最終更新日:2024-02-05
DX推進のための、自社員向けのリスキリング研修実施を検討している教育研修担当の方へ。法人向けリスキリングサービスの学習内容や選び方、おすすめのサービスを紹介します。
法人向けリスキリングサービスとは、企業の従業員に新しい知識やスキル、マインドを習得させるためのサービスのことです。
現在の日本は、成長分野への参入や最新デジタル技術の導入に必要なスキルを持つ人材が不足しており、政府による大々的なリスキリング支援が表明されました。また、企業の中でも、自社の従業員に新しいスキルを身につけてもらうことで、事業成長や効率化を実現するために、リスキリングサービスを導入する動きが活発になりつつあります。
本記事ではリスキリングの中でも、テクノロジーやデータの扱いに長けたDX人材の育成サービスを中心に紹介。中にはDXに関する基礎知識やスキル・マインドを身につけるための指針である「デジタルスキル標準」を満たす研修プログラムを作成しているサービスもあります。
デジタルスキル標準とは、経済産業省によって策定されたDX推進のための人材確保・育成の指針。以下の2種類で構成されています。
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DX人材育成のための学習内容としては、主に以下のような項目があります。
データ、情報セキュリティ、AI、ロボット、クラウド、ビッグデータ、IoT、XR、メタバース、ノーコード技術など、デジタルを利活用するためのIT全般の知識
DX推進の社会的背景、DXで活用されるデータや技術、新たな価値創造のためのマインド・スタンス・思考法などの知識
AIアルゴリズム、機械学習、統計、データ分析、知的財産、プログラミングでの実装方法などの知識とスキル
デザイン思考、フレームワーク、クリティカル・シンキング、PMPなどのプロジェクトマネジメント論、ITIL、スクラム開発、予算管理手法などの知識とスキル
システム設計、JavaScript、Python、PHPなどでの開発、実装、テスト手法、SQLによるデータベース管理など、開発の現場で必要となる知識とスキル
AWS、Azure、GCPなどのクラウドサービスでの構築、Linuxの使い方など、ハードウェアやソフトウェア、ネットワーク、セキュリティに関する知識とスキル
PythonやSQL、機械学習、ディープラーニング、回帰分析、データ前処理、AI活用、適切なレポーティングなどの知識とスキル
セキュリティ・ポリシー、攻撃手法と対策、IDS／IPS、鍵暗号方式、デジタル署名、クラウドセキュリティなどの知識とスキル
法人向けリスキリングサービスならではの機能として、主に以下のようなものが挙げられます。
育成したい人材のタイプに合わせて、基礎的な内容から実践的な専門スキルまで様々なプログラムが用意されています。
たとえば、「アイ・ラーニング リスキリング実現プログラム」では、「DX推進リーダー」や「ビジネスアーキテクト」、「シチズンデータサイエンティスト」など、育てたい人材像ごとにプログラムを提供。プログラムの組み合わせもできるので、自社に必要なDX人材の育成が可能に。
個々人の適性を診断し、より効果的なカリキュラムを提示してくれるサービスなら、学習者の意欲向上や、自発的な学びの促進が期待できます。
たとえば「Schoo for Business」では、デジタルスキル標準に対応したDXスキル診断を提供。全100問の設問で対象者のスキルや強み、課題を可視化し、結果に基づいたプログラムがレコメンドされるため、効率的に学べます。
また、「SIGNATE Cloud」では、データ活用スキルの計測テストを実施。データの処理能力と読解力を計測・可視化することで、自分の得意・不得意が把握できます。弱点を克服するための講座がレコメンドされる仕組みもあるので、着実なスキルアップが可能です。
上記のスキル診断などをもとに、中長期的な育成計画の策定をサポートするのも、法人向けならではのサービスです。各部署にDX人材を配置したい、専門部署の効率化を図りたい、新人に基礎知識を身につけさせたいなど、自社の目的に合った計画立案をバックアップします。
たとえば、「exaBase DXアセスメント＆ラーニング」では、アセスメントの結果から各受講者や組織全体の強み・弱みを明らかにし、次の成長方針を提案。人材要件を定義し、育成計画を策定します。そのうえでプログラムを選択して実施するため、自社の成長を見据えた堅実な人材育成が可能に。
法人向けリスキリングサービスの選び方は、以下のような目的別に分類できます。
DXの基礎的な知識や取り組み方法を周知し、社内の各種DX推進プロジェクトへの積極的な参加を促すなど、従業員の行動変容を目指すタイプ。概論を学べるサービスなので、「意識改革から行いたい」企業におすすめです。
たとえば、「アデコのDX研修」は、参加型キックオフとワークショップで従業員のモチベーションを高めます。研修を通してDXの取り組みを自分事として捉えてもらうことで、各種プログラムで提供する知識の定着率が向上。実務でのアクションにもつながります。
「Enablement」はインタラクティブなオンライン形式での集合研修プログラムを提供しており、受講者の状況を見ながら、質疑応答や個別のサポートが可能。一人ひとりの悩みに寄り添った確実なスキルアップを支援します。
eラーニングによる自己学習をメインとするタイプ。DXに意欲的な人材に学びの場を提供し、社内のDX推進プロジェクトを活気づけていきたい企業に向いています。
たとえば「Schoo for Business」は、8,000本以上の動画を提供しており、従業員の課題・好奇心に寄り沿った研修が可能に。また、現場のプロと相互にコミュニケーションをとりながら学びを深められる、ライブ授業も行なっています。
集合研修を通じて、主にプロジェクトマネージャーを育てることを目指すタイプです。短期間で多くの従業員がスキルアップできるのが特徴で、DX部門の実力を底上げしたい企業に向いています。
たとえば、コードキャンプの「DX人材育成研修」は、プロジェクトマネージャー養成に特化した講座を提供。マネジメントの基礎理論、予算管理手法、システム運用管理方法などを具体的な事例から学べるのが特徴です。
ITエンジニアへの職種転換を見据えて、実践的な専門知識を習得させることを目指すタイプ。研修後に即戦力として、現場で働くエンジニアを育てたい企業におすすめです。
たとえば、「TECH CAMP 法人研修サービス」はエンジニア育成コースを用意。HTML、CSS、Ruby、Ruby on Rails、JavaScriptなどの言語に対応しており、フロントからサーバーまで幅広いプログラミングスキルを学習できます。
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（出所：アデコのDX研修公式Webサイト）
アウトプットを重視し、受講者の行動変容を促す初学者向けDX研修サービス。DX推進に役立つ3つのスキルと、実践活用を想定したトレーニングで若手・中堅人材の成長をサポートする。
オンライン完結型で、およそ2〜3カ月かけてeラーニングとワークショップを実施する。コンテンツは動機付け、ビジネス思考法、デジタルリテラシーの3つの要素で構成。学んだ内容をDX改善提案書に落とし込む「価値創造ワークショップ」をはじめ、学んだスキルを実務に活かすためのアウトプットを重視したプログラムがそろう。気づきや発見につながる、他社や他部署との合同研修も実施。
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（出所：Enablement公式Webサイト）
リンクアンドモチベーショングループの組織人事の専門性と、PCスクール「アビバ」の運営・指導ノウハウによって、一人ひとりの「確実な」ITスキル向上を支援するリスキリングプラットフォーム。実際の業務における実効性と効率性の両面を測定できる、独自のITスキル診断サーベイに強み。研修前の診断でスキルレベルを相対化して個々人の苦手ポイントを明確化。レベル別の研修プログラムを実施後、再度診断を実施することで、研修によるスキル向上度合いが可視化されるため、ITへの苦手意識の払拭が見込める。
研修プログラムは録画や一方通行による配信ではなく、インタラクティブなオンライン形式で提供。各企業の状況やニーズに合わせて対面式の集合研修や個別研修などにも対応している。
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（出所：アイ・ラーニング リスキリング実現プログラム公式Webサイト）
受講者を短期間でDX人材へと変革する研修プログラム。ビジネススキルとデジタルスキルの両輪で、DX推進の社内インフルエンサーを育成する。初学者はもちろん、中級者のスキルアップにも役立つ設計が魅力だ。
全社員を対象にした「DXリテラシー標準」がベースの研修や、リーダー層向けの「DX推進スキル標準」をベースにした研修を用意。eラーニングプログラムに加えて、オンラインクラスと教室クラスから選べる集合研修も提供している。そのほかにも個別開催研修やカスタマイズ研修、オーダーメイド研修も利用できるため、通常業務との調整を利かせやすいのも嬉しい。
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（出所：Schoo for Business公式Webサイト）
企業を変革し、競争力を高められるDX人材の育成に特化したサービス。DXスキル診断で社員一人ひとりのDXスキルを可視化したうえで、適切な学習動画をレコメンドするため、効率的なスキル底上げが期待できる。
DX推進者育成のカリキュラムでは、経験豊富な講師から指導を受けることで、質が高く実践的な知識を身に付けられる。8,000本以上のeラーニングコンテンツを自由に視聴できるほか、体系的に学びたい受講者に向けたレベル別のDX研修パッケージも用意。また、チーム力を上げるためのコーチングなど、DXに付随する知識を得られるため、総合的なスキルアップにも有効だ。
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（出所：SIGNATE Cloud公式Webサイト）
研修成果の可視化に特化した、超実践型のDX教育サービス。スキル標準に準拠した各種アセスメントやスキル別認定プログラムなど、コンテンツごとに“何ができるようになるのか”を明確化しているのが特徴だ。コンテンツはすべてオンライン上で受講可能。
DX推進者育成研修としては、「DXビジネス実践スキル」と「DXデータ分析実践スキル」の、2種の認定プログラムが用意されている。どちらもまずはeラーニング学習を行い、スキル計測テストで達成度を確認。その後、社内コンペティションや自社DX企画立案といった実践トレーニングで、スキルの習得を促進する。更に、学習相談会や補修研修、個別Q＆Aサポートなどのサービスを活用することで、学習効果を最大化できる。
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（出所：Aidemy Business公式Webサイト）
AIを中心としたDX人材育成・組織づくりを支援し、事業成功へつなげるオンラインDX人材育成サービス。初心者から実務経験者まで、幅広いスキルアップを支援するほか、学習進捗の可視化によって、意欲が高いリーダー人材の発見にも役立つ。
180以上の豊富なDX学習コンテンツから、目的や職種別にコンテンツを選べるうえ、毎月新しいコースが追加されるため、常に最新技術を学べるのが魅力。研修管理者向けの機能も充実しており、受講生の学習進捗管理やカリキュラム管理、理解度確認テストといった機能を使って、効率的に人材育成を推進できる。
（出所：DXリテラシー標準 教育スターターパック公式Webサイト）
非IT企業向けのサブスクリプション型DX人材育成サービス。若手からDX推進者まで、全社員を対象とする「ITリテラシー」および「DXリテラシー」教育に対応している。DXの前提となる、IT基礎知識から学べるプログラム設計がポイントだ。
プログラムは合計13コースあり、DXリテラシー標準に基づくマインドやスタンス、ビジネスアナリシス、アルゴリズムとプログラミング、アジャイル、要求定義と要求分析など多種多様な講座が用意されている。学習後は知識習得度確認テストを受けられ、受講者の国家試験対策にも役立つ。
（出所：Udemy Business公式Webサイト）
厳選された約9,500の講座が学び放題の、オンデマンド学習ソリューション。各界で実務経験を積んだ講師が監修する、豊富なコンテンツが毎月提供されるので、常に最先端の知識とスキルを学習できる。
DX推進者育成向けコンテンツとして、アジャイル・プロジェクトマネジメントやデザイン思考、ビジネスモデルなどの講座を展開。更に、データサイエンスやプログラミング、ソフトウェアエンジニアリングなどに関するプログラムも提供している。Course APIやReporting APなど同サービスの各APIを利用すると、ほかの学習管理システムと連携できるようになり、管理者の業務負荷軽減にも役立つ。
（出所：exaBase DXアセスメント＆ラーニング公式Webサイト）
即戦力として活躍できるスキル習得に最適な、DX人材育成プラットフォーム。デジタルイノベーターアセスメント（DIA）による可視化からOJTによる実践力強化まで、一気通貫で提供する。
DIAの結果をもとに人材要件の定義を行い、育成計画の策定から支援。ブレのないDX人材育成に貢献する。集合型研修としては、実践的なビジネスアーキテクト育成コースを設定。受講者はデータドリブンに基づく判断・意思決定を行い、リーダーとしてDXを推進するための知識を短期集中で学べる。また、デザイン思考ワークショップやデータサイエンス演習など、幅広いスキルの習得をサポートするプログラムがそろう。
（出所：DX人材育成研修公式Webサイト）
実務につながるスキルを習得できる、DX人材育成プログラム。業種別の課題や、実際のシステム環境を再現したプロジェクト型学習など、実践重視の講義内容が特徴だ。進捗に応じたサポートを個別に行い、離脱防止やモチベーション維持の支援を行うなど、脱落者を出さない研修運営にも強みを持つ。
プロジェクトマネージャー養成講座、システム運用管理者養成講座などの集団研修プログラムを用意。学習開始と終了のタイミングでアセスメントを実施するので、現状把握と効果測定に有効だ。不合格者には復習の後に再受験を促し、妥協なくスキル定着をあと押しする。
ITエンジニアを育成する、主なリスキリングサービスを紹介します。
(出所：TECH CAMP 法人研修サービス公式Webサイト)
専任メンターが徹底サポートする、未経験者育成向けの伴走型DX研修サービス。学習に関する質問に対応するだけでなく、進捗やモチベーション管理までしっかりとフォローすることで、期間内の学習完了率90%以上を達成している。
エンジニア育成コースでは、フロントからサーバーまで幅広くプログラミングスキルを身につけられる。その他、AI人材育成コース、DX人材育成コース、ITリテラシー習得コースなども用意されており、育成したい人材類型によって柔軟な選択が可能だ。自社の課題に合わせて研修内容をカスタマイズできるため、受講者はより実践的なスキルを身につけられる。
(出所：educure公式Webサイト)
社内で即戦力のITエンジニアを育成する、リスキリングサービス。プログラミングスキルはもちろん、現場の業務に必要なコミュニケーション能力、コーチングスキル、思考力なども身につけられる。
プログラミングスキル研修では、フロントエンドからバックエンドまでの業務をカバーし、自社開発を担うハイレベルなエンジニアを育成。使いやすいシステムも特徴で、予約、出席、進捗確認はすべてオンラインで完結する。学習ペースは週1回から毎日まで個人に合わせて設定できるため、日常業務に支障のないスケジュールで研修を進められる。
変化の激しいデジタル社会においては、働く人すべてがDXリテラシーを備え、実践していくことが求められます。自社で教材を作成して研修を実施するには、多大なコストがかかりますが、リスキリングサービスを利用すれば、効率よく人材を育成できます。
DX推進のためのリスキリングサービスを選ぶ際は、次の4つから自社の目的に合致するものを見つけてください。
サービスを活用すれば、受講者のスキル把握や効果測定、今後の育成計画策定も容易になります。また、講習の完遂やスキルの定着を支援してくれるサービスもあり、社内のDX推進プロジェクトを主導するマネージャーを育てるうえでも有用です。この機会に導入を検討してみてください。
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★★★★★ 4.0 1件の口コミ・評判
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デジタルスキル標準に対応したDX人材育成サービスです。実践的な課題を通じて、社員のDXリテラシー＆推進スキルの計測・向上を支援します。...
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