最終更新日:2022-06-10
多数のPCやサーバーのキッティングにかかる手間や時間を削減したい方へ。クローニングツールの機能やクローニングの方法、ツールの比較ポイントを、おすすめのツールとともに詳しく解説します。
クローニングツールとは、マスターとなるPCやサーバーと同じ構成を別のPCやサーバーに複製し、すぐに使えるようにするためのツールです。
キッティングを手作業で行う場合、ログインユーザー作成、ホスト名やIPアドレス等の設定、アプリケーションのインストール、アクティベーションのためのライセンス認証、各種設定とその動作確認、管理台帳への登録…といった数々の工程が必要となります。
一つひとつの作業はさほど難しいものではないため、小規模の組織では担当者による手作業でキッティングを行っているケースもあるでしょう。しかし、手作業では、初期設定の手間、作業ミスや漏れ、長時間作業による人的コストの増加といったデメリットが生じます。
クローニングツールを使えば、マスターとなるデータを他のPCに展開・コピーするだけでキッティングが進むので、簡単かつ短時間で作業が完了します。マスターとなるイメージは、USB、DVD、PC、サーバー、HDDなどに保存でき、PCやサーバーを1台単位から多数の台数まで同時にクローニングすることが可能です。
クローニングツールが活躍するのは、新入社員が大勢いる場合や、従業員のPCすべてを新しいPCに買い換える場合、使用していたOSにバージョンの変更があった場合などが挙げられます。また、民間企業以外にも、学校のPC室や公共図書館など利用者が多数いる場合でも使用されています。
OS搭載の無料で使えるツールとして、Windowsの「Sysprep (システム準備)」や、Macの「ディスクユーティリティ」が挙げられます。これらの機能で作業を効率化することもできますが、クローニングの方法や設定できる範囲の制限などがあるため、有償ツールを視野に入れることをおすすめします。
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クローニング方法として、主に以下の3つがあります。
起動ディスク(ブートディスク)を利用したクローニングには、USBメモリなどを使って、「1対1で復元していく方法」と、「1対N(複数)で復元していく方法」の2つがあります。クローニング対象PCにエージェントをインストールする必要がなく、国内のほとんどの企業で利用されている最も一般的な方法です。
数台ごとにPCをキッティングしたい、または期間をあけてキッティングしたいというように、一度ではなく、必要なタイミングでいくつかキッティングしていく場合は、1対1のバックアップでも運用できます。
一方で、数十台のPCを一度にキッティングしたい場合は、1対Nでできる方法を使用します。イメージの配信サーバーを用意して、一斉に配信することでクローニングを行います。
PXE(プリブート実行環境)を使って、ネットワークブーストでPCを起動させてから、マスターにあるPCのディスクイメージをPCに配布する方法してクローニングする方法です。各PCやサーバーへのインストールや起動ディスクが不要なのが特徴です。
PCの環境を頻繁に変えたい場合に有効な方法です。たとえば、学校の教室で、カリキュラムによって利用するソフトウェアを定期的に変更したい場合などは、PCにエージェントソフトウェアを入れておけば、あとからの更新が行いやすくなります。
以下のポイントで最適なクローニングツールの比較・検討を進めます。
まず注目すべきは使用しているPCのOSです。Windowsの場合、ツールが最新版に対応できているかをチェック。Windows 11への対応が遅れているケースがあります。
Mac OSやLinuxの場合は、そもそもツールが対応しているのか、対応している場合はどのバージョンまで対応しているか範囲を確認する必要があります。たとえば、Macは一部のみ対応というケースがあり、Linuxは対応ディストリビューション(Red Hat、Ubuntuなど)が限定されていることが多いためです。
幅広いデバイスとOSに対応した「Symantec Ghost Solution Suite」からMac専用の「M2DeployTools」まで、対応範囲はツールによって様々。使用シーンや環境に適したツールを選ぶことが大切です。
ツールを導入して時間短縮を図っても、そもそものデータ転送速度が遅ければ、結局はセットアップに時間がかかってしまいます。特に多数のPCに対して、サーバーから一斉配信でデプロイする場合は、高速配信をできるか否かが効率化のポイントになります。
たとえば「Acronis Snap Deploy」では、高速配布機能を搭載。LANまたはWi-Fiネットワークにマシンを接続することで、一元化されたダッシュボードから、ユニキャストまたはマルチキャストにより、単一のイメージを複数のコンピューターにすばやくデプロイできます。
ツールの中には「Symantec Ghost Solution Suite」のように、IT資産管理機能でソフトウェアやハードウェアの情報の収集ができるものもあります。OSのセキュリティ更新プログラムに最新版がインストールされているかどうか、CPU・メモリのスペック、ディスクの空き容量といった情報を管理コンソールから確認できるため、社内PCの一元管理が可能になります。
ただし、専門のIT資産管理機能に比べるとその機能は限定的といえます。すでに専用のIT資産管理ツールを導入している場合や、ソフトウェアのインストール状況、利用状況などをより詳細に把握したいと考えている場合は、あまり深く検討する必要はありません。
ここからは、おすすめのクローニングツールを5つご紹介します。
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(出所:Symantec Ghost Solution Suite公式Webサイト)
提供の歴史が長く、実績豊富なクローニングツール。1台〜複数のPCを、短時間で一斉にクローニングできる。起動ディスクを使用する方法と、Ghostの管理画面を利用する方法(PXE機能、またはGhostのエージェントを使用)があり、マスターイメージはCDやDVD、パソコン、サーバー、HDD、フロッピー等に保存可能。GhostのエージェントはマスターとなるPCにのみインストールが必要だが、クローニングするPCには不要となる。
管理コンソールでの資産管理のほか、付属のGdisk(米国国防総省(DoD)準拠のツール)を使ったデータ消去機能もあり。民間企業はもちろん、大学・高校・中学などのPC室や、市町村の図書館といった利用者の多い施設、キッティングを専門に請け負うキッティングセンターでも導入されている。
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(出所:Acronis Snap Deploy公式Webサイト)
サーバーとワークステーションを一度にデプロイ&プロビジョンできる、オールインワン型のデプロイメントソリューション。オペレーティングシステム、設定、ファイルおよびアプリケーションを含め、標準設定から正確なディスクイメージを作成し、ワンステップで複数のコンピューターにデプロイできる。初期設定はもちろん、定期的に行われる既存の稼働中のマシンへの再展開でも活躍。マシンごとに構成をカスタマイズする個別設定では、処理の進行状況を監視できるほか、Macアドレスで識別される新しいコンピューターを事前に構成することもできる。
機種の異なるハードウェアにも展開可能。同じイメージを異なるハードウェアにプロビジョニングできるので、ハードウェアのメーカーごとに新しいマスターシステムを構成する必要がない。ライセンス体系の柔軟性も魅力。
(出所:ActiveImage Deploy USB™公式Webサイト)
WindowsのPC/サーバーのキッティングを簡単に短時間で行うことができる、ライセンス消費型のデプロイツール。作成したデプロイ用USBデバイスから起動して、1クリックでUSBデバイス内にイメージを取得。その後、同一構成のPCをUSBデバイスから起動して、1クリックでデプロイを行う。10GB/45秒程度(SSDモデルの場合)と、従来のネットワーク配信タイプの5倍程度の速度が特徴。
クローニングのほか、バックアップ・リカバリも行いたい方に向けた、Windowsサーバー/クライアント向けや、Linuxサーバー向けの物理・仮想環境両方で使えるイメージバックアップツール「ActiveImage Protector 2022-RE」も展開。ディスク全体を丸ごと1つのバックアップファイルとして作成することにより、様々な操作ができる。
(出所:ImageMaker公式Webサイト)
シンプルな構成、業界最安値クラスのライセンスコストでキッティング業務をアシストするクローニングツール。USBと外付けHDDのみの最小限の設備でスタートでき、100ライセンス単位で使用する分だけご購入できる。わかりやすいUIと簡単な操作で、ツールの導入が不安な方や、気軽に試したい方、また現在使用しているクローニングツールが本当に自分に合っているのか迷っている方にもおすすめ。
展開対象はWindows8 8.1(32bit/64bit) Home Pro、Windows10(32bit/64bit) Home Pro。
(出所:M2DeployTools公式Webサイト)
Apple正規販売店(VAR)の同社が開発した、Mac向けのパッケージングツール。複数のアプリのインストールやコマンドによる設定などを1つのパッケージとして実行することにより、キッティングのコストを大幅削減。作成したパッケージをクローニングしたい端末でインストールすれば、再起動するだけでプロビジョニングが実行され、あらかじめ設定したタスクが順番に処理される。 ユーザー操作が必要なアプリについても「手動設定タスク」を利用すれば、明示的に設定を促す処理が行える。
Macに障害が発生して再セットアップしなければならない際も、パッケージをインストールするだけで設定が完了するので、Macの操作に慣れていない担当者でも対応可能。コンピューター設定、IPアドレス設定など、端末個別の設定についても一括設定できるため、管理者の負担が軽減する。
手間のかかるキッティングを、大量のPCに手作業で行っていては、時間がいくらあっても足りません。クローニングツールを使用すれば、煩雑なキッティング作業を自動化し、人的ミスや作業工数を大幅に削減できます。
利用シーンに適したクローニング方法を選択し、「OSへの対応状況」、「高速配信への対応(データの転送速度)」、「IT資産管理機能の必要性」などを踏まえた上で、ご紹介した5つのおすすめのクローニングツールも参考に、最適なツールをご検討ください。
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★★★★★ 5.0 1件の口コミ・評判
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