紙やExcelによるインシデントレポートの作成や、集計・分析といった管理業務に負担を感じている医療安全部門の担当者の方へ。医療安全/インシデント管理システムの機能やタイプ、選び方を、おすすめのツールと併せて紹介します。
医療安全/インシデント管理システムは、医療現場で発生したインシデントやアクシデントの報告・管理・分析を効率化するシステムです。インシデントレポートの作成から集計・分析までを一元化し、医療安全管理部門の業務負担を軽減します。
従来の紙やExcelによる管理に比べて、情報を収集・共有・検索しやすくなるのが強み。蓄積したデータを分析することで、事故の再発防止や安全対策の見直しにも役立てられます。
| インシデントレポートの作成・入力 | 医療現場で発生したインシデントやアクシデントをシステム上で入力・報告する機能。入力項目を統一すれば、報告もれや記載内容のばらつきを抑えられる |
|---|---|
| レポートの管理・承認 | 提出されたインシデントレポートを一元管理し、承認フローを設計する機能。確認状況や対応状況を把握しやすい |
| 集計・統計・グラフ作成 | 蓄積したインシデント情報を自動で集計・分析し、グラフや統計資料を作成する機能。発生傾向やリスクを把握しやすく、会議資料の作成負担も軽減できる |
| 要因分析 | インシデントの原因を分析する機能。事例を多角的に分析することで、再発防止策の検討や業務改善につながる |
| 電子カルテ連携 | 電子カルテと連携して、患者情報や診療情報を取り込む機能。レポート入力の手間を減らせるほか、転記ミスの防止にも役立つ |
| 報告データ作成 | 行政機関や院内会議などで利用する報告資料を作成する機能。必要なデータを効率よく抽出でき、報告業務の負担が軽減される |
| eラーニング・研修管理 | 職員向けの研修やeラーニングを管理する機能。研修の受講状況を把握しやすく、院内監査の際の報告資料としても役立つ |
医療安全/インシデント管理システムは、大きく以下の4つのタイプに分けられます。
インシデントレポートの作成や集計・分析を効率化し、院内の情報共有や注意喚起までまとめて行える、大規模病院向けのタイプ。
たとえば「Smart Risk Manager」は、管理者からのお知らせや医療安全活動カレンダー、掲示板、医療安全ニュースなどを院内に配信できるダッシュボード機能を搭載。月別のインシデントレポート報告状況もグラフで表示できるため、スタッフ間の情報共有に加え、医療安全活動の活性化にもつながります。
また、「ePower/CLIP」は、部署別・職種別・発生場所別の集計に加え、クロス集計やグラフ表示にも対応。蓄積したデータを多角的に分析でき、インシデントの発生傾向を把握しやすくなります。
インシデントレポートの作成や、蓄積したデータの集計・分析を効率化したい大規模病院におすすめのタイプ。発生傾向やリスクを把握し、医療安全対策の検討に活用できます。
たとえば「ファントルくん」は、インシデントレポートの入力・管理に加え、発生場所や職種、事象分類などの条件を指定した集計・分析に対応。報告書の様式を院内の運用に合わせて設定でき、既存の報告フローを維持したままシステム化できます。
また、「e-Riskn」は、インシデントやアクシデント情報の発生件数や傾向を分析できる集計機能を標準搭載。データ分析や報告資料の作成を効率化し、医療安全管理業務の負担を軽減します。
インシデントレポートの作成や集計・分析を効率化し、院内の情報共有にも活用したい中小規模病院におすすめのタイプ。
たとえば「Iras next+」は、インシデントレポートの作成・管理に加え、蓄積データを細かな条件で集計・分析可能。報告内容をもとに発生状況を把握できるほか、インフォメーション機能を使って院内情報の周知やスタッフ間のメッセージ交換も行えます。
発生件数や発生状況などのインシデント情報を効率的に集計・分析したい中小規模病院におすすめのタイプ。
たとえば「メディカルリスクブロック」は、用意された項目を選ぶだけでインシデントレポートを効率的に作成できます。登録したデータは300通り以上の切り口で集計・分析でき、発生状況や傾向を把握しやすいため、分析業務の負担軽減に役立ちます。
代表的な医療安全/インシデント管理システムについて、主な統計・分析手法、レポート書式、研修受講管理機能の違いを一覧表にまとめました。
| システム名 | 主な統計手法 | 主な分析手法 | レポート書式 | 研修受講管理 |
|---|---|---|---|---|
| セーフマスター | クロス集計 | RCA、FMEA、VTA、SHELL、インシデントKYT、4M4E |
|
○ |
| Smart Risk Manager | 部署別集計、A×Bクロス集計、レベル別集計など | RCA、FMEA、KYT4R法 |
|
オプション |
| ePower/CLIP | グラフ表示 | ImSAFER、P-mSHELL |
|
オプション |
| ファントルくん | クロス集計 | RCA |
|
同社製品と連携 |
| e-Riskn | グラフ表示、クロス集計 | KYT4R法、4M5E、P-mSHELL |
|
オプション |
| e3incident | グラフ表示 | RCA、SHELL |
|
- |
| HoSLM | - | 多角的な比較分析 |
|
- |
| Iras next+ | グラフ表示 | 4M5E、SHELL、P-mSHELL、時系列事象相関図 |
|
○ |
| メディカルリスクブロック | クロス集計 | クロス集計・分析ほか |
|
オプション |
※「-」は公式サイトに記載なし
集計・分析や情報共有に強みを持つ大規模病院向けの医療安全/インシデント管理システムを紹介します。
※料金はすべて要問い合わせ
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(出所:セーフマスター公式Webサイト)
インシデントレポートの作成、統計分析、改善策の管理から医療安全研修(eラーニング)まで、医療安全活動に必要な機能を備えたインシデント管理システム。チェック主体の入力画面を採用し、初めて利用する職員でもレポートを入力しやすいのが特徴だ。
登録したデータは様々な条件で集計・分析でき、日本医療機能評価機構などへの報告資料にも活用可能。改善策の進捗も管理できるため、発生状況や傾向の把握から対策の実行までを効率化できる。入力項目や分析項目を柔軟に設定でき、自院の運用に合わせやすいのも強み。
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(出所:Smart Risk Manager公式Webサイト)
インシデントレポート管理、集計・グラフ表示、要因分析など、院内の医療安全活動を支援する機能を備えたインシデント管理システム。視認性や操作性に配慮した1ページ完結型のレポート画面を採用。マウスクリックによる選択方式で入力しやすい仕様だ。
部署別集計やA×Bクロス集計、リスクレベル別集計など、多角的な集計・分析にも対応。蓄積したインシデント情報から発生状況や傾向を把握しやすく、医療安全対策の検討に役立つ。加えて、管理者からのお知らせや未完レポート情報、速報グラフなどを掲載できるダッシュボード機能により、スタッフ間の連絡や情報共有も手軽に行える。
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(出所:ePower/CLIP公式Webサイト)
インシデントレポートの作成・集約から統計分析・詳細分析までを一元管理できるインシデント報告分析支援システム。CLIP-Report、CLIP-Analysis、CLIP-Flowの3つのプログラムで構成され、レポート作成からデータの収集、分析までを効率化する。
入力支援機能を備え、報告項目や画面設定を運用に合わせて変更できるのも特徴。ImSAFERやVA-RCAに対応した詳細分析機能により、背後要因を整理しながら医療安全対策を検討できる。各種グラフの作成やExcel出力にも対応し、インシデント情報の傾向把握や分析業務の効率化に役立つ。
集計・分析に強みを持つ大規模病院向けの医療安全/インシデント管理システムを紹介します。
※料金はすべて要問い合わせ
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(出所:ファントルくん公式Webサイト)
簡単な操作でインシデントレポートの作成・報告・確認を行えるインシデント管理システム。報告書の様式は病院ごとにカスタマイズでき、従来の運用を変えずに報告業務を効率化できる。
各部署から報告されたインシデント情報は自動的にデータベース化され、集計・分析やグラフ表示にそのまま活用可能。医療安全対策の検討を迅速化に役立つ。また、RCA分析機能も標準搭載し、ワンクリックで出来事流れ図を展開。インシデントの背景要因を整理しやすいうえ、出来事流れ図を使った演習問題も作成できるため、実際の事例に基づく院内研修に活用可能だ。
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(出所:e-Riskn公式Webサイト)
インシデント・アクシデント・針刺し・切創などの報告収集から分析、情報共有までを一元管理できるインシデントレポート管理システム。インストール不要でWeb上から報告でき、院内で発生した事例の効率的な収集・蓄積をサポートする。
蓄積したデータは発生部署や内容など、様々な条件で検索・集計可能。発生傾向や課題の把握に役立てられる。加えて、レポートの対応状況をリアルタイムで確認できるため、未対応の案件や進捗状況を把握しやすく、担当者間でのスムーズな情報共有に寄与。過去のインシデント事例も手軽に共有でき、データの蓄積から活用までを支援する。
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(出所:e3incident公式Webサイト)
簡単な操作でインシデントレポートの作成から管理、分析まで行えるインシデントレポート管理システム。メール操作をイメージした画面を採用し、レポート書式もカスタマイズできるため、現場に合わせた運用が行いやすい。
RCA分析やSHELL分析を搭載し、出来事流れ図やなぜなぜ分析をマウス操作で作成可能。インシデントの背景要因を効率的に整理できるほか、多種多様なグラフによる集計・分析も行える。また、電子カルテとのデータ連携にも対応。同社が提供する医療機関向けグループウェア「e3hospital」と組み合わせれば、院内の情報共有や業務効率化までまとめて進められる。
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(出所:HoSLM公式Webサイト)
医療安全管理の状態を見える化し、安全対策の効果まで評価できる医療安全管理モニタリング情報システム。独自の「医療安全ピラミッド理論」に基づき、病院全体や診療科、病棟ごとの医療安全管理水準、危険度、安全対策の評価を可視化する。
また、病棟・診療科・疾患・職種など、多様な条件を組み合わせた比較分析にも対応。蓄積したインシデント情報から発生傾向やリスクの高まりを把握でき、安全対策の検討や介入効果の評価に活用できる。更に、医療安全管理水準や類型化分析といった難しい分析には、自動で所見を表示。分析結果をもとに、安全管理委員会や院内研修向けの資料を作成できる。
集計・分析や情報共有に強みを持つ中小規模病院向けの医療安全/インシデント管理システムを紹介します。
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(出所:Iras next+公式Webサイト)
インシデントレポートの報告・管理・分析・改善からアンケート、情報共有まで幅広く支援するインシデントレポート管理システム。院内で発生したインシデントだけでなく、病院への問い合わせやクレームなども含めて管理できる点が特徴だ。
蓄積したデータは、発生部署や職種、内容など様々な条件で検索・集計でき、グラフによる傾向分析にも対応。インフォメーション機能を活用すれば、医療安全に関する注意喚起や情報も手軽に共有できる。研修用の文書・教材・動画などをアップロードし、全職員の受講状況を管理できる研修管理機能も標準搭載。進捗の把握や監査用資料の作成に役立つ。
集計・分析に強みを持つ中小規模病院向けの医療安全/インシデント管理システムを紹介します。
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(出所:メディカルリスクブロック公式Webサイト)
チェック式入力により、紙の報告書と同じ感覚でインシデントレポートを作成できる院内インシデント管理システム。病院ごとにカスタマイズした報告項目を選択・クリックするだけで入力を進められるため、PC操作に慣れていない職員でも利用しやすい。
登録されたインシデント情報は、300通り以上の切り口でクロス集計・分析が可能。自由記述のない方式により、語彙の違いによる集計結果のばらつきを抑えられるほか、委員会資料の作成も大幅に効率化する。更に、eラーニング連携オプションを利用すれば、動画や画像を使った電子マニュアルの配信やテストの実施も可能に。
医療安全/インシデント管理システムは、医療現場で発生したインシデントやアクシデントの報告・管理・分析を効率化するシステムです。インシデント情報を一元管理できるため、医療安全管理部門の業務負担を軽減し、事故の再発防止や安全対策の見直しにも役立ちます。
医療安全/インシデント管理システムは、以下の4つのタイプに分類されます。
集計・分析以外の搭載機能や強みは、システムによって異なります。自院の規模や運用方法、抱えている課題に合うものを選ぶことが大切です。インシデント管理業務の効率化や医療安全対策の強化に向けて、本記事を参考に導入を検討してみてください。
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