Web広告の配信をスムーズかつ効果的に行いたい方へ。商品データの収集や配信内容の作成・配信を一元管理するデータフィードツールの使い方や、用途に合った選び方を紹介します。
データフィードツールとは、Googleショッピングのような検索連動型広告やCriteoのようなダイナミックリターゲティング広告、SNS広告など、Web広告媒体で広告を配信するために必要な「データフィード」を一元管理・最適化するためのツールです。
Web広告では、媒体ごとに求められるフォーマットや必須項目は異なります。そのため、Web広告を配信するためには、企業は商品情報や求人情報などの商材データを個々の媒体の仕様に合わせて変換し、送信しなければなりません。それ以外にも、広告パフォーマンスを向上させるためにキーワード追加やカテゴリの紐付け、効果測定用パラメータの付与などの作業も必要です。
広告の利用頻度が低かったり、媒体数が限られている場合は表計算ソフトなどを使った目視や手作業の管理でも問題ありませんが、一定の規模を超えると手間やミスが起こりがちに。データフィードがずさんになると、広告の表示頻度も減少。結果として、クリック数やCVRも低下するなど、十分な広告効果が得られなくなってしまいます。
データフィードツールを利用すれば、面倒なデータ収集も自動で行えるようになり、媒体ごとに最適化したデータフィードの作成や更新もスムーズに。配信作業の負担が大幅に縮小する上、広告パフォーマンスの向上も期待できます。
データフィードツールを利用するメリットは、以下の3つです。
以下、一つずつ解説します。
従来の手作業では、商品データを何らかの方法で収集し、Excelやスプレッドシートなどの表計算ソフトで管理し、その上、各広告媒体の指定形式にデータフィードを整える必要があります。当然ながら、取り扱う商品数や運用する広告媒体が増えると、その分、収集・加工の作業工数が増大してしまいます。
データフィードツールなら、マスタデータのインポートやクローリングによる自動取得によってデータ取得が完了。媒体に合わせたデータフィードのフォーマットが用意されたツールを利用すれば、最適なデータフィードを自動で作成できます。運用する広告媒体が増えても作業負担を最小限に抑えられます。
商品データの更新を手作業で行っていると、在庫や価格などの情報の更新が煩雑に。迅速な情報更新ができなかったり、在庫切れや料金改定漏れなどを起こしてしまうことも珍しくありません。
データフィードツールを利用すれば、データ収集時と同様に自動で情報更新を行えるため、最新の商品情報が迅速に反映されます。データに基づいて表示価格の変更や在庫が正しく反映されるので、誤情報の提供も防げます。
データフィードツールにより最適化された商品情報を、最適なタイミングで配信できると、広告パフォーマンスの向上につながります。特にユーザーの閲覧履歴や行動履歴に基づき、興味関心の高い商品情報を繰り返し表示するダイナミックリターゲティング広告は、適切なタグ実装などによりCVR向上の効果が期待できます。
データフィードツールには、ツールによって差はあるものの、主に以下のような機能が搭載されています。
機能 | できること |
---|---|
データフィードの作成 | 広告媒体ごとのフォーマットに合わせてデータフィードを作成できる。フォーマットはコピーして別媒体に転用可能 |
データフィードの編集 | 作成したデータフィードを自由に編集できる。タイトルへのキーワード追加、媒体ごとに必要な項目の追加や調整、クリエイティブの調整など |
広告などへのフィードの配信 | 複数の広告媒体のデータフィードを一元管理。URLやFTPなどの連携設定により、ツール画面からワンクリックで配信可能 |
配信先に合わせたデータの最適化 | 配信する広告媒体の項目に合わせてデータのカテゴリをマッピング。推奨される形式に合わせてデータを自動最適化 |
タグの実装サポート | コンバージョンタグやリマーケティングタグなど、ユーザーの行動・閲覧履歴やコンバージョンを計測するタグを実装できる |
クローリング・自動収集 | クローリングに対応したツールの場合、Webサイトや基幹システムにある商品情報を定期的に自動収集できる |
データフィードに必要な商品データなどを取得する方法は以下の2つです。
①XMLフィード型:商品や求人情報など表示させたいデータを、CSVやTSV形式でマスタデータとして出力し、ツールにインポートをする
②クローリング型:Webサイトや基幹システムをプログラムが自動巡回し、情報を自動取得
それぞれのタイプで、以下のメリット・デメリットがあります。
データの収集方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
XMLフィード型 |
|
|
クローリング型 |
|
|
情報取得の方法によって、データフィードツールは「XMフィード型」と「クローリング型」の2つに分けられます。自社の人的リソースやシステムの運用状況により、推奨されるデータフィードツールのタイプは異なります。以下、それぞれのタイプについて、どのような場合が当てはまるか紹介します。自社に合ったタイプはどちらか考えてみましょう。
膨大なアイテムデータが記載されたマスタデータの出力が特徴。担当者の手元でデータフィードの更新内容や更新頻度を柔軟にコントロールし、情報の正確性を上げたい場合には、XMLフィード型がおすすめです。
たとえば、ある求人情報サイトは、約2,000件の求人情報を「dfplus.io」を利用して広告媒体に配信しています。広告媒体のフォーマットに合わせたデータフィードで情報の一括最適化を図り、企業の応募受付状況などに合わせてキーワードや表示頻度を調整したところ、CVRが向上し、応募数が1.8倍に増えたという効果が出ています。
自社でマスタデータの出力ができない場合やデータフィードの知見を備えた人材が不足している場合、あるいは自社Webサイトや基幹システムから素早く自動的に情報を取得したい場合は、自動でデータ収集や更新を行ってくれるクローリング型を選ぶとよいでしょう。
たとえば、あるスポーツバイクメーカーは、データフィード運用に人的リソースを割けないため、クローリング型の「DFOマネージャー」を導入。基幹システムから情報が自動取得・配信されるため作業工数は減少し、効率的な運用で2倍以上の費用対効果を導きました。
自社に合ったタイプが掴めたら、以下のようなポイントで個々のツールを比較検討するとよいでしょう。
EC、求人、不動産、旅行、エンタメなど、業種によって広告配信に必要なデータや、サイト上の表記や仕様は異なります。業種や業態を不問としているツールも多いですが、自社の業種に対応した仕様での運用が可能か、事前確認することをおすすめします。
たとえば、「gyro-n DFM」は、求人、不動産、ホテル、ECと業種別に異なるデータフィードツールを提供しています。ユーザーはその中から自社の業種に合ったツールを選ぶことで、更なる効率化や広告効果の向上が期待できます。中には「e-FEED」のように求人広告に特化したデータフィードツールも。自社の業種にマッチしていれば、特定の業種に強みを持つサービスの利用も検討するのもよいでしょう。
データフィードツールによって対応する広告媒体は異なります。たとえば、「FEED STREAM」ではRakuten LINKSHAREとRakuten SQREEMに対応していますが、「gyro-n DFM」では別途相談が必要といった対応の違いが。配信したい広告媒体があれば、それに対応しているかどうか事前に確認しておきましょう。
また、EC広告を配信する場合、ECシステムやカートシステムと商品データの連携が可能かどうかも比較ポイントになります。以下は連携システムの違いの一例です。
ECシステム連携が可能
dfplus.io(Shopify、カラーミーショップ、MakeShop、futureshopに対応)
Gyro-n DFM(Shopifyに対応)
人的リソースや運用に関する知見などが不足している場合は、運用代行サービスを利用する方法もあります。アウトソーシングプランをオプションで提供しているツールのほか、データ作成からアップロード、管理まですべてに対応する完全委託型もサービスもあるので、社内リソースが足りない場合には検討するとよいでしょう。
たとえば、「DFOマネージャー」や「FEED STREAM」は、XMLフィード型またはクローリング型のセルフツールの提供以外に、アウトソースでの運用プランも用意しています。また、「DF PLUS」や「e-FEED」は、完全委託型のデータフィードサービスを展開。自社内に知見がなくても専門スタッフが自社のデータフィードを運用代行してくれます。
(出所:dfplus.io公式Webサイト)
データフィードの初期構築や最適化、複数のデータフィードの統合管理まで、データフィード管理に必要な機能を搭載。ECや人材、旅行などの業種での活用実績があり、プランにより1万~10万点までのアイテム数を取り扱いが可能。Google ショッピングやCriteoといった主要広告媒体のフォーマットがあらかじめ用意されており、初心者でも簡単にデータフィードを作成できる。ほかにも広告表示イメージを即座にチェックできるプレビュー機能や、Shopifyやfutureshopなど一部のECシステムから商品データをインポートできるデータ連携機能など、データフィードを簡単に運用できる機能が豊富。
(出所:Feed Terminal公式Webサイト)
煩雑なデータフィードの作成・管理を一元的に行えるツール。商品データや配信実績などのデータを結合し、実績が悪いアイテムは除外するなど、配信状況に応じた柔軟なデータの編集や運用が可能。レコメンド広告やショッピング広告、求人サイトなどの広告媒体との連携が可能で、多種多様なメディア仕様に沿ったデータフィード作成に対応している。なお、EC事業者向けのデータフィード管理パッケージは、気象庁の天気予報データと連携させた「天気連動機能」を実装。生活者に必要な商品をレコメンドする機能の拡充を図っている。
(出所:FEED STREAM公式Webサイト)
サービス開始から10年以上の実績を持つデータフィードツール。EC、人材、不動産、トラベルといった業界を中心に多方面の業種、50以上の広告媒体への配信に対応しており、累計400社以上の導入実績を誇る。
XMLフィード型での運用を基本としているが、マスタデータの用意が難しい事業者向けにクローリング技術によるデータ収集が可能なオプションも用意。また、ECサイトにおけるカテゴリ紐づけ作業のオプション、アウトソーシングによる運用サポート、1ヵ月のトライアル期間、オフライン・オンラインによる導入・運用支援などのサポートが充実している点が特徴。
(出所:DFOマネージャー公式Webサイト)
Webサイトはもちろん、JavaScriptで構成されているページや基幹システムなどからクローリング技術でデータを自動取得し、データフィードを行えるツール。ECサイト、人材、不動産、旅行、エンタメなど、幅広い業種の広告を運用可能。Shopifyとfutureshopを運用するEC事業者はカートシステム連携機能により、カートに登録された商品データに基づいた広告配信をスムーズに行える。15年以上の運用ノウハウを生かしたサポートも充実しており、広告パフォーマンス向上につながるタグ実装サービスやデータ加工、効果測定パラメータの付与、データ異常検知などの保守にも対応。アウトソーシングによる運用プランも備えている。
(出所:Gyro-n DFM公式Webサイト)
求人、不動産、ホテル広告、ECを中心とした広告フィードに対応したデータフィードツール。ダイナミックリターゲティング広告「Criteo(クリテオ)」を中心に、Google、主要SNS広告など幅広い広告媒体のフォーマットが用意されており、自動最適化による広告運用が可能。クローリング技術により、日々商品データを自動取得・自動更新し、常に最新のデータフィードで広告配信できるなど、データフィード運用の自動化を実現できる。広告パフォーマンスを向上させるタグ最適化のサポート、外部サービス「ADEBiS」との連携による広告効果測定を行うオプションも用意されている。
(出所:DF PLUS公式Webサイト)
データフィードの作成や配信などを完全委託で行えるサービス。運営会社はデータフィード専門イベント「FeedTech」を主催するフィードフォース社で、対応する広告媒体は50以上、導入実績は300社以上とデータフィード領域における実績も豊富。配信を希望するデータのフィード作成可否の診断および見積、スケジュールの作成を無料で行え、契約後最短3営業日で運用開始できる。なお、取り扱える商品データ数は4,000万件、ファイルサイズは40GBまで対応可能。
(出所:e-FEED公式Webサイト)
Indeed、スタンバイ、求人ボックスなど、複数の求人媒体に掲載されている求人情報を集約して掲載するアグリゲート型求人サイトに特化した、完全委託型のデータフィード運用サービス。運営会社のイオレ社は、Indeedのゴールドパートナーとして認定されている。広告運用担当が一貫してフィード運用を担当し、毎週ABテストによる効果検証を行うなど、フィード内容のPDCAの高速化を図り、広告のインプレッション数やクリック数、応募数の最大化につなげる。
データフィードツールを活用すれば、煩雑なデータフィードの作成と管理がスムーズになり、広告配信の最適化・効率化につながります。
データフィードツールは「XMLフィード型」「クローリング型」の2タイプに分かれるため、運用リソースの状況や運用用途に合わせて検討するとよいでしょう。タイプ内のツールを個々に比較検討するうえで留意すべきポイントは下記のとおりです。
ツールによりデータフィードの定期的な更新が行えると、広告表示回数や購入数、応募数などのコンバージョンの増加も期待できます。自社の課題に合わせて、最適な運用方法を検討してみてください。
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