複数のリース契約をExcel管理しているものの、負担が大きくシステム化を検討している経理部門の方へ。リース資産管理システムの機能やタイプ、比較ポイントについて、おすすめシステムとあわせて紹介します。
リース管理システムとは、企業がリース契約を結んで利用している設備や機器、車両などの資産について、契約情報・物件情報・支払情報などを一元的に管理するためのサービスを指します。
煩雑になりがちなリース資産毎の契約期間や支払いスケジュールの管理、資産の利用状況の把握、リース会計基準に準拠した会計処理などを、一つのシステム内で正確かつ迅速に行えるのが特徴です。
リース資産管理システムの導入により情報の一元管理ができるだけでなく、各種会計資料の自動作成や物件管理、内部統制の強化、運用コスト削減といった効果も。更に、リース契約更新や解約処理、多言語・海外の会計基準に準拠するサポートなど多彩な機能を備えており、充実した導入支援・運用サポートが受けられることから、初めて導入する企業も安心してリース資産管理をシステム化できます。
リース資産管理システムには、以下のような機能が搭載されています。
IFRS 16号への対応 | 国際会計基準「IFRS16号」に準拠する機能。従来のオペレーティング・リースを含めたすべてのリース契約(一部例外あり)をオンバランス処理し、使用権資産やリース負債を計上する。 |
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リース契約・物件情報の一元管理 | 複数契約における、リース会社・契約番号・満了日・リース料・維持管理費用などの契約情報、物件番号・設置場所の住所・数量・残価保証額などの物件情報、支払情報までまとめて管理する機能。これらのデータを活用することで、各種資料の自動作成も可能に。 |
会計処理の自動判定・自動計算 | オンバランスとオフバランスを自動判定。オンバランス物件については、リース期間定額法に合わせた償却計算も自動で行う。 |
複数帳簿への対応 | 日本基準、IFRS、ローカル基準など複数帳簿の同時保持に対応する機能。それぞれの基準に準拠した仕訳作成・帳票出力が可能。 |
仕訳自動作成・他システム連携 | 使用権資産や支払利息の計上、減価償却費の算出といった仕訳を自動生成する機能。固定資産管理やERPなど、ほかシステムとシームレスにデータ連携することで、業務を効率化できる。 |
契約内容の変更・再リース・解約への対応 | リース料の中途変更、再リース、解約といった変更処理を行う機能。契約変更後の再計算や、リース資産の価値が低下した場合の減損処理にも自動対応する。 |
内部統制の強化 | アクセス制限やメニュー権限、ログ・パスワード管理、承認ワークフローといった内部統制を強化する機能。適切な権限設定やログ管理を行うことで、高いセキュリティ体制を維持できる。 |
多拠点対応 | 複数拠点やリモートワーク環境などにおけるリース契約を一括管理できる機能。日本国内だけでなく、多言語や各国の会計基準に準拠するシステムもあり。 |
リース資産管理システムには、以下の4つのタイプがあります。
リース資産管理に必要な機能だけに絞って導入したい場合におすすめのタイプ。
リース資産毎の契約番号や契約日、リース期間、支払い残金といった契約情報の一元管理に加え、オンバランス(ファイナンス・リース)とオフバランス(オペレーティング・リース)の自動判定、帳簿の自動作成などにも対応します。
たとえば「スーパーネットリース」では、オンバランス・オフバランスの自動判定やリース料総額の現在価値再計算、大量データの一括登録などにも対応するほか、元本・支払利息や減価償却費の自動計算なども可能です。
リース資産管理だけでなく、固定資産管理の効率化もあわせて行いたい場合は、両方カバーできるシステムを選ぶのがおすすめです。
たとえば「固定資産奉行iクラウド リース資産管理」では、リース資産と固定資産の情報を一元管理。双方の情報が自動連携されることから、二重の入力や管理をする手間がなくなり、売却額・リース料支払額などの計算、資産台帳や各種申告書の作成なども自動的に行われます。
なお、固定資産管理システムをお探しの方は、「固定資産管理システムの比較8選!導入メリットや選び方を紹介」もご参照ください。
自社が保有するリース資産を一覧で確認したい、再契約の時期や可否を把握しておきたい、不要なリース費用の支払いがないか確かめたい、といった企業には、リース資産の契約管理に特化したシステムが最適な場合もあります。
たとえば「Assetment Neo」なら、リース資産の期限管理や支払管理に特化した機能が充実。リース期限メールの自動配信や途中解約における計上処理に加え、リース料の分割単位や部門毎のリース料率も柔軟に設定できます。
ERPシステム内の機能の一つとして、リース資産管理機能を搭載するタイプ。既存のERPに新たな機能として追加したい場合や、今後、販売管理や会計管理、人事管理などを一元管理できるERPの導入を検討したい場合には、こちらのタイプが向いています。
たとえば「Galileopt DX」は、販売管理や財務管理といった各部門のシステムを統合し、全社のデータを一元管理できるERP。「固定資産・リース管理機能」搭載で、豊富な資産管理モジュールが減価償却費の計算から法人税・償却資産税などの税務申告、償却費予算の立案まで幅広い資産管理業務を支援します。
自社に最適なタイプがわかったら、今度は以下のポイントに留意しながら、より具体的に絞り込んでいきましょう。
リース会計処理に国際会計基準(IFRS16号)を採用している場合は、それに対応できるシステムを選ぶことが大切です。
国際会計基準に対応している主なシステムは、以下の通りです。
たとえば「ProPlus+」は、複数基準(複数帳簿)に対応しており、基準毎にリース料や割引率、リース期間などの情報保持が可能。また、帳簿毎に柔軟に勘定科目を設定したうえで、仕訳作成が行えます。
また「multibook IFRS16号リース資産管理」は、その名称の通りIFRS対応を強みとしており、最短2週間でIFRS16号に対応した環境を構築できます。環境構築からマスタ設定、操作トレーニング、既存リース資産のデータ移行までまとめてサポートが受けられるため、これからIFRS16号への対応を始めるという企業も安心です。
日本基準やIFRS基準に加え、新たなリース会計基準が適用された際にスムーズに移行したい、海外現地法人の現地基準にも対応したい、あるいは償却方法を変更した際の影響を知りたい、といった要望がある場合には、複数帳簿に対応できるシステムを選ぶのがおすすめです。
たとえば「Galileopt DX」では、1つの物件につき簿価や償却方法を5パターンまで指定可能。「計算結果比較表」で比較すれば、各パターンで計算した場合の差額が一目で確認できるうえ、制度改正等により償却方法を変更した際の決算書への注記も簡単に行えます。
また「multibook IFRS16号リース資産管理」なら、ローカル基準とIFRS基準の会計基準における複数帳簿の同時保持が可能。そのため、海外拠点では現地のローカル基準に基づいた処理を行い、一方本社ではIFRSに準拠した連結修正仕訳を行う、といった柔軟な運用が叶います。
リースに関する各種判定作業を自動化できれば、業務効率化につながるだけでなく、手間や人的ミスのリスクを軽減できます。
たとえば「固定資産奉行iクラウド リース資産管理」なら、消費税控除の方法選択、ファイナンス・リースやオペレーティング・リースの判定はもちろん、所有者移転の判定まで自動化。それらの結果は、売買処理や賃貸借処理に自動で反映されます。
また「multibook IFRS16号リース資産管理」は、多様な自動計算・自動判定機能を搭載。リース会社毎に最低基準金額、短期リース最大月数を記録し、短期・少額・通常資産の自動判定が行えます。更に、割引率マスター機能を搭載しており、リース開始年月・リース期間に基づいた割引率の自動設定が可能です。
(出所:スーパーネットリース公式Webサイト)
貸し手を問わず、すべてのリース契約情報を一元管理し、日本のリース会計基準やIFRS16号に準拠した会計処理を効率化するクラウド型リース資産管理システム。大量データの一括入力、会計資料や各種帳票の自動作成・出力、オンバランス・オフバランスの自動判定といった多彩な機能で、手作業による管理から脱却したい企業を支援する。
登録した契約情報・物件情報・支払情報は、様々な条件で照会が可能。社内の管理コードや部門名、物件管理者名など企業独自の情報をリース契約情報に紐付けて登録できることから、絞り込み検索や部門別費用の算出、予算策定なども手軽になるうえ、各種データはCSVで出力もOK。
(出所:ProPlus+公式Webサイト)
新リース会計基準の適用に向けた事前整理からシステムの導入、利用まで一貫したサポートを行うSaaS型リース資産管理システム。
各種ナレッジベースやテンプレート、対応プロセスなどを提供することで、企業が新リース会計基準の適用に向けた準備を最短で行えるよう支援する。継続的にアップデートが行われるため、制度の変更があった際にも、常に最新の基準に準拠した機能が利用可能だ。契約毎のオンバランス・オフバランス自動判定や割引率の自動設定をはじめ、IFRS16号を含む複数基準への対応、リース債務の再計算処理、仕訳出力など業務効率化を図る機能が充実。
(出所:固定資産奉行iクラウド リース資産管理公式Webサイト)
リース開始日・終了日からリース期間、基本リース料、更には契約番号や資産を保有する部門・設置場所まであらゆる情報を一元管理できる固定資産・リース資産管理システム。クラウド型のため、リース資産の写真や見積書・稟議書・検収書といったスキャンデータを無制限に保管でき、必要な時にはワンクリックで確認できる。
また、ファイナンス・リースやオペレーション・リースを含む複雑なリース会計基準の自動判定が可能。煩雑になりがちな元本返済額や利息相当額についても自動計算が行えることから、手間と時間がかかる計算作業も手軽に。
(出所:PCAサブスク 固定資産公式Webサイト)
複雑な減価償却計算や固定資産・リース資産の管理から申告まで幅広い資産管理に対応するサブスク型固定資産管理ソフト。
減損処理や資産除去債務など新会計基準に準拠した処理が簡単に行えるため、専門知識がなくても適切な運用が行える。リース管理については、リース資産やリース債務におけるオンバランス計上を自動化できるのはもちろん、契約番号や維持管理費用、リース支払予定額などリースに関する情報の一元管理が可能。登録した内容に基づきリース資産毎の元本返済額や利息相当額、支払総額、解約時の損益なども自動で計算されるため、抜けもれやミスの心配もない。
(出所:Assetment Neo公式Webサイト)
固定資産の棚卸からデモ機の貸出管理、リース品の費用管理まで、社内の様々な有形資産を一元管理できるクラウド型社内資産管理システム。資産毎の台帳をベースとしてまとめて管理することで、複数の業務を行う際にも二重入力・更新の手間を省く。
リース契約の費用配賦率は、部門によって柔軟に設定が可能。利用部門が変更になった際は、リース品の移動に伴い計上部門が自動で切り替わり、同時に情報も引き継がれる仕組みだ。また、リース契約の終了日が近付く頃には、期限満了メールを利用部門へ自動送信。メールの文面やリース料率を自由にカスタマイズでき、再契約や返却もれ、誤廃棄の防止にも。
(出所:e-Leasing Direct公式Webサイト)
リースの契約から満了までの一連の手続きを、インターネット上で実現できるリース契約情報管理システム。管理番号や電子ファイルなど必要な情報を自由に各契約に紐付けて登録できるうえ、契約情報や請求情報といったリース資産毎の最新の契約状況がいつでも手軽に確認できる。加えて、リース物件の設置場所変更やリース満了手続きも、インターネット上で完結する。基本的には、三菱HCキャピタルと契約したリース資産が対象となるが、他社とのリース契約がある場合は、同一基準で登録OK。部署や取引種類別など多様な切り口でリース料シミュレーションが行え、翌年度の予算策定ツールとしても活用できる。
(出所:PROACTIVE リース資産管理公式Webサイト)
リース・レンタル物件の一元管理に加え、契約判定をはじめ多様な自動化機能で経理業務を効率化するリース資産管理システム。登録内容からリース資産毎の契約形態を自動で判断したうえで、リース資産計上や注記情報を出力できるだけでなく、財務会計や固定資産管理システムと連携すれば、リース資産の資産計上・償却費の自動仕訳も叶う。
更に資産情報には、契約書や物件の画像をはじめ50項目もの紐付けが可能。任意の条件で検索したリース資産の一括移動や一括解約処理にも対応していることから、入力作業にも手間がかからない。会計や人事・給与、販売管理など豊富なツールを展開しているため、基幹業務をまとめて効率化したい場合にもおすすめ。
(出所:multibook IFRS16号リース資産管理公式Webサイト)
1カ月の短期導入で企業をExcelによるリース管理から脱却させ、複数のリース資産情報の一元管理を実現するリース資産管理システム。新リース会計基準であるIFRS16号に準拠し、使用権資産やリース負債の計上額、毎月のリース負債返済額、減価償却計上額、更には条件変更時のリース負債額、使用権資産調整額まで自動計算できる。グローバルクラウドERP「multibook」の機能の1つとして展開されているが、リース資産管理機能単体での導入が可能。IFRS16号とローカル基準の複数帳簿を保持でき、英語をはじめ12カ国語にも対応していることから、海外拠点での運用にも最適だ。
(出所:SAP Contract and Lease Management for SAP S/4HANA公式Webサイト)
IFRS16号の会計処理要件に対応できるよう開発されたERP。リース契約情報の管理から使用権資産・リース負債の計上、割引現在価値や償却費の計算まで複雑な会計処理を自動で行えるのが特徴。リース契約時に契約開始・終了日やリース会社、リース料、契約条件、適用する会計基準などを指定しておくことで、手軽に内容の確認やリース料シミュレーションが行える。
また、リース資産の評価計算結果は、リース契約毎あるいは複数まとめてレポート機能にて確認が可能。月々の使用権資産の価額や減価償却額、リース会社への支払額などが一覧表示され、クリックすれば過去の伝票まで照会できることから、会計仕訳の参照もより手軽に。
(出所:Galileopt DX 固定資産・リース管理公式Webサイト)
固定資産やリース資産をはじめ、外部システムを含む全社の業務データを一元管理できる経営情報システム。資産の現物管理はもちろん、減価償却費の計算、法人税・償却資産税などの税務申告、償却費予算の立案まで、幅広い資産管理業務をサポートする。
更に、償却シミュレーション機能を活用すれば、取得予定・除売却予定の資産を含めた償却費や物件単位での配賦計算について、20年先までシミュレーションが可能。計算結果を減価償却費予算として、同社が展開する財務管理機能「財務大将」に反映させることで、正確な予算立案ができるように。
リース資産管理システムとは、企業が保有するリース資産の契約情報や物件情報、支払情報などを一元管理するためのサービスです。IFRS16号への対応や会計処理の自動判定・自動計算、仕訳の自動作成、契約内容の変更・再リース・解約への対応など様々な機能を搭載しており、業務効率化や内部統制の強化に役立ちます。
リース資産管理システムには、大きく分けて以下の4つのタイプがあります。
リース資産管理だけでなく、固定資産情報と連携させることで二重のシステム運用やデータ入力の手間を省きたい場合や、膨大な量のリース契約情報をより効率的に管理したい場合には、そうした機能を搭載しているタイプを選ぶと安心です。
自社のニーズに合ったタイプがわかったら、今度は以下のポイントに留意しながら最適なシステムを絞り込んでいきましょう。
すでにIFRS16号を採用している場合や、今後導入を進めたい場合には、対応しているシステムが必須となります。また、同時に日本基準やその他の基準も採用している、基準が異なる海外拠点との一元管理を実現したい、といった場合には複数帳簿への対応の有無も事前に確認が必要です。リース契約が増える中、徐々に厳しくなる会計基準にスムーズに対応するためにも、本記事を参考にリース資産管理システムの導入を検討してみてください。
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