最終更新日:2023-08-09
安全かつ効率的にバックアップ作業を行いたいと考えているシステム部門の方へ。仮想サーバーにデータを保存する仕組み「クラウドバックアップ」の概要やタイプ、比較ポイント、具体的なサービスをご紹介します。
クラウドバックアップとは、事業者が提供するクラウド基盤上の仮想サーバーにデータを複製・保管する方法のことです。ファイルだけではなく、システム全体を網羅的にバックアップすることができます。
企業が安定して事業継続するためには、WordやExcelなどのファイル資料に留まらず、アプリケーション、ユーザーアカウント、ユーザー設定など、OSを含むシステム全体まで、幅広いデータ(システム構成)の維持が不可欠です。
従来は「Arcserve Backup」「Backup Exec」などのソフトや「Windows Server」の機能を利用して、HDD・SSD、NASなどに定期的にバックアップを行うのが一般的でしたが、その場合、「工数・時間がかかる」「運用・体制維持にコストがかかる」「容量を逐次増やさないといけない」などの課題が挙げられています。
このような課題解決を期待されているのが、クラウドバックアップサービスです。HDD・SSD、NASのように自社で設備を構築・運用する必要がないため、迅速に導入可能。初期投資や運用コストも抑えられます。容量増設なども管理画面からプラン変更するだけ。サーバーの保守やメンテナンス不要なため、人的リソースの削減にも有効です。
「システム全体を網羅的にバックアップしたい」
→使えるクラウドバックアップ、BackStore、EASYクラウドバックアップなど
「ファイルだけバックアップできれば十分」
→AOSBOX Business、オンデマンドファイルバンク、クロジカ 大容量ファイル管理など
本記事では、クラウドバックアップの概要、メリット、タイプと選び方、比較ポイントなどをおすすめのサービスを交えながらご紹介します。
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こちらでは、法人向けクラウドバックアップを導入した際のメリットについて、5つに分けて詳しくご紹介します。
大半のクラウドバックアップは、エージェントソフトをインストールします。「いつ、どの範囲をバックアップするか」など設定するだけで、自動的にバックアップできるので、ほぼ人手を要しません。進捗はWebコンソール管理画面で確認でき、何かあればアラートで知らせてくれます。従来のようにバックアップ作業中にずっと張り付き、エラーが出るたびに対処するといった必要はありません。
近年、従業員が社外で働く機会が多くなりました。持ち運び用のノートPCのデスクトップ上のファイルやクラウドストレージ上に保存しているデータは、従来の手法ではバックアップすることが困難でした。しかし、クラウドバックアップであれば、様々な端末を保護できるようになります(サービスによる)。
クラウドバックアップは、サーバーが事業者管轄のため、自社で設置・運用する必要がありません。もちろんサービスの機能・容量の利用に対して料金を支払わなければなりません。ただ、自社でバックアップ専用サーバーやNASを設置・維持するのに比べると安価で済むケースが多いです。
クラウドバックアップは、遠隔地にあるデータセンターをバックアップ先として選べます。データセンターのほとんどは、自家発電などの対策・設備を充実させており、堅牢なセキュリティで保護されています。そのため、災害が起きた際の被害についての懸念を軽減できます。なかには、全国だけでなく国外にデータセンターを設置しているサービスも。バックアップ先を複数箇所設定することでリスク分散も可能となります。
コンピューターをロックしたり、ファイルを暗号化したりするランサムウェアは、同一ネットワーク上にあるデバイスや物理的に接続したデバイスのデータすべてに感染してしまいます。従って、残念ながらNASや外付けHDDは対抗策にはなりえません。その点、共有機能のないバックアップ専用クラウドであれば、ユーザー側にクラウド上のファイルに書き込む権限がないため、バックアップファイルを守り抜くことができます。
クラウドバックアップは、大きく2つのタイプに分類できます。それぞれのタイプについて、以下に詳しくまとめています。
ファイルだけではなく、アプリケーション、ユーザーアカウント、ユーザー設定など、OSを含むシステム全体を網羅的にバックアップできるタイプです。もし、企業が特殊なアプリケーションやデータベース、基幹システムなどを運用している場合、ファイルだけ保護・復元できたとしても意味がありません。このタイプなら、復元の際にイチからアプリをインストールしたり、データベースを構築したり、設定したりする手間を省くことができます。
「汎用性の高いOSやアプリ中心で環境の復元が容易」「NASなど他のバックアップで補完している」「クラウドでは特定のファイルのみ効率的にバックアップしたい」という場合におすすめのタイプです。たとえば、「Excelの顧客管理情報だけ保護しておきたい」「テレワーク中の従業員のPCのローカルファイルだけクラウドで自動的にバックアップしたい」というときに、効率的に活用できます。
「Dropbox 」「Box」「Google ドライブ」などのクラウドストレージを使っている企業も少なくありません。基本的にはデータの共有を目的としたサービスですが、データのバックアップ先として利用することもできます。
ただし、可能なのはファイルのバックアップだけで、システムのイメージバックアップまではできません。また、運用管理者は以下のような注意が必要です。
こうした注意点を踏まえると、ある程度はバックアップツールとしての役割を果たせるものの、バックアップに特化したサービスの機能の手厚さには及ばないと言えるでしょう。
自社での利用に適しているのは、「イメージバックアップ対応型」「ファイルバックアップのみ対応型」のどちらなのかを確認した上で、具体的なサービスを絞り込む際の比較検討ポイントを見ていきましょう。主に、以下の5つのポイントを重視すると良いです。
地震など万が一の自然災害発生時に、速やかにBCP対策を取れるかどうかを確認しておきましょう。「東日本と西日本に複数のバックアップ先を用意しているか」「システムの設備や装置に予備を設けているか」などのチェックは必須。「使えるクラウドバックアップ」のようにバックアップ先を日本、シンガポール、インドネシアの3拠点にあるデータセンターから選ぶことができるサービスも存在します。
クラウドバックアップの際に、変更の必要がない部分まで上書きすると、限られたストレージ容量やネットワーク帯域幅を無駄にしてしまいます。「重複排除機能」を搭載していると、そうした無駄の防止ができます。同一のデータを一度だけ保存することにより記憶領域を最小限に抑えられます。「BackStore」の場合、重複排除後、実際にクラウドに保存された容量をベースに課金されるので、コストを抑えることにもつながります。
ほとんどアクセスされる見込みのないデータを圧縮して保存することで、ストレージ容量を節約することを「コールドストレージ」と呼びます。たとえば、「AOSBOX Business」はこの機能を利用することで、従来のオンラインストレージに比べ、約3分の1の低コストでクラウドデータ保存を可能にします。
ファイルを誤って削除・上書きした場合でも、バックアップから以前のファイルを速やかに復元できると便利です。この場合、ファイルを何世代前まで復元できるかが重要になってきます。「USEN GATE 02 クラウドバックアップサービス」は世代無制限で復元可能です。また、「先月のこの時のこのファイルがほしい」となった場合、管理者だけではなく従業員にも権限を委譲して復元できると便利です。
「DirectCloud」のようにバックアップを行えると同時に、クラウドストレージとしてファイル共有のために普段使いできるサービスもあります。このような場合は、複数ユーザーで同時に編集できたり、ファイルを編集すると自動で参加ユーザーに通知メールが届いたり、コラボレーション機能が備わっていると便利です。
こちらでは、ファイルからシステムまで網羅的にバックアップできる「イメージバックアップ対応型」のサービスを5つご紹介します。
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(出所:使えるクラウドバックアップ公式Webサイト)
クラウドソリューションのグローバルリーダー、アクロニス社の「Acronis Cloud Backup」をベースとしたサービス。ファイル・フォルダのみならず、アプリケーション、ユーザーアカウント、ユーザー設定など、OSを含むシステム全体を丸ごとバックアップし、短時間で全データをクラウド・ローカルどちらにも復元することが可能。データセンター運用歴20年以上の実績を誇る同社が提供していることもあり、ISO27001(ISMS)認定の万全なセキュリティ対策に加え、ネットワーク冗長化、自家発電設備などセキュリティポリシーは最高基準クラス。バックアップ先は日本(長野)、シンガポール、インドネシアから選択でき、複数個所へのデータ保存も可能。
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(出所:BackStore公式Webサイト)
物理や仮想、DBサーバー、PC、クラウドアプリなど、あらゆる環境に対応。「いつ、どこの、何をバックアップする」という設定をWebで行い、後はソフトをインストールするだけ。最短10分で初回設定が完了する他、専用回線・設定の必要もなく、日々の手作業も不要。「全国に無数の拠点がある」「テレワークしている従業員がたくさんいる」「仮想・物理サーバー、DB、クラウドなど環境がバラバラ」という場合でも、効率的なバックアップが可能。高度な重複排除機能を持ち、全社員の PC とサーバーをバックアップしたとしても、クラウドへ転送されるのは最小限に押さえられる。
(出所:EASYクラウドバックアップ公式Webサイト)
「Acronis Cloud Backup」のエンジンを使ったクラウドバックアップサービス。ファイル単位でのバックアップはもちろん、アプリケーションやユーザーアカウント、OS丸ごとなど、多くのバックアップ形式に対応可能。初回はフルバックアップだが、以降は変更分のみをバックアップして帯域や容量を節約する「重複排除機能」あり。低コストで運用負担の少ないバックアップサービスを検討したい企業に適している。同社のマルウェア感染早期発見サービス「EISS(アイズ)」と併用すれば、サイバー攻撃に遭った際の被害軽減策としても利用できる。
(出所:ワイドネット公式Webサイト)
群馬県に自社データセンターを20年近く運営する同社が提供するクラウドバックアップサービス。バックアップの対象をシステムイメージorファイルから選択可能。前者を選べばファイルに限らず、アプリ、ファイル、ユーザーアカウント、各種設定、OSを含むシステムイメージ全体を一気にバックアップ可能。復元も簡単で、Web管理画面でデータとバックアップの世代を選択して、ダウンロード先を選ぶだけで、いつでも素早く復元可能。ISO27001に基づいた情報の取り扱いはもちろんのこと、実績に基づいた情報資産管理のアドバイスをくれるので心強い。
(出所:USEN GATE 02 クラウドバックアップサービス公式Webサイト)
イメージバックアップとファイルバックアップ、双方に対応したクラウドバックアップ。バックアップ対象となるPCの利用台数は無制限。バージョン管理も世代無制限。いざという時は、バックアップ元にブロック単位で復元できるだけでなく、異なるメーカーや機種のハードウェアへの復元、仮想マシンへの復元・移行、IaaSクラウドへの復元・移行も可能。料金はバックアップしたいデータの契約容量(10GB〜8TB)に応じた従量課金のため、小規模企業でこれから成長が見込まれる場合にもおすすめ。
こちらでは、ファイルの保管に特化した「ファイルバックアップのみ対応型」のサービスを3つご紹介します。
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(出所:AOSBOX Business公式Webサイト)
あらゆるデバイスのデータをクラウド上にバックアップし、セキュアな環境で共有することのできるクラウドサービス。軍事レベルの暗号化技術AES-256で、データ暗号化を3重に実施しており、堅牢なセキュリティを誇っている。単に保存するだけでなく、より効率的にバックアップできる「トライブリッドバックアップ機能」が特徴。あまり使わないファイルはストレージ容量を節減するため「コールドストレージ」に圧縮保存し、大事なファイルは何かあってもすぐに復元利用できるように「ローカルストレージ」に二重保存。それ以外は「通常ストレージ」へというように、3つのバックアップ先を使い分けられる。
(出所:オンデマンドファイルバンク公式Webサイト)
SMBCグループの同社が提供する、安全・確実・手軽なオンラインファイルバンク。世界中で導入されている米国Commvault社のバックアップ製品を採用。インターネットに接続されたPCやサーバーにエージェントソフトをインストールするだけで導入作業は完了。利用拠点数や場所に関係なく、サーバー、PC内のファイルをバックアップ可能。対象PCやフォルダをあらかじめ指定しておけば、スケジュール通りに簡単操作で自動的に確実にバックアップできる。いざと言う時も、24時間365日オンデマンドでリストア(データ復旧)可能。災害時のBCPやDR対策としてはもちろんのこと、日常業務での操作ミスなどによるデータ誤削除時にも効果を期待できる。
(出所:DirectCloud公式Webサイト)
NAS・ファイルサーバーからの移行を検討している場合にもおすすめの大容量プランのクラウドストレージ。特徴はバックアップをとりつつ、ファイルサーバーとしても普段使いできるところ。専用アプリケーション「DirectCloudドライブ」をインストールすると、クラウド上のファイルにアクセスでき、プレビュー・共有リンク・編集・保存・移動・コピー・削除などのファイル操作が行える。「複数ユーザーのアクセスによる同時編集」などの便利なコラボレーション機能を持つため、単にバックアップとしてではなく、ファイルサーバー全体のクラウド化により、組織全体の業務効率化も期待できる。
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(出所:クロジカ 大容量ファイル管理公式Webサイト)
NASからの移行も無料でサポートしてくれるため、初めてのクラウドバックアップでも安心。保管したファイルは1日1回自動でバックアップを行ってくれるため、手動でセッティングしたり、保存したりする手間が省ける。バックアップデータは3世代保存されるため、万一何かあった場合でも速やかにデータ復旧が可能。
ファイル共有のための普段使いもできるのも特徴で、フォルダごとにダウンロード用URLを作成・共有可能。アカウントを持たない社外メンバーにもスムーズにファイルを共有できる。パスワード・閲覧期間の設定、再共有・編集権限の可否など情報漏洩対策も万全。
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なお、法人でも利用できそうなセキュリティを備えたクラウドストレージは、以下の記事でご紹介しています。参考にしてください。
企業は顧客や売上の情報をデータで保管することが当たり前の時代、バックアップは事業継続に必要不可欠であり、当然のことです。とはいえ、大量のデータを安全に保管する場所をつくるには、手間もコストもかかります。その意味で、クラウド基盤上のサーバーにデータを保管するクラウドバックは極めて合理的な手段と言えます。社外にデータを保管することに抵抗があるかもしれませんが、安全基準や機能などを吟味して、自社に適したサービスを検討していただければと思います。
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