法人向けIT製品の比較・選定を支援する情報メディア「アスピック」の編集部。 SaaSや業務システムを中心に、バックオフィス・営業・人事・マーケティングなど幅広い領域のIT製品を調査・比較し、導入検討に役立つ情報を発信している。 各サービスの機能や料金、導入実績などの公開情報をもとに、ユーザー視点でのわかりやすい整理を重視してコンテンツを制作。また、実際の利用シーンや業務課題を踏まえ、企業のIT活用による業務効率化や課題解決につながる情報提供を行っている。
画像や動画、音声といった膨大なデータの管理や社内外とのやり取りにお困りの方へ、デジタルアセット管理システムの必要性や導入効果、活用のポイントなどとともに、おすすめシステムを紹介します。
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デジタルアセット管理システムとは、画像や動画、音声などのデジタルデータを一元管理することで、データ活用を効率化させるための仕組みです。デジタル資産管理システムやDAMシステムとも呼ばれます。
従来、デジタルデータはファイルサーバーやファイル転送サービスなどを通じて、社内外の関係者と共有してきました。しかし、デジタルデータの種類や点数が増えたり、データを活用する媒体が増えたりすると、データを管理しきれなくなり、「必要なデータを探すのに時間がかかる」「最新のデータがどれかわからない」「媒体ごとにデータを渡すのが大変」といった問題が生じてしまいます。
そのような際に、デジタルアセット管理システムを用いれば、「検索ですぐに探せるようになる」「データのバージョンが管理される」「マスタデータが各媒体に共有される」などの利便性が得られます。
今回はデジタルアセット管理システムに興味があるものの、「具体的にどんなメリットがあるか知りたい」「活用イメージを持ちたい」「自社に合いそうなシステムがあるのか知りたい」とお悩みの方向けに、デジタルアセット管理システムのメリットや活用のポイント、おすすめのシステムなどを紹介します。
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デジタルアセット管理システムが便利そうなことはわかりましたが、コストをかけてまでシステムを導入すべきなのか、必要な理由3点を見ておきましょう。
まず、販売や販促におけるチャネルの多様化・複雑化への対応が挙げられます。販売チャネルは、実店舗や代理店での販売のほか、自社のWebサイト、各種ECサイトなど多岐にわたるように。近年ではFacebookやInstagramにショッピング機能が追加され、ワンストップで決済まで完了できるようになったことから、SNSも販売チャネルの1つとして活用されています。
販促においては、従来の紙媒体の広告やカタログ、チラシに加え、Web広告やメール広告、SNS、アプリなどの利用も一般的になり、それぞれに掲載する素材として画像や動画などを含むデジタルデータが必要です。
デジタルデータを管理する関係者や受け渡しをする相手先が増えただけでなく、各販売チャネル、各販促ツールに合わせてサイズや形式を変更する必要があるため、複雑化も進んでいます。
SNSなどでユーザーの情報量が増え、競合との競争が激化する中、新商品を投入する場合も、これまでより短期間で開発・販売することが求められるように。それに応じて、販促プランの策定やプロモーションの実施もよりスピーディーに行う必要があります。
バラバラに保管された大量のデータの中から必要なデータを探す作業や、相手への受け渡し作業に手間取っていると、サイクルに遅れが生じ、競合に先を越されてしまうことにもなりかねません。
かつては広告代理店一社に任せて、そこに素材を渡しておけば大丈夫といったケースも多かったかもしれません。しかし、最近では得意領域によって取引先を使い分ける場合や、簡単な事務作業は社員が対応するのではなくアウトソーシングする場合などもあり、業務委託先が多様化する流れに。たとえば、気が遠くなるようなECサイトへの商品登録・出品作業は、クラウドソーシングを活用してカバーするケースも増えています。
以上の3つの要因から、デジタルデータの管理・共有は非常にボリューミーで煩雑な業務になっており、今後もその業務負担は拡大していくことが予想されます。
企業としては、デジタルデータのより適切な管理が求められる中で、データの管理・共有を手軽に実現するために、デジタルアセット管理システムの導入はコストをかける価値のあるソリューションとして期待されています。
デジタルアセット管理システムを実際に導入することで、業務にどのような変化があるのか、具体的なメリットを4つ紹介します。
まず、イメージしやすい導入メリットとして、データ受け渡しの時間短縮が挙げられます。販促に必要なデジタルデータは、すべてデジタルアセット管理システム上に集約されるので、社内外を問わず、必要な人が必要な時に必要なデータを簡単に入手可能です。
以下、取引先と社内のそれぞれの共有シーンについて、より詳しく解説しています。
たとえば、全国に代理店や提携店舗がある場合、キャンペーンなどを実施するたびに最新版のコンテンツを配布するとなると、受け渡し作業だけでも大きな負担に。各店舗の担当者がデジタルデータの扱いに慣れているとも限らないため、利用方法の説明に追われてしまったり、店舗によってはうまく利用できずにあきらめてしまったりするケースも考えられます。
「せっかくキャンペーンを行っても展開してもらえない」「古いコンテンツのまま更新されない」という事態を避けるためにも、提供する側の手間の削減だけでなく、受け取る側にとっても手軽に利用できるシステムが望ましいです。
その際、「CIERTO」のように、アカウントを持たない相手にも、ダウンロード用のURLを送るだけで共有できるタイプだと安心です。
社内においては、アクセス権限の限られたファイルサーバーでコンテンツが管理されている場合、たとえば「◯◯のような画像が欲しい」という曖昧な依頼がデータ管理担当者へ寄せられた際、該当しそうな画像を探してフォーマットを変換し共有するといった流れでは、手間も時間もかかります。また、提供したデータが相手の希望していたものと違っていて、再度探し直さなければいけないといったケースも。
デジタルアセット管理システムを導入すれば、誰でも必要な時にデータを検索して入手できるように。システムによっては、データの形式やサイズ変換などの簡単な編集作業を行えるものや、データのアップロードや値変更などのファイル操作をトリガーに、画像補正やフォルダ移動、関係者へのメール通知などの動作を自動化するものも。業務スピードの向上が期待できます。
管理担当者の負担が減るだけでなく、関係者それぞれが蓄積された様々なコンテンツの存在を知ることで、販促や営業活動において新たな活用方法を見出せるといったメリットも考えられます。
企業サイトやECサイト、SNSなど、様々な媒体の運営・管理が効率化される点もメリットです。これまでは、一製品のキャッチコピーや価格を変更する場合、関連する画像や商品情報を差し替える必要があるため、運営するすべての媒体を一つひとつ変更しなければならず、大変な手間がかかっていました。
CMS連携機能を備えたデジタルアセット管理システムを利用すれば、商品写真や商品情報などのマスタ情報をCMSに流し込んでコンテンツを制作することが可能に。システム上のマスタ情報を書き換えるだけで、ECサイトやカタログ上の情報が連動して自動的に最新情報へ更新されるようになります。
差替え作業や校正を行う必要がなくなり、手間が大きく削減されると同時に、古い情報が残ったままになってしまうリスクも回避できるように。外注していた場合は、そこにかかるコストや依頼のやり取りをすべてカットできるため、大幅な効率アップが見込めます。
Adobe IllustoratorやPhotoshop、InDesignなどの専用アプリケーションのライセンス費用を抑えられる点もメリットといえます。コンテンツ制作過程において、販促担当者自身はコンテンツ編集をしないにもかかわらず、制作に利用する素材や完成した制作物を確認するために、上述のようなアプリケーションのライセンスを購入して閲覧する必要がありました。
完成イメージを確認するためだけにライセンスを購入するのはもったいないということで、購入せずに制作会社に依頼し、必要がある度にPDFに変換して送付してもらう、という手もありますが、その手間は結果的に費用として上乗せされてしまう可能性も。
デジタルアセット管理システムでは、プレビュー表示で仕上がりを確認できるのはもちろんのこと、画像のサイズ変更やフォーマット変更、トリミング、動画の切り出しなど、多少の編集まで行えるものもあります。
デジタルアセット管理システムの導入は、企業ブランディング強化にもつなげられるように。万が一、データの差し替えでミスをしてしまい、Webサイトやカタログに新旧の情報が混じってしまうと、企業の信頼性やブランドイメージへも影響してしまいます。
また、最近では各ECサイトに限定モデルが用意されることも多く、一見同じ商品でも微妙に色やデザインなどが異なり、画像をぱっと見ただけではわかりづらいケースもあります。誤って別のサイトに掲載してしまうようなことがあれば、その影響度合いは少なくありません。
管理担当者の手間を省くために社内で自由に使えるようにしてしまうと、人物写真などのコンテンツには「WebのみOK」 「配布ツールへの使用はNG」など細かい使用規定があるにも関わらず、気が付かずに使用されてしまうリスクも。誤って使用期限の切れた画像をうっかり使い続けてしまう可能性も考えられます。
これらのトラブルは、デジタルアセット管理システムの各機能を利用することで回避できるように。前述の「CMS連携機能」を使えば、古いデータが残ることなく、自動で連携して差し替えが行われ、「著作権情報管理機能」や「ダウンロードコントロール機能」を利用すれば、細かな利用制限や使用期限の設定ができるため、「誤って利用される」「勝手に利用される」といったことが防げます。
導入メリットを得るためにも、デジタルアセット管理システムの活用のポイントを見ておきましょう。
販促コンテンツを一つ制作する場合でも、デジタルアセット管理システムを利用することで、データの入稿から共有、修正指示、承認、配信までの全工程をオンラインで進行できるようになります。
しかし、承認フローや閲覧権限など、制作フローごとに使い方や設定すべき内容は異なるように。そのため、既存の制作フローに合わせてシステムの設定を変更するのか、あるいは、システムでできることに合わせた制作フローにするのかを見直す必要があります。
予算が十分にある場合は、その設定を含めたコンサルティングを導入時に依頼するとよいでしょう。予算も手間もあまりかけられない場合は、制作フロー全工程ではなく、特定の工程で利用するなど、使いどころを決めてスモールスタートするのがおすすめです。
デジタルアセット管理システムはデータを共有するツールであるため、関係者が皆で使ってこそ価値が発揮されるように。社内外問わず、関係者が多い場合でも、全員がデジタルアセット管理システムを利用してデータを扱う必要があります。
一人でも「別ツールで管理したい」「従来通りメールでの受け渡しをしたい」「別のオンラインストレージで受け取りたい」などといった要望を許容してしまうと、せっかくの導入効果が大きく損なわれてしまいます。中途半端に別のやり方を認めず、皆に使ってもらうことこそが最大限活用できるコツです。
そのためにも、頻繁に使う管理者はもちろんのこと、たまにしか利用しない人にとっても、アクセス・操作しやすいタイプがよいでしょう。ログイン不要で、アカウントがなくてもURLをクリックするだけでダウンロード・アップロード・閲覧が一時的にできるような簡単な仕組みのシステムを選べば、店舗などの忙しい現場の人でも、誰でも気軽に利用してくれるはずです。
社内外とのスムーズな共有に役立つ、おすすめのデジタルアセット管理システムを紹介します。
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(出所:CIERTO公式Webサイト)
コンテンツ制作分野に特化して20年以上取り組んできた同社が実績やノウハウを活かして開発したデジタルアセット管理システム。データの一元管理はもちろん、制作フローもデジタル化。承認フローも自由に設定することができる。
画像編集ソフトを使わなくてもシステム上でデータの確認や簡単な編集ができるほか、著作権情報の管理や使用期限の切れたデータのダウンロード制限、画像補正や関係者への通知といった定型作業のオートメーション化など、便利な機能が豊富にそろう。WebCMS「HeartCore」とのCMS連携も可能だ。
ログインアカウントを持たないゲストユーザーに対し、有効期限付きのURLを通知して共有することもできる。
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(出所:IMAGE WORKS公式Webサイト)
安全で効率的なコンテンツ共有・管理を実現するクラウドサービス。コンテンツの企画、制作時の大容量かつ重要なデータの共有から、完成成果物の一元管理、データ活用、配信、アーカイブ、 廃棄まで対応可能だ。
検索性に強みを持ち、100項目を超えるメタ情報から、業務・用途に合わせて検索・表示項目を自由に作成。独自のデータベースからフリーワードや絞り込み検索によって、必要なデータを素早く探し出せる。あらゆるドキュメントや資料の中も検索できる「文章内検索機能」や、AIが対象画像を分析して類似画像を自動で抽出する「類似画像検索機能」も備える。
登録されるファイルは通信・保管ともに暗号化され、登録時にリアルタイムでウイルスチェックが行われる。統制管理機能も充実しており、各種権限・設定も詳細にコントロール可能。ユーザーのデータは堅牢なシステムセキュリティと運用体制で守られる。
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(出所:OpenText Digital Asset Management公式Webサイト)
企業情報管理分野の世界的リーディングカンパニーが手掛けるデジタルアセット管理システム。グローバル規模の企業に対応する拡張性を備えており、画像やビデオ、アニメーション、ポッドキャストなどリッチメディア資産の整理や保存、配信に役立つ。
モバイル用のメディア管理アプリが用意されているため、外出先からでもスマホでアクセスし、データの検索やフォルダへの移動・コピー、ほかのユーザーへの共有などの操作が可能。マーケティングコラボレーション機能を使えば、社内外の制作チームにタスクをアサインしたり、進捗を管理したりすることができる。スピーディーに適切な画像を発見するために、人物の顔や年齢、性別、各種説明文、色、OCRからの情報などから画像を特定できる自動タグ付け機能も用意。
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(出所:Adobe Experience Manager Assets公式Webサイト)
PDFやPhotoshop、InDesign、Illustratorで有名なAdobeの提供するデジタルアセット管理システム。Experience Manager Assetsに保管されているあらゆるアセットをPhotoshopやIllustrator、InDesignから直接デザイン・編集できる点が強み。Creative Cloudと連携することで、より効率的に業務を進められる。
Adobeの人工知能と機械学習のエンジンであるAdobe Senseiを利用して、各チャネルやデバイスに合わせてアセットを作成可能。タグ付けや切り抜き、最適化など、配信のための手間のかかる作業を自動化することもできる。
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(出所:Sitecore Digital Asset Management公式Webサイト)
CMSで有名なSitecore社が手掛けるデジタルアセット管理システム。デジタルアセットの効率的な管理・共有・配信を包括的にサポートする。メタデータやタグ付け機能AIを活用した検索機能によって、必要なデータにスピーディーにアクセス可能。マーケティングチームやクリエイティブチーム間の連携を強化する。
同社のほかの製品やサービスとの連携により、デザインから配信までのワークフローを円滑化。オムニチャネル対応の配信機能や自動フォーマット変換により、Webやソーシャルメディアなど多様なチャネルでの利用にも適している。コンテンツ管理やパーソナライズを統合的に行うことで、企業ブランドの一貫性を維持しながらデジタル体験の向上に貢献する。
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(出所:Nuxeoプラットフォーム公式Webサイト)
3Dも含めてあらゆるコンテンツタイプを一気にアップロードできる、オープンソースのデジタルアセット管理システム。バルクアップロードやAPIアップロードといった機能を備えている。通知やファイル変換などの管理タスクを自動化することで業務効率化にも役立つ。
また、詳細なワークフロー設定が行え、コンテンツの管理方法も素早く簡単に変更。Nuxeo Adobe CC Connectorを使えば、Creative Cloudのファイルも編集することも可能だ。
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(出所:TOPPAN Light-DAM公式Webサイト)
出版、流通、メーカー、官公庁など、多様な現場で利用されているデジタルアセット管理システム。アセットにメタ情報やタグを自由に設定でき、独自の分類が可能。タグ検索や全文検索機能を含む、様々な検索機能が搭載されており、必要なデータにスムーズにたどり着ける。ファイル形態の制限や、登録可能なデータ件数がないため、データ量が多い企業にも有効。全社での活用はもちろん、外部の関係者とのやり取りが必要な場合など、ユーザー数無制限で利用できるのも嬉しい。
既存システムとの連携や、承認フロー機能追加、データの公開・非公開設定など、様々なニーズに合わせたカスタマイズにも柔軟に対応する。
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(出所:Bynder公式Webサイト)
グローバル市場で高い評価を獲得している、クラウド型デジタルアセット管理システム。外部システムとのシームレスな連携に強みを持ち、各種主要なCMSやECプラットフォーム、SNSなどとの豊富な連携機能を用意する。
AIによる自動タグ付けやメタデータに基づく高度な検索機能を備え、膨大なデータの中から目的の素材をスピーディーに特定可能。社内外を問わず、チーム間の共同作業を円滑にする。ブランドガイドラインの一元化や自動フォーマット変換機能により、企業ブランドの一貫性を維持しながら、オムニチャネルへのスムーズなコンテンツ展開に貢献する。
デジタルデータやコンテンツの社内外での共有に役立つ、デジタルアセット管理システムの必要性や導入効果、活用のポイント、おすすめのシステムなどを紹介しました。
デジタルデータの保管場所としてオンラインストレージを選ぶのではなく、デジタルアセット管理システムを導入することで、デジタルデータを企業の資産として安心して管理・活用することが可能になります。
本記事で紹介した内容を参考に、デジタルアセット管理システムで何を解決したいのか、達成したいのかを検討した上で、自社に合った適切なシステムを検討してみてください。
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