するメリット、提供しているサービスのタイプや比較ポイントについてご紹介します。
BIツールとは、社内に蓄積された様々なデータを集約し、共有・分析などを行うビジネスインテリジェンス(Business Intelligence)ツールです。
社内のデータは顧客情報、営業成績、経営数値など多岐にわたるため、部門や担当者ごとにバラバラに保管されがちです。その結果、「必要なデータを探すのに時間がかかる」「データがそろっていないため、正確な分析ができない」といった課題が発生しています。
BIツールを利用すれば、社内で点在するデータを集約し、今どのような状況にあるのかを分析したり、グラフによりわかりやすく可視化することができます。経営層では「経営の意思決定が早くなる」「精度が高まる」というメリットが、その他、現場部門でも「事業部のマーケティング立案・戦略策定に活用できる」などのメリットがあることから、多くの企業で導入が進んでいます。
BIツールをお探しの方は、こちらからサービス紹介資料をダウンロードいただけます。
利用規約とプライバシーポリシーに同意の上、
資料をダウンロードしてください。
BIツールによってできるようになることは、主に以下のようなものがあります。具体的な機能をもとに解説します。
社内の様々なデータを集約し、グラフや図表といった形で表示する機能です。主に売上やKPI(重要業績評価指標)を分析対象とし、効率性・パフォーマンスのチェックや素早い異常を検知することで、問題への対応と意思決定の迅速化に貢献します。ダッシュボードにグラフを表示させて、視覚的に確認できるツールも多数。会議に提出するための資料作成といった目的で、日常的に使われている機能です。
OLAPとはOnline Analytical Processing(オンライン分析処理)の略称で、蓄積されたデータを多次元的に分析し、結果を素早く表示する機能です。「ドリルダウン」や「スライシング」といった解析手法で、複数のデータの関係性を多次元的に分析できます。また、「インメモリ」という処理技術によって、大量のデータをスピーディーに処理できるツールもあります。
様々なデータを統計的な処理を通して、有効なパターンや傾向をつかみ、探索(マイニング)するための機能です。データマイニングをすることで、新しいマーケティング施策の立案や経営判断に活かせるような、新たな知見や気付きが得られます。自分でデータの相関性に仮説を立てなくても、データマイニングを通して法則を見出せるなど、OLAP分析と同様に専門性がなくても扱えるというメリットがあります。
現在の状況を可視化するだけでなく、過去の実績を活かして、予算計画や経営計画の根拠となる数値をシミュレーションする機能です。予算・売上計画の作成のほか、在庫の管理といった場面で使われることが多く、精度の高い予測に役立ちます。中には、条件を加味することもでき、「Board」のように気温やキャンペーンなど複数要因を加味した予測を立てられるものも存在します。
上記の機能をもとに、BIツールは以下のようなニーズに応じて活用されます。
BIツールは大きく4つのタイプに分けられ、事業規模や利用目的によって適しているツールが異なります。各タイプの特徴などについて解説します。
「セルフサービスBI」といわれるタイプ。BIツールのためにサーバーを構築しなくても、クラウド環境やデスクトップ環境からデータ分析を行うことができ、チーム内での共有にも対応しています。PCさえあれば導入でき、大掛かりな設備が不要。個人単位でも気軽に導入できるのがメリットです。
ただし、接続可能なデータソースに制限があるなど、大量データを処理すると動きが遅くなることがあるなど、大量データの分析に向かないツールもあるので注意が必要です。
社内のデータを集約し、メンバーが自由にデータを分析・利用できる環境を整えたい、という導入目的に適したタイプです。
社内のデータを集約して分析環境を整えるためには、データベースサーバーの構築や、社内の各種業務システムと連携させることが必要。環境を構築するための手間はかかりますが、これにより横断的なデータ分析が可能になります。
(2)と同じくデータ分析環境向けですが、SaaSやクラウド環境で構築した業務システムなどとの連携に強みを持ちます。SaaSとスムーズにデータ連携をするために、コネクタと呼ばれる接続方法があらかじめ用意されているのも特徴です。
「売り上げの分析をしたい」「マーケティングの計画立案をしたい」など、ある特定の目的・シーンに特化したタイプ。必要な機能を絞って、シンプルに使いたいという場合におすすめです。
BIツールを用途に合わせたタイプで絞ったら、次に具体的な機能を踏まえて比較していきましょう。留意したい比較ポイントは主に3つあります。
膨大なデータから必要な情報を検索・抽出するための方法は、使い勝手に大きく影響を与えるので、しっかりチェックしておきましょう。
主に、データベースの操作・命令を出すスクリプト(SQL)の記述が必要なのか、アイコン・ボタン・プルダウンメニューなどから選択できるのか、またはその両方に対応しているのかといった比較ポイントがあります。SQL文作成の負担を軽減したい場合は直感的に操作できるものを、細かな検索内容や自由度の高いデータ分析をしたいならSQL文を使うものを選ぶと良いでしょう。
自社で利用しているSaaSや業務システムのデータを活用したい場合は、BIツールのコネクタが対応しているかを基準にして選んでいくのがおすすめです。
コネクタがなくても、CSVデータを活用して連携できるBIツールもありますが、コネクタによる連携と比べるとどうしても手間が大きくなってしまいます。
BIツールで分析したデータを更に加工・活用したい、Excelデータにしてチームに共有したいといった場合には、Excelファイルとして出力できるツールが便利です。
たとえば、「軽技Web」は、分析結果をExcelレポートとして出力することに対応。「MotionBoard」もオプションでExcelファイルへの変換が可能です。
個人単位で手軽に導入できるタイプのBIツールを3つご紹介します。
(出所:Tableau公式Webサイト)
Salesforceのグループ企業であり、世界的に導入されているBIツール。ビジュアル化に強く、ダッシュボードのカスタマイズが柔軟。地図マップが自動作成できるなど、分析データのビジュアル化に強く、ダッシュボードを柔軟にカスタマイズできるのも特徴。ドラッグ&ドロップ操作で簡単にグラフを作成できる。ノートPCでの分析や、モバイルアプリからのアクセスにも対応しており、社外からのデータ確認も容易だ。
データ管理に役立つTableau Prep・Tableau Data Managementや、複数のユーザーとデータ共有ができるTableau Public、AI分析・予測ができるTableau CRMに加えてSalesforce とのネイティブ連携など、多くのオプション機能がそろう。
(出所:Googleデータポータル公式Webサイト)
インタラクティブなダッシュボードとグラフィカルなレポートが特徴の無料BIツール。
Googleが提供するサービスのため、スプレッドシート、アナリティクス、Google 広告、Google BigQuery といった各種Googleサービスとのデータ連携がスムーズ。
SQL文の作成やコードの記述不要でデータの探索ができるので、専門性がない人にとっても使いやすい。クリックやドラッグ&ドロップだけでチャートやグラフを作成し、チームで共有、編集、コメントの追加といった操作もできる。Googleサービスのほとんどに対応したコネクタが用意されているので、各種Googleサービスを利用している組織におすすめだ。
(出所:Microsoft PowerBI公式Webサイト)
Microsoftが提供するBIツール。Microsoft製品であるAzureやOfficeとスムーズに連携し、データの接続、モデル化、ビジュアル化を実現する。話し言葉で質問すれば、ビジネスに関する疑問に対して、AI を活用した回答が迅速に得られるという画期的な機能も。
500以上のデータコネクタが無料で用意されているため、数百ものオンプレミスやクラウドのデータソースに直接接続できるのが魅力。また、Excel、PowerPoint、PDFといったファイル形式での出力にも対応している。
同じデータを使った共同作業やレポートでのコラボレーションから得られたインサイトを、TeamsやExcelといったOfficeアプリケーションで共有。データに基づいた迅速な意思決定が可能に。
データ分析環境の構築に適したタイプのBIツールを5つご紹介します。
利用規約とプライバシーポリシーに同意の上、
資料をダウンロードしてください。
(出所:FineReoprt公式Webサイト)
帳票、ダッシュボード、データ統合、各種システム開発など、多くの機能を備え、IoTをはじめ多様な業務に利用できるBIツール。マルチソース対応で、CRM/ERP/OAなど異なる業務システムのデータをダッシュボードで統合できる。
ExcelライクなUIなので操作は簡単。独自開発の70種類の多彩なグラフとインタラクション効果を用いてデータをわかりやすく可視化する。モバイルにも対応しており、スマホからでも簡単にレポートの閲覧やデータ分析が行える。状況を迅速・的確に把握することで、経営判断がスピーディーに。
PDF、Word、Excel、Txt、画像といったフォーマットへの出力や、Excelデータの一括インポートに対応。
利用規約とプライバシーポリシーに同意の上、
資料をダウンロードしてください。
(出所:Board製品サイト/日本ラッド)
BIだけでなく、Planning、Analyticsなど業績管理に必要な機能を兼ね備えた企業業績管理(CPM)ツール。収集したデータをあらゆる角度からワンクリックで分析可能。気になる部分をマウスでクリックするだけでフィルタやドリルダウンで掘り下げていくことができる。「何をどう分析するか」に関してもプログラミング不要。個々のユーザーが帳票やグラフの行や列、値に対してドラッグ&ドロップで編集するセルフサービス型のため、IT部門に依存せず、見たいデータを見たい時に照会できる。
BIの他、売上予算などもオンライン上で一元管理可能(Planning)。簡単な設定で気温やキャンペーンなど複数要因を加味した予測ができる(Analytics)のも心強い。業種を問わず2,000社以上の大手企業で採用実績あり。
利用規約とプライバシーポリシーに同意の上、
資料をダウンロードしてください。
(出所:軽技Web公式Webサイト)
企業内の情報資産を、誰でも簡単に活用できるようにするBIツール。ブラウザ上の条件設定からデータ検索ができるので、専門知識がなくてもほしいデータに簡単にアクセスできる。データ検索後には、特定のフォルダへの格納、メール添付での送信も可能だ。
検索機能をベースにしたレポート作成のサポート機能や、繰り返し行う処理の自動化機能(タスクスケジューラー)を搭載しており、業務の効率化・省力化が実現できる。また、経営指標などの定型的なデータ推移だけでなく、現場の状況報告データといった非定型業務に対応できるのも強み。
(出所:Actionista!公式Webサイト)
企業の各種データの集計・分析・レポーティング業務をサポートするBIツール。全社でデータ活用・DXを推進する基盤として導入されている。専門知識を持たない業務部門の担当者によるデータ分析を想定しているため、Webブラウザの操作のみ、完全ノンプログラミングで利用できる。開発環境・専用クライアントの導入は一切不要だ。
企業内でよく活用される一般的な集計方法をプリセットし、ドラッグ&ドロップ操作と集計方法を選択するだけで集計表が完成。予実・変動・相関など、分析シナリオの選択により最適なグラフを表示できるので、Excelなどよりも手軽な分析が可能に。1ライセンスを購入すれば、企業内すべてのユーザーが利用できるコスパの良さもうれしい。
(出所:MotionBoard公式Webサイト)
データ活用に必要な機能を1つのプラットフォームで提供するBIツール。小売流通業向けには地図やカレンダー、製造業向けには管理図やガントチャートなど、30種類以上の多彩なチャートで業界特有のニーズをカバーする。
また、CData Software社のアダプターを採用し、60種類以上のデータコネクタをが可能。クラウド版も提供されているので、まずはスモールスタートして使い勝手を見定めていくこともできる。
同社のデータ基盤ソリューション「Dr.Sum Cloud」でデータ連携・分析用データベース作成をして、MotionBoardで集計・分析を行うという運用方法がおすすめ。
クラウド環境との連携に強みを持つBIツールを2つご紹介します。
(出所:Domo公式Webサイト)
データの連携・管理に優れたクラウド型のBIツール。多くのSaaSと連携することで、Domo単体でデータ分析までの環境を整備することができる。直感的なUIに加えて、SQL・R・Pythonといったカスタムスクリプトを使ったデータの結合・変換ができるなど、高度なデータ利用にも対応。
1,000以上のデータソースと接続可能。リアルタイムのデータ自動更新機能も搭載している。また、「カード」と呼ばれるグラフを作成でき、更に細かいコンテンツのカード作成で多角的な分析ができる。自動でモバイルデバイスへの最適化もされるので、モバイルでの閲覧・操作もスムーズだ。アラート機能や、チャット・コミュニティ機能など、迅速なコラボレーションを実現するための機能も充実している。
(出所:Qlink Sense公式Webサイト)
データの見える化と高速探索から、迅速な情報分析を可能にするクラウド型BIツール。独自のアナリティクスエンジンと AI により、見落しがちなインサイトまで発見できることが強み。機械学習、自然言語処理による分析まで対応しているセルフサービス型のデータ分析プラットフォーム。
ドラッグ&ドロップでの直感的な操作や、スマホやタブレットなどのマルチデバイスでデータを視覚化して分析ができるのも魅力。クラウド型でデータベースの運用が不要なので、導入しやすいというメリットも。
シンプルな機能で特定の用途での利用に適したBIツールを2つご紹介します。
(出所:KiZUKAI公式Webサイト)
サブスクリプションサービスの管理・分析向けのBIツール。顧客データを収集・分析することで、サービスを解約しそうな顧客やアップセルできそうな顧客を可視化し、有効なコミュニケーション施策へとつなげられる。解約要因をつかむことで、本質的な機能改善を実施できるのがメリットだ。
AIによる解約リスク自動算出、アップセルや有料会員化の予測分析、条件を指定しての顧客のスコアリング、データの定点観測やアラート機能など、サブスクサービスで気になるデータ分析機能が多く搭載されている。解約リスクの高い顧客などを自動でリストアップする機能も。
(出所:Sales Rush Board公式Webサイト)
Excelや営業支援ツール、CRM単体では難しい分析を、エンジニアスキル不要、ユーザー負担なしで実現するBIツール。営業・マーケティング向けの分析に特化しており、データの接続・統合といった手間をほとんどかけずにグラフを作成することが可能。250種類以上のサービス連携に対応、100種類以上のテンプレートを搭載しているので、様々なツールのデータを分析に活用することができる。データドリブンな意思決定を支援する。
AIと機械学習によって、KPI管理からボトルネックの原因、対策の選定、売上シミュレーション、受注相関といった分析を実施。見やすいレポートや使い勝手の良さも特長だ。
売上情報や顧客情報、在庫情報、会計情報など蓄積されたデータを資産として有効活用するためには、データをまとめたり、必要な情報を抽出したりと、時間と手間がかかるものです。また、データの処理には専門的な知識が必要なので、社内に専門家がいない場合、うまくデータが活用できていないというケースも少なくありません。
これまでの企業活動から得られたデータには、業務改善などに役立つ様々なヒントや知見が眠っています。しかし、データを読み解く手段がないと意味がありません。そこで役立つのがBIツールです。
BIツールを導入する際にはまず、自社に必要な“データ分析”について考えてみましょう。そして、本記事でご紹介した4つのタイプや3つの比較ポイントを参考に、自社にあったサービスの導入を検討してみてください。
BIツールをお探しの方は、こちらからサービス紹介資料をダウンロードいただけます。
利用規約とプライバシーポリシーに同意の上、
資料をダウンロードしてください。
FineReport
帳票、ダッシュボード、データ統合、各種システム開発など多機能、便利なBIデータ可視化ツール。これ一つで、IoTをはじめ多様な業務に利用可能。100人以上の企業様...
利用規約とプライバシーポリシーに同意の上、資料をダウンロードしてください。
Board
BI、Planning、Analyticsなど業績管理に必要な機能をオールインワンで備えたCPMツール。ドラッグ&ドロップ、クリックなどマウス操作だけでユーザー...
利用規約とプライバシーポリシーに同意の上、資料をダウンロードしてください。
アスピックご利用のメールアドレスを入力ください。
パスワード再発行手続きのメールをお送りします。
サービスの導入検討状況を教えてください。
ご登録いただいているメールアドレスにダウンロードURLをお送りしています。ご確認ください。