最終更新日:2023-06-22
検温に加えて勤怠管理までもサーマルカメラで効率化させたいという管理部門の方へ。勤怠管理連動など、機能向上するサーマルカメラの効果的な使い方や製品の最新事情などをご紹介します。
サーマルカメラとは、対象物の熱を感知するカメラのことです。離れた場所から対象物の温度を測定し、温度が高い部分は赤く、低い部分は青く表示することができます。「顔認証タイプ」「ハンディタイプ」「ドームタイプ」「バレットタイプ」など多彩な製品が提供されています。
コロナ禍を経て、現在多くの企業では従業員を出社させる場合、感染症対策の一環として、従業員の検温・記録を行い、体調不良の従業員の出社を制限するといった取り組みを行っています。しかし、従業員と管理者双方にとって、日々の検温と記録は負担が大きいのも事実。そこで注目されているのが、わざわざ体温計などを利用する必要がなく、手軽に体温を可視化し、記録することができるサーマルカメラです。
本記事ではサーマルカメラのうち、特に企業での有用性が高い顔認証タイプのサーマルカメラについて、メリットや活用方法、具体的なサービスを紹介します。
サーマルカメラをオフィスで活用するメリットとして、主に3つ挙げることができます。
1つ目は、感染症対策を強化できることです。体温計での検温は、従業員同士が対面になる場面も多く、機器の使い回しによる感染リスクも高まります。それに一度使った体温計を都度消毒するなど手間も多いため、運用・管理のためのリソースも必要になります。
サーマルカメラを導入すれば、非対面かつスピーディーな検温が可能になります。体温計による検温と比べると、オフィスの出入口に長蛇の列ができるということも少なくなるため3密の回避にも有効です。
また、多くの製品では、体温が事前に設定した数値を超えていた場合は、従業員に対してアラート表示したり入室制限したりすることや、マスクをしていない場合にアラートを表示して、着用を促すことができます。「オフィス内にウイルスを持ち込まない」という感染症対策を強化できるため、職場内のクラスター発生の防止にもつながります。
2つ目のメリットは、検温と同時に勤怠管理や従業員の体調管理も行えることです。
サーマルカメラには、AIによる顔認証機能を搭載するものもあります。あらかじめ従業員の顔データを登録しておくことで、照合時にどの従業員がいつどこで体温測定を行ったのかログ情報を確認することができ、体温測定の結果と勤怠情報を紐付けて、管理を自動化することも可能です。
サーマルカメラと勤怠管理システムを連携させた場合は、勤怠管理システムの管理者画面から、毎日の体温や勤怠状況をリアルタイムで確認することができます。勤怠管理システムとの連携により、万が一体調不良者が発生した際も、その従業員の就労状況を把握して、速やかに社内に共有することができます。
また、サーマルカメラで記録したデータをクラウドで一元管理ができるため、複数の拠点を一括で管理することや、管理者が在宅勤務であっても管理ができるようになります。
サーマルカメラは通常、オフィスの出入口に設置します。そのため、従業員はもちろん、社外から来訪した関係者に対しても「感染症対策を確実に行っている」という安心感を与え、イメージアップにも貢献するでしょう。
顔認証タイプのサーマルカメラによる勤怠管理の方法は、大きく分けて2つあります。
1つは、AIによる顔認証機能を搭載したサーマルカメラを勤怠管理システムと連携させる方法。もう1つは、勤怠モードを搭載した顔認証機能付きのサーマルカメラによって、自動で検温・記録をする方法です。以下に、導入時の具体的なフローを紹介します。
まずは勤怠管理システムと連携ができるサーマルカメラを選定しましょう。たとえば、アイリスオーヤマのサーマルカメラは、外部勤怠ソフトと顔認証端末から出力された CSV データによる自動連携が可能です。「ジョブカン勤怠管理」などとの連携実績があります。勤怠管理システムによっては、利用できるサーマルカメラが決まっている場合があるので注意が必要です。
顔認証を行う場合は、あらかじめ従業員の顔データをサーマルカメラに登録しておく必要があります。登録者数には上限があるので、事前に確認しておきましょう。たとえば、ISBのサーマルカメラは6,000人まで、アイリスオーヤマの顔認証型 AIサーマルカメラユーザーは50,000人までの登録が可能です。
サーマルカメラの温度測定精度には、周囲の環境や使用位置、測定位置、設置位置などが大きく影響します。周囲の環境が整備されていないと、誤検知により余計な手間が増えてしまう可能性もあります。各提供会社が設定する動作環境温度や測定距離などを事前に確認し、機器仕様に合わせた設置を行いましょう。
勤怠管理も行えるサーマルカメラには、主に2つのタイプがあります。
1つ目が、勤怠管理システムが提供するサーマルカメラを利用するタイプです。この場合、勤怠管理システムが主体となるため、感染症対策や体調管理だけでなく、出退勤の管理、更に残業時間算出や有給休暇の自動付与といった労務管理の範囲まで対応できることができます。ただし、標準機能で対応するサービスはほとんどなく、専用端末やオプションプランを利用する必要があるので注意が必要です。
たとえば、「KING OF TIME」の場合、勤怠管理システムとは別に、AI温度検知ソリューション 「SenseThunder」の専用端末を購入する必要があります。「ガルフCMS 勤怠管理」「ちゃっかり勤太くん」などは、同社が別途開発提供する専用端末を連携することでサーマルカメラを利用することができるようになります。
2つ目が、サーマルカメラ本体の機能として勤怠管理を行えるタイプです。
ISBのサーマルカメラは、本体の設定項目として出退勤モードの変更が可能です。アイリスオーヤマのサーマルカメラには、管理に適した6種類の出退勤モードを搭載。時間を自動で記録できる自動モード、顔認証後に手動で記録する手動モードなど、カスタマイズが可能です。手動モードでは、顔認証後に出勤・退勤、休憩開始・終了などのアイコンをタッチパネルから選択することで、勤怠情報を登録できます。
シンプルな設定で導入後すぐに運用ができることがメリットと言えます。
では、サーマルカメラによる検温と勤怠管理を同時に行う場合、どのような端末を選べば良いのでしょうか。選び方のポイントを整理します。
勤怠管理システムと連携といっても、サーマルカメラの記録をCSVファイルに変換してから勤怠管理システムに取り込む、といった方法を採用しているものも多くあります。
しかし、出勤・退勤だけでなく、休憩時間や一時的な外出なども管理したい場合には、CSVファイルで勤怠管理システムに取り込むのは非効率ともいえます。そうした場合には、出勤・退勤・休憩の開始や終了などと同時に、検温結果やマスクの着用状況をリアルタイムに記録できる勤怠管理システムを選ぶと良いでしょう。
勤怠の打刻については、入退室の記録から管理する方法もあります。
扉の鍵を電気的に管理して解錠のためのID認証端末を設置する入退室システムや電気錠(扉)は、部外者の入室や特定の部屋への出入りの記録を厳密に管理するためのものです。これをサーマルカメラと連携させれば、発熱者やマスクを着用していない従業員に対して扉を開けないといった対応が可能になり、入室を自動的に防止することができます。中には入退室管理システムや電気錠(扉)との連携できるものもあります。
サーマルカメラの中には、出勤や退勤時に端末にタッチしなければならないものもあります。端末への接触は感染リスクにつながることもあり、利便性も考慮すると、顔認証だけで勤怠管理ができるカメラのほうが良いといえるでしょう。
アイリスオーヤマのサーマルカメラなどは、顔認証だけで記録ができるため、出勤・退勤時に端末に触れる必要がありません。一方、「ちゃっかり勤太くん」などは、従業員がタッチパネルを操作して出勤・退勤を記録する必要があります。ただし、従業員がサーマルカメラ付き端末の前を通るたびに記録されてしまうと、内容過多になるなど、かえって利便性が下がってしまうことも。設置場所も考慮に入れ、接触・非接触どちらにするかを検討するのが良いといえます。
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(出所:KING OF TIME公式Webサイト)
汎用性に長けた勤怠管理システム。PC・スマホ以外にも、ICカード、生体認証(指紋・顔)、入退室連携など多彩な打刻方法と多様な機能を備える。業種・業界に関係なく、小規模企業からエンタープライズ企業まで導入実績53,000社以上。
AIを利用したサーモグラフィカメラ(SenseThunder)と連携すれば、従業員はカメラの前に立つだけで温度検知と顔認証による勤怠打刻が可能。マスクをつけたままでも、わずか0.5秒で温度推定と個人の識別可能。健康管理だけでなく、勤怠・入退室管理といった、日々の業務の効率化も同時に行える。
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(出所:ガルフCSM 勤怠管理公式Webサイト)
様々な業種の経営課題にソリューションを提供するガルフネットの勤怠管理システム。同社の非接触検温付きAI顔認証端末を連携させることで、勤怠管理と検温を同時に行うことができる。顔認証端末は、端末に触れずに検温、マスク着用有無の検知、打刻ができるタイプ。壁掛け、卓上、ポールの3タイプから選べ、様々な場所に設置ができることも魅力。
連動する勤怠管理システムは、リアルタイムで更新。全国に拠点があってもクラウドで専用端末を一括で管理でき、どの拠点で体調不良の出勤者が発生したかなどをリアルタイムに把握できる。こうした特徴から、流通、小売、サービス、飲食業での導入が多い。専門スタッフによる導入サポートも充実。
(出所:ちゃっかり勤太くん公式Webサイト)
各業界の基幹システム開発に実績の多いエイ・アイ・エスが提供する勤怠管理システム。AI顔認証サーマルカメラとの連携し、検温やマスク着用の検知、未着用の場合の音声アラート発出が可能。それらの情報を日々の勤怠情報と合わせてクラウド上で確認できる。
多様な業種に導入されており、就業ルールに合わせたカスタマイズ性も高い。専門スタッフによるアフターサポート、ユーザー相談会によるユーザー同士の疑問・解消の共有にも取り組む。
(出所:MC事務時管公式Webサイト)
勤怠管理の総合メーカーであるエムズ・クリエイティブが提供する勤怠管理システム。データスコープ社のAIサーマルカメラ「FaceFC」と連携し、非接触での検温とマスクの着用検知が可能。
1日で顔認証を複数回行った場合は、最初の顔認証時刻を出勤、最後の顔認証記録を退勤時刻として記録する。タイムレコーダーとの併用により外出、戻りの打刻も可能。検温結果とマスク着用状況は勤務表に色に分けて表示される。
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(出所:顔認証 AI 搭載サーマルカメラ公式Webサイト)
ISBが提供するAI機能付セルフチェック用タブレット型サーマルカメラ。AI による顔認証機能で顔データベースとの照合に対応し、約0.2 秒程度で測定する。マスク着用時でも検温ができ、マスクを着用していない場合には音声でのアラートが可能。
入退室管理システム「ALLIGATE(株式会社アート)」とジョブカンなどの勤怠管理システムを連携させることで、入退室管理と勤怠管理が同時に行うことができる。
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(出所:AIサーマルカメラ公式Webサイト)
アイリスオーヤマが提供するサーマルカメラ。本体の機能として出退勤の操作ができるほか、オービックビジネスコンサルタント社、アマノ社やDONUTS社(ジョブカンシリーズ)の勤怠管理システムや給与計算ソフトとも連携が可能。マスクを着用していても顔認証できる。
約0.2秒の顔認証スピードが特徴。顔認証端末から管理ソフト、サーバーまで一括で提供していることも強み。ドーム型AIサーマルカメラは最大20名まで、最大3m先までの人物を認識できるため、多数の人が出入りする場所の感染予防および入退室管理に向いている。
新型コロナウィルス感染症の対策として、これまでなかった業務が増えています。従業員の体温測定はその最たる例でしょう。毎日の定型業務になったからこそ、管理者と従業員双方にとって負担を軽減したいはず。サーマルカメラのメリットや活用方法を自社ニーズに照らし合わせ、導入後の業務効率化を実現させてください。
勤怠管理ができるサーマルカメラをお探しの方は、こちらからサービス紹介資料をダウンロードいただけます。
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★★★★★ 4.2 5件の口コミ・評判
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導入企業53,000社以上。クラウド勤怠管理システム市場シェアNO.1。規模・業種に関係なく、オフィス、店舗、在宅勤務、外出先など、あらゆる環境下で正確な勤怠管...
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