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借入金・貸付金管理システム7選。対応業務や選び方は?

借入金・貸付金管理システム7選。対応業務や選び方は?

最終更新日:2025-10-28

Excelや手入力での借入金/貸付金の管理に限界を感じており、専用の借入金・貸付金管理システムの導入を検討している会計・経理・財務担当者へ。借入金・貸付金管理システムの概要や機能、タイプと選び方などと合わせて、おすすめのシステムを紹介します。

目次

借入金・貸付金管理システムとは?

借入金・貸付金管理システムとは、資金調達のための借入金や、資金運用のための貸付金の契約情報や返済・回収計画、利息計算などを一元管理する、企業向けのシステム(ソフト)です。借入金・貸付金はもちろん、原資産の値の変動によって取引価格が定まるデリバティブ取引といった有利子負債にも対応しています。

契約情報のデータベース化、会計システムとの連携、自動計算、シミュレーションといった機能によって、管理業務の自動化・標準化を実現。手作業による人為的ミス、請求もれや消込もれによる未収リスクといった課題を解決し、担当者の負担を軽減しながら経理・財務部門における関連業務の正確性と効率を向上させます。加えて、グループ全体の資金調達状況や貸付状況がリアルタイムで可視化されるため、「資金繰り管理の精度が高まる」「将来の資金計画やリスク分析が明確になる」といったメリットも。

中には、金融機関向け、社会福祉協議会向けの貸付管理を主機能とするシステムもありますが、本記事では、一般企業向けの借入金・貸付金管理システムを紹介します。

 

借入金・貸付金管理システムでできること(機能)

システムによって違いはありますが、一般企業向けの借入金・貸付金管理システムに備わっている主な機能として、以下が挙げられます。

契約情報の一元管理 長・短期の借入金や貸付金をはじめ、社債、デリバティブ、外貨など多様な金融商品の契約情報を登録し、一元管理。複数の金融機関やグループ会社にまたがる情報を横断的に把握し、管理業務の属人化を防ぐ
返済・支払予定の
自動作成
契約情報をベースに、借入金や貸付金の返済予定(スケジュール)、利息を自動計算する機能。金利変更や繰上返済といった変動は、システムに自動反映される
会計システム連携 会計システムと連携し、借入実行、返済、利息支払い、決算時の未払・前払利息計上、長短振替といった取引に関する仕訳データを自動で作成。手入力による二重作業や転記ミスを防ぐ
資金繰り管理 借入残高や返済予定を資金繰りレポートに反映させ、将来の資金繰り予測をサポート。グループ全体の資金状況を把握できるよう、金融機関別の残高推移などをグラフで表示できるシステムも
シミュレーション機能 将来の借入・貸付、金利変動、為替変動などを様々なシナリオでシミュレーションする機能。資金計画の策定や、リスク分析に役立つ
グループ会社管理 グループ全体の借入・貸付情報を一括管理。全体の資金調達状況をリアルタイムで可視化し、資金繰りの最適化や、ガバナンス強化に寄与する
帳票・出力 契約台帳、残高明細表など、月次・決算業務で必要な帳票を表示。PDFやExcel、CSVなどでの出力や、加工も可能

 

借入金・貸付金管理システムのタイプと選び方

借入金・貸付金管理システムは、対応する業務範囲によって以下の3タイプに分けられます。

1.借入金と貸付金管理に対応したタイプ(両方対応)

金融機関からの借入金とグループ会社への貸付金、両方の管理に対応したタイプ。親会社が借入による資金調達を行い、グループ会社に貸し付けを行うといったケースにおいて、両業務を効率化したい場合に適しています。

代表例である「COURAGEUX(クラージュユーエックス)」は、借入金・貸付金情報をデータベース化し、業務効率化と属人化の解消をサポート。グループ全体の借入・貸付を一元管理し、必要な資料をリアルタイムで作成するほか、過去の傾向分析や、シミュレーション機能による資金調達予測・分析にも対応しています。「Excelなどを使った独自管理に限界を感じている」「手作業によるミスや担当者の負担を減らしたい」といった課題を解消します。

2.借入金管理に特化したタイプ

借入金の管理に絞って、業務を効率化したい場合に適したタイプ。グループ会社全体の借入金情報を一元管理し、キャッシュフローの改善や意思決定のスピード向上をサポートします。

金融機関はもちろん、多様な資金調達手段の管理に対応したシステムや、シミュレーション機能が充実したシステムも多くあります。さくら情報システムの「借入金管理システム」は、契約登録や繰上償還、想定金利での将来の金利変動、外貨&スワップの為替変動といった、多角的なシミュレーションに対応。本番データに影響することなく、資金計画や将来のキャッシュフローを確認できます。

一方、個社で借入金や支払利息などの管理ができれば十分という場合は、「freee会計 借入金管理アプリ」のようなシステムを利用するのも一手です。借入金の残高や返済予定を管理できるほか、完済までの元金額、利息額の自動計算が可能。「freee会計」内の資金繰りレポートや支払管理レポートに支払い予定を反映できるため、月々の返済取引登録を効率化できます。

3.資金管理に対応したタイプ

資金の調達から運用・管理まで、より広範な業務の効率化に対応したタイプ。企業やグループ全体の資金管理に役立つ、入出金管理や資金繰り表作成、資金繰り予測や実績管理といった機能を備えています。

資金調達管理には金融機関からの借入管理などが含まれており、たとえば「Ci*X Treasury」は、商談履歴を含む約定から満期まで、金融機関とのやりとりの一元管理が可能。資金管理業務はもちろん、投資有価証券の管理を含む財務業務までカバーする、豊富な機能が強みです。

 

借入金・貸付金管理システムを選ぶポイント

上記のタイプに加えて、下記のポイントに沿って比較することで、自社に適したシステムが絞り込めます。

1.資金調達手段の対応範囲

金融機関からの借入に加えて、他の資金調達手段もまとめて管理できると利便性が高まります。たとえば「WiMS/SaaS借入金管理システム」では銀行借入に加え、社債、コマーシャルペーパー、当座借越、シンジケートローンなどの管理が可能。そのほか、外貨による借入にも対応しています。

同様に、さくら情報システムの「借入金管理システム」も幅広い商品管理に対応。長期・短期の借入金をはじめ、邦貨建てやインパクトローン、ワラント債のような外貨建て、金利/通貨スワップなど、幅広いラインナップが強みです。

2.内部統制機能の充実度

不正や誤謬を防止し、信頼性を確保するためにも、財務業務における内部統制は重要なポイントです。内部統制を強化したい場合は、権限管理や各種承認、ログ管理などに対応しているかをチェックしておきましょう。

監査や内部統制強化のための機能を備えたシステムの例が「COURAGEUX」です。承認機能、ログ管理、変更履歴管理などで管理プロセスを整備できるほか、会計・IT監査に求められるデータ出力、エビデンス添付機能を搭載しています。

3.帳票の充実度

種類豊富な帳票を標準提供しているシステムであれば、カスタマイズやオプションでの追加が不要に。手間なく運用スタートでき、予算もおさえられます。

帳票のラインナップに強みを持つシステムのうち、「助借(たすかる)」は月次業務・決算業務に使える帳票15種類以上を標準搭載。契約台帳や借入金等明細表、残高推移表など、期日や会計、コストを管理するのに便利な帳票がそろいます。帳票はそのまま決算報告などに活用できるほか、プリントアウトやPDF/CSV出力にも対応。

また「COURAGEUX」は、大手企業財務部のノウハウに基づく帳票を50種類以上提供。カスタマイズ不要ですぐに運用できるほか、CSV帳票を自由に加工できるツールなどが便利です。「WiMS/SaaS借入金管理システム」にように、借入契約単位・支払単位での各種情報をPDFやExcelで出力できるシステムも。

 

おすすめの借入金・貸付金管理システム(両対応)

借入金と貸付金、両方の管理に対応した、おすすめの借入金・貸付金管理システムを紹介します。
※料金はすべて要問い合わせ

COURAGEUX(株式会社アイディーエス)

COURAGEUX公式Webサイト

(出所:COURAGEUX公式Webサイト)

400社以上の導入実績とノウハウに基づき、借入金・貸付金管理業務の効率化と属人化解消に貢献する財務管理システム。入力ミス軽減機能や入力簡易化機能を備えており、一元化した借入金・貸付金情報をもとに信頼性の高いデータベースを構築する。そのほか、過去・未来の資金を可視化・シミュレーションできる資金調達予測分析、様々な手数料を把握できるオールインコスト機能、各社データの集計工数を削減するグループ会社管理など、迅速な経営判断を支援するための機能が充実している。
更に、エビデンス添付、申請承認、アクセスログ管理など、会計監査や内部統制の強化に寄与する機能も搭載。会計システムはもちろん、SSOサービス、マルチバンクWebサービスなど、多彩な外部システムと連携できる。

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おすすめの借入金・貸付金管理システム(借入金特化)

借入金管理に特化した、おすすめの借入金・貸付金管理システムを紹介します。

WiMS/SaaS借入金管理システム(株式会社 ソリューション・アンド・テクノロジー)

WiMS/SaaS借入金管理システム公式Webサイト

(出所:WiMS/SaaS借入金管理システム公式Webサイト)

ベンチャーや、大企業におけるグループ会社の借入金管理情報を一元管理・共有する借入金管理システム。銀行借入、社債、コマーシャルペーパー、当座借越、シンジケートローンなど多様な資金調達手段、および外貨による借入に対応。加えて、借入契約の様々な返済条件・利払条件にも対応している。
返済予定の自動作成、将来的な借入や利率変動などのシミュレーションなどにより、キャッシュフローの改善をサポート。借入金は会社ごと、拠点(部門)ごとなどで管理でき、利息変動時の再計算も容易だ。
大規模組織での運用にも耐える、高度なワークフロー機能を搭載しており、効率化と内部統制に貢献する。

  • 料金:要問い合わせ

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助借(みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社)

助借公式Webサイト

(出所:助借公式Webサイト)

有利子負債管理の効率化・高度化を強力にサポートする、借入金管理システム。契約情報を登録するだけで返済スケジュールが自動生成でき、繰上償還や書換などもワンクリックで生成可能だ。
煩雑な後決め金利契約を自動化する、後決め金利計算機能(O/N RFR 複利等)を備え、支払・受取利息、経過勘定の計算を効率化。入力項目や承認ワークフローといったチェック機能で手戻りやミスを防止し、多言語・多通貨にも対応している。
また、オンプレとクラウドの両方に対応。ライセンス数やカスタマイズ対応の有無などによる3形態から、環境に合ったものを選択できる。

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借入金管理システム(さくら情報システム株式会社)

借入金管理システム公式Webサイト

(出所:借入金管理システム公式Webサイト)

借入金やデリバティブ取引を総合的に管理し、経理・財務部門をサポートする借入金管理システム。邦貨・外貨建て、スワップなど管理対象商品の幅広さと、各種シミュレーターの充実度に強みを持つ。金利変動や為替変動のシミュレーションが可能だ。
また、ERPパッケージをはじめ多数の会計システムとの連携実績を持ち、会計システム向けの借入・返済・利払データを作成できる。登録した契約情報は表計算ソフトに反映できるほか、台帳、勘定明細など各種報告資料の作成にも活用可能。オプションとして、決算時期の時価算出作業の負荷軽減に役立つ「時価評価」機能を提供している。

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freee会計 借入金管理アプリ(フリー株式会社)

freee会計 借入金管理アプリ公式Webサイト

(出所:freee会計 借入金管理アプリ公式Webサイト)

クラウド会計ソフト「freee会計」と連携して、借入金を管理できる無料のアプリ。複数金融機関の借入金を一元管理して残高や返済予定を管理できる。加えて、「freee会計」上での返済取引登録の効率化も可能。借入金の契約条件を登録すれば、借入金と支払利息の仕訳が完済時まで自動計上され、毎月の返済取引登録の手間が省略される。
更に、長期借入金の返済予定を「freee会計」の資金繰りレポートに反映することで、より精度の高い資金繰り管理を後押し。「資金繰りレポート」や「借入金管理アプリ」の登録情報を用いて、金融機関への書類提出も効率化できる。

  • 料金:無料 ※別途「freee会計」の利用が必要

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おすすめの借入金・貸付金管理システム(資金管理対応)

資金の調達から運用・管理までカバーした、おすすめの借入金・貸付金管理システムを紹介します。
※料金はすべて要問い合わせ

HUE Treasury(株式会社ワークスアプリケーションズ)

HUE Treasury公式Webサイト

(出所:HUE Treasury公式Webサイト)

大企業向けクラウドERPシリーズ「HUE ERP」が提供する、統合型の財務・資金管理システム。借入金、有価証券、デリバティブ、貸付金といった各種金融商品をまとめて管理し、グループ会社の資金管理を一元化。全体運転資金はもちろん、資金繰り予測、実績管理、資金調達・資金運用状況の分析など、財務状況やリスクを可視化し、財務体質の強化に寄与する。
ワークフローや業務ログ、入力・閲覧権限などの管理により、各種財務リスクから業務オペレーションリスクまで、内部統制にまつわる課題を解消。また、銀行取引情報やERP、会計システムと連携し、情報収集の円滑化と省力化、決算早期化を促進。担当者が財務業務に注力するための環境を整える。

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Ci*X Treasury(株式会社電通総研)

Ci*X Treasury公式Webサイト

(出所:Ci*X Treasury公式Webサイト)

エンタープライズ企業向けのグループ経営管理ソリューション群「Ci*X」シリーズに含まれる、資金管理システム。資金や投資有価証券を一元管理し、企業グループ全体の資金をリアルタイムで可視化する。
有価証券に関わる会計処理の自動化、為替・金利ポジションの可視化やシミュレーションといった機能で、財務業務まで標準化・効率化・高度化。資金効率向上のための意思決定を支援する。
更に、グループ統合会計システム「Ci*X Financials」や自動仕訳システム「Ci*X Journalizer」といったシリーズ製品を展開。自社に必要なモジュールを組み合わせることで、会計周辺業務をワンプラットフォームで統合した経営基盤を構築できる。

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まとめ

借入金・貸付金の契約情報を登録し、返済・回収計画、利息計算などを一元管理する「借入金・貸付金管理システム」のうち、一般企業向けのシステムを紹介しました。

手作業による人為的ミス、請求もれや消込もれによる未収リスクといった課題を解決し、担当者の負担を軽減しながら経理・財務部門における関連業務の正確性と効率を向上します。加えて、「契約情報の一元管理」「返済・支払予定の自動作成」「シミュレーション」などの機能で、グループ全体の資金調達状況や貸付状況をリアルタイムで可視化。資金繰り管理の精度向上、将来の資金計画やリスク分析に貢献します。

借入金・貸付金管理システムは、対応する業務範囲によって以下の3タイプに分けられます。

  1. 借入金と貸付金管理に対応したタイプ(両方対応)
  2. 借入金管理に特化したタイプ
  3. 資金管理に対応したタイプ

上記のタイプに加えて、下記のポイントに沿って比較することで、自社に適したシステムが絞り込めます。

  • 資金調達手段の対応範囲
  • 内部統制機能の充実度
  • 帳票の充実度

借入金・貸付金管理は、企業の信頼性に関わる重要な業務であると同時に、煩雑で属人化しやすい業務でもあるといえます。担当者の負担を軽減し、効率化と正確性の向上、内部統制の強化を実現するためにも、ぜひ借入金・貸付金管理システムの導入を検討してみてください。

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