大量のコンテンツや書類を効率的に校正・校閲したい方や、コストを抑えて正確な校正・添削を行いたい方へ。AI文章校正・添削ツールの便利な機能や、無料版と有料版の違い、目的別の選び方、注意点と合わせて、おすすめのツールを紹介します。
AI文章校正・添削ツールとは、AIを用いた自然言語処理技術などで文章の正誤を判断し、より正確な文章表現を提案するツールです。
AI文章校正・添削ツールでは誤字脱字などの単純なミスだけではなく、文脈を理解して同音異義語や変換ミス、二重敬語なども修正できる点がメリット。企業独自の校正ルールを設定したり、メディアや商品ごとにより細かくルールをカスタマイズできたりするツールもあります。作業の省力化と文章の品質向上を両立できます。
AI文章校正・添削ツールには、完全無料で使えるツールと、有料/無料プランから選べるツールがあります。後者のうち、無料版は有料版への切り替えを想定したものが多く、ほとんどの場合で機能面や文字数、利用回数などに制限が設けられています。
無料版の機能は、基本的な誤字脱字などのチェックや、簡単な文章表現の提案がメインです。有料版にアップグレードすることで、更に次のような機能が使えるようになります。
無料版の多くは、チェックできる文字数や利用できる機能に制限があります。一方、有料版であれば、利用回数や文字数の制限が緩和され、プランによっては無制限での利用も可能です。
有料/無料のシンプルな2プランを提供している「IWI日本語校正ツール」の場合、無料版では1,000文字まで、有料版では10万文字まで対応。「Shodo」の個人利用向け無料版は、校正API 10,000文字で商用利用不可となっていますが、有料版では校正API 50,000文字に増え、商用利用もできます。
ここでは、有料版ならではの便利な機能について、詳しく解説していきます。
汎用的なAIではなく、校正・校閲に特化して開発されたAI機能が使えるのが特徴です。
たとえば、朝日新聞社が開発した「Typoless」では、経験豊富な校正・校閲者により選ばれた、膨大な校正履歴や長年にわたる記事データを学習したAIを使用。高性能のAIと、社内ノウハウを詰め込んだルールを組み合わせ、高度な校正・添削を実現します。「IWI日本語校正ツール」は「公用文作成の考え方」に即したチェックに対応。公共性、公平性が求められるシーンで活躍します。
「Shodo」ではAIが日本語や文脈を判断して正誤を検出し、単純な置き換えルールでは対応できないミスも修正可能。文章自動チェック機能を搭載した「review-it! for Document」であれば、誤字脱字や表記ルール違反を一括検出でき、制作業務を効率よく進められます。
ほかにも、「エンターテインメント」と「エンターテイメント」のように、登録した単語に沿って言葉の揺らぎを見分ける「曖昧検出機能」を搭載した「AI editor」のようなツールもあります。
「分かる」と「わかる」のように、単語ごとの表記ルールは会社やメディアによって異なります。あらかじめ独自のルールを設定できるAI文章校正・添削ツールが多いことも、有料版ならではの特徴です。
「文賢」や「IWI日本語校正ツール」では、独自ルールを辞書としてまとめることが可能。会社内の部署で辞書を分けて使用する際、毎回ルールを設定し直す必要がなく、スムーズな校正チェックができます。
特有のルールが多い業界・企業であれば、導入前に検証をして、独自のルールに沿ったシステムを構築する「review-it! for Document」のようなツールがおすすめです。
アップロードしたファイルを校正・校閲できるツールもあります。
たとえば、「AI editor」や「IWI日本語校正ツール」では、Excel、Word、PowerPointに対応しています。一方、「review-it! for Document」では、PDFファイルの読み取りとチェックが可能。サービスによってアップロードできるデータの種類が異なるため、事前に確認が必要です。
共有機能を持つAI文章校正・添削ツールであれば、チームでの文章チェックが迅速に。たとえば、「Shodo」は相互レビュー機能を搭載しており、オンライン上での相互チェックや、修正履歴の管理が可能。必要に応じて文章の確認依頼やコメントの添付もでき、連携を強化しながら業務効率を向上させます。
文章内のミスを指摘するだけでなく、文章の改善案を提案したり、読み上げたりといった、サポート機能が付属しているAI文章校正・添削ツールもあります。たとえば、「Typoless」では、偏見や差別的表現を確認できる「炎上リスクチェッカー」や、30項目のチェックで文章を読みやすくする「良文サポート」を搭載しています。
「文賢」では、最先端の大規模言語モデルを用いたAIによるサポートを提供。更に、文章の読み上げや、漢字の使用率チェック、ツール側が指摘した内容をコメントとして印刷できる機能もあり、文章作成やチェックを効率化できます。
そのほか、「Shodo」では、日付や曜日の間違いチェックや、技術用語の修正にも対応しています。
ファイルの読み込みだけでなく、Wordや Google Chromeのアドオン・アドインとして使える校正・添削ツールも。使い慣れたツール上でそのまま校正・校閲作業が行えます。
Google Chromeの拡張機能を使い、Gmai送信時の校正・添削ツールチェックにより誤送信を予防する「文賢」など、通常業務に役立つツールもあります。
導入目的を明確にすることで、適切なAI文章校正・添削ツールを絞り込めます。
文章のクオリティを高め、より読みやすく、わかりやすくするには、校正機能に加えて、文章作成に役立つアシスト機能が充実したAI文章校正・添削ツールがおすすめです。
たとえば、「Typoless」ではAIとルール辞書を併用して精度の高い校正を提供。「良文サポート機能」「炎上リスクチェッカー」をはじめとするサポート機能も豊富です。「文賢」も言い換えや慣用句などを提案する文章表現サポートを備えており、コンテンツのクオリティ向上が期待できます。
誤字脱字や二重敬語など、日本語の不自然な点を効率よく削減したい場合は、シンプルな機能に絞ったツールがおすすめ。無料ツールも選択肢になるため、コストを抑えて手軽に利用できます。
たとえば、「IWI日本語校正ツール」の無料版は、アカウント登録不要で気軽に利用可能。文章をコピー&ペーストしてからチェック開始をクリックするだけで使え、ファイル読み込みにも対応しています。
「Shodo」の無料版では一部機能に制限はあるものの、基本的なAI校正ができます。有料版では、プランに応じて二重敬語や日付の間違い検知など、より高度な機能が追加されます。
メディアや商品ごとなど対象に合わせたルール設定や、複雑なルール設定にも対応したツールがおすすめ。チームメンバー全員が、会社特有の校正ルールに沿って、誰でも同じように校正できる環境を構築できます。
「AI editor」の場合、独自の校正ルールを登録した上で校正チェックができます。使用禁止の単語はもちろん、「1人」や「一人」といった表記ゆれしやすい単語の正誤表現、電話番号など組み合わせが固定されている単語との関係性をもとにした表記ルールなども設定可能。複数ルールのグループ化や、ルール同士の組み合わせにも対応しています。
法的問題の発生や、問題による信頼の低下を防ぐために、AI以外のシステムも併用してミスや抜け漏れを徹底的に予防できるツールが適しています。金融機関など、ミスが許されない環境での書類作成にも向いています。
金融業界(銀行・保険・カード)や製薬業界での導入実績が豊富なのが「review-it! for Document」。表記ゆれだけでなく西暦や日付、呼応表現など、細かな文章表現の正誤判定ができます。更に、「お客様用語ルール」として、企業ごとの制作ルールに基づいて禁止語句や注意語句も検出し、注意喚起アラートによりミスの発生を予防。特定の文章に対する必須文言にも対応しています。
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(出所:Typoless公式Webサイト)
AIと朝日新聞社のルール辞書を駆使した校正が特徴のAI文章校正ツール。朝日新聞社が保有する40年分の記事校正データをAIに学習させており、新聞に使われるようなフォーマルな文章校正を得意とする。AIは定期的に朝日新聞の校正履歴を追加学習するため、新たな単語やミスにも対応しやすい。
「看護婦」や「父母会」などのジェンダー表現をはじめとする、避けたほうがよい言い回しも指摘。多様性の社会に配慮した言葉選びができる。
個人契約の場合は「スタンダード」「プレミアム」「プレミアム+Plus」から、チーム向けの法人契約の場合は「エンタープライズ」「エンタープライズ+Plus」から選択。プランによっては、偏見や攻撃的な表現の可能性がある文章をチェックできる「炎上リスクチェッカー」や、年月日と曜日の不一致などを確認する「良文サポート」なども利用できる。
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(出所:文賢公式Webサイト)
細かく項目分けされた文章チェックと、幅広い文章表現の提案を得意とするAI文章校正ツール。「ルール校正」「ルール推敲」だけでも合計35項目にわたるチェック項目があり、より読みやすく、間違いの少ない文章になるようサポートする。文章でチェックされた場所には解説や改善例が提示されるため、ただの修正にとどまらず、知識が文章作成者の身に付きやすい点が特徴。
文章表現の分野では、感情や行動を表現している言葉の関連表現が提案される。単語だけでなくことわざや比喩表現にも対応しており、文章表現の幅を広げやすい。特定のキーワードに対して、問いかけにより具体性の高い文章を作成する「問いかけ機能」も搭載。
Google Chromeの拡張機能を使えば、Webページで気になった文章を文賢に送信してすぐにチェックできる。
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(出所:Shodo公式Webサイト)
文章を打ち込むだけで自動校正を行うAI文章校正ツール。ソフトのインストールは必要なく、プランを選択、購入すればブラウザですぐに使用できる。独自ルールにも対応しており、表記ゆれをExcelファイルなどから一括インポートすれば、活用形や助詞を含むルール通りのチェックが容易。
記事の執筆ステータスや期限をわかりやすく一括管理できるため、記事の見落としをはじめとするヒューマンエラーを削減。同じ記事に対してチームメンバーのコメントが付けられ、お互いにコメントをしあって記事のクオリティを向上させられる。
個人利用向けの無料版「ベーシック」プランには文字数制限などがあるものの、AI校正や相互コメント、記事のステータス管理といった基本的な機能を使用できる。有料プランは機能やユーザー数に応じて3種から選べる。
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(出所:IWI日本語校正ツール公式Webサイト)
公用文のチェックに対応しているAI文章校正ツール。「公用文作成の考え方(令和4年1月11日内閣官房長官通知)」に従い、常用漢字でない漢字や外来語の使い方を含めてチェックを行う。AIが文脈を考慮した上で文章チェックをするため、修正しても違和感のない文章作成が可能。ブラウザ上で文章を入力し、「チェック開始」をクリックするだけで簡単に利用できる。
1,000文字まで対応する無料版では標準設定のルールをもとに校正する。有料の「Proプラン」では10万文字まで対応するほか、作成した用語集に則り、独自ルールに沿った文章作成を効率よく行う機能などを利用可能。
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(出所:ユーザーローカル文章校正AI公式Webサイト)
完全無料で使えるAI文章校正ツール。ChatGPTと連携し、誤字脱字、助詞のミス、ら抜き言葉などを検知する。文体を「である調」「ですます調」から優先したい方を選択・変換でき、任意の場合は自動で判断する。ブラウザ上のテキストボックスに文章を入力して「校正」ボタンを押すだけと使用方法も簡単。
そのほか、記事・レポートが生成AIで書かれた可能性を推定する「生成AIチェッカー」や、文章を生成AIで自動要約する機能なども無料で提供している。
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(出所:AI editor公式Webサイト)
商品ごとにルール設定ができるAI文章校正ツール。「いたします」「ください」など、人によって表記が分かれがちな表現を指定したり、使用禁止ワードを設定したりと柔軟なルール設定ができる。この単語の次には決められたキーワードが来る、というような単語同士の関係性の登録もでき、自社商品ならではのミスを防ぎやすい。登録画像に対して、縦横比や編集の有無などを自動で判断できる画像チェック機能も特徴の一つ。
企業ごとにアカウントを発行できため、同じチームに属していれば共通のルールで作業を進められるのもポイント。アカウント数に応じた3つの有料プランを用意。多数の企業で共同作業を行いたい場合は、アカウント数無制限の最上位プラン「アドバンスドプラン」がおすすめ。
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(出所:review-it! for Document公式Webサイト)
校正業務における幅広い文章チェックを一括で実行できるAI文章校正ツール。PDFファイルにも対応しており、2枚のPDF間の差分を検知したり、テキストチェックを行ったりできる。原稿作成やデザインの製作時から活用できるため、初校の時点で記載ミスや抜けもれを削減できる。全体の修正回数が減ることで、チームの作業効率化にもつながる。
「業務支援機能」「業務管理機能」「日本語文章校正」「お客様用語ルール」「一般用語ルール」「文字列一致判定」などの機能を搭載。表記ゆれや特定文字列の誤字脱字など、細かな設定が可能。
最後に、AI文章構成・添削ツールを利用する上で、注意すべき点を解説します。
AI文章校正・添削ツールはすべてのミスを100%確実に検知できるわけではなく、時には指摘が間違っていることもあります。ツールの校正・添削はあくまで提案として参考にしつつ、最終的には人間によるダブルチェック、ファクトチェックが必要です。
AI文章校正・添削ツールの対象範囲には限界があります。対応範囲は製品ごとに異なりますが、たとえば以下のケースについての注意が必要です。あらかじめ確認しておきましょう。
校正履歴や、記者ハンドブックといった学習データがあらかじめ提供されていない場合は、自社でルールを用意・設定する必要があります。更に、大文字・小文字の区別や固有名詞など、自社独自の表記ルールが膨大にある場合は、一度整理して学習させる必要も。精度の高い校正・添削ができる環境を構築するまでには、ある程度の時間がかかると心得ましょう。
多くのAI文章校正・添削ツールは、校正時の文書データをAIの学習データとして使用するために、サーバーに保存しないことなどを規約に明記しています。しかし、規約に明記されていない場合には、学習データとして使用される可能性を否定できません。明記されていた場合でも、突然規約が変更になるケースもあり、契約後も注意が必要です。
AIによって高精度の校正・添削を実現する「AI文章校正・添削ツール」を紹介しました。単純な誤字脱字はもちろん、文脈を判断してより自然な文章を提案する、企業独自のルールに従って校正するなど、多彩な機能で文章作成・添削をサポート。校正の負担を軽減しながら、文章のクオリティを高めます。
有料ツールでは、ファイルアップロードや複数人での共同作業といった、より高度な機能で作業効率を向上させられます。ツールによっては、完全無料で利用できたり無料プランを用意しているツールもあるため、上手く利用すれば低コストで手軽に使い心地を試せるのもポイントです。
AI文章校正・添削ツールは、以下の導入目的や予算に合わせて選定することで、適切なツールが絞り込めます。
(1)文章の品質を高めたい
(2)誤字脱字を効率的に削減したい
(3)独自の校正ルールをチームで共有したい
(4)記載ミス・モレの防止を徹底したい
高精度の校正・添削を提供するとはいえ、「ツールに頼りきらない」「場合によっては初期設定に手間がかかる」といった、利用上の注意点も心に留める必要があります。適切な運用のもと、ツールを活用して質の高い文章を効率的に作成していきましょう。
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