ビジネスマッチングサイトとは、自社の販路拡大や新規顧客獲得、仕入れ・発注先の開拓、生産・技術提携などを効率的に行うためのオンラインサイトです。本記事ではビジネスマッチングサイトの仕組みや選び方について、代表的なサービスを交えながらわかりやすく紹介します。
ビジネスマッチングサイトとは、新規の販売先、製品開発パートナー、技術支援先、仕入先など、自社の販路拡大や新規顧客獲得を効率的に行うためのオンラインサービスです。業種・エリア・得意分野・実績といった条件で候補を検索できます。
従来の展示会や電話営業、知人からの紹介に比べ、短期間で多くの候補にアプローチできる点が特徴であり、特に新市場開拓や新製品開発、外部リソース活用を急ぎたい企業にとっては、有力な選択肢になります。
なお、企業としての利用よりも人脈形成や営業先・案件獲得など、「個人」としての利用の側面が強い場合は手軽に使えるビジネスマッチングアプリがおすすめです。詳細は「ビジネスマッチングアプリおすすめ13選」をご覧ください。
DX推進やオンライン商談ツールが普及した現代、「出張して名刺交換を重ねる」「展示会で自社製品をアピールする」という従来の営業スタイルだけでは販路拡大には不十分です。更に、副業解禁やフリーランス人材の増加、地方企業が都市部や海外企業とつながりやすくなったことも、ビジネスマッチングサイト市場拡大を後押ししていると言えるでしょう。
こうした環境変化の中で、条件検索やAIを活用して精度高く目的の相手を探せるビジネスマッチングサイトは、実務的な出会いのインフラとして存在感を増しています。
一般的な利用の流れは以下の通りです。
多くのサービスは、この一連の流れをオンライン上で完結できるよう設計されており、初めての企業でも扱いやすいのが特徴です。
ビジネスマッチングサイトは、「営業先が頭打ち」「新製品を作りたいがパートナーがいない」「仕入れ先を見直したい」といった具体的な経営課題がある時に効果を発揮します。登録企業の業種・技術・設備・販路・過去実績といった情報をもとに、販路開拓、調達先の見直し、共同開発など自社のニーズに合う相手を短時間で探し出し、比較検討から商談までをオンラインで完結することができます。
新しい販売先を探したい企業にとって、ビジネスマッチングサイトは「販路を持つ相手」と出会う場。自前の営業力だけでは届かなかった市場へアクセスする手段として活用されています。
たとえば、「自社製品を新しい分野に展開したいけれどどこに営業すればいいかわからない」「どうやってアプローチすればいいかわからない」という場合、新分野に必要なノウハウや販売網を持つ企業とマッチングすれば、短期間で新規顧客を増やすことができます。ほかにも、地方企業が都市部の販売パートナーとつながり、地域ブランド食品や部材が大手流通に採用される事例も。
仕入れ先の見直しやコスト削減を検討する企業にとっても、ビジネスマッチングサイトは有益です。複数社へ一括見積もりできるタイプのサービスを使えば、単純な価格比較だけでなく、品質基準、認証取得状況、納期対応力まで含めて候補を比較できます。自社方針に合う調達のポートフォリオを組みやすくなります。
また、万一の災害・不祥事に備えた代替サプライヤー候補の確保につながるので、BCP(事業継続計画)の観点でも有用です。実際、原材料高やサプライチェーン混乱をきっかけに、マッチングサービス経由で国内外の新たな仕入れ先を開拓する動きは加速しています。
生産・開発に課題意識を抱く企業にとっても、ビジネスマッチングサイトは有益。生産提携と技術提携にもたらすメリットを紹介します。
「生産能力が足りない」「試作品だけ外注したい」「新ブランドをOEMで展開したい」という場合には、対応可能ロット数・保有設備・品質管理体制・対応可能素材など自社要件に合う生産先や協力工場を探すことができます。これにより、設備投資を抑えつつ需要増に柔軟対応したり、高度な加工技術を持つパートナーと組んで自社ブランド価値を高めたりといった、生産戦略の選択肢が広がります。
たとえ上手くいかない場合でも、オンライン上で完結できるため「対面の商談にまで至ったが実は対応できなかった」という骨折り損を減らせます。
「アイデアとしては優れているものの、自社だけでは実現できない」という場合も、ビジネスマッチングサイトなら自社にはない加工技術や独自素材を持つ企業と結びつき、共同研究開発や特許ライセンス契約に発展するケースがあります。「どんな技術を持つ企業なのか」が事前に見えやすいため、技術・ノウハウを持て余している企業とそれを開発に利用したい企業のマッチングが実現できます。
自社に合うビジネスマッチングサイトを選ぶポイントは、「精度」と「手軽さ」のどちらを優先するかです。じっくり選びたいのか、まずは幅広く当たりたいのか、あるいは条件を固定して一括で比較したいのか、によって向いているサービスは変わります。
希望によって、おすすめのサイトは以下に分類できます。
①専門コーディネーターなどが介在して精度を高める「高精度マッチング型」
②AIやレコメンドで効率的につながる「効率重視型」
③条件入力で一括見積もりできる「一括検索型」
④特定分野に強い「領域特化型」
新規事業、技術提携、共同開発など「長く付き合える1社」を探したい場合におすすめのタイプ。特徴は、専門コーディネーターの「目利き」が入る点で、単なるキーワード一致では拾えないニーズや強みまで踏まえて候補企業を提案してくれるのが強み。条件に合わない相手を大量にさばく手間を減らし、「少数だが有望な相手」とだけマッチングしたい場合に有効といえます。
たとえば、「AUBA」は新規事業やオープンイノベーション向けに共創パートナー探しを支援し、自社特徴や強みの再整理と的確な魅力発信を促し、多くの企業の事業創出を実現しています。
「まずは多くの候補とつながり、反応を見ながら絞り込みたい」と考える場合におすすめのタイプ。自社プロフィールや希望条件を登録すると、サイト内検索やAIレコメンドによって比較的短時間で候補を一覧化できます。広く浅く接点を作れるのが特徴です。サービスごとに経営者・役員層に限定してマッチングする、ビジネスSNS的にゆるく接点を増やすなど、スタイルは異なりますが、「スピード」と「接点数」を重視する場合に有効です。
たとえば、「CXOバンク」は審査制で経営者同士のマッチングに特化し、「BizOn!」や「BizSPOT」はスマホアプリならではの手軽さで商談・提携のきっかけを数多く作れます。
発注条件がある程度固まっており、「この条件で対応できる会社から相見積もりを取りたい」という場合におすすめのタイプ。対応エリア・得意分野・予算規模などの定量的な条件を入力することで、該当する事業者から一括で提案や見積もりを受け取り可能。1社ずつ検索・問い合わせる手間が省けます。特にシステム開発・Web制作・コンサルティング・バックオフィス業務など、比較検討しやすい業務で使われることが多いです。
たとえば、「発注ナビ」はIT・開発領域に強く、「比較ビズ」や「アイミツ」も複数の業種で一括見積もりに対応しており、「条件で絞って比較したい」ニーズに応えるサービスです。
特定分野に絞って深く比較したい場合に選択肢となるタイプです。対象を絞ることで、その業界特有の条件や専門用語に対応した検索軸や、実績・事例ベースの比較がしやすくなるのが利点。ミスマッチが減るため、自社の課題・希望が「この分野・領域」というように明確に定まっている場合にはおすすめです。
たとえば、「ADHOOP」はWebマーケティング支援会社に特化し、要件定義を踏まえて実績ある代理店を紹介する仕組みを備えています。
タイプがある程度つかめたら、続いて個々のサイトを比較検討する番です。自社に合ったサイトを選ぶには、「誰と出会えるか」「どう探せるか」「どこまで支援してくれるか」の3点を比較することが重要。以下の観点からチェックしていきましょう。
登録社数が多いほどチャンスは広がりますが、「数」だけで判断するとミスマッチが増えるリスクも。重要なのは、自社と相性の良い企業・決裁者がどれだけ含まれているかです。チェックポイントとしては以下のような点が挙げられます。
こうした情報を開示しているサービスほど、自社とマッチする母集団をイメージしやすいでしょう。
同じマッチングサイトでも、パートナーと「どのようにして出会いに至るか」という設計は大きく異なります。自社のスタイルに合う機能があるかを確認しましょう。
「自分で探したいのか/紹介してほしいのか」「オンライン完結か/対面も組み合わせたいか」によって、選ぶサービスは変わってきます。
良い候補が見つかっても、実際にアプローチをかけて、日程調整のうえ、商談に至るまでには手間がかかります。ここをどこまで代行・支援してくれるかも重要な比較ポイントです。
スタートアップのように「社内の営業リソースで回し切れない部分をどこまで任せられるか」を意識したい企業には、検討すべきポイントといえます。
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(出所:AUBA公式Webサイト)
オープンイノベーションに特化した、日本最大級の共創プラットフォーム。30業種以上・累計35,000社の登録企業から、新規事業・業務提携・技術連携のパートナーを探索できる。専任アドバイザーが自社の強み整理から候補提案、共創プロジェクトの進行まで伴走してくれるため、「本気で新事業を立ち上げたい企業」向きの高精度マッチング型サービスといえる。
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(出所:Linkers公式Webサイト)
製造業・ものづくり領域に強みを持つ技術マッチングサービス。産業コーディネーターによる「目利き」と独自システムを組み合わせ、難度の高い技術課題に対応できる企業を全国から探索し、発注企業と中小企業・研究機関などをつなぐ。技術探索、販路開拓、金融機関向けマッチングシステムなどBtoB向けソリューションが揃っており、「確度の高い技術パートナーを探したい大手・中堅企業」に適した高精度マッチングにおすすめ。
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(出所:GMOコネクト公式Webサイト)
GMOインターネットグループが運営する、企業同士や営業代行会社とのマッチングプラットフォーム。オンライン交流会やマッチングイベント、営業支援案件とのマッチングなど、「出会いの場+案件情報」をセットで提供するのが特徴で、営業パートナーや販路拡大先を効率よく探したい企業に向く。
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(出所:Biz-Create公式Webサイト)
金融機関が関わる全国規模の16,000社が利用するビジネスマッチングサイトで、信用力のある企業同士がニーズ情報を通じて販路開拓・仕入れ・提携先を探せるのが特徴。「スタンダード」プランでは、ニーズ掲載、検索、商談、成約に至るまで「登録〜成約まで無料」で利用可能と明記されており、コストを抑えながらも手堅いパートナーをまず探したい企業に向く。
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(出所:オンリーストーリー公式Webサイト)
「従業員10名以上」「執行役員クラス以上」などの基準で絞り込まれたコミュニティ内で、経営課題の相談や協業・販路開拓につながる出会いを創出するビジネスマッチングサイト。決裁者限定の審査制マッチングプラットフォーム「チラCEO」や、オンライン・オフラインのイベントやレコメンド機能で、濃い商談につながりやすい高精度マッチング型として位置づけられる。アポイント数にかかわらず追加成功報酬なしの月額課金モデルが基本。
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(出所:CXOバンク公式Webサイト)
役員クラス限定で効率よくつながれる、経営者向けビジネスマッチングサイト。CEO/CFO/COO/CTOなど厳格な審査を通過したCXOだけが登録でき、アプリ上で興味関心の近い相手が自動レコメンドされる。投稿機能で自社の事業や募集情報を発信し、関心を持った相手から直接アプローチを受けられるため、「決裁者同士でスピーディーに商談機会を作りたい」企業向け。
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(出所:BizOn!公式Webサイト)
経営者・役員・個人事業主・フリーランス限定のスマホアプリ型ビジネスマッチングサービス。毎日レコメンドされる相手の中から「興味あり」を選ぶだけでマッチングし、アプリ内チャットでそのまま商談・提携相談に進める手軽さが特長。PCでは利用できない分、「スキマ時間に効率よく接点を増やしたい」経営者層にフィットする設計。
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(出所:BizSPOT公式Webサイト)
ワークスペース利用とビジネスSNS機能を組み合わせたビジネスマッチングサイトアプリ。会員同士でつながり、仕事の相談やコラボ相手探索ができるほか、アクセア店舗などのスペース情報も一元管理できる。「移動中・外出先で働く機会が多く、拠点確保と人脈形成をまとめて効率化したい」企業・個人向け。アプリ自体は無料で利用可能で、より多くの特典を受けられる有料プラン(プレミアム会員)や店舗利用料などは別途発生。
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(出所:発注ナビ公式Webサイト)
ITシステム開発・Web制作に特化した一括見積・ビジネスマッチングサイト。専門コンシェルジュが要件をヒアリングし、全国7,000社超の登録企業から数社に絞って紹介してくれるため、「どこに頼めばいいかわからない」「ITに詳しくない」という企業でも安心して相談できる。一括検索型の中でもIT領域に寄せた精度とサポートが強み。
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(出所:比較biz公式Webサイト)
士業・IT開発・制作・物流・研修など、あらゆる業種を対象にした日本最大級のビジネスマッチングサイトで発注先企業は10万社を突破。発注条件を入力すると、対応可能な複数社から提案が届き、料金・実績・強みを比較しながら発注先を選べる。掲載企業からの費用で運営されており、発注側は完全無料で利用可能。
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(出所:アイミツ公式Webサイト)
複数の専門分野でプロ企業を一括比較・見積もりできるビジネスマッチングサイト。専任コンシェルジュが要件整理を手伝い、条件に合う受注候補を絞り込んで紹介してくれるため、初めての外注や比較検討に不慣れな企業にも使いやすい。「人によるサポート付き」で、Web制作、システム開発、SaaS選定など幅広い領域に対応。
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(出所:ADHOOP公式Webサイト)
Webマーケティング支援会社探しに特化したビジネスマッチングサービス。自社の広告運用やSNS運用、SEOなどの課題に合わせて最適なパートナー企業を紹介してくれる。要件の整理をサポートしたうえで複数社から提案を受けられるため、「どの代理店に相談すべきかわからない」「比較検討したい」という企業に適している。
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(出所:リカイゼン公式Webサイト)
システム開発・Web制作・クリエイティブ制作などデジタル領域に特化したBtoB向けビジネスマッチングサイト。発注企業の要件を専任スタッフがヒアリングし、条件に合う制作会社・開発会社を候補として紹介してくれるため、「ITに詳しくないが、信頼できる外注先を選びたい」企業向け。
新規顧客獲得、調達先の見直し、販路拡大、共同開発などを検討する中小企業・個人事業主にとっては嬉しいビジネスマッチングサイト。多種多様なサイトが存在しますが、「誰と出会えるか」「どう探せるか」「どこまで支援してくれるか」という比較ポイントから、以下の4つのタイプに分けられます。
検索条件や特化した領域などがサービスによって様々なため、自社の状況にあわせてサービスを検討しましょう。
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