最終更新日:2023-09-13
多数のPCやサーバーのキッティングにかかる手間や時間を削減したいと考えている情シス担当の方へ。クローニングツールの機能やクローニングの方法、ツールの比較ポイントを、おすすめのツールとともに詳しく解説します。
クローニングツールとは、マスターとなるPCやサーバーと同じ構成を別のPCやサーバーに複製し、すぐに使えるようにするためのツールです。クローニングとは、クローン(複製品)に由来する言葉で、「複製する」という意味を持ちます。
キッティングを手作業で行う場合、ログインユーザー作成、ホスト名やIPアドレスなどの設定、アプリケーションのインストール、アクティベーションのためのライセンス認証、各種設定とその動作確認、管理台帳への登録……といった工程が必要に。
一つひとつの作業はさほど難しいものではないため、小規模の組織では担当者による手作業でキッティングを行っているケースもあるでしょう。しかし、手作業では、初期設定の手間、作業ミスやもれ、長時間作業による人的コストの増加といったデメリットが生じます。
クローニングツールを使えば、マスターとなるデータをほかのPCに展開・コピーするだけでキッティングを進められるので、簡単かつ短時間で作業が完了。マスターとなるデータは、USB、DVD、PC、サーバー、HDDなどに保存します。複数台のPCやサーバーを同時にクローニングすることも可能です。
クローニングツールは、主に以下のようなシーンで活躍します。
など
民間企業以外にも、学校のPC室や公共図書館など利用者が多数いる場所でも使われています。
OS搭載の無料で使えるツールとして、Windowsの「Sysprep (システム準備)」や、Macの「ディスクユーティリティ」が挙げられます。これらの機能を使えば作業を効率化できるものの、クローニングの方法や設定できる範囲の制限などがあります。そのため、有償ツールの使用がおすすめです。
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クローニング方法として、主に以下の3つがあります。
起動ディスク(ブートディスク)を利用したクローニングには、USBメモリなどを使って、「1対1で復元していく方法」と、「1対N(複数)で復元していく方法」の2つがあり、いずれもクローニング対象PCにエージェントをインストールする必要はありません。これらが国内の多くの企業で使われている最も一般的なクローニングの方法です。
PCを数台ずつキッティングしたい、または期間を空けてキッティングしたいというように、必要なタイミングで少数のキッティングをしていく場合は、1対1で復元する方法をとります。
一方で、数十台のPCを一度にキッティングしたい場合は、1対Nでできる方法が最適。イメージの配信サーバーを用意して、全PCに一斉配信することでクローニングを行います。
PXE(プリブート実行環境)を使って、ネットワークブーストでPCを起動。その後マスターにあるPCのディスクイメージを配布することでクローニングする方法です。各PCやサーバーへのインストールや起動ディスクが不要なのが特徴です。
PCの環境を頻繁に変えたい場合に有効な方法です。たとえば、学校の教室用PCで、カリキュラムによって使うソフトウェアを定期的に変更しなければならない場合などが該当します。
PCにエージェントソフトウェアを入れておけば、後からの更新が行いやすくなります。
以下のポイントで最適なクローニングツールの比較・検討を進めます。
まず注目すべきは、使用しているPCのOSです。Windowsの場合、ツールが最新版に対応できているかをチェックしましょう。中には、Windows 11への対応が遅れているケースがあります。
Mac OSやLinuxの場合は、そもそもツールが対応しているのか、対応している場合はどのバージョンまで対応しているのかも確認しなければなりません。Windowsは対応しているがMacは非対応というケースや、Linuxは対応ディストリビューション(Red Hat、Ubuntuなど)が限定されているケースがあるためです。
幅広いデバイスとOSに対応した「Symantec Ghost Solution Suite(GSS)」からMac専用の「M2DeployTools」まで、対応範囲はツールによって様々。使用シーンや環境に適したツールを選ぶことが大切です。
ツールを導入して時間短縮を図っても、そもそものデータ転送速度が遅ければ結局セットアップに時間がかかってしまいます。特に、多数のPCに対してサーバーから一斉配信でデプロイする場合は、高速配信をできるか否かが効率化のポイントです。
たとえば「Acronis Snap Deploy」は、高速配布機能を搭載。LANまたはWi-Fiネットワークにマシンを接続することで、一元化されたダッシュボードから、ユニキャストまたはマルチキャストにより単一のイメージを複数のコンピューターへ、すばやくデプロイできます。
中には「Symantec Ghost Solution Suite(GSS)」のように、IT資産管理機能でソフトウェアやハードウェアの情報の収集ができるツールも。OSのセキュリティ更新プログラムのバージョンやCPU・メモリのスペック、ディスクの空き容量といった情報を管理コンソールから確認できるため、PCの一元管理が可能になります。
ただし、専用のIT資産管理機能に比べるとその機能は限定的です。すでにIT資産管理ツールを導入している場合や、ソフトウェアのインストール状況、使用状況などをより詳細に把握したいと考えている場合は、選択肢から外れます。
ここからは、おすすめのクローニングツールをご紹介します。
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(出所:Symantec Ghost Solution Suite公式Webサイト)
提供の歴史が長く、実績豊富なクローニングツール。1台~複数のPCを、短時間で一斉にクローニングできる。起動ディスクを使用する方法と、Ghostの管理画面を使用する方法(PXE機能、またはGhostのエージェントを使用)のいずれかが選べる。起動ディスクを使用する場合、GhostのエージェントのインストールはマスターPCのみ。クローニングするPCにインストールする手間がかからない。
マスターイメージはCDやDVD、PC、サーバー、HDD、フロッピーなどに保存可能。管理コンソールでの資産管理のほか、付属のGdisk(米国国防総省(DoD)準拠のツール)を使ったデータ消去機能もあり。民間企業はもちろん、大学・高校・中学などのPC室や、市町村の図書館といった利用者の多い施設、キッティングを専門に請け負うPCキッティングセンターでも導入されている。
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(出所:Acronis Snap Deploy公式Webサイト)
サーバーとワークステーションを一度にデプロイ&プロビジョンできる、オールインワン型のクローニングツール。オペレーティングシステム、設定、ファイルおよびアプリケーションを含め、標準設定から正確なディスクイメージを作成し、ワンステップで複数のコンピューターにデプロイできる。初期設定はもちろん、定期的に行われる稼働中の既存マシンへの再展開でも活躍。マシンごとに構成をカスタマイズして個別に設定を割り当てることもできる。処理の進行状況を個別に監視できるほか、MACアドレスで識別される新しいコンピューターを事前に構成することも可能。同じイメージを異なるハードウェアにプロビジョニングできるので、ハードウェアのメーカーごとに新しいマスターシステムを構成する必要がないのも強み。ライセンス体系の柔軟性も魅力となっている。
(出所:ActiveImage Deploy USB™公式Webサイト)
WindowsのPC/サーバーのキッティングを簡単に短時間で行うことができる、ライセンス消費型のデプロイツール。作成したデプロイ用USBデバイスから起動してUSBデバイス内にイメージを取得。その後、同一構成のPCをUSBデバイスから起動すれば高速展開する。操作はすべて1クリックで完了。10GB/45秒程度(SSDモデルの場合)と、従来のネットワーク配信タイプの5倍程度の速さが出るのが強み。基本設計とインターフェースを見直したことで、シンプルでわかりやすい操作感は維持しながらも、現代的で視認性の高いデザインとなった。
より高機能な「ActiveImage Deplov USB Plus」ライセンスでは、キッティング作業を受注したSI(システムインテグレーション)が作成したリカバリー専用USBメディアも納品可能。障害発生時のリカバリー作業をエンドユーザー側で簡単に行える。
(出所:ImageMaker公式Webサイト)
シンプルな構成、業界最安値クラスのライセンスコストでキッティング業務をアシストするクローニングツール。作業時に必要なのはUSBと外付けHDDのみで、イメージ配信用のサーバーといった大掛かりな設備は不要。最小限の設備でスタートでき、100ライセンス単位で使用する分だけを購入できる。
わかりやすいUIと簡単な操作が特徴で、イメージ形式がMicrosoft標準形式のため、「ツールの導入が不安」「気軽に試してみたい」「現在使用しているクローニングツールが本当に自社に合っているのかわからない」といった悩み・課題の解決に通用だ。
展開対象はWindows8 8.1(32bit/64bit) Home Pro、Windows10(32bit/64bit) Home Pro。
(出所:M2DeployTools公式Webサイト)
Apple正規販売店(VAR)の三谷商事が開発した、Mac向けのパッケージングツール。複数のアプリケーションのインストールやコマンドによる設定などを1つのパッケージとして実行することで、キッティングのコストを大幅削減。作成したパッケージをクローニングしたい端末でインストールすれば、再起動するだけでプロビジョニングが実行され、あらかじめ設定したタスクが順番に処理される。 ユーザーによる操作が必要なアプリケーションについても「手動設定タスク」を利用すれば、明示的に設定を促す処理が行える。
Macに障害が発生して再セットアップしなければならない際も、パッケージをインストールするだけで設定が完了するので、Macの操作に慣れていない担当者でも対応が容易に。コンピューター設定、IPアドレス設定など、端末個別の設定についても一括設定できるため、大量の同時導入に向いており、管理者の負担軽減に役立つ。
クローニングツールは、手作業で行えば煩雑で時間がかかるキッティング作業を自動化し、人的ミスや作業工数を大幅に削減できます。
クローニングツールの種類は様々ですが、主な比較ポイントは下記の3つです。
社内で利用するデバイスのOSや、デバイスの台数、一元管理の必要の有無など、利用目的に合わせて、最適なものを選びましょう。
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★★★★★ 5.0 1件の口コミ・評判
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