最終更新日:2023-12-04
社内外に散在するデータを分析・活用したいものの、データ準備の負荷の大きさに課題を感じている方へ。データ活用を効率化するETLツールの使い方や比較ポイント、おすすめのツールについて解説します。
ETLツールとは、社内外に散在するデータを活用しやすいように、収集・加工することのできるツールです。データの収集(Extract)、加工(Transform)、送出(Load)などを行うことから、頭文字を取って「ETL」と呼ばれています。
企業では様々なデジタルデータを利用していますが、基幹システムとBIツール・データベースなど、異なるシステム間で利用しやすくするためには、個々のデータを加工する必要があります。
従来は、ExcelやGoogleスプレッドシートなどを使って手動で加工したり、もしくはエンジニアに依頼して変換ツールを作ってもらうのが一般的でしたが、データソースが複数ある・大量にある場合、膨大な手間・負荷がかかってしまいます。また、マクロなどの専門知識もある程度必要になってくるため、どうしても作業が属人的になりがちです。
ETLツールなら、事前に設定するだけで必要なデータの変換・加工処理を自動で行うことができます。導入すると、以下のようなメリットが見込めます。
データ活用の効率が上がる | 専門知識がないスタッフでも必要なデータを抽出・加工して異なるシステムに受け渡すことが可能です。作業が自動化されるため、大量のデータでも処理できるようになります。 |
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コスト・工数削減につながる | これまでデータの変換・加工に費やしていたリソースが必要なくなるため、コスト・工数削減につながります。その分、本当に人的対応が必要とされている業務に向けられます。 |
入力や変換ミスが減る | 手動の作業にありがちな入力・変換ミスを、自動化することで減らせます。 |
ETLとよく似たツールに、EAIツールが存在します。「Enterprise Application Integration」の略称で、企業内の様々なシステム間でビジネスプロセスやデータを連携させるための仕組みや技術を指します。
データをつなぐという点ではETLもEAIも同様ですが、ETLがバッチ指向、EAIがイベント指向という点で大きく異なります。すなわち、ETLは一度に大量のデータを処理できますが、EAIはあまり多く対応できません。その分、EAIは必要なデータをタイミングよく確実に連携できるという強みがあります。
ETLツールを使ったデータ分析の流れの一例をご紹介します。
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ETLツールのタイプは大きく4つに分けられます。それぞれの特徴について解説します。
様々な形式のデータソースを抽出・収集して、使いやすい形へと変換し、DWHや他システムへと出力するETL機能に特化したタイプです。更に日本企業向けの機能やサポートが充実した国産ツールと、世界中での導入実績や拡張性に優れた海外製ツールに分けられます。この場合、データ連携させたいシステムの種類や数、データファイルのフォーマット、使いやすさ、サポートサービスの有無などが導入時の検討材料となります。社内の導入環境や目的を見極めて最適なツールを選びましょう。
たとえば、国産であれば「trocco®」はデータレイクからデータマートを生成(ETL)し、DWH内のデータをビジネス活用しやすい形に整備可能。「Reckoner」は30種類以上のサービス間のデータ転送・加工処理ができるだけでなく、それをGUI(ワークフロー作成)だけで実現できます。非エンジニアでも利用できる使いやすさもポイントです。
ETLで変換したデータをDWHに出力して保管し、それらのデータをBI機能によって分析できるタイプです。代表的なツールは「データ統一クラウドSrush」。3つの機能を統合することで、データ分析のフローをオールインワンで提供可能です。
EAIツールはETLツールのように一度に大量のデータを処理することはできませんが、複数の業務システム間のデータをリアルタイムで連携させることができます。その中には「ASTERIA Warp」のように、ETLツールとしての機能を備えたものもあります。
たとえば、「受注処理や在庫の引き当て」などリアルタイムでのデータ処理と、大量のデータの処理・整備との両方が必要な現場におすすめのタイプです。
AWSやAzureといったパブリッククラウドサービスのオプションメニューとして、ETL機能が提供されるタイプ。
たとえば、仮想サーバーの「AWS S3」やデータベース「AWS RDS」など、自社のシステム環境をAWSで統一している場合に「AWS Glue」を使うと、データ統合が迅速かつ効率的に。すでにパブリッククラウドサービスを利用している場合、有力な選択肢となるでしょう。
ETLツールの導入を検討する際に注意すべき、3つの比較ポイントについて解説します。
様々なDBやクラウドサービスとの連携コネクタが多数用意されていれば、プログラミングの知識がなくても、スムーズなデータ連携が実現できます。たとえば「trocco®」は、Google AnalyticsやBigQuery、Tableauなど約100種類のコネクタが揃ううえ、年間20種以上のペースで追加も実施。様々なデータソースとのスムーズな連携が可能に。
EAIツールとETLツールの違いのひとつとして、「処理可能なデータ量」が挙げられます。EAIツールと比べて、大容量データの処理に強みを持つのがETLツールですが、膨大な量のデータを処理する必要がある場合には処理可能なデータ量をチェックしておかなければいけません。
「Waha! Transformer」は、インストールサーバーのCPU数やデータ処理の複雑さに応じてマルチスレッドで処理を実行するため、大量データも高速に処理することができます。環境によって、1 日あたり15 億件以上のデータ処理を可能とする事例も。
ETLツールの価格は、定額制と従量課金制の2つの料金体系に大別できます。恒常的に大量のデータを処理しなければ行けない場合は、定額制のほうが安定的に運用できるでしょう。一方、時期によって処理しなければいけないデータ量が増減するなら、使わない時期に利用料を抑えられる従量課金制が適しています。
また、基本料金に加えてコネクタごとにオプション料金が発生するサービスも。連携先が増える場合は考慮が必要です。
国産のETL専用タイプのおすすめツールをご紹介します。
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(出所:Waha! Transformer公式Webサイト)
基幹系システムからクラウドデータベース、Web APIやExcelファイルまで、様々な環境のデータ抽出・変換・加工・連携を実現するETLツール。EDIやDWHなど各種業務アプリケーション間のデータ連携基盤として利用されたり、組織内の各所で仕様の異なるExcel更新作業の効率化に使われたりと、産官学や業種・業態を問わず導入されている。
大量データを高速処理できるほか、高度な処理もシンプル操作で簡単構築できるのも強みだ。1999年にリリースされた純国産ツールならではの豊富なサポート実績を持ち、製品選定から導入後のフォロー、利用範囲の拡張まで、手厚い一貫サポートが得られる。
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(出所:Reckoner公式Webサイト)
使いやすさを追求したクラウド型ETL/データパイプラインサービス。難しいプログラミングの知識がなくても、GUIでデータ連携フローを作成するだけでデータの連携・分析が行える。SREに強みを持つインフラ環境で運用されているため、別途での基盤の準備や可用性、バックアップ・セキュリティ対応などが不要。
広告やSFA/MA、CRMなど30種以上のデータベースやSaaSアプリケーションと接続でき、データの読み込みは数クリックで完了。データを変換・結合する際には、リアルデータを使ったプレビューを表示し、結果を確かめながらの操作が可能。業務効率化、マーケティングへのデータ活用、分析基盤の構築運用など、データ連携作業の工数を大幅に削減できる。
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(出所:trocco®公式Webサイト)
ETL/データ転送やデータマート生成、ジョブ管理、データガバナンスなど、データエンジニアリング領域をカバーした分析基盤構築・運用をサポートするSaaS。あらゆるデータの連携・整備・運用を自動化し、データ活用環境を整備することで、インサイトを得やすい環境を作り上げる。
プロのデータエンジニアが実務に必要なレベルの転送機能を搭載しているのに加え、CPU・メモリ割り当てを自由に選べる高速化オプションも。UIはデータエンジニアにとって最も設定・運用がしやすい設計となっており、最短5分で本番環境を展開することができる。約100種のDB、ストレージ、SaaSと連携できる強みも。
海外製のETL専用タイプのおすすめツールをご紹介します。
(出所:Talend Data Fabric公式Webサイト)
データの統合、データ整合性とガバナンス、アプリケーションとAPI統合をプラットフォームへと集約して一元化。信頼できるデータ基盤を実現するプラットフォーム。
オンプレミスからクラウドまで、あらゆるソースからのデータを変換して統合し、BIをはじめとした様々なシステムでのデータ活用を可能にする。データ集約のために使えるコネクタは1,000種以上、集約作業は自動化することができるので、大幅な生産性向上が見込める。
また、自動化された品質チェックによって、整合性のあるデータを提供。ビジネス上の正しい意思決定をサポートする。無料のデータ評価ツール「Talend Trust Assessor」を使えば、自社のデータの信頼性と、改善に役立つヒントが記載された簡易レポートを受け取ることができる。
(出所:Stitch公式Webサイト)
130以上のソースから、DWHやデータレイク、ストレージプラットフォームへとデータを迅速に変換・転送し、分析に活用できるクラウド型のETLツール。Google AnalyticsやSalesforce、Shopifyなど様々なソースからデータを取得するアダプタが100種以上揃う。
セキュリティ性の高さも強みで、SSHトンネリングやIPホワイトリストなど、すべてのデータソースと送信先に安全に接続するためのオプションも用意されている。加えて、AWSの環境下で定期的に自動脆弱性スキャンを実行。セキュリティアップデートとパッチをインストールすることで、高いセキュリティレベルを維持する。
その他、エラーの自動修復機能など、開発の効率向上に役立つ機能も充実。
(出所:Precisely Connect公式Webサイト)
基幹情報システムからクラウドサービスまで、幅広い領域のデータをシームレスに統合することができるETLツール。データ量やユーザー数の急増など、予測不能なピーク需要に対応できるパフォーマンスとスケーラビリティを持つ。データ構造とシステム属性に基づいて、最も効率のよいアルゴリズムを選択する自動調整エンジンを搭載していることから、何百時間もの開発時間を短縮した事例も見られる。加えて、データ受信用のデータベースを構築する必要がないことも、開発工数・期間の削減に役立つ。
リアルタイムデータ複製機能を活用すれば、アクセス元のデータベースに負荷をかけることなく、リアルタイムで変更が同期されるように。
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(出所:データ統一クラウドSrush公式Webサイト)
データ活用に求められるデータ基盤とBI機能をオールインワンで提供する分析ツール。SalesforceやGoogle Analyticsをはじめとした100種類以上のサービスと、クリックだけで連携可能なETL機能を搭載。抽出したデータは、Excelに似た画面から直感的な連携操作でDWHに出力・保管。作成したデータテーブルは、BI機能によりグラフ形式でビジュアル化して分析可能。3つの機能を併せ持つことで、正確な最新データを誰でも簡単に統合・集計・分析できる。エンジニアや専門性を持った人材がいなくても、導入・運用は安心だ。
その他、Srush上に連携されているデータに対して文書形式の指示を出すだけで、分析結果が自動生成されるAI機能も実装。データ分析の更なる簡素化を促進する。
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ETLツールとしての機能も備えたEAIツールをご紹介します。
(出所:ASTERIA Warp公式Webサイト)
データベース連携機能が搭載されたEAIツール。導入企業は9,800社以上、国内でのシェア率48%と、データ連携ミドルウェアのデファクトスタンダードとして幅広い領域・業種で利用されている。オプションとして用意されている連携アダプタは100種以上。グループウェアやSFA/CRM、BI、クラウドサービスなど、様々なソースとの連携が可能。普段はEAIツールとして利用し、スポットでETL機能を備えた上位プランに切り替える、という使い方もできる。
データ変換や投入のフローを設計する際にプラグラミングが不要なので、データ分析基盤の内製化に役立つ。IT人材が不在でもデータのビジネス活用が可能に。また、「0からわかるデータ連携解説セミナー」など、ETL/EAIツールを使いこなすためのセミナーも開催。
(出所:Qanat2.0公式Webサイト)
オンプレミス・クラウド問わず利用できるデータ連携ツール。たとえば、オンプレのシステムと、クラウドサービスのkintoneやSalesForce等の連携によく利用されている。
社内外に点在する様々なデータを、ドラッグ&ドロップやアイコンによる直感的な操作だけで、簡単に他のシステムへ連携・変換可能。手動で任意のタイミングで実行するほか、スケジュールで日時指定して自動処理させたり、指定のファイルが作成された瞬間に処理させたり、トリガーを柔軟に仕掛けることができるのが特徴。
パブリッククラウドサービスの機能として提供されるETLツールを2つ、ご紹介します。
(出所:AWS Glue公式Webサイト)
分析や機械学習、アプリケーション開発のための、データ検出・変換・結合ができるサーバーレスデータ統合サービス。サーバーレスなので、インフラのセットアップや管理は不要。導入してから、最短数分でデータの分析・活用が可能となる。
視覚ベースとコードベース、2種類のインターフェイスを使えるのが特徴で、ノーコードでもデータを移動および変換する ETL ジョブが構成できる。また、スケジュールベース、オンデマンド、イベントベースでジョブを呼び出せるので、複数のジョブを並列で開始したり、複雑な ETL パイプラインを構築したりすることも可能。1年間の無料利用枠があるので、試しに導入してみるのも一手。
(出所:Azure Data Factory公式Webサイト)
多種多様なデータソースに対応したサーバーレスデータ統合サービス。アクティビティと呼ばれる処理ステップなどをGUI上で編集し、ノーコードでETLワークフローを構築できる。また、SalesforceやAWSなどと接続できる90種以上のコネクタを無料で提供。初期費用不要で従量課金制なので、低コストで導入スタートできるのも魅力。
統合されたデータをAzure Synapse Analyticsなどのデータストアに公開することで、BIツールを使ったデータの分析が可能に。様々な形式の生データをそのまま格納できる「Azure Data Lake」との連携もおすすめ。
様々な業務のデジタル化が進むと同時に、データ形式のバラつきによる統合の負担増、データの散失といった課題が顕在化してくるでしょう。ビジネス上の意思決定を左右しうる、貴重なデータを有効活用するためには、信頼できるデータ分析基盤の構築が欠かせません。
ETLツールを導入すれば、膨大なデータの抽出・変換・格納が可能となります。ETLツールを選ぶ際は、次の4つのタイプから自社に合致するものを見ていきましょう。
①ETL専用タイプ
②ETL機能のほか、DWHやBI機能も搭載するタイプ
③EAIでETL機能を搭載するタイプ
④パブリッククラウドサービスのオプションとして提供されるタイプ
その上で、「データソース連携のためのコネクタがあるかどうか」「処理可能なレコードの規模はどうか」「価格は定額制と従量課金制のどちらか」といった点に注意して、検討を進めてください。
自社に合ったETLツールを導入することで、様々なデータや分析結果をビジネスに有効活用できるようになるはずです。
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★★★★★ 4.0 1件の口コミ・評判
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