最終更新日:2024-01-16
電子帳簿保存法に対応した書類管理の環境を低コスト(無料)で構築したいと考えている方へ。有料版システムの導入前に試験的に利用できる無料の電子帳簿保存アプリを中心に、概要や機能、無料で使える範囲の一覧表などとともに、おすすめのアプリを紹介します。
電子帳簿保存アプリとは、領収書や契約書、請求書といった国税関係の書類を、適切な形式で電子保存するためのアプリです。
1998年に施行された電子帳簿保存法(正式名称:電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律)は、税務関係の帳簿や書類の電子データでの保存を認めるものでした。
しかし、法改正によって、2024年1月からは電子取引のデータ保存が完全義務化。「電子帳簿等保存」「スキャナ保存」「電子取引」の3区分ごとに保存要件が定められ、それらに則ったデータの保存が必須となりました。
特に電子取引に関する書類は、紙での保管が不可になり、原則データでの保管が求められるように。もしも対応していない場合、追徴課税や青色申告の取り消し、連結納税の承認取り消しなどのリスクを負う可能性があります。
そこで活躍するのが電子帳簿保存アプリ。電子データの保存やタイムスタンプの付与が簡単にできるうえ、導入によって以下のようなメリットが見込めます。
アプリによって違いはありますが、主に契約書、領収書、預金通帳、請求書、納品書、送り状、見積書、注文書、検収書などの保存が可能です。
電子帳簿保存アプリをお探しの方は、こちらからサービス紹介資料をダウンロードいただけます。
利用規約とプライバシーポリシーに同意の上、
資料をダウンロードしてください。
アプリやシステムによって違いはありますが、電子帳簿保存アプリの主な機能として以下が挙げられます。
文書の取り込み・保管 | メールからの取り込み、スキャナ保存、CSVデータのアップロードなど、様々な方法で文書を取り込み。クラウドや専用データベースなどで保管する |
---|---|
検索 | 企業名や取引金額、取引年月日などの複数条件検索や全文検索機能などで、必要な書類にスムーズにアクセスできる |
タイムスタンプの自動付与 | 法要件帳票の真正性を担保するための機能。通常の業務処理サイクル内(最長2か月と7営業日内)に、修正・訂正ができないシステムでスキャンした場合のみタイムスタンプは不要 |
AI-OCR(自動読み取り)機能 | 金額・日付・取引先名などを自動で文字情報化。事業者登録番号の読み取りや、番号の有効性をAIが自動判定するツールも |
アクセス制限(権限設定) | 「部署ごと」「閲覧のみ」など、アクセス権限を柔軟に管理。社内統制やセキュリティ対策の強化に有効 |
電子帳簿保存アプリのうち、完全無料もしくは無料プランを用意しているアプリの概要と、無料で利用できる条件や機能をまとめました。
サービス名 | 概要 | 無料の条件/制限 |
---|---|---|
マネーフォワード クラウドBox |
完全無料のクラウドサービス。個人から中小企業、上場企業まで、規模を問わず導入されている | 容量・利用人数無制限。「電子取引区分」に対応する機能が完全無料で利用できる ※2024年6月以降は有償化の予定 |
バクラク電子帳簿保存 | シンプルな操作感と豊富な機能で運用コストを削減するサービス | アップロード件数200件、ユーザー数5名まで。 タイムスタンプの付与、区分・解像度の自動判定、事業者登録番号の判定、インボイス制度に対応 |
SATSAVE | 便利な機能をワンパッケージにまとめたJIMA認証取得のシステム | ユーザー数、利用期間の制限なし。容量制限500MBまで、基本機能のみ利用可 |
OPTiM 電子帳簿保存 | AI解析に強みを持つツール。JIMA認証取得済み | ユーザー数、容量制限なし。アップロード件数月間10件(年間120件)、ファイル保存期間6カ月 |
楽楽電子保存 | 電子請求書発行システム「楽楽明細」と連携した無料サービス | ユーザー数、利用期間の制限なし。「楽楽明細」で受け取った帳票のみ、保存と一元管理が無料 |
命名くん | 「リネーム・検索ツール」「書き込みツール」の2ツールで構成されたアプリ | ユーザー数、利用期間の制限なし。インボイス登録番号確認機能は利用不可。サポートなし |
Bill One | 請求書業務に特化したインボイス管理サービス | 従業員数100名以下の法人限定で請求書が毎月100件まで無料。閲覧期限なしで保存できる |
無料で使える上記のアプリを、さらに詳しく説明します。
利用規約とプライバシーポリシーに同意の上、
資料をダウンロードしてください。
(出所:マネーフォワード クラウドBox公式Webサイト)
完全無料で利用できるクラウドサービス。個人から小規模〜中小企業、IPO準備・上場企業まで、幅広い企業で利用されている。
容量・利用人数の制限なく、電子で受領したデータを保管。加えて、「取引先名」「日付」「金額」などの情報を合わせて保存・検索できるなど、電子帳簿保存法の「電子取引区分」への対応に必要な機能がそろう(「スキャナ保存制度の改正」への対応については開発中)。請求書についてはOCRでの読み込みにも対応。
「マネーフォワード クラウド会計」や「マネーフォワード クラウド請求書」と連携させれば、経理業務の更なる効率化が期待できる。
(出所:バクラク電子帳簿保存公式Webサイト)
あらゆる書類を保管できる電子帳簿保存サービス。電子保存したい書類をアップロードするだけの簡単操作と、誰でも直感的に操作できるシンプルなシステムで、運用コスト削減に貢献する。
書類をアップロードするだけで、検索要件項目(取引先名・取引日・取引金額)や書類種別、書類区分、インボイスの事業者登録番号を読み取り判定。タイムスタンプ付与、メールからの書類取り込み、カテゴリー別の書類管理といった機も豊富に備える。
アップロード件数やユーザー数の拡充、サポートが必要となった組織向けには、月額9,800円〜のスタータープランを用意。
(出所:SATSAVE公式Webサイト)
JIMA認証取得の電子帳簿保存アプリ。帳票の一括登録や管理情報のCSV出力、電子・紙スキャンのPDF文書の一元管理、適格事業者登録番号の自動判定など、便利な機能をワンパッケージで提供している。取引先から送られてくる書類もクラウド上に直接保存するため、メール添付が不要に。PPAP(パスワード付きZIPファイルの送付)対策としても有効だ。
無料プランでは、約2年分の帳票を保存できる500MBの容量が利用可能(月あたり100件を想定)。加えて、容量や「組織管理」「ワークフロー」などの機能で異なる3種類の有料プランを用意している。
(出所:OPTiM 電子帳簿保存公式Webサイト)
AI解析であらゆる取引情報の電子帳簿保存に対応する電子帳簿保存ツール。AI解析に強みを持ち、管理台帳の自動作成、インボイス登録番号の自動読み取り、番号の有効性の自動チェック、書類情報の自動入力などの機能を搭載している。請求書をはじめ、見積書、注文書、領収書、送り状など様々な取引情報を電子化し、一つの取引で発生した関連書類を紐づけて一元管理できる。加えて、インボイス登録番号のAI読み取りや、番号の有効性の自動チェックにも対応。
無料プランにはアップロード件数月間10件、ファイル保存期間6カ月という制限があるが、試験的な導入やスモールスタートにはおすすめ。月間100件以上アップロードしたい場合に向けて、6種類の有料プランを用意。
利用規約とプライバシーポリシーに同意の上、
資料をダウンロードしてください。
(出所:楽楽電子保存公式Webサイト)
電子請求書発行システム「楽楽明細」で受け取った電子請求書などの帳票を、一元管理できる無料サービス。「楽楽明細」以外のメール添付やWebサービスなどで受け取った請求書を保存・管理したい場合は、月額17,000円からの有料版(アップロード件数に応じた従量課金)に申し込む必要がある。「楽楽明細」から受け取った請求書の保存に関しては、「無料版」「有料版」のどちらでも無料。
請求書データの取り込みやタイムスタンプの付与などは、簡単な操作で完了。AI-OCR機能も搭載している。複数の取引先から送られてきた請求書をマイページに集約することで、管理の手間をカットできる。
(出所:命名くん公式Webサイト)
WindowsのPCで利用できる電子帳簿保存法対応アプリケーション。電子帳簿保存法における検索要件を満たすための「リネーム・検索ツール」と、電子取引データの長期保存をする「書き込みツール」の2ツールで構成されている。無料版はアカウント登録不要で、手軽に使いはじめられる。
事前に登録した社内共通の取引先名や取引内容をマウスで選ぶだけの簡単操作で、ファイル名を簡単に統一・変更。有料版ではインボイス登録番号確認に対応しているほか、ユーザーサポートや運「電帳法まるわかりスタートブック」を提供している。
(出所:Bill One公式Webサイト)
請求書業務を効率化するインボイス管理サービス。紙、電子など様々な方法・形式で届いた請求書をオンラインで受け取り、クラウド上で一元管理する。請求書を受け取った現場社員の支払い申請から上長の承認、経理部門による仕訳作成まで、ワンシステムで対応。加えて、社内メンバーはもちろん、担当税理士とも請求書を共有できるので、業務効率化による組織全体の生産性向上に寄与する。
従業員数100名以下の法人または個人事業主限定で、請求書が月に100件まで無料のスモールビジネスプランを用意。中小規模の企業における請求書業務のDXを後押しする。
利用規約とプライバシーポリシーに同意の上、
資料をダウンロードしてください。
有料版の電子帳簿保存アプリは、月額10,000円以下と安価で利用できるものがほとんど。様々な書類を電子帳簿保存する「1.電子保存専用タイプ」、請求書や領収書を中心とした「2.請求書受領タイプ」「3.経費精算タイプ」と、導入の目的に合わせて大きく3タイプに分けられます。
そして、以下のような有料版ならではのメリットが期待できます。
たとえば月額1,980円から利用できる「invox電子帳簿保存」では、コスト重視の「セルフ」、精度重視の「オペレータ」、スピード重視の「AI OCR」の3プランからデータ化方法を選択可能。安価ながら、申請・承認ワークフローや書類のグルーピング、データの出力など、文書管理に必要充分な機能が備わっています。
中には、官公庁や大手企業で広く採用されている高精度なAI-OCRエンジンを用いた「DenHo」、採用・勤怠記録といった人事データ、監査・研究データなども電子保存できる「DataDelivery」といった、独自性の高いシステムも。
有料版アプリについては、「電子帳簿保存システム比較14選。対応ソフトをタイプ別一覧紹介」で詳細をわかりやすく解説しています。ぜひご参照ください。
契約書や領収書といった国税関係の書類を、電子データで保存できる電子帳簿保存アプリから、無料で利用できるものを中心に紹介しました。これらのアプリを導入することで、2024年1月からの電子帳簿保存法改正への対応に加えて、以下のようなメリットが得られます。
無料で利用できる電子帳簿保存アプリには、すべての機能が完全無料で使えるものから、ユーザー数や利用期間、保存容量、機能に制限があるものまで様々。まずは、「とにかく低コストで使いたい」「有料版の前段階として試験的に利用したい」といった目的と、無料で使える範囲が合致しているかどうか確認します。
有料版(もしくは今回無料プランを中心に取り上げたアプリの有料プラン)の場合でも、月額10,000円以内で利用できる安価な電子帳簿保存アプリは多くあります。無料のアプリを使ってみて「アップロード件数を拡充したい」「無料アプリである程度使い勝手がわかった」といった声が多くあれば、有料版への切り替えも選択肢に入れてみてください。
電子帳簿保存アプリをお探しの方は、こちらからサービス紹介資料をダウンロードいただけます。
利用規約とプライバシーポリシーに同意の上、
資料をダウンロードしてください。
月額9,980円から利用できるAI電子帳簿保存システム。請求書などをアップロードするだけで、AIが取引年月日・取引金額・取引先名を管理台帳に自動登録。電子帳簿保...
利用規約とプライバシーポリシーに同意の上、資料をダウンロードしてください。
★★★★★ 4.1 61件の口コミ・評判
★★★★★ 4.1 61件の口コミ・評判
あらゆる請求書をオンラインで受け取り、企業全体の請求書業務を加速するインボイス管理サービスです。紙の請求書は代理で受け取り、面倒なスキャンも行います。請求書を受...
利用規約とプライバシーポリシーに同意の上、資料をダウンロードしてください。
アスピックご利用のメールアドレスを入力ください。
パスワード再発行手続きのメールをお送りします。
サービスの導入検討状況を教えてください。
ご登録いただいているメールアドレスにダウンロードURLをお送りしています。ご確認ください。