最終更新日:2023-03-09
データセンター内の監視を自動化し、巡回の負担を軽減したい方へ。監視品質の向上と業務効率化につながるおすすめのLED自動監視サービスを、導入メリットや比較・検討のポイントとともにご紹介します。
LED監視自動化ツールとは、カメラやセンサーなどでIT機器のLEDランプの点灯状況を自動的に把握できるシステムのことです。
データセンターに設置されるサーバーやネットワーク機器を監視する際、多くの場合はLEDランプがアラート機能を果たします。従来であれば人力による目視巡回が必要だった確認作業を自動化するのがLED監視自動化ツールです。カメラやセンサーがLEDを検知し、異常などの情報はオンラインで管理者のもとへ送信されるため、現場の人件費削減、遠隔操作による負担削減が可能になります。
働き方改革の影響もあり、近年では自宅やオフィスからデータセンターにあるサーバーの管理を行う企業が増えてきています。一方で、多くの会社は慢性的にエンジニアが不足しており、十分な人材を監視業務にあてにくいという課題も抱えています。そうした背景から、最低限のリソースで最大限の監視ができるLED監視自動化ツールに注目が集まっているのです。
近年はAIによる画像の認識精度の向上やデバイスの低価格化などで、ツールの開発が一気に進んできました。本記事では、ツールを導入する際に知っておきたいポイントや、おすすめのサービスをご紹介します。
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LED監視を自動化することで得られる3つのメリットについて解説します。
データセンターのLED監視を目視巡回している場合、ツール導入による自動化で業務負担の軽減を見込めます。カメラやセンサーによって検知された結果は、Web上の管理画面に送信されるため、オフィスや自宅から確認できるようになり、リモートワークの促進にもつながります。
「データセンターにおいて定期巡回を1日に何度も行っている」「夜間の巡回が特に負担になっている」「2名体制でダブルチェックをしている」といった場合、働き方の改善が可能に。中には海外のデータセンターにも対応するサービスもあります。
目視巡回には限界があるため、1日に限られた回数しか巡回を行えません。そうすると、異常時の対応の遅れ、見逃しといったリスクにつながります。仮に異常を発見できたとしても、発生時刻や原因を速やかに解明することは困難でしょう。
一方、人力に頼らないLED監視自動化ツールであれば、1日に何回でも確認でき、確認頻度に応じて監視品質が向上します。24時間の自動監視に切り替えることで迅速な対応が可能になるとともに、蓄積された過去の監視データを原因解明に役立てることもできます。
機器が多いデータセンターでは、スタッフの入退室の頻度と比例して、セキュリティリスクが増大します。LED監視の自動化によってスタッフの入退室の回数を減らせるだけでなく、入退室管理・チェックにおけるコストも削減できます。
以下のような仕組みで、LED監視の自動化ができます。
まずは電源ランプやステータスランプなどのLEDランプを、データセンターにあるサーバーやストレージ、ネットワーク機器などに取り付けます。そしてカメラやセンサーは、機器そのものや格納されるラックに設置します。
カメラ・センサー1台につき、複数の機器のLEDランプを監視。光や色の変化から、機器の正常・異常を検知します。
カメラやセンサーが検知した結果はラズベリーパイなどの本体機器に集約され、クラウド上で解析されます。
解析の結果、異常が検知されたらメールや電話にアラート通知させられます。また、監視結果をオンラインの管理画面に送信することも可能です。
過去の記録をクラウド上に蓄積し、管理画面からレポーティングを行います。異常の因果関係を究明する際にも役立ちます。
現状提供されているLED監視自動化ツールはそこまで多くはありませんが、特徴がそれぞれ異なります。自社のデータセンターやサーバールームの規模や環境によって、最適なツールを選定するためのポイントを整理します。
各サービスで最も特徴が異なるのがLEDの検知方法です。主にカメラかセンサーが採用されています。
たとえば「LED監視自動化サービス(株式会社TOKAIコミュニケーションズ)」では、カメラの画像認識を利用。カメラ1台につき最大10個のLEDランプを監視できます。点灯、消灯、点滅、色で正常な状態を指定し、逸脱時に異常を検知します。
「pmoni」では、光を物理的に検知するセンサーにより光源の点灯、消灯、色の変化を検知します。LEDに限らず、あらゆる光を検知できるため、たとえばラックのドアに設置して開閉を監視するといった活用方法も。
カメラやセンサーの装着には治具が必要です。多くのサービスは検知機器とともに専門治具が付属しており、簡単に取り外せます。センサーはLEDまでの距離を確保する必要がないため、カメラよりも自由度高く設置できます。
ラックの配列や1つのラックに対する機器数など、データセンターの環境も企業によって異なります。施設の構造と照らし合わせながら、最適な製品を検討するのがおすすめです。
本体機器にセットするカメラ、センサーの接続台数には限りがあるため、検知対象となる機器の数に応じて必要数が増減します。本体機器に対する接続台数に余りが出ると損失となってしまうので、無駄のなく設置できるようにしましょう。
同様に、カメラ・センサーが検知できるLEDランプの光源数も製品によって異なります。監視したいLEDランプの数とセンサーの場合でも、1台あたりで検知できる光源数は製品ごとに異なるので、吟味したほうがいいでしょう。
導入後、より精度の高い監視を行うためには、「LEDの変化をどのように検知するか」「どのような基準で異常判定をするか」といった閾値の設定・チューニングが必要です。たとえばコスト削減を目的にチューニングする場合は、無駄なアラートを削減するよう設定します。ただし、サービスごとに設定方法が異なるため、事前の把握がマストです。
「LED監視自動化サービス」は、検知対象となるLEDを特定するための任意項目などが用意されており、細かなチューニングに向いています。また、「pmoni」の光センサーが検知する色の変化は、RGBの値を操作することで1,620万色のパターンから設定が可能です。
LED監視のみならず、定期的な死活監視、CPUの稼働率やネットワークのトラフィックなどの性能監視、データセンターの電源やセキュリティの管理など、サーバー・ネットワークを統合的に監視し、データセンターの運用一本化・効率化を図りたいケースもあるでしょう。その場合は、データセンター事業全般を手がける「LED監視自動化サービス」など、幅広いソリューションを提供するサービスが効果的です。
ここではおすすめのLED監視自動化ツールを4つご紹介します。
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(出所:LED監視自動化サービス公式Webサイト)
画像認識AIを使って、IT機器のLEDランプ監視を自動化するサービス。カメラによる画像認識で、正常状態を点灯状態および色で指定して、逸脱時には異常と判定。異常検知時および復帰時はメールで通知される。監視用ラズベリーパイには最大5台のカメラを接続でき、カメラ1台につき10個のLEDを監視できる。監視頻度は5分に1回(1日288回)だが、設定変更も可能だ。
撮影された動画はクラウドにアップされるため、いつでもどこでも確認できる。検知箇所などの情報はCSVファイルヘのインポート・エクスポートが可能。SNMP非対応機器の監視にも対応している。検知対象LEDを指定しやすいユーザーインターフェース検知対象LEDを特定するための任意項目(設置場所や機器情報など)、フォーカスや露出値などのパラメーターを柔軟に設定できるのも特徴だ。
運営会社はかねてよりLEDランプ監視サービスを提供しており、効率化・自動化の課題を解消するために自動化サービスを開発した経緯を持つ。そのため、死活監視や性能監視などを総合的に自動化することも得意。
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(出所:pmoni公式Webサイト)
LEDの光源を直接監視し、点灯、消灯、色の変化を感知するセンサー型の監視ツール。1620万色のパターンから色の変化を設定可能なほか、正常・異常の閾値は任意に調整できる。LED以外の光も検知するので、ラックの開閉など、機器以外の管理にも利用できる。
操作性の高いブラウザ上の管理画面には複数端末からのアクセスが可能。通信にSNMPを採用しているため、既に導入しているネットワーク監視ソフトとの連携もスムーズにできる。1Uラックサイズでサーバーラックにそのまま設置でき、また評価機無料貸出サービスを提供するなど、導入のしやすにも定評あり。
(出所:光センサ監視システム「Le-MON」公式Webサイト)
幅広い業務サポート製品・サービスを提供するHBA社の光センサー機器監視装置。ランプの点灯・消灯・点滅や、色の変化などによって異常を検知する。本体機器とセンサー、固定部品だけのシンプルな設計で、既設のサーバーへの後付けが可能。どんな光源でも監視できるため、サーバールーム照明の点灯・消灯、扉の開閉などの管理にも使える。本体1台で最大44点の光源の監視が可能。SNMP非対応のネットワーク機器にも対応している。
同社の専門スタッフが遠隔監視・運用を行うため、社内サーバー運用の専任管理者がいない場合におすすめだ。
(出所:ランプ点検自動化ソリューション公式Webサイト)
NTTグループが提供するデータセンター向けソリューション「データセンターインテグレーテッドソリューション」の1機能。機器に取り付けた光センサーがLEDランプ状態を常時読み込み、運営会社の監視センターで遠隔監視する。ランプの異常を検知した際は、監視センターから導入企業の担当者へ通知する仕組みになっている。
導入コンサルから設計、構築、24時間365日のオンサイト運用、セキュリティシステムや省人化を実現するソリューションを多数提供。データセンター全体の機能を向上させたい場合にも適している。
新型コロナウイルスによるリモートワーク普及の影響などから、データセンターの遠隔管理の重要度はますます高まっています。また、不足が続いているエンジニア人材のリソース最適化は、企業が競争力を高めるために重視すべき要素のひとつでもあります。
自社の課題や設備と照らし合わせ、最適なLED監視自動化ツールの導入することで、業務効率化と品質向上、双方を実現できるはずです。
本記事でご紹介した比較検討ポイントなどを参考に、LED監視自動化ツールの導入を検討してみてください。
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画像認識AIでIT機器のLEDランプ監視を自動化するサービスです。 作業員の見回りやスケジュール作成の負担、目視によるミスを削減します。また監視頻度が大幅に増...
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